Udemyの中でも特にコースを売っている先生は、肩書きに +150,000 students とか + 200,000 best selling teacher など生徒数を入れたがります。僕のアカウントは、生徒数:6200人という数字しか刻んでないので(編集:現在14000人)英語圏のアドバンテージというか、英語コースの収益性に軽く嫉妬し、もし自分がアメリカ人なら・・・とた空想に耽ることがあります。ただ、彼らは生徒数が多い割には収益がそんなに大きくない。僕よりも10倍以上多くの生徒数を抱えているけど、僕の10倍以上の収益は上げていない。実際彼らのコースの幾つかを受講してみても、二個以上の商品を販売することはハナから考えていないのかなと思うことが多いですね。
まあそんなに創意工夫しなくても「英語を使っている限り」お金はじゃぶじゃぶしちゃうので、それでいいのかな、とも思います。日本人の場合は、数の論理では英語圏でコースを展開する人には勝てません。別に勝負をしているわけではないんですけどね。数の論理では勝てなくても、創意工夫さえすれば同じくらいの収益を上げることは可能です。このOSBではその創意工夫をマーケティングと呼ぶわけです。そしてDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)を採用するといいですよ、と勧めているわけです。
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犬にキャットフードは売るな
マーケティングファネルの概念を単純化すれば、複数の商品を用意してくださいね、とただそれだけのことです・・・と言いましたが、実際はそんなに単純ではありません。例えば、Adobe Premiere Proのコースを1個用意して、ベジタリアン向けのダイエット方法を教えるコースを1個用意します。確かに複数の商品を用意したことになりますが、まさかAdobe Premiere Proのコースを買ってもらった人に「弊社別教材のベジタリアン向けダイエットの極意を購入しませんか?」とは言えないわけです。言ってもいいけど、言わないほうがいいですね。そのメッセージをもらった人は「なんで俺にそれを売るの?」と思っちゃうわけです。犬にキャットフードを売っちゃいけません。
関連商品か、上位版を売る
じゃあAdobe Premiere Proのコースを購入してくれた人にはどんな商品をオファーすればいいでしょうか?そうですね「関連商品」を売ればいいわけです。例えば、Adobe After Effectsのコースを売ったり、カメラワークのコースを売ったり。あるいは「上位版」を売るのもアリですね。「プロ技収録 – Adobe Premiere Proのスキルをもう1段上げたい人へ」とか「あなたのAdobe Premiere Proでメシを食う方法」とか。犬にはドッグフードの関連商品を売るか、高級ドッグフードを売ればいいわけです。(Udemyのお客さんを犬と考えているわけではありません、あくまでも説明の便宜上使用した言葉です)
石崎のUdemyモデルを一部公開(編集:現在は異なるモデルを採用しています)
僕の場合は上位版と関連商品の合わせ技です。例えば、コピーライティングの教材を売るモデルでは以下のようなマーケティングファネルを描いています。
まずエントリーはコピーライティングのテクニック集です。DRMではフロントエンド商品なんて言ったりします。価格は$20で、そのあとのバックエンド商品($50)に比べれば比較的安い教材です。コピーライティングの教材を購入した時点で客層が絞れますので、彼らが反応するような商品を直近に用意します。アフィリエイトの商品であったり、ECサイト運営、デジタルコンテンツ販売に関する商品ですね。これは関連商品の位置付けなので価格は$20と同じにしてあります。そのあとにコピーライティングの網羅的な教材(覚えていますか、アルティメット教材です)を用意してあります。テクニックだけではなく体型的にコピーライティングを学びたい人をターゲティングした教材です。これは上位版の位置付けなので、値段を(比較的)高めに設定してあります。もちろんテクニック集($20)→網羅的な教材($50)への導線も用意してあります。そのあとに月額課金の商品が用意されているわけですね。
フロントエンド商品とバックエンド商品
テクニック集をフロントエンド商品と呼ぶのに対し、そのあとに続く商品をバックエンド商品と呼んだりします。フロントとバックは相対的な位置付けなので、例えばアフィリエイト教材($20)はテクニック集($20)に対してバックエンド商品となりますが、網羅的な教材($50)に対してはフロントエンド商品の位置付けになります。説明の便宜上、フロントエンド商品 – バックエンド商品#01 – バックエンド商品#02 ・・・と呼ぶことがありますが、厳密には相対的な関係であることに注意してください。
バックエンド商品は永遠に続く
なんでこんな説明をしたかというと、フロントエンド商品には必ずバックエンド商品を用意してほしいからです。これ意味わかりますか。そう、商品を永遠に続くわけです。まるで遠近法をセールスに当てはめたように、線路は消失点に向かって続きどこかで必ず交差するように見えるんだけど、一駅進むとまた同じ風景が広がる(愛読する「マチネのおわりに」にこんな表現がありました)。バックエンド商品を購入してみたら、また別のバックエンド商品が用意されていた・・・という関係を永遠に続けられると、顧客単価がどんどんあがってゆくわけです。
金曜の夜に勉強するのがダイレクトマーケター
そりゃそうです。ネタ切れになりますよ。そんなボンボン商品を作っていたら、喋ることなんてなくなります。だからこそ、人一倍、いや一倍じゃあ他人と同じなので人十倍の時間を情報収集や学習に当てるわけです。儲かっているダイレクトマーケターは、TGIF(Thank God, It’s Friday)なんてどーでもいいわけです。金曜の夜にパーティに出かけない奴は Loser(負け犬)とみなされるどこかの国がありますが、結局キャリアで負けているのはパーティに出かける彼らですからね。キャリアでの勝者はTGIFを返上して、情報収集したり、コードを書いたり、ボールを蹴ったりしているわけです。たぶんね。