ホワイトバランスとは「白を白く見せる」機能のことです・・・と説明されますが、よく意味がわかりません。ここに誰かの視点が入っていることに気づくと理解はぐっとしやすくなります。誰の視点かといえば、人間の視点です。つまり白を(人間の目が白だと思う)白に見せるのがホワイトバランス。あれもっとわからなくなった?ごめんなさい。
よっしゃ別の例で考えてみましょう。例えば電球の光は赤・黄色っぽいし、曇りの日の太陽は青っぽいですね。人間の目はそれら光源下で「この白いものはこんな感じで白いはずだ」と自動補正をかけてくれます。カメラは割と真面目なヤツなので、光源の色がなんであろうと、見えたものをそのまま写真として表現しようとします。出来上がった写真を見ると、人間は違和感を感じます。僕の目はこういう風に白いものを白っぽく見せるために補正していたけど、カメラはそのままの色を再現しようとしている。この差異こそが先の違和感い繋がるわけです。この違和感を解消するためにホワイトバランスがあると考えてください。
各メーカーに(だいたいある)プリセット
もちろん各メーカーにその補正方法の癖があるんだけど、大体は次のいくつかのプリセットに落ち着いているようです。ちなみにこのプリセットの中から自動的に「それでしょ」とカメラが判断する機能をオートホワイトバラウンス = AWB と表現されます。AWBを使えば大抵の場合はOKなんだけど、カメラは真面目なヤツでしかもたまにミスをするヤツです。撮影条件によってはカメラが判断をミスをして、撮影者の意図に反するプリセットが採用されることもあります。その場合に限って手動でプリセットを選び直すっていう手もありだと思います。
プリセットはこんな感じ。
- オート
- 電球
- 曇天(どんてん)
- 蛍光灯
- 日陰
- 晴天
- 水中
ちなみにこれらプリセットは人間の目の自動補正を検証し抜き出したものなので、人間の目は一体全体どんな補正をしているのだろうか、というトリビアを知る手がかりにもなります。例えば曇天を使えば、ちょっと赤色っぽくしてくれます。人間の目は曇天を光源にする被写体を少し赤く補正した上で見ているわけですね。またホワイトバランスの”蛍光灯”を使えば、ちょっぴり青っぽく、”電球”を使えばもっと青っぽく補正してくれます。ホワイトバランスのもともとのモチベーションは「人間が思う白っぽい白に近づける」ことなんですけど、このプリセットの傾向を知っていると意図的に強調したい色・強調したくない色の加減を変えることができます。換言すると雰囲気や印象を意図的に変えられるわけですね。
ホワイトバランスを雰囲気作り印象操作に使う
こんな感じで・・・
- 蛍光灯:透明感、綺麗
- 曇天:暖かさ、優しさ、アンティーク
- 電球:寒さ、クール、無味乾燥
アサヒカメラに投稿されている写真を見ると、夕日の赤さを強調するために曇天が頻繁に使われていることがわかります。曇天は赤っぽく補正をかけるんでしたね。もはや白っぽく見せるという動機は存在しませんが、雰囲気作りのためにホワイトバランスを使えるということも覚えておきたいですね。
クリエイティブコントロールモードとホワイトバランス
さて僕の持っているパナソニックのカメラにはホワイトバランスの他に似たような機能としてクリエイティブコントロールモードというものがあります。これ、メーカーに呼び方が変わるそうです。
- キャノン:ピクチャースタイル
- ニコン:ピクチャーコントロール
- ソニー:クリエイティブスタイル
- パナソニック:フィルムモード/クリエイティブコントロールモード
- オリンパス:仕上がり設定
- ペンタックス:カスタムイメージ
- 富士フィルム:フィルムシュミレーション
これら機能とホワイトバランスの違いなんですけど、ホワイトバランス色味を”大きく”変更するのに対し各モード(キャノンならピクチャースタイル)は彩度やコントラストを”小さく”微調整するような機能と考えてよさそうです。とはいえパナソニック GH4に搭載されているクリエイティブコントロールモードの中には微調整をはるかに超える大胆な画像効果もあります。トイフォトやトイポップなどは、インスタグラムのレタッチ機能のようで、元の原型を大幅にいじる(いじりすぎてしまう)ことができます。