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実践編1. プリローンチコンテンツで撮影する動画のスクリプトを作る
プロダクトローンチで売る商品を作ったら、いきなり動画を撮影するのではなく、その前に、プリローンチ動画で何を伝えるのか、を考える必要があります。当然ですが、ただ、動画を4本並べれば、それで商品を売れる、ということはありません。お客さんの気持ちに寄り添い、お客さんの気持ちを変化させ、最後に、お客さんの背中をそっと押してあげるようなプリローンチコンテンツの『流れ』を作る必要があります。
1. 動画スクリプトとは
動画スクリプトというのは台本のことです。台本にはセリフ(台詞)を書いてある、ということです。『成功するプロダクトローンチには成功するスクリプトがあります。』プリローンチコンテンツを見ていただく方の気持ちに寄り添って、知ってもらって、信頼をしてもらって、ローンチをする商品を買いたいという気持ちを育てていく『流れ』をつくることが大切です。
スクリプトの作り方を身につけるのに一番大切なことは、スクリプトを作ってみる、ということです。そして、それを何度もやってみることです。動画のスクリプトで重要なこと、それはお客さんの気持ちを動かすことです。お客さんをよく知り、お客さんの気持ちになりきれるように、事前によくお客さんのことを調べ上げておくことが必要です。
2. 言葉と順番
どんな映画にも、どんなテレビにも、台本があります。バラエティー番組でアドリブで進んでいるように見える番組であっても必ず台本があります。 それはなぜでしょうか。それは、定められた時間の中で視聴者を飽きさせもせず、つまり他のチャンネルに変えられるということもなく、CMを挟んでも、続きが見てもらえるようにする。 そのために台本があるんです。
TVの番組を、ただ、楽しむために見るのではなく、どんな構成になっているのか、その構成にした意図は何なのか、そういったことを考えながら見ることで、細やかな配慮で構成されていることが理解できるかもしれません。プリローンチ動画も同じで、最後まで動画を見続けてもらうこと、重要なポイントです。
セールスは最後の最後に行うわけですから、せっかくオプトをしてもらっても動画を最後まで見てもらえなければセールスには至りません。伝わる動画を作るために重要なことは、「伝わる言葉で伝えること」。そして、「伝わる順番」で伝えることです。基本的に、視聴者が知らない単語を使うことは絶対に避けなければなりません。
一方で、専門性の高い顧客層をターゲットとする場合、平易すぎてもおかしくなります。 プリローンチ動画のシナリオを作る前に、コンセプトメイクをして、視聴していただく方の知識レベルや専門性を定義しておく必要があります。『言葉を選ぶこと』は『お客さんを選ぶこと』です。言葉とともに重要なのは『伝わる順番』です。
物事を理解してもらうためには一つ一つ理解を積み重ねていく必要があります。最初に結論をどんと伝えて、その理由を述べていけばいいんだよ。よく聞く話す順番ですよが、こういった順番も有効な場面と有効でない場面があります。人は言葉でコミュニケーションをしていますけれども、実は非言語・・つまり、言語以外の印象などで、判断をしていることが9割に達するといわれています。
初めて会った人が「信用できる」かどうかという判断は、第一印象がとっても重要です。見た目、身だしなみ、表情、視線などが、判断材料の5割以上を占めるといわれています。また、声の質、大きさ、話すテンポなどが、4割近くです。つまり、話す言葉そのものの意味というのは、1割以下なんです。ですので、動画を撮る環境とか、動画そのものの第一印象を決める最初の1分間、そして、話している人の見た目、話し方などが、とても重要です。
3. スクリプト=セリフ
スクリプトを作成するメリットとデメリットについてお伝えしておきたいと思います。 ここで言っているスクリプトとは、単なる話す内容と順番を書き留めたメモのようなものではなく、『話す内容』、つまり『話す言葉そのもの』です。ですので、スクリプトとは、台詞(セリフ)そのもです。 そして、その台詞(セリフ)をプロンプターに映して、それを読んでいくことで、動画を収録していきます。
4. スクリプトのメリット
スクリプトを用意するメリットは、事前にきちんと考え抜かれた台詞(セリフ)を使って収録することで、短い動画でも伝えるべきことがスムーズに、明快に伝えることができる動画を作ることができます。 国内でよく見るプリローンチ動画の収録現場では、伝えることを、メモとか単語、キーワードにした”マインドマップ”を見ながらアドリブでしゃべるという形式が多いようです。
しかし、アドリブでは上手くしゃべれない、という状況に陥りがちだったり、何度も言い直すので、切り貼りだらけの動画ができ上がったりしてしまいます。ですので、特にエバーグリーンで長く使うつもりの動画は、スクリプトを事前に十分に吟味してから、動画収録を行うようにしてください。
スクリプトを作って、プロンプターを使って収録をしても、”噛む”ことはあります。 しかしながら、その頻度は非常に低いし、画角の切り替えによって、むしろ、台詞(セリフ)を強調したりすることもできます。また、スクリプトを使った動画収録は、一発撮りの収録に比べて時間を読むことができます。5時間なら5時間と読むことができるので、ちょっと良いスタジオを借りたり、背景の良い所にロケに出掛けたりということも可能です。
5. スクリプトのデメリット
スクリプトを用意するデメリットは、プロンプターに映っている台詞(セリフ)を読むので、いかにも文章を読んでいる、という感じになってしまうことがあることです。これを防ぐためには、実際に、自分の感情とか本心からの言葉をスクリプトに書くことで自然な興奮状態になっていたり、本気で伝えたいと思っていることを選んでおくことで、読んでいる感じが無くなっていきます。
『自分と一致した状態で動画を収録すること』
これが収録にはとても重要なことです。伝わることの9割が、言葉以外の印象から伝わってきます。ですので、素の自分をそのまま、カメラレンズの向こう側にいる視聴者にお客さんに出していく、というイメージで収録をしてください。スクリプトを読んでいくことになるので、臨機応変な対応というのは出来にくくなります。
事前に、自分のパーソナリティーを含めて、スクリプトでどう表現していくのか、を考えた上でスクリプトを準備するようにしてください。自分の”本音の言葉”なら、自然にボディーアクションも出ますし、言葉にエネルギーが乗るようになります。是非、事前準備で、入念にスクリプトを磨いてください。
スクリプトを準備したり、入念に磨くこと自体には、確かに時間がかかってしまいます。でも、響くスクリプトだからこそ、最後まで見てもらえるプリローンチコンテンツになります。スクリプトの作成が、即、売上につながっていると考えて、たっぷり時間をかけてください。
6. スクリプト作成の重要ポイント
スクリプトの作成において、気を付けておかなければならない『3つのポイント』についてお伝えしていきます。
- 一つ目のポイントは、必要なことを網羅する
- 二つ目のポイントは、伝わる順番に並べる
- 三つ目のポイントは、動画同士の流れを作る
7. 必要なことを網羅する
一つ目のポイントは、『必要なことを網羅する』ということです。アドリブではないからこそ、伝えるべきことを全部伝えたかどうかを確認してから収録をするようにしてください。
スクリプトを作る際には、最初に伝えることの項目を全部洗い出すことが重要です。スクリプトに入れるかどうかは、後で判断するとして、伝えたほうがいいと思ったことは、全部紙に書き出してしまいます。全部書き出せたことを確認してから、グルーピングしたり、優先順位を付け、スクリプトに入ることを整理し、選び出していきます。
動画を集中して見てもらえる時間というのはそんなに長くはありません。リアルのセミナー会場と違って、ディスプレィの前や、スマホの画面だと、同じだけの時間、動画を見続けることは、とても苦痛です。ですので、冗長にならないように、かつ、伝えるべきことが網羅できているか、を考えてスクリプトを作る必要があります。
8. 伝わる順番に並べる
二つ目のポイントは、『伝わる順番に並べる』ということです。視聴者が『理解をしていること』を、まず、確認します。そして、その上に『新しいこと』を小さく細分化して積み重ねていきます。
動画を見ている人が、どこまで理解をしているか、を確認するために、言葉を定義します。既にある認識、例えば、スクリプトは台詞(セリフ)だ、という定義を明確にした上で、その上に、台詞(セリフ)の作り方を解説していきます。スクリプトでは『伝える順番が大切だ』といった内容を伝えるのに、単に、大切な理由を一生懸命述べても、「へぇ、そうなんだ」ぐらいの認識しか得られません。
しかし、台詞(セリフ)を作らないと、最後まで動画を見てもらえない、売上が上がらない、ということを印象深く伝えることで、『伝える順番』を学美、自分でも出来るようにならなければいけないなという意欲が湧いてきます。 プリローンチ動画の最初の目的は、動画を最後まで見てもらうことです。
そして、最終的な目的は、『商品が欲しい』という状態をつくることです。スクリプトは、視聴者が理解を深めていく『流れ』を整理をするものんです。それは、論理の積み上げではなくて、新たな認知、認識をつくっていく、積み重ねていくということです。
認知を作っていく、積み重ねていく、ということが分かれば、それを組み合わせることによって、見ている人の感情を誘導していけるということが分かってきます。動画を見ている人の感情を大きく動かすためには、伝えていることを”自分事”と捉えていただく必要があります。”自分事”として捉えてもらうためには『ストーリー』を使うことが非常に有効です。
9. 動画同士の流れを作る
一つの動画の中で「定義」を定め、「新しい認知」をつくって、「自分事」として捉えてもらうというステップを作っていきます。プリローンチでは通常、4つの動画を作ります。ですので、動画同士の役割も、視聴してくれる人が順番に上れる「階段」になっていなくてはなりません。
また、一つの動画を見ただけですごく納得感があったり、問題が解決してしまった、なんていう認識になってしまったとしたら、次の動画を見ていただける可能性は極端に下がってしまいます。一方で、何の問題解決もしない動画を、延々と見せられたとしても、動画提供者に対する信頼が低下するばかりですし、その状態でセールスをすると、いきなり売り込まれた、という印象を持たれ、商品を購入する意欲は下がっていきます。 ですので、それぞれの動画の役割を定め、動画同士の「流れ」をつくることが重要です。
第4話は通常セールスに使われますので、第3話までの3つの動画で、商品に対する『欲しい』という気持ちをつくっていくシナリオが完了している必要があります。また、第1話では第2話がどうしても見たくなる、第2話では第3話がどうしても見たくなる、第3話では第4話が待ち遠しい、という状況をつくる必要があります。
第4話では、第1話から第3話までの内容の確認、すなわち『認知』の確認をした上で、抱えている問題を解決する手段として商品、サービスの詳細説明と価格の提示をしていきます。 そして、迷っている気持ちを一つずつ解決していく『反論処理』をしたうえで、『断る理由がないオファー』をすることによって、お客さんの背中をそっと押してあげる、という「流れ」をつくります。
第1話から第4話までが、一つの物語(ストーリー)になっている、という感覚が重要です。その『流れ』が途切れていたら、最後のセールスを見てもらえる可能性は激減します。つまり、売り上げが上がらないっていうことになるわけです。 動画一つ一つの役割と、4つの動画の『流れ』を俯瞰しながら、事前に洗い出した『伝えるべきこと』をプロットしていく、といった作業がとても重要です。
スクリプトはいきなり書き始めるものではありません。伝えるべきことを書き出す、整理する。4話までの大まかな流れ、構成ということもありますけれども、この流れをつくる。そして伝えるべきことを選択して、その流れの中に置いていくっていう感じになりますね。この全体の『流れ』をつくる作業をやってみて、確かな『流れ』をつくってから、それぞれの動画の内容、つまり台詞(セリフ)=スクリプトを作っていくわけです。
重要なことは、視聴していただく方が理解できない、分からないステップを作らないことです。階段一歩踏み外したり、飛ばしたりしたらうまくいかないということです。階段を一歩一歩上っていただく、着実に次のステップを上っていただけるようにする。そして、その間、常に階段を上り続ける「意欲」がなくならないようにする。これが成功するスクリプトを作るポイントになります。