今回は、Video Sales Letter(VSL)の話題を扱います。VSLを 作るために必要な4つのプロセスを順番に沿って紹介します。VSLを作るには、どのような作業が必要でどの順序で進めたら良いのか?このレクチャーを見れば、VSL制作の全体像を理解することが出来ます。
Video Sales Letter(VSL)とは、5分〜15分ほどの短い動画を使ってセールスを行う方法です。VSLは、通常の画像やテキストを使ってセールスページの代わりとして使うことが出来ます。VSLでは、短い動画で訴求することが出来るので、能動的な作業が必要なセールスページよりもセールスの効果が強くなります。ここでは、そんなVSLの作り方を4つの工程に分解し、紹介していくことにしましょう。
プロセス#1:スクリプトの作成
VSLは、スライド形式の動画として作るのが一般的です。 そのため、多くの人々がまずはスライドから作ろうと思ってしまいます。ここが大きな落とし穴です。 実は、いきなりスライド作りから入ってしまうと膨大な時間を無駄にしてしまいます。
スライド作りと言うのは、すごく繊細な作業です。デザインを考えて、色や形、そしてオブジェクトの配置を細かく調整する。スライド作りではそういった細かな作業が求められます。 それと一緒に、セールスの文言を考えようとすると、すごく時間が掛かります。なんとなく想像できますよね?
こういったデザインが必要な作業をする場合は、僕らは必ずスクリプトから取り掛かります。スクリプトとは、つまり台本のことです。どんなことを話すのか。まずはその流れと内容を詰めてしまいましょう。VSLの流れは、別のレクチャーで紹介している「22ステップフレームワーク」を参考にしてください。
文字数の目安は、だいたい完成尺1分につき400文字です。これはあなたの話す速度によっても変わってきます。まずは1本、VSLを作って自分の速度を確かめておきましょう。ポイントは、この段階で十分に内容を詰めておくことです。
確かに、早くスライドを作りたい気持ちは分かります。スライドが出来上がってくると、一気に成果物ぽくなりますよね。でも本当にクオリティの高いVSLを作りたい場合は、スクリプトの段階でしっかりとした文章に仕上げておいてください。
プロセス#2:スライドへの流し込み
スクリプトが出来上がったら、その内容をスライドに流し込みましょう。まずは、スライドのデザインを決めておいてください。デザイナーさんに頼んで外注しても良いし、Envato Elementsという素材のストックサイトからダウンロードしてきて使うのもオススメです。
デザインを決める時に重要になるのが、スライドのバリエーションです。1つのプレゼンテーションの中に、色々なパターンを想定したスライドのデザインを用意しておくんです。インパクトを出したいときに使うスライドデザイン、商品内容を一覧表示したいときに使うスライドデザイン、引用文を見せたいときに使うスライドデザインと言った具合に、いくつかのパターンを用意しておきましょう。
VSLやウェビナーでは、動画の中身が動いて見えることがとても重要です。なので、スライドのデザインや見た目に適宜変化をつけるというのが、すごく大事になってきます。たった、5分の動画であっても単調な動画は飽きられてしまいます。だから、スライドのデザインを適宜変えながら、写真や図の挿入することを忘れずに、動きが感じられるスライドを作ってください。
商品の内容をまとめるスライドを作るときは、出来るだけビジュアルを重視してください。見込客は受動的な形でビデオを視聴しています。色々とビデオの中で説明はするけれども、結局何がもらえるの?ということが一目で理解できれば、その分あなたに有利に働きます。
プロセス#3:VSLの撮影
さて、いよいよVSLを撮影しましょう。VSLは顔出し部分は必要ないので、デジタル一眼や照明などの大きな機材を用意せずに撮影できます。ただし、マイクのクオリティとオーディオノイズだけには注意してください。
いきなり本番に入ってはいけません。本番の前にテストとして、スライドを数枚読んでみて、音声のチェックをしてから本番の撮影に入ってください。
撮影は、スライドを再生しながらパソコンの画面を収録してください。画面収録ツールは、ScreenFlowやCamtasiaをオススメします。撮影のコツは2つです。1つは、声を一段明るい声にすること。パソコンに向かって話すとき、あなたの声は自然と普段よりもワントーン下がっています。人間相手ではないからです。だから、そこにお客さんがいることをイメージして、ワントーン上の声で発話してください。
そしてもう1つは、スライドとスライドの間の間隔を空けることです。それと同時に、あなたの声にマウスのクリック音が被らないようにしてください。これは後で動画を編集する際に重要になってきます。まず、スライドからスライドへ移るテンポをある程度一定にする必要があります。そのためには、カット編集でタイミングを編集する必要があるんです。
ですが、もしスライドとスライドの間が詰まっている部分が1つでもあるとどうなるでしょう?スライド間の空白部分を短くするのは可能ですが、スライドとスライドの間に空白部分を挿入するとすごく変な感じになります。
それから、発話した声にマウスのクリック音が被っているのも良くありません。マウスのクリック音は、必ずカット編集で消すようにして欲しいんです。クリック音は、見込客を現実に引き戻してしまいます。せっかくVSLを没頭して見ていたのに、途中でクリック音がし始めたら、すべてが台無しになってしまいます。
発話音声にクリック音が被ると、クリック音を消すのが難しくなるので、注意してください。キーボードの矢印キーを使って、スライドを進めるというのも有効な対策です。
プロセス#4:動画編集
さて、VSLの撮影が終わったらそのまま動画編集をしましょう。ここで主にやるのは、カット編集です。合わせて、音量の調整やノイズリダクションも少しだけ必要かもしれません。ScreenFlowやCamtasiaを使えば、編集ツールが内蔵されているので、撮影してすぐに編集作業に入ることが出来ます。
撮影のところでも話しましたが、VSLはテンポが大事です。スライドとスライドの間に適切なテンポを作ることが大事になります。スライド間の間隔が飽きすぎていると間延びした感じになります。逆にスライド間の間隔を詰めすぎると、駆け足になりすぎて、1スライドごとの内容を消化できないまま、次のスライドへ移行してしまいます。
カット編集したら、実際に何スライドか通して再生してみてテンポを確認してください。心地よいテンポになっていますか?VSLは受動的なセールスマテリアルだからこそ、心地よく観られることが重要になってきます。
テンポの他にも、音声のクオリティやボリューム、ノイズレベルにも注意を払いましょう。編集だけで修正できる部分には限界がありますが、可能な範囲で修正するようにしましょう。ノイズがひどくてノイズリダクションを掛けすぎると、ロボットみたいな声になります。
どうしても修正しきれない場合は、環境を整えてもう一度撮影してください。VSLはウェビナーと違って、尺が短いのが救いです。再撮影の敷居も下がるので、納得いく仕上がりにしてください。このVSL動画のクオリティが、あなたの収益を大きく左右するということは忘れないでください。
まとめ:それぞれのプロセスで注意すべきことを把握する
今回は、Video Sales Letter(VSL)を作る工程と、各工程における注意点を解説しました。VSLはスライドで説明するタイプのビデオですが、いきなりスライドから作り始めるのはオススメ出来ません。まずは、デザインとコピーライティングの作業を分離するために、VSLのスクリプトを作っていきましょう。
スクリプトが出来上がったら、スライドに移ります。スライドには、動きが必要になるので、様々なタイプのスライドテンプレートを用意するとラクになります。スライドには画像などの視覚的要素もお忘れなく。スライドが出来たら撮影です。テスト撮影のあと本番に入りましょう。スライド間の間隔は、少し空けながら撮影してください。クリック音が発話と被るのもNGでしたね。
撮影後はそのまま編集です。カット編集をメインに行い、スライド間の間隔が心地よくなるように調整してください。VSLは顔出しではない分、音声のクオリティも重要になります。音声のボリュームやノイズも編集で調整してください。編集が終わったら、最後に再生して確認します。満足のいくクオリティのものが出来たら、早速ファネルに追加しましょう。VSLからあなたの最初の売上が出たらコメント欄から教えてくださいね。今回は以上です。また次回のレクチャーでお会いしましょう。