あなたは広告運用を仕事にしようとしているフリーランスで、Facebook広告のターゲティングの仕組みについて知りたいと考えていませんか?ここでは実際に広告を配信する際に使えるターゲティングの知識を解説します。このターゲティングを理解することで、より精度の高い広告が打てるようになります。
Facebook広告を最大限に活用するには、見込み客の興味関心やニーズの理解が重要です。さらに広告画面上であなたの商品に合った適切なターゲット層を設定することが鍵となります。適切なターゲティング設定は、見込み客に対してより関連性の高い広告を配信し、結果として高いROIを達成するための土台となります。ここではいくつかあるターゲティング設定の方法を解説していきましょう。
Facebookのターゲット設定には3つの種類がある
Facebookに限らず広告を運用する際には、見込み客を慎重に選ぶというのが重要になります。自分の商品やサービスに興味関心があるお客さんに向けてセールスをしないといけないからです。これは通常のビジネスでも同じです。あなたもペルソナを設定して、彼らに対してコピー文やセールスレターを書いたことがあるかもしれません。商品やサービスのターゲットを決めるのと同じように、広告を配信する先のターゲットも選ぶ必要があります。
特に広告の場合はそれがシビアです。なぜなら、何も考えずに広告を漠然と出してしまうと成約が上がらないからです。ただ成約が上がらないだけであれば良いのですが、広告の場合は広告費が掛かります。目に見える形でコストがどんどん掛かるのです。仮に売上が上がったとしても、広告費以上の売上を回収しなければ赤字になってしまいます。そのため、誰に広告を配信するのか?というターゲットの設定はとても重要な要素になります。
Facebook広告にはデフォルトで次の3つのターゲット設定が用意されています。
- コアオーディエンス
- カスタムオーディエンス
- 類似オーディエンス(ルックアライク・オーディエンス)
これから、これらのターゲット設定がそれぞれどんなものなのかを解説していきます。3つのターゲット設定を理解することで、状況に応じて広告配信先を柔軟に変えることができるようになります。それぞれの概要を理解し、使い分けられるようになってください。それでは1つずつ見ていきましょう。
種類1:コアオーディエンス
まず1つ目はコアオーディエンスと呼ばれるターゲットの設定方法です。これはFacebookが提供するユーザーのデモグラフィックデータを使った設定方法です。デモグラフィックデータというのは、地域、年齢、性別、言語、興味関心、行動などのユーザーに関する基礎的なデータです。Facebookはプラットフォームを通してこういったユーザーのデータを集めています。
例えばレストランの広告を出したい場合には、中国地方に住んでいる20代、30代の男性をターゲットにするといった設定ができます。または東京に住むランニングやフィットネス好きの女性にランニングシューズの広告を出すといったこともできます。このようにコアオーディエンスではユーザーの属性を組み合わせて使います。これにより様々な層の見込み客に広告配信で狙い撃ちすることができます。
コアオーディエンスの特徴として設定が比較的簡単ということが挙げられます。Facebookが与えてくれる選択肢を組み合わせて、どんな属性の見込み客にリーチしたいかを設定すれば良いからです。ただし適切な組み合わせを見つけ出すためには、ある程度試行錯誤が必要です。またターゲティング条件を広げすぎると、オーディエンスのサイズが大きくなりすぎて効率が落ちるという点に注意してください。
種類2:カスタムオーディエンス
次に紹介するのはカスタムオーディエンスです。これは広告主であるあなたが既に持っている顧客にダイレクトに広告を出すことができる機能です。例えばあなたの商品を既に購入した顧客に対して直接広告を配信することができます。またあなたのウェブサイトの訪問者やサービスを利用している人たちにもリーチすることができます。
広告主がアップロードした顧客データによって、Facebookが彼らだけをターゲットに広告を出してくれます。顧客データはメールアドレス、電話番号、住所といったものが対応しています。また自社のサイトやアプリに、ピクセルと呼ばれる追跡コードを仕込むことで顧客データを集めることもできます。ピクセルを通して誰がサイトに訪れたのかを記録し、個人情報なしでも訪問者に広告を出すことができます。またInstagramのフォロワーや、Facebookページのフォロワーをターゲットにすることもできます。
これはコアオーディエンスよりも非常に精度の高い配信方法といえます。既にあなたの既存顧客や見込み客といった、興味関心の高い人達に直接リーチできるからです。強力なターゲティングツールではありますが、その代わり難点や課題も抱えています。既存顧客や見込み客が少ない場合には、配信先のユーザーが少なくなり広告が配信されにくくなります。
種類3:類似オーディエンス(ルックアライク・オーディエンス)
カスタムオーディエンスだけでは、十分な数の見込み客にリーチできない。そんな問題を解決してくれるのが類似オーディエンスと呼ばれる機能です。これはルックアライク・オーディエンス(LLA)とも呼ばれています。類似オーディエンスでは、カスタムオーディエンスに入っているユーザーの特徴を分析し、似た属性の別のユーザーを集めてくれます。類似オーディエンスを利用することで、既存のカスタムオーディエンスと似た特徴を持つ新たな潜在顧客にアプローチすることが可能になります。
この機能はあなたがアップロードする顧客データから作ったカスタムオーディエンスがベースになっています。それをFacebookが持つ膨大なユーザーデータと照らし合わせて、似た行動パターンや興味関心を持つ人たちを自動で探し出してくれます。あなたの顧客のように、あなたの商品やサービスに興味のありそうな人たちを集めてくれるのです。カスタムオーディエンスをFacebookがいい感じにカサ増ししてくれる機能だと捉えてもよいでしょう。
類似オーディエンスの最大の利点は、広告キャンペーンの効率性とボリュームを両立させることができる点です。カスタムオーディエンスは、自社の直接の既存顧客や見込み客が相手なのでとても濃いリストだということができます。ですが顧客数に上限があるためにそれ以上の人数にリーチできず、新規顧客が開拓できないという難点があります。逆にコアオーディエンスでは、一般的な属性を組み合わせて絞り込みをかけるので、リストが薄くなりやすいという傾向があります。
そのいいとこ取りをしてくれるのが類似オーディエンスです。カスタムオーディエンスのように興味関心の高いユーザーを、新規で集めてきてくれるという特徴があります。これにより広告配信先となるユーザーの質と量を両立してくれる。それが類似オーディエンスです。
オーディエンス設定に関するヒントを紹介します
3つのオーディエンスの特徴が理解できたところで、オーディエンス設定に関するヒントをお伝えしておきます。まず1つは、オーディエンスサイズが10万人〜300万人ほどになるオーディエンスを探してください。ここまでお伝えしてきたようにオーディエンスの質を上げようとすると、その数は必然的に絞り込まれていきます。
コアオーディエンスでたくさんの条件で絞り込んだり、カスタムオーディエンスで数を限定するからです。逆にオーディエンスのサイズが大きすぎても、興味関心のない人に広告が配信されてしまい非効率です。このちょうどバランスの良いオーディエンスサイズが10万人〜300万人といわれています。
またどんなユーザーを集めるか?ということを考える場合には、オーディエンス選択スケールというものを使いましょう。これはあなたがターゲットにしたいユーザーの興味関心度によって、選ぶべきオーディエンスを図に表したものです。あくまでガイダンスですが、参考になるはずです。仮に興味の度合いを0から10で表すとしましょう。0が全く興味のないユーザー、10が興味が一番高いユーザーです。
例えば、興味関心が低くてもとにかく多くのユーザーに広告を配信したい場合はコアオーディエンスが良いでしょう。興味の度合いが5くらいで、そこそこの数のお客さんに配信したければ類似オーディエンスが良いかもしれません。もっと興味関心の高い10のユーザーに当てたい場合は、数が少なくなってもカスタムオーディエンスを選ぶと良いでしょう。このように自分がどの見込み客に広告を配信したいかによって、使うべきオーディエンスは異なってきます。
まとめ:ターゲティング設定を理解して目的に応じて使い分ける
ここまでFacebook広告のターゲティング設定について解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- コアオーディエンスとは、Facebook上のデモグラフィックデータを使って決定する広告配信先である。
- カスタムオーディエンスとは、広告主の持つ既存顧客や見込み客などの顧客に直接広告を表示する配信先である。
- 類似オーディエンスとは、広告主がアップロードした顧客データに似たユーザーに自動で広告を出してくれる配信先である。
- オーディエンスサイズが10万人〜300万人となるように設定すると良い。
- 広告を配信したいユーザーの興味関心度により、それぞれのオーディエンスを使い分ける。