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1. 動画を作るために必要な機材
今回は2カメを使ってプリローンチコンテンツを撮影していくんですけど、その2カメにGH5Sを使用します。このカメラの本体は約30万円、NOCTICRON 42.5mm F1.2のレンズは13万円くらいです。これよりも、高い機材を使うことは構いません。安い機材になるときは、映像のクオリティーに気をつけてください。でも、値段が半分だからクオリティーが半分ということはありません。若干落ちる程度なので、ご自身の予算と相談して揃えてみてください。そして、この2カメにはマイクはつけません。なぜかというと、こちらの音声は使わないからです。
1カメの方は、LUMIX S1のフルサイズを使っています。正面から撮るので、センササイズの大きいフルサイズを使っています。本体の価格は約30万円、レンズは24-105mmのズームレンズで約15万円します。
また1カメの方には、ソニーのワイヤレスマイクをつけます。2本のアンテナが立っている方が受信機なんですけど、これを1カメに付け、ピンマイクがある方をスピーカーの胸元につけます。
あとは、SDカードが必要ですね。SDカードには、番号を振っておくと管理しやすいです。
1カメに1番のSDカードを使って、2カメに2番のSDカードを使うというのであれば、それをカチンコの「ROLL」に書いておくと良いです。
2. プロンプター(Glide Gear TMP100)の使い方
次に、プロンプターのセッティングをしていきましょう。プロンプターのガラスにスクリプトを映すんですけど、被写体側からはスクリプトが見えます。でも、カメラからは見えない状態なので、カメラ目線でスクリプトを読み上げられるというメリットがあります。
僕はGlide GearのTMP100というものを使っています。以前は、Amazon.comにしかなかったんですけど、最近はAmazon.co.jpでも販売されています。詳しい取り付け方に関しては、動画をご確認ください。
3. プロンプターをiPhoneでコントロールする方法
PromptSmartという、iPadまたはiPhoneアプリを使って、プロンプターに反映させていきます。 これの1500円くらいするPrompt Smart Proの方が良いです。これを開いて頂いて、左上のプラスボタンで「Import Script」します。Googleドライブでシェアしている場合は、Googleドライブをクリックします。ちなみに、Google Docsでスクリプトを書くと良いと思います。 今回も竹岡さんと僕が、リンクをシェアしながら、お互いに添削をしていきました。このようにリモートにいながらお互いにスクリプトをシェアできますし、PromptSmartに取り込むのも簡単なので。
それで、Googleドライブの中からスクリプトを選ぶと、読み込まれす。確認して、このスクリプトで良ければ「Done」をクリックします。そして、今取り込んだスクリプトをクリックすると、再生ボタンが出てきます。この再生ボタンを押して、プロンプターにセットすると、スクリプトがプロンプターのガラスに反映され、スクリプトが流れていきます。面白い事に、この流れている文字は、僕からは見えるんですけど、カメラからは見えません。だから、プロンプターのガラスに向かって喋れば、カメラ目線で話しているようになります。 これをやっていない日本のプリローンチコンテンツが多いです。目がちらちらどこかに行っていたり、あるいは即興で話しているので、まとまりのない話になっているとか。僕らはあらかじめスクリプトを洗練させた上で読んでいるので、コンパクトに、そして心理トリガーをたくさん引くことができます。 これが、PromptSmartあるいは、プロンプターの威力です。真似してください。
たまに、間違ったり、噛んだりすることがあると思います。その時はiPhoneアプリの方に、同じPromptSmartRemoteという600円くらいのアプリがあるので、それを使いましょう。まず、iPadを探して、連携させます。そうすると、再生、停止などがリモートで操作できるようになります。
4. Sonyのワイヤレスマイクの設定方法
次は、Sonyのワイヤレスマイクです。送信機の方はUTXB-03で、受信機の方はURX-P03です。2つで6,7万くらいです。これはすごく便利です。音声と映像を別撮りした場合は、後でPremiere Proとかでシンクしなくてはいけないので、その手間がかかります。あとはファイルの管理をしなくてはいけなかったり、ファイルをインポートしなくてはいけないので、また更に手間かかります。だから、SONYのワイヤレスマイクでやった方が編集が楽になります。
まず、受信機を1カメにつけていくんですけど、その前に、送信機と受信機の電波を合わせなくてはいけません。まず、両方をONにし、受信機でセットボタンを押します。そうするとオートセットするか聞かれるので、YESを押します。そして、今度は送信機の方でシンクするか聞かれるので、YESでセットします。すると数値が合った状態になり、2つが同期されます。同期が完了したら、受信機の方を1カメに乗せていきます。この時、マイクロフォンにジャックを刺すのを忘れないでください。設置できたら、カメラのスイッチをオンにして、音が反応しているか確認しましょう。
5. 1カメと2カメをセットする
次に、1カメと2カメをセッティングしていきます。持っているレンズやスピーカー、光の入り具合などいろんな要素が複雑に組み合わさって1つの絵になるので、一概に僕と同じ事をしたらこうなるとは言えません。でも、大体このくらいの距離感、光量で、スピーカーがここにいて、このアングルで撮ればこういう絵になるんだなというのを参考にしてください。
まず1カメは、プロンプターに映ったスクリプトを読むのでスピーカーの真正面に置きます。2カメに関しては、マイクロフォーサーズの42ミリを使っているので、割と距離が必要になります。そして、大体の位置にカメラを置いたら、最後に被写体に来てもらって、絵を確認しながら、最後の構図をチェックしましょう。
6. 構図をチェックする
次に、被写体に入ってもらって、構図をチェックしていきます。今回は、自然の多いところでやっているから、背景に自然が入るようにしています。でも、明るさが強すぎると、白飛びするので注意してください。
7. ワイヤレスマイクを被写体にくっつける
そしたら、被写体にマイクを取り付けていきます。大体胸元の位置に置きます。送信機本体は、ポケットに入れておきます。一応、マイクチェックをして、受信機を取り付けている1カメにウェーブが出るか確認しましょう。そしたら、撮影開始できるんですけど、失敗したときに、自分で修正できるようにPromptSmartをインストールしているiPhoneを持ちます。それで、失敗してしまったら、自分でコントロールしてもらうようにします。
8. 撮影を開始する_撮影ミスした時は…
最終的な構図の確認が終わり、カメラを固定しました。ここからいよいよ撮影がスタートです。基本的な事なんですけど、エアコンや冷蔵庫は消しておいてください。あと、窓が空いていたら必ず閉めておきましょう。もし、周りの材質が固すぎるのであれば、床に布団とか置いたりして、なるべく音を吸収するようにしてください。その上で、撮影して行きます。
まず被写体に、顔の前でカチンコを鳴らしてもらいます。その音で、同期します。間違えたら、PromptSmartを操作して戻り、カメラはいちいち切ったりはしません。
9. カメラに向かって喋るのが怖いあなたへ(竹岡より)
竹岡さんの喋りには、感情とか、色んな思いが乗っているわけなので、最後にしゃべりのコツをお聞きしました。
1つは、自分が本気で思っている事しか相手には伝わらないという事です。だから、スクリプトをただ読めば良いというのではなく、本当に、スクリプトに書いてある事を自分が信じていて、あるいは、その実体験があって、それを伝えたいんだという気持ちで、どんどんエネルギーを前に出していくような感じです。
(スクリプトに嘘を書くことは)全然だめです。 嘘は表情とかじゃなくて、全体で伝わってバレていくんですよね。
スクリプトを書いた時点で、ある程度感情が乗るかどうか決まって来るそうです。また、嘘はバレるので、スクリプトに嘘は書いてはいけないということですね。
私は最初にやっていたことは、カメラを見ない事ですね。レンズを見ると、レンズに魂を吸い取られるような感じがするんです。実際にはエネルギーがそこに吸い取られていく方が本当は良いんですね。お客さんの方にエネルギーが行くのが。でも、それで顔が引きつるのであれば、カメラ以外の所、例えば、「ルミックス」と書いてあるところを見るとか。カメラのボディの近辺さえ見ていれば、大体カメラ目線には見えるので、そうしてみると少しは楽になるかと思います。
(慣れでうまくしゃべれるように)基本はなりますね。 慣れが1番。だから、たくさん撮る事ですね。最初は、公開しない動画を撮る。とにかくレンズに向かって、自分が撮られているという事に納得というか、慣れていく事ですね。もう1つは、最初によくありがちな事なんですけど、動画を見て、聞く自分の声と骨伝導で聞いている声には差があるんです。最初はそれがめちゃくちゃ気持ち悪いんです。それも、慣れなんです。何回も何回も動画を撮って、自分で動画を見ていると「ああ、自分の声ってこうなんだ。」という感じで、自分の声と、実際にいつも聞いている声がなんとなく一致していくんですけど、それが分離している間はやっぱりギクシャクするんですよね。だから、出来るだけ自分の顔を出して、顔がしゃべってる状態で、そこから出ている声を聞いて「ああ、自分の声だな」という風に納得できるまでそれをやる事が大切です。
僕は、カメラを見ると顔がひきつるんですけど、竹岡さんみたいにナチュラルな表情でしゃべるには、どうすれば良いかお聞きしたら、こう答えていただきました。
以前に、Udemyの先生がやっているソーシャブルビデオというものを見たことがあります。拡散しやすいビデオの作り方を教えている先生なんですけど、その中で質問で「自分の恐怖心とどう戦えば良いですか?」とか「顔が引きつるんですけど、どうすれば良いですか?」という質問がありました。その質問に対してすごく良い答えがあって、「編集できるじゃん。」と言っているんですね。「編集できる事さえ分かっていれば、100分しゃべっている内、90分はダサくても、10分がカッコ良かったら、その10分使ったら良いじゃん。」というのを聞いて、僕はその瞬間、ちょっとだけ軽くなりました。
噛んでも全然OK。 編集の練習ができますから。 最初は編集はやっぱり練習が必要なので、噛めば噛むほど、編集の練習ができるし、噛めば噛むほど、噛まなくなっていくという二重の効果があります。
竹岡さんも、このようなポジティブなことをおっしゃっていました。噛む事を許容するということですね。
思いですかね。思いというのはやっぱり、お客さんに「これを伝えたいんだ。」とか「本当に良いものだよ。」というように、信じている事を伝えたいんですよね。言葉を伝えているという感覚でいる内は中々伝わらないと思います。この心がどこにあるかわからないですけど、「この思いを、とにかくお客さんにわかってほしいんだ。」という感じで、自分の中に落とし込む事なんじゃないですかね。
他には、こんなことをおっしゃっていました。やっぱり、竹岡さんの話を聞いていると、コンセプトシートを作った段階で、商品にどのくらいの思い入れがあるかとか、結構決まっているような感じでした。