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フィリピン人の外交技術
僕らがホストの家に来てからというもの、急に来客が増えたそうです。フィリピンの田舎に住む人にとって外国人は基本的にイコールで西洋人 or アメリカ人で、日本人の僕にすら「アメリカン?」と呼びかけることもあります。ほら、アメリカ人 = リッチでしょ。そういう固定概念が彼らにはあるので、
- 誰かいる
- マレー系ではない
- アメリカ人が来た
- リッチな人が来た
- お金を借りよう
という発想になるそうです。もちろん口頭では borrow といえど、頂戴と同義なので貸すと一生返ってきません。僕らがいなくとも、比較的リッチなホストファミリーには無心される機会がたくさんあるそうです。もうカルチャーなんですね、お金の貸し借りが。借用書もなくただ口頭で「幾ら貸して」「幾ら返せ」「幾ら貸したはずだ」とやるのがフィリピン流らしいです。別に貸したい(あげたい)人は貸しても(あげても)いいと思います。額も大したことありません。2000円とか3000円です。北米の少し高いレストランで料理を食べれば$20も$30もチップがはずむでしょう。そのリズムで、チップだと思って、ほいと渡すのも一つです。僕らがフィリピンで遭遇した、お金を借りに来た人たちは次のような理由を挙げました。
- 娘が台湾に家政婦として働きに行く。職を得れば月々8万円の収入がある。台湾に行くために今金が必要だ。従って2000円貸して
- 娘のスクールに払うお金がない。あとで絶対に返すから2000円貸して
- この前借りた金、返す期日になったけど返せるあてがない。従って追加で3000円貸して(これは完全意味不明でした)
リターンを計算してお金を貸せ
ロングステイをするとなると地域住民とのコミュニケーションが大切になります。まるで石垣島の吉原のように地元民と隔絶する(そして戦い続ける)長期滞在の方法もあるでしょう。僕らはローカルな空気を楽しみたいし、何かあったらパーティに誘われたいので、地元の人たちと深くコミュニケーションを取ろうとします。お金の貸し借りもコミュニケーションの一環だと思えばいいと思います。例えば3000円貸した(あげた)時、僕らが享受するサービスは大抵3000円以上になります。そんな損得勘定で地元民と付き合うのは失礼なんだけど、実際に細かく計算するとたぶんトントンかそれ以上のリターンがあります。
- 僕が熱を出した時、繁華街にまでバイクを飛ばして大量の重たい飲み水を購入してきてくれたご近所さん。
- 家にアボカドとパイナップルできたから好きなだけ持っていけよとサービス精神たっぷりなのもご近所さん。
- 今日、うちのお父さんがリタイアするからパーティに参加しなよと誘ってくれるのもご近所さん。
それぞれほんの少し借りがあるけど、みんな仲のいい近所の人です。
ロングステイするとなると、地元民との付き合い方が第一関門となりそうです。あなたは無心されたらどう対応しますか?お金を絶対に貸さないキャラになりますか?それとも人を見極めて貸すキャラになりますか?それとも誰にでも貸すキャラになりますか?お金の貸し借りで地元民との関係を深められるわけではないけど、長期滞在していると一度や二度ではなく、何度も経験するイベントになるでしょう。ま、リターンを計算してお金を貸せ、なんて完全にブログのためのネタなんですけどね。僕らが本心からリターンを計算してお金を貸しているかどうかは、ここでは重要ではありません。