今回は、Video Sales Letter(VSL)についての話題をお話します。VSLの終盤で上手にクロージングを行う方法を解説します。VSLとは短い動画を使って商品の成約を獲得するための、オンライン上の手法です。このレクチャーを見れば、VSLで弱くなりがちなクロージング部分をしっかりと成約率の高いものに変えることが出来ます。
VSLに限らず多くのビデオセールスにおいて、ピッチの役割は軽視されています。ストーリー部分ばかりが注目され、多くの人がピッチの尺を長く取ることを嫌がります。今回は、VSLのクロージング部分で成約率を上げるための方法をお伝えしていきます。
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クローズステージでは成約率を最大化する
VSLを4つのステージに分けると、構成が明確になるので格段にVSLが作りやすくなります。VSLは以下の4つのステージで構成されています。
- ステージ1:好奇心ステージ
- ステージ2:共感ステージ
- ステージ3:証明ステージ
- ステージ4:クローズステージ
今回は、最後であるクローズステージの作り方を解説します。このステージでは、これまで話してきた内容をまとめ、実際に成約につなげるためにオファーという形式を強めていきます。
このクローズステージでやるべきことは沢山あります。別のレクチャーで紹介した「22ステップフレームワーク」に沿って、順番に見ていきましょう。
- ステップ#11:断れないくらい魅力的なオファーを提示する
- ステップ#12:お客さんの理想の姿を示してあげる
- ステップ#13:ボーナスを追加する
- ステップ#14:バリュースタッキングを行う
- ステップ#15:特別なオファーを公開する
- ステップ#16:1回目のCTA
- ステップ#17:リスクを取り除く
- ステップ#18:2回目のCTA
- ステップ#19:ベネフィットをリマインドする
- ステップ#20:警告する
- ステップ#21:3回目のCTA
- ステップ#22:残りの反論処理をする
どうですか?「え、こんなにあるの?」と驚いたかもしれません。そうなんです。ここに多くの人が犯してしまうミスが隠されているんです。今回は、このクローズステージで成約率を上げるための手法を4つ紹介します。
手法#1:ピッチの部分を長く取る
僕はいしこんというコンサルを主催しています。そこでも、多くのお客さんにVSLやウェビナーの作り方をお伝えする機会があります。そこで驚くのは「皆さん、全然売り込もうとしない」ことです。「あれ、いつピッチ部分入れた?」「あれ、もっと積極的にセールスしないの?」そう思うくらい皆さん、消極的になるんです。
いしこんのお客さんは、オンラインに移行するまではリアルの場で、沢山の商品を対面で売ってきた実力のある方々です。それがオンラインになった途端、不思議とセールスできなくなるんです。
オンラインだと相手の反応が見えない、というのが大きな理由でしょう。対面であれば相手の反応が見えます。見込客が集団だったとしても熱力を感じ取ることが出来ます。それに合わせて、セールスをどんどん掛けていくことが出来ます。
しかしオンラインの場では、あらかじめビデオを撮影します。撮影中はカメラやパソコンに向かって淡々と話すだけ。お客さんの熱量も分かりません。自然とセールスの声は小さくなるし、ピッチ部分は短くなります。「こんなにセールスして嫌がられないかな?」と不安になるのです。
そこで僕たちはあえて「ビデオの半分をピッチ部分に使ってください」と言っています。オンラインでは、対面よりも臨場感が低いので、逆に言えばそのくらいしっかりとセールスをしないと、商品を買ってもらえないんです。だから冒頭に紹介したように、沢山のステップが必要になるんです。これは本当に声を大にして伝え続けたい、セールスビデオの秘密です。
手法#2:魅力的なオファーを用意する
2つ目は、魅力的なオファーを用意してください。英語ではイレジスティブルオファー、つまり断れないくらい魅力的なオファーという言葉が使われます。たとえ商品が優れていても、価格や決済方法、そしてボーナスがダメだと魅力的に写りません。
僕らの例だと、「本来は月額制のサブスクを買い切りプランで購入しよう」というオファーや、「15分限定で75%OFFです」といったオファーを出しています。これらは単に価格だけでなく、緊急性や決済方法などを組み合わせて、魅力的なオファーを演出しています。
ボーナスを追加しても良いでしょう。しかも、本編の商品に関連したボーナスを付けることで、あなたの見込客には問題解決がさらに実現可能なものに思えてくるはずです。見込客の最終的に望むことは、商品の購入ではなく、問題の解決です。常にそれを念頭に置いてスクリプトを書いてください。
手法#3:反論処理をきっちり行う
反論処理もきっちりやっていきましょう。人間には変化を恐れるので「やらない理由」を作るのがすごく上手です。そしてその「やらない理由」は、ほとんどの場合で次のどれかのパターンに入ります。
- お金がない
- 時間がない
- 自分には出来ない
- あなたを信頼できない
- 他とは何が違うの?
これらにしっかりと答えてあげてください。ポイントは、あなたの見込客や商品、オファーを総合的に考えてどれが一番多い反論なのか?それを見極めることです。そして、一番多いものから優先的に反論処理をしてください。目的は成約数の最大化ですから、見込客の中での最大公約数的な部分に焦点を当ててください。
反論処理としてオススメの方法は、反論処理とボーナス紹介をセットで行うことです。例えば「時間がない」という見込客に対しては「時間ないですよね、だからスキマ時間で聞ける音声レクチャーをボーナスとしてお付けします」という感じです。
「自分はテクノロジーに詳しくないから」という見込客には、「それならテックトレーニングとしてツールの使い方のガイドをお付けします」といった具合です。見込客の持つ反論に対して、解決策となるボーナスを当てていく方法です。これは反論処理をするとともに、あなたのオファーを強めることが出来る、まさに一石二鳥の方法です。
手法#4:CTAを3回用意する
最後はとっておきの方法です。これはちょっと日本人としては、すごく抵抗感がありますが、とても重要なことです。それは、CTA(Call To Action)を沢山用意するということです。CTA(Call To Action)とは、お客さんに対して「さあボタンをクリックして購入してください」と伝える、購入の呼びかけのことです。
不思議なことに販売者側は「これだけ商品のメリットを伝えたんだから、何も言わなくても買ってくれるよね」と思っています。さらに「買ってくださいと言うと、買ってもらえなかった時に悲しいし、言うのやめておこう」と心の中で無意識に思っています。あ、今ドキッとしました?たぶんにあなたの中にも、心当たりがあったはずです。
逆に見込客側は、「この商品が良い」と思ったらあとは購入するタイミングを待っています。購入するためのきっかけが欲しいし、背中を押して欲しいと思っています。そもそもセールスビデオというのは、見込客が止めない限り自動で流れ続けます。だから、見込客が買いたいと思ったタイミングがあっても、ビデオが流れているとまたすぐにビデオの方に意識が戻ってしまいます。
見込客の意識を購入ボタンの方に向けさせるために、VSLの終盤では定期的な間隔でCTAを挿入しましょう。その際にCTAとして、具体的に見込客に取って欲しい行動を具体的に書くことです。例えば「購入してください」というのと、「今すぐ下の青いボタンを押して、受講を開始してください」というのとでは、どっちが行動しやすいでしょうか?
そうなんです。人間はやるべきことを具体的に言葉にした方が、行動につながりやすいという特徴があります。だから「今すぐ」「下の」「青いボタンを押して」という風に、具体的に見込客のすべきことを描写してあげてください。ただし、あまり冗長的に説明するのもナンセンスです。ちょうどいいバランスの表現を見つけてみてください。
まとめ:しっかりとセールスする意識を持つ
今回は、VSLの終盤部分で成約率を上げるための手法を4つ紹介しました。1つ目は、ピッチの尺を長く取ることでした。そうすることで、見込客の意識を魅力的な商品やオファーに向けさせることが可能になります。2つ目は、魅力的なオファーを用意することです。価格や決済方法だけでなくボーナスを追加することも有効です。
3つ目は、反論処理でした。反論処理を行う場合は、数の多いものを優先的に処理してください。またボーナスとセットで紹介するのもオススメです。最後は、CTAを定期的に複数回出すことをオススメしました。可能なら、CTAは終盤で3回出すようにしてください。これだけでも見込客の購入確率をグンと引き上げることが可能です。さて、今回はここまで。また次回のレクチャーでお会いしましょう。