今回は、Video Sales Letter(VSL)の話題を扱います。VSLの中でどのように話題を展開したら良いかについて解説します。SamCartの創業者Brian Moranの作った22個のステップをベースに、効果的なVSLの流れについて紹介します。これを見れば、成約率の高いVSLを作るために必要なステップと、それらをどの順序で話せば良いのかを理解することができます。
Brian Moranは、SamCartを作った創業者です。SamCartは、セールスページを作ることのできるツールです。ClickFunnelsのもう少しシンプルなものだと思ってください。彼は、自分の商品のセールスの中でVideo Sales Letter(VSL)を上手に使っています。このレクチャーではBrianの提唱する22のステップと、1つ1つのステップについて解説していきます。
今回お届けするノウハウはこちら
- VSLの成約率を高める22のステップ
- ステップ#1:イントロ/フック
- ステップ#2:問題提起する
- ステップ#3:解決策の存在を伝える
- ステップ#4:あなたの実績を紹介する
- ステップ#5:背景となるストーリーを語る
- ステップ#6:理想の世界を説明する
- ステップ#7:理想へのトランジション
- ステップ#8:商品を登場させる
- ステップ#9:大きなベネフィットを説明する
- ステップ#10:お客さんの最大の不安を反論処理する
- ステップ#11:断れないくらい魅力的なオファーを提示する
- ステップ#12:お客さんの理想の姿を示してあげる
- ステップ#13:ボーナスを追加する
- ステップ#14:バリュースタッキングを行う
- ステップ#15:特別なオファーを公開する
- ステップ#16:1回目のCTA
- ステップ#17:リスクを取り除く
- ステップ#18:2回目のCTA
- ステップ#19:ベネフィットをリマインドする
- ステップ#20:警告する
- ステップ#21:3回目のCTA
- ステップ#22:残りの反論処理をする
- まとめ:22のステップで効果的に説得する
VSLの成約率を高める22のステップ
さて、では早速22のステップを紹介していきます。次に挙げるステップの順序は、VSLの中で話すべき順序とも呼応しています。
- イントロ/フック
- 問題提起する
- 解決策の存在を伝える
- あなたの実績を紹介する
- 背景となるストーリーを語る
- 理想の世界を説明する
- 理想へのトランジション
- 商品を登場させる
- 大きなベネフィットを説明する
- お客さんの最大の不安を反論処理する
- 断れないくらい魅力的なオファーを提示する
- お客さんの理想の姿を示してあげる
- ボーナスを追加する
- バリュースタッキングを行う
- 特別なオファーを公開する
- 1回目のCTA
- リスクを取り除く
- 2回目のCTA
- ベネフィットをリマインドする
- 警告する
- 3回目のCTA
- 残りの反論処理をする
では1つ1つ見ていきましょう。
ステップ#1:イントロ/フック
1つ目は、フックです。フックとは動画のつかみにあたる部分です。視聴者の興味をひきつけて、 その先の動画を視聴してもらうことを目的としています。
僕らはここに「ちょっと待って、もう1つ!」とか、「特別なご案内があります」などという文言をよく使っています。インパクトのあることを話したり、何か視聴者のメリットになるものが控えているということを伝えても良いでしょう。
ステップ#2:問題提起する
フックで、視聴者の注意を引くことが出来たら、すぐに問題提起に移りましょう。フックの効果は限定的です。フックで視聴者の注意を引けても、その先の内容が面白くなければ彼らは視聴をやめてしまいます。ここでは、見込客が抱えている問題を指摘してあげてください。
例えば、「毎月のシンドいプロモーションにエネルギーを使いすぎているあなた。朗報です。」というように、見込客が悩んでいるであろうことを出来るだけ具体的に指摘すると良いです。こうすることで、あなたが見込客のことを理解していることを伝えることが出来ます。
「この人は自分の悩みを理解してくれている。じゃあもう少しビデオを見続けようかな」と思ってもらえます。ただしここでの問題提起は、このあとVSLの中で紹介するあなたの商品につながるものにしてください。
ステップ#3:解決策の存在を伝える
問題提起をしたら、まずはすぐに解決策の存在を簡単に伝えてください。あなたが見込客の悩みを解決できる方法を知っていて、それをこのVSLの中で伝えるつもりであることを話します。そうすることで、見込客にしっかりと聞いてもらうための土壌が整います。例えば、僕たちはこんな感じの話をします。
「エバーグリーンローンチのノウハウを使って、時間的な拘束、場所的な拘束、そしてビジネスにおけるあらゆるストレスから、あなた自身を解放しましょう。」見込客が積極的に聞きたいと思ってもらうことが重要です。
ステップ#4:あなたの実績を紹介する
ここであなたの実績を紹介しましょう。この先、あなたの話を聞き進めてもらう上で、 あなたがその分野でどのくらいの実績があるのかを説明しておきましょう。そうすることで見込客からの信頼を集めることができます。
例えばこんな感じです。「僕は、Udemyに13万人の顧客がいます。 2018年からは5,400円のサブスクリプションを導入して、エバーグリーンのセールスファネルに乗せた結果、半年で3300万円を売り上げました。」また自分の実績だけではなく、テスティモニアルなどお客さんからのレビューを載せても、あなたへの信頼を上げることが出来ます。
ステップ#5:背景となるストーリーを語る
あなたは見込客の問題の解決策として、商品を売ろうとしています。あなたがその商品を作るまでのストーリーを共有してください。もしかすると、あなたも過去に見込客と同じ悩みを持ち、その商品を作ったのかもしれません。
またはお客さんと話している中で必要性を感じて、その商品を作ることを決断したのかもしれません。見込客はそういった背景となるストーリーを知ることで、あなたに一層の信頼を寄せることになります。販売者であるあなたが、過去に見込客と同じ悩みを感じていたことを知ると、安心感を覚えてくれます。
ステップ#6:理想の世界を説明する
次は、見込客の悩みが解消された後の世界を描いてあげましょう。今抱えている問題がなくなれば、どれだけ良い生活が送れるかを説明しましょう。お金や疲労といった物理的なものだけでなく、ストレスが減ったり安心できたりという、精神的な面からもアプローチしてください。僕たちは次のような言葉で、悩みが解決したあとの姿を描写します。
「想像してみてください。あなたが面倒なプロモーションをかけなくても、多くの会員が次の月も次の月もあなたにお金を払い続けてくれる状況を。」このように悩みが解決した後の姿を描くことで、あなたの商品が欲しいという欲求を高めることが出来ます。
ステップ#7:理想へのトランジション
理想の世界を見せた後、見込客は「この状態が手に入ったら、どれだけ良いだろう」と考えているはずです。ここで、あなたの商品へつなげていきます。見込客の問題を解決できる手段を商品という形で用意していることを伝えます。例えば僕の例であればこうです。
「エバーグリーンローンチには、実はテンプレートがあります。僕がこのテンプレートを公開するとしたら欲しいですか?」こんな風に、あなたのために解決策を用意したことを話してください。商品を登場させるために予告をするイメージです。
ステップ#8:商品を登場させる
さあ、いよいよあなたの商品を登場させましょう。しっかりと商品名を見せてください。その時にビジュアルに訴えかけて、インパクトを出すと良いです。デジタル商品は無形なので、綺麗なモックアップを作ることをオススメします。綺麗なモックアップ画像があると、商品としてしっかりと認識してもらいやすくなります。僕らであればこうです。
「紹介します。 僕たちのフラグシップ商品、 Online School Building 2.0です」こんな風にモックアップの中で、商品名やもらえるものなどがひと目で分かることが理想です。
ステップ#9:大きなベネフィットを説明する
ここでは商品の一番のウリを紹介しましょう。まずは、あなたが一番訴求したいポイントを話してください。僕の場合は、こんな感じで話しています。
「会員制サイトを構築し、 売上を8桁、9桁にスケールさせるためのノウハウを 6つのモジュールに凝縮させた、実用的なプログラムです。あなたは、サブスクリプションの仕組みを作るのに全てを ゼロから作り上げる必要はないんです。僕の作った6つのモジュールを 視聴しながら、OSBのフレームワークを適用するだけでいいんです。」どうですか?商品がすごく魅力的に見えませんか?
ステップ#10:お客さんの最大の不安を反論処理する
これは必ず覚えておいて欲しいのですが、あなたが商品の良さを宣伝すればするほど、お客さんは不安や疑念を持ちます。何か良い話を聞くと、「そんなうまい話ないよね?」と自然と考えてしまうのが人間心理です。だから、その不安を払拭するための説明を入れてください。お客さんが持つ不安には、次のように決まったいくつかのパターンがあります。
- うまくいくか不安
- やり方が理解できるか不安
- 時間が取れないから不安
- 価格が高いから不安
これらの不安に対して、まずは反論処理を行ってください。
ステップ#11:断れないくらい魅力的なオファーを提示する
ここで価格を含めてあなたのオファーを提示しましょう。商品のボリュームや、価格の安さなどを強調して、見込客が断れなくなるくらい魅力的なオファーを作ってください。僕らの場合は、こうです。
「Online Course Creationはモジュール13から構成されています。各モジュールであなたが学ぶのは次の通り。お支払いは39,700円 x 5回だけ。これは79,400円オフです。この価格は最安値です。決済ボタンをクリックして、今すぐ受講を開始してください。」
ステップ#12:お客さんの理想の姿を示してあげる
ここでお客さんの理想の姿を描写してあげます。それは、あなたの商品を使って悩みが解決したあとの姿です。出来るだけ具体的なことを書くと、まるで本当に起こることのように、頭の中に強いイメージとして印象に残ります。僕はこんな風に少し長めのストーリーにしました。
「3500万円貯めてロッテルダムの中古物件を買って 家族でヨーロッパに移住してください。 電車で1時間半の距離にベルリン、 3時間の距離にパリがある非常に戦略的な場所です。」
「オランダの階段はびっくりするくらい急なので気をつけてください。 北欧は緯度が高いので、夏と冬では日照時間が異なります。 冬は正午になっても外は真っ暗だけど、夏は午後9時でも外は明るいです。 子供は公立の学校に通いオランダ語と英語を話すようになります。 家では日本語を教えてもいいかもしれません。」
「いつもより少し早起きして生豆をローストしてコーヒーをドリップします。 家中が幸せな香りに包まれます。 子供を学校に送り出したあと、午前8時、寒空の下、 十分にストレッチをした後、奥さんと一緒にジョギングするんです。」
すごく具体的な言葉で描写しているのが分かりますか?どのくらい具体的に話したら良いかの参考にしてください。
ステップ#13:ボーナスを追加する
ここでボーナスを追加していきましょう。ただボーナスを追加していくだけではもったいないので、すごく効果のある工夫を紹介します。それは、反論処理をしながらボーナスを追加することです。ちょっと僕の例を紹介しますね。
「でも石崎さん、 ちょっと不安があります… サブスクリプションに流すトラフィックが足りないんです。」
「ボーナス#1:インスタントオーディエンス・バンドル。このバンドルには集客に関する3つのコースが含まれています。多くの人 は「お客さんがいないから」とか「でも会員が来なかったらどうする の?」と思っています。でもその心配もご無用。」
こんな感じで見込客が不安に思うことへの反論処理に、ボーナスを当てていきます。こうすることで、反論処理という強い心理的効果を使いながら、ボーナスを魅力的に見せることが可能です。
ステップ#14:バリュースタッキングを行う
バリュースタッキングとは、本編の商品やボーナスの価値をどんどん足し算していき、合計の価値を見せることです。合計の価値を、それよりも安い価格で購入できると示すことで、商品を魅力的に見せることが可能です。
ステップ#15:特別なオファーを公開する
ここまでVSLの中で話して来なかった特別なオファーがある場合は、ここで公開しましょう。もし無い場合は、必要ありません。
ステップ#16:1回目のCTA
CTAとは、Call To Actionの略です。つまり、お客さんの購買行動を促す呼びかけのことです。具体的には、商品の内容をまとめて、価格をもう一度知らせます。その上で、商品を購入するように見込客に伝えるんです。僕の例をお見せします。
「さて、まとめましょう。あなたがこの商品で得られるものはこちら。お支払いは39,700円 x 5回だけ。これは79,400円オフの価格です。この価格は最安値です。決済ボタンをクリックして、今すぐ受講を開始してください。」
ステップ#17:リスクを取り除く
ここで扱う内容は返金保証です。ここまで商品の魅力をアピールすることはもちろん、色々な形を反論処理をしてきました。それにも関わらず、買うのが怖いと思う見込客もいます。そんな見込客に安心して買ってもらうためには、返金保証も有効です。
ただし、返金保証を導入するかどうかはよく考えてから行ってください。返金作業の必要性が出てくる点と、あなたの望まない顧客を引きつけてしまう可能性を考慮に入れてください。もし返金保証を付ける場合は、必ず返金の期限を設けましょう。返金保証の期限は7日間、14日間、30日間などが一般的です。
ステップ#18:2回目のCTA
ここでもう一度、CTAを出しましょう。僕らの場合、CTAは3回ほど出すようにしています。CTAを何度も出す理由は、見込客が購入を決断するタイミングを増やすためです。見込客がVSLを見ていて、どのタイミングで欲しいと思うか、僕らには事前に把握できません。
そのため、CTAを複数箇所に出しておき、見込客が欲しいと思ったタイミングを逃さない工夫をしています。具体的には、一番始めにオファーを提示するときと、後半に分散して3回ほど入れると良いでしょう。
ステップ#19:ベネフィットをリマインドする
ここで商品のベネフィットをもう一度、見込客にリマインドしましょう。この商品を購入することで、見込客の問題がどのようにして解決し、どんな未来が待っているのかを想像させてください。僕はこんな風にリマインドしました。
「安心してください。会員制サイトからの収益は、あなたの従業員の高い高い社会保険料 を賄うだけでなく、東京一等地のオフィス賃貸、あなたに支払う 高額な役員報酬、あなたがマスターマインドや外部コンサルに 払う高額なフィーを十分にまかないます。」
「想像してみてください。ようやく、あなたのビジネスにおいて「一息」つけることを。」
ベネフィットを見せるときに大事なのは、悩みが解決するという表面的なことだけでなく、その結果見込客がどのような気持ちになるかという点です。その精神面の変化もしっかりと描写してあげてください。
ステップ#20:警告する
ここでは希少性や、緊急性などをもう一度アピールしてください。
希少性ならば「この価格は最安値です。」「この価格はこのページだけの特別な価格です。」と言った感じです。緊急性とは「このオファーはタイマーがゼロになったら終了します。」と言った、今すぐにこの場で行動すべき理由のことです。
ステップ#21:3回目のCTA
最後にもう一度、CTAを入れましょう。
しつこく感じるかもしれませんが、少しだけ多いと感じるくらいでちょうど良いです。ここまでVSL動画を見ている見込客は、商品に興味があるから見続けているはずです。見込客が買いたいと思ったタイミングを逃さないように、ビビらずしっかりとセールスして大丈夫です。
ステップ#22:残りの反論処理をする
最後のステップとして、残りの反論処理をしましょう。ここまでカバーし切れていなかった反論処理をしていってください。例えば、デジタルツールの扱いに疎いとか、どこから始めたら良いかわからないといったものです。あとはよく「AがないからBが出来ない」という種類のものもあります。
見込客が気にするであろうポイントを、一気に反論処理でつぶしてください。見込客の購入意思にブレーキをかけている最後の懸念を取り払ってあげてください。
まとめ:22のステップで効果的に説得する
今回は、Video Sales Letter(VSL)で高い成約率を出すための流れを解説しました。沢山あるように見えますが、逆に言うとこのステップに従っていけば、迷うことなくVSLを作り上げることが出来ます。ポイントとしては、冒頭に見込客の悩みへの理解を示し、問題解決の手段を持っていることを伝えて、まずは動画を見続けてもらいます。
その上で、悩みが解決したあとの理想の状態を描き、その状態を達成するための商品があることを伝えます。あとは商品の魅力を伝えたら反論処理で不安を潰す作業です。これを繰り返していきます。反論処理とボーナスの追加をセットでやると効果的です。あそうそう、CTAは必ず3回以上入れてくださいね。よしこれで全部お伝えできました。今回はここまで。また次回のレクチャーでお会いしましょう。