どうもこんにちは、石崎力也です。
どんな人にとっても「リスクのない買い物がしたい」という考えは共通して持っていますよね。何かにお金を支払うときに、もし満足できなかったらいつでも返金を受けることができるのであれば安心です。購入する際のリスクが買い手から売り手に移るため、これを「Risk Reversal(リスクの反転)」と僕たちは呼んでいます。
僕たちが安心してAmazonで買い物できるのは返金保証のおかげ
そういえば最近、Amazonでオモチャのキッチンセットを購入しました。子供達が時間をかけてキッチンを組み立てた後、シールをペタペタと貼っていました。息子が叫びます。コンロのライトがつかない!と。
そう、最近のおままごとはかなり進歩していて、僕らが購入したものはコンロの電気がつき、鍋を置けば水蒸気が出るモデルでした。シェフの真似をするのが大好きな息子君。前日からかなりエキサイトしていた彼は、電気のつかないコンロにかなり失望していました。
よし、返品しよう。Amazonの返品手続きに従う。なんと数クリックでプロセスが完了しました。プリンターでバーコードを印刷して箱にいれ、ヤマトの着払いで倉庫に返品するだけ。なんて簡単なプロセスでしょうか。小売店であるAmazonが僕たちのかわりにリスクを背負ってくれている。この安心感は、さらに僕たちのAmazon依存を強くします。最近はメイドインチャイナ商品のやらせレビューが問題になっていますが、そもそも僕たちにはAmazonの洗練された返品という選択肢があるのですから何も怯える必要はありません。手元に届いて、それが期待するものと異なれば返品すればいい。ただそれだけのことです。
今度はあなたがAmazonになるのです。まるでUdemyが30日間であれば理由を問わず返金しますと謳っているように、あなたも自社商品に返金保証をつけてオンラインコースを売ればいいのです。考えてみてください。僕らはデジタルコピーが簡単な原価ゼロの商品を売っているのです。返金、返品されても痛くも痒くもないのです。もちろん僕たちのように、返金プロセスが与える心理的なダメージと人件費の削減、さらには顧客の選別を意識して、意図的にリスクリバーサルをしない、という選択肢もあります。でも、だいたいの人は売上は大きければ大きいほど嬉しいだろうし、特にオンラインコースビジネスの初心者は返金保証をつけた方がうまくいきます。
2つ前のビデオでも言いましたが、返金作業はあまり気持ちの良いものではありません。teachableやthinkificなどのプラットフォームを使えば、購入者の受講率と進捗を確認できます。返金を申し出る人に限って、すべてのレクチャーを見ているから、尚更、腹が立ちます。情報だけがタダで抜かれるパターンです。むかつきます。でも返金保証をつけないせいで売上が伸びず、家族どころか自分すらも養えないような状況だと、余計にストレスです。ブログのプロフィールではウェブマーケターを自称しているのに、実際は片田舎の飲食店で皿洗いをしている。バイトをしないと生計を立てられない。腹が立つとか、ムカつくとかいう次元ではなく、そもそも生存権が脅かされている。
どうせなら返金保証を強制にしてしまった方がいいかも。teachable では、teachable paymentを使う場合、30日間は強制的に売上がプールされます。この30日間は、teachableの定めた返金保証の縛りです。teachableでオンラインコース を販売する人は、返金保証の設置がほぼ強制されています。同様にUdemyも返金保証の設置が強制されます。
これは僕たちがUdemyで$6700売り上げた時のスクショです。ほら、返金の-$39.31が計上されています。こう考えると案外、返金って少ないですね。
ダイレクト出版によると、返金率が5%で売り切ったと言える、つまり返金率が5%で全体の売上が最大化されます。$6700のうち、返金が$39ですから、返金率はわずか0.58%。これを誇らしいと思っていたら間違いということですね。もっとオファーを強めて、もっと広告費をかけて、もっと訴求力の強いレターを書くことで、より多くの人たちに商品をリーチさせて、売上を最大化させなきゃいけないということです。ダイレクト出版によると、ですよ。
Udemyにコースを公開した時点で、僕たちは強制的に彼らの利用規約に拘束されます。仮にあなたが返金保証をつけたくないとわめいても無意味です。Udemyに公開されている全てのコースには返金保証がついてしまうからです。これを嫌だと思う人はUdemyから退場すればいいだけの話です。でも誰も退場しません。なぜならUdemyが返金保証分をカバーするくらいたくさんのコースを売ってくれるからです。正確には返金保証があるからこそ、コース売上を最大化できていると説明する方が正しいです。ちなみ僕はUdemyの返金プロセスか大好きです。まず僕たちのところに一切通知がこないのです。通知がこないから、気にする必要はないのです。しかも返金作業はUdemyが勝手にやってくれる。そう、何もする必要がないのです。超楽ちん。マジでUdemyサイコー!
返金保証と成約率の関係
あなたが「不満なら返金するよ」と言うことで、顧客にはこのようなメッセージが伝わることになります。「もしこれを気に入っても、気に入らなかったとしても、あなたがこれを買って損することはないよ」と。返金保証があればコンバージョン率が一気に向上します。なぜなら人は心理的にリスクをかなり嫌う生き物だからです。
行動経済学の有名な理論にプロスペクト理論というものがあります。損失回避バイアスに関するもので、シンプルに言えば人は何か失うことを過剰に恐れる、という理論です。朝早くに電話がかかってきました。電話口でこう伝えられます。2パターンを想定しましょう。
- おめでとう!抽選の結果、車が当選した。
- あなたの車が車上荒らしにあっている。
人間がすぐに行動を起こすのは、後者の車を失う方のオプションです。何かを失う時、人は過剰に反応してしまうのです。
ここでは、人は損失を回避したがる生き物だ、とだけ理解しておいてください。
ですから、見込み客のリスクをできるだけ取り除いてあげるためにもできることはなんでもしてあげなければなりません。その中で特に有効なのが返金保証なのです。
またそれに加えて、もし見込み客がお金を払った分だけコンテンツを評価しなかったり、約束したものを得ることができなかったりするのであれば、あなたは彼らのお金を持っておくべきではありません。
ただもしかすると返金保証を利用して、コンテンツを使い倒した挙げ句に返金を求め、無料でコンテンツを手に入れようとする人が出てくることが心配かもしれません。このような状況を回避するためには、返金保証を条件付きにすることが有効です。
無条件の返金保証とは「なにかしらの不満があれば、その不満の大小を問わず返金を行う」と約束することです。一方で条件付きの返金保証は「もしコンテンツを正しく利用したにも関わらず効果を実感できないのであれば、その証拠を見せ、それが認められれば返金を行う」といったものになります。これによってコンテンツを無料で使おうとする悪質なユーザーを回避することが可能です。
あなたのコンテンツを実際に試し、効果を実感できなかったという人だけが、お金を取り戻すことができます。
返金保証のケーススタディ
上手なリスクリバーサルをしている例としてJumpcutが挙げられます。彼らのコースは極限まで見込み客に対して返金保証を行うようにしています。「あなたに1年間の返金保証を約束します」ときっぱり言い切ります。ときには1年以上の返金保証を行うこともあります。もちろん彼らの顧客がコースを実践したことが前提です。
彼らのコースの1つ、SImple 30では、売り手と買い手のリスクを反転させようとしています。なぜならSimple 30は社会不安を抱えた人々をメインターゲットとしていたためです。Jumpcut の見込み客はコースを購入する時点で大きな不安を抱えていたため、少しでもその不安を取り除く努力が必要だったと後になってJesseとKongは語っています。
見込み客が不安を感じていることにコミットするのは本当に困難なことです。だからJumpcut の二人はできるだけリスクを取り除くためにこう言ったのです。「4万円のSimple 30プログラム全てのコンテンツを受講したとしても、もし期待した効果を感じられなかったら文字通り倍の値段を返金します。返金保証の条件は、あなたがSimple 30のとても簡単なプログラムを全て行ったことを証明することだけです。」と。
このオファーに対して、何千人の受講生のうち1人だけ申し出をしたそうです。しかし、それ以外の受講生はコース全体を経験した結果として、自分がお金を支払った以上の価値を感じました。そのため、返金保証を申請するどころか、自分の人生を一変させてしまったのです。
今日の課題は返金保証の内容を考えること
さて、それでは今回のレッスンの課題をお伝えしましょう。「あなたはどんな返金保証を用意しますか?」正解はありません。30日保証でも半年保証でも、1年保証でも構いません。もしシンプルな返金保証を設定したいのであれば、30日間の無条件返金保証をおすすめします。Udemyと同じリスクリバーサルですね。
次のレッスンでは、魅力的なオファーについて3つ目の要素をご紹介していきますね。そちらで、コース内にどんなボーナスを加えることができるか考えていきましょう。それではまた次回のレッスンでお会いしましょう。