今日はバックエンド商品のアイディアを得る方法についてレクチャーします。3つの質問を通して商品開発の取っ掛かりを得てください。「バックエンド商品開発の3S」で覚えてください。Survey, Study and Sellです。質問、調査、販売です。売れるバックエンド商品の原型はこの3ステップによって生まれます。
特に最初の頃は、バックエンドを構築するのはとても複雑なように感じるかもしれません。しかし、実際のところ、とてもシンプルです。必要なのは、1度に1段階のアプローチをするということ。一度にたくさんのことをやろうとしない。ハイレベルな段階になると、多くのリピーターを獲得するために、より多くの商品やサービス、そして多くのオファーを見込み客に提供することになります。バックエンドの商品を作成する際には、次のことを確認する必要があります。徹底的な顧客ベースで考え、彼らが抱えるほかの問題で、解決できそうなことはありますか?ほかに解決できる問題とはどのようなものですか?
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TOEIC講師がデジタルマーケターに転職した話
そういえばバズ部を運営する株式会社ルーシーさんのサイトを確認したことありますか?サイトにはこう書いてあります。私たちルーシーはユーザ主義を本気で貫く会社です。なるほどどうしてルーシーがコンテンツマーケティング業界で圧倒的な成果を残せているかその理由がこの社標からわかりますね。
徹底的な顧客ベースで考え、彼らが抱えるほかの問題で、解決できそうなことはありますか?
まだ気付いていないかもしれませんが、今しがたあげた質問の答えは、はじめての商品と同じ市場やジャンルである必要はありません。あなたが見込み客と深い関係を持ち、あなたのことを専門家であると判断すれば、彼らは「この人ならどんなことでも教えてくれるはずだ」と信じるからです。
バカげていると思うかもしれません。しかし、見込み客に対して商品を販売すればするほど、このことに気づくはずです。
その、極端な例はアンソニーロビンズです。彼は自己啓発系のコンテンツからそのキャリアをスタートさせましたが、最近のセミナーを見てみると、デートテクニック・人間関係・投資・ソーシャルスキル・ビジネス・リーダーシップなど、いろいろなジャンルを扱っていることが分かります。
ここで言いたいのは、1度誰かと深い関係を持つと、そこで得た信頼はどんなトピックであっても、関係なくあり続けるということです。もちろんまったく知らないことを教えるわけにはいきません。実際にあなたが知っていることを教える必要があります。でっち上げができると言っているわけではないことを理解してください。
僕だってかつてはTOEICの講師をしていたのです。しかもそんなに英語が得意じゃないのに。そんな人間が今はデジタルマーケティングの業界で突き抜けた成果を出している。僕がかつて大学生だった時に読んでいた本の著者や僕がよく参加していたセミナーの講師が今は僕のクライアントになっています。Kindleの月間セールスを見ればそこに羅列されているビジネス本の著者の40%位はカバーしてる感じです。もともと英語講師だった人間が今はデジタルマーケティングを教えてる。ここにどんなつながりがあるでしょうか?つながりなんて全くありません。
しかし、今以上に自信を持って商品を作り続けてほしいのです。先ほども紹介したことがありますが、僕はTOEICの勉強法に関するコンテンツをスタートさせ、その後自分たちで少しずつコンテンツを改善しつつソーシャルメディアにも展開し、現在はオンラインコースを作成するためのコンテンツまで所有しています。
TOEICに関するコンテンツを購入した彼らの顧客が、その後、まったく関係ないトピックのコンテンツを購入したという例が多く見られました。それは僕と顧客たちの良好な関係があったからできたことです。
見込み客のために解決できるほかの問題についてブレインストーミングする準備ができたら「1つのジャンルの問題だけにとらわれてはいけない」ということをよく頭に置いてください。もちろん、自分の得意分野でいくつかの商品アイディアを思いつくことができるのなら、それはすばらしいことです。思いのままにやればいいでしょう。それがおそらくもっとも賢明なやり方です。
3S:バックエンド商品の着想を得る方法
意図的に自分のことを制限する必要はありません。僕がTOEICの講師というセルフイメージを持っていたら、デジタルマーケティングの商品を思いつくことはなかったでしょう。本当の問題は「次の商品を選ぶ際に、それが正しいかどうか、どうやって判断すればいいか」ということです。この問いに対する答えは、
- 質問する
- 調査する
- 販売する
の3つのステップで明らかとなります。「バックエンド商品開発の3S」で覚えましょう。英語圏では、Survey, Study and Sell と3つのSで説明されています。
1つ目のS:Survey(質問する)
まず読者に質問をしましょう。アンケートを取るんです。専用の入力フォームを作成して、あなたの疑問を正直に尋ねてみましょう。「どうすれば、もっとあなたたちの手助けができるか知りたいのです。そして、新しいコースを作ることを検討しています。このボタンをクリックして、あなたの考えを教えてください。5分しかかからないですし、匿名なので安心です。」といった文言も添えるといいですね。
この手法はUdemyのベストセラー講師がよく使うものです。SurveyMonkeyやTypeformを使ってアンケートを取ります。Udemyは月に4回のEducational Announcement(教育目的のお知らせ)が送れます。この機能を使ってベストセラー講師たちは次のコースのアイディアを受講生たちから得ようとしています。なぜ彼らがベストセラー講師になれたのかと言えば、オンラインコースの着想は顧客から直接聞いたほうがいいとわかっているからです。自分で売れるコースを考えるよりかは顧客に直接聞いて売れるコースのアイデアをもらったほうがはるかに成功確率は高まりますね。
あなたの入力フォームを使った質問は、次の商品作成の際、より有利なスタートを切るのに役立つ洞察に満ちた回答を得るのに役立ちます。次の紹介する5つの調査質問を活用してください。
- 1つ目の質問は「あなたが今、人生の中で助けを必要としているもっとも重要なトピックはなんですか?」というものです。
- 2つ目は「そのトピックに対する唯一にして最大の不満はなんですか?」というもの。
- そして、3つ目は「なぜその不満があなたにとって重大なのでしょうか?」で、
- 4つ目は「1から10のレベルにすると、その問題はどのレベルの問題となりますか?」というものです。
- そして最後の質問は「その問題を解決することは、あなたにとってどれくらいの価値があるものですか?」というものです。
これら5つの質問は、具体的にあなたが解決してあげるべき問題を発見するのにとても役立ちます。また、次の商品のアイディアを得たり、その問題を解決するモチベーションを得るのに、有効だと言えるでしょう。
この手法はマーケティングにも役立ちます。その問題がいかに人々にとって重要であるかによって、次にあなたが制作に取り掛かるべきもっともインパクトのある商品がわかるからです。
2つ目のS:Study(調査する)
顧客に対するリサーチをおこなったら、次は調査に入ります。英単語ではStudyが使われていますから、研究というニュアンスもありますね。このパートには2つのステップがあります。まず競合他社を研究しましょう。あなたと同じような顧客層を持つ企業を見てみましょう。ほかにどのような商品があるでしょうか。Googleで1時間だけでもネットサーフィンをすれば、ほかにどんなコンテンツがあるか、調べ上げることができますね。
デジタルマーケティングの分野では、世界的に有名な二人のプレーヤーがいます。一人はNeil Patelです。もう一人はHubSpotです。僕たちが彼らの商品をベンチマークしているのはいうまでもありません。彼らがどんなリードマグネットを用意して、どのようなプロモーションを使って、どのくらいの価格帯の商品をどんな顧客に売っているかを僕たちは熟知しています。
次のステップでは、あなたの顧客がまったくあなたと関係のない会社から購入しているものを調べることです。たとえば、あなたのすべての顧客が高校生で、彼らはあなたからセンター試験のためのコンテンツを購入しているとしましょう。
もしかすると同じ顧客たちが、就職の面接を受けるときに役立つコンテンツや、大学の奨学金を得るためのコンテンツを購入しているかもしれません。これらの商品は、センター試験で成功するというあなたのオファーとはまったく関係がないように見えますが、一連の流れを見ることで、教育という大きなトピックを見出すことができる可能性があります。
余談ですが、ペルソナの選択の中でおこなった方法と同様に、すべての情報をGoogle DocumentやGoogle Spreadsheetにまとめておくと、格段に情報が見やすくなるでしょう。
さて、はじめてのコンテンツとは無関係のトピックの商品を売り出すときの最後の注意点をお話ししましょう。もしあなたがフィットネス業界やスポーツ、趣味といった巨大なマーケットを専門としているのであれば、ほかの市場に手を出す必要はありません。そのまま、そのマーケット内でコンテンツを制作し続けてください。ダイエットや栄養、サプリメント、ウェイトリフティングなどに関するコンテンツを簡単に制作することができるのであれば、それ以上マーケットを拡大しなくても良いのです。
基本的に、一部の業界には学ぶべきこと、習得すべきことがたくさんありますが、先ほどお話しした質問を使って顧客にリサーチをおこない、具体的にどんなことを提供すべきなのか、そしてどのようにコンテンツを位置付けるべきなのかを見つけることはできます。
3つ目のS:Sell(販売する)
さて、最後は販売です。これはあなたの完成したコンテンツを販売する瞬間を指すわけではありません。販売前に商品のアイディアを試したい場合、あなたが100%の時間と労力をその商品に投資することを前提として、事前販売やベータテストをおこなうことができます。
このプロセスを女性起業家で有名なMariah Cozや、Udemyのベストセラー講師のPhill Ebinerは、Validationと呼んでいます。検証という意味です。その商品が果たして売れるかどうか、商品を作り込む前に先行販売してしまうのです。
見込み客に対して、こう伝えましょう。「今、〇〇に関する商品を作っています。まだ未完成ですが、この商品をテストするために何人かの受講者が必要です。もし受講した上でフィードバックをしてもらえるのであれば、無料か大幅に割引した上で提供します。」と。
僕たちはOnline School Building 2.0の商品を作り込む前に、Online School Building 1.0の購入者に先行販売しました。その時点でコンテンツは20%ほどしか完成していませんでした。もし売れなかったらその20%をYouTubeにアップロードして集客コンテンツとして利用すればいいやと考えていたのです。今、Online School Building 2.0 はうちのフラグシップ商品です。最も売れている商品です。つまり、先行販売の段階で「これは売れるぞ」という手応えがあったということです。
次にコンテンツのベータテストをおこないましょう。このテストでは、できるだけ低コストですばやくコンテンツを作成します。例えば、僕たちは一眼レフを使って撮影場所を借りて本格的にプロに編集をしてもらう前に、スクリーンキャスト形式で、ラフなコースを作ってしまいます。それをベータテストと名付けて、先行販売の購入者に渡します。そして、テストで得ることができたフィードバックを利用して商品を洗練させ、仕上げましょう。慣例的に、はじめてのベータテストでは開発を手伝ってくれたお礼として、完成した商品をプレゼントすることが多いですね。
- 質問する
- 調査する
- 販売する
という3つの段階を通して、コースが好評であることを確信できれば、最終的に商品として完成させることができます。商品のアイディアが浮かんだら、このオンラインコースを1から見直して、商品作成戦略を実行しましょう。
オンラインコースを作成する人の大多数は、このようなことはしません。彼らは自分たちの商品が売れるかどうか確信を持てずに見切り発車でトライしてしまいます。ほんの少しの努力で、確信に基づいた決断ができるというのに、なぜそんな無謀なことをするのか、僕には理解できません。
まとめ:バックエンド商品の着想を得る3つのS
では、先に進む前に今回のレッスンで学んだ内容を簡単にまとめていきましょう。このレッスンは「彼らが抱えるほかの問題で、解決できそうなことはあるか」という質問からスタートしました。この質問は、バックエンドを構築するための出発点となります。
そして、次の商品はどのようなものがふさわしいかについて、質問する、調査する・販売するという3つのステップからなるフレームワークを学習しました。
次のレッスンでは、複数の商品の価格設定戦略について説明します。この戦略を通して、次の商品の最適な価格を決定する方法について理解していきましょう。