どうもこんにちは、石崎力也です。
今回は、見込み客に影響を与える3つ目の方法「価値観の共有」についてお話をしていきましょう。前回、影響を与えるための方法として「共通の敵を作る」ことを紹介しましたが、それを肯定的に捉えた方法となります。共通の信念に基づいて、見込み客を結び付けていくことがポイントです。僕たちは似た価値観を持つ人に惹かれます。ミスチルが好きな人はミスチルが好きな人同士でグループを作ります。ミスチルの公式チャンネルのコメントにはよく「ミスチルを好きな人に悪い人はいない」という非常に偏った考え方が散見されます。それはシンプルに、自分と似た考えを持つ人をウェルカムしたいという心理が働いているに過ぎません。あなたが見込み客に影響を与え、商品をより多く販売するためにも今日紹介する「価値観の共有」を使ってください。ちなみに僕も過去を振り返って、ミスチルを好きな人に悪い人はいなかったように思います。
価値観とは、あなたの人生を支えるガイドラインであり、道徳でもあります。しかし、価値観というものは、常にはっきりとしているものというわけではありません。そのためじゅうぶんに自己理解を深め、価値観の核心に迫っていかなければなりません。
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会社が企業理念を作るのは価値観に同調する人を惹きつけるため
人生には正しい生き方も間違った生き方もありません。しかし、どんな人であってもそれぞれの人生の中に道徳的かつ倫理的なルールを持っているはずです。そして、そのルールは人によって大きく異なります。
ポイントは、ほとんどの人が気づかない間に、自分と似た価値観を持つ人に惹かれていく傾向にあるということです。特定のシチュエーションにおいて、この傾向は顕著になります。例えば、宗教。同じ教義を信じている人々は、同一の倫理観・道徳観を共有しています。教義という名の価値観は、彼らが生きていくためのルールであり、彼ら自身が自らに課した基準なのです。
会社には企業理念という名の価値観が存在し、その価値観に同調する人たちが自然とその会社に引き寄せられていきます。価値観を意識しているかどうかに関わらず、人々は共有された価値観の中で同調できるものへ集まり、協力し、支援したいと考えるようになるのです。
会社とはビジネスです。ビジネスとは利益目的で行うものです。そのため、企業の最終目標は「お金を稼ぐこと」のはずです。しかし、どの企業も自社製品を収益化のための手段としては考えていません。企業は自社製品のことを、より高度な目標や使命を達成するための方法や道具として捉えていることがほとんどです。
スターバックスのグラノーラ・バーが売れる理由
スターバックスに行くと「This Bar Saves Lives(このバーは命を守る)」と書かれたグラノーラ・バーが売られているのを発見することができるでしょう。スターバックスは、そのグラノーラ・バーが売れるたびに、貧しい国の子どもたちへ食糧を届けているのです。
また、彼らのウェブサイトには、グラノーラ・バーを購入した後のフローチャートが掲載されています。そのフローチャートに書かれた説明文には、こう書かれています。「このバーを買っていただくことで、スターバックスは貧困地域に食糧を送り、子どもたちの命を救うための手助けができます」と。
彼らは「グラノーラ・バーを購入することが、子どもの命を助けることに繋がる」という価値観を顧客に共有しているのです。この世の中に子どもの命を助けたくない人などいるでしょうか。スターバックスが掲げる「価値観」に貢献することが、どれだけ世界にとって有益なことか考えてみてください。
そして、さらに興味深いのは、スターバックスがグラノーラ・バーの広告に美味しさや健康面におけるメリットなどを書いていないということです。スターバックスは、健康のためになぜグラノーラ・バーを食べるべきなのかについてや、そのバーがどれくらい美味しいのかについて全く説明をしていません。
食べ物の広告において、美味しさや健康面におけるメリットは無くてはならない要素ではないでしょうか。しかし、以前にも述べたように、人間は論理的に購入するものを選ぶのではなく、感情的に購入するものを決める生き物なのです。人の感情に訴えられる商品やサービスにこそ、お金を使いたいと考えるのです。だからスターバックスは、健康面や美味しさなど論理的に購入するべき理由を書くのではなく、感情的に購入したくなる理由に焦点を当てて広告を制作したのです。
もっと具体的に言えば、スターバックスはグラノーラ・バーを購入した顧客に対して「飢えている子どもたちの命を助けている」という高揚感を与えているのです。このように、共有された価値観を活用することで見込み客を獲得している例は、この世の中にたくさんあります。
価値観を共有することで共鳴する人を惹きつけと共鳴しない人を遠ざけられる
Tom’sという会社は、商品を1つ購入してもらうたびに、同じ商品を1つ寄付するという活動を行っています。例えば、Tom’sで靴を購入すれば、靴が無くて困っている子どもに靴が寄付されるということです。Tom’sは他にも、飲料水や視力回復治療の機会、安全な出産環境の提供を行ったり、いじめ防止運動などに力を注いできたりしました。
このように、Tom’sは顧客が商品を購入する理由をたくさん設定しているのです。Tom’sが行っている貢献活動に共鳴する人であれば、同じ靴を購入するにしても、他のお店からではなく、あえてTom’sで購入するはずです。
共有された価値観を活用することは、その価値観に共鳴してくれる人と繋がると同時に、価値観に全く共鳴しない人を遠ざけることができるので、とても有効です。これはフィルターシステムのようなもので、本当のファンをいち早く獲得することができる方法です。
石崎力也のオンラインスクールに貫かれている価値観。それは自由と喜びです。僕たちは、どんな人であっても自分なりの生き方を楽しむことができ、自分の情熱に従うことができ、人生でやりたいことをする自由を持つべきだと信じています。僕たちの価値観の中心にあるのは「幼い頃に決められたルールに従う必要はない」という考え方です。
学校に通い、良い成績を取り、学位を取り、好きでもない仕事に就く。そんなくだらない価値観の代わりに、あなたが幸せになり、経済的な自由を獲得できる方法を提供しているのです。
問題は、誰もがその価値観に同意してくれるわけではないということです。世界には大学の学位が必要だと心から信じている人がたくさんいますし、リスクを取るよりも安全な道を進む方がいいと信じている人も多く存在します。そのような考え方の人々は、僕たちのコンテンツやマーケティング、商品に全く共鳴しないでしょう。
その代わり、僕たちのコンテンツやマーケティング、商品に深く深く共鳴してくれる人もたくさんいるわけです。そして彼らこそ、僕たちが大事にするべき本当のファンなのです。彼らは僕たちを信頼できるアドバイザーとして尊敬してくれます。なぜなら、僕たちが共有する価値観を固く信じているからです。
あなたの人生で大切なことはなんですか?これまでどのような信念を持って生きてきましたか?どのような道徳的・倫理的な価値観を見込み客に伝えたいですか?どんなルールにしたがって生活していますか?
これらの質問への回答を考えることが今回の課題です。これらの質問を出発点として、どんな価値観を見込み客に共有できるかブレインストーミングしてみてください。これらの価値観を共有することで、全く共鳴しない人々を遠ざけ、共鳴した人々を引き込むことができるということを忘れないでくださいね。