今回は、Video Sales Letter(VSL)についての話題を取り上げます。VSLの流れのうち2番目のステージである「共感ステージ」の作り方を解説していきます。VSLとは、短いビデオを使って成約率の高いセールスを行うための手法です。このレクチャーでは、見込客の共感を得て、彼らの悩みから商品へと繋げる方法を解説します。
VSLは5分〜15分ほどの短い動画です。この限られた尺の中で、効果的に話題を展開させるためには、全体を4つのステージに分解して考えるのが効果的です。1つ目が好奇心ステージ、2つ目が共感ステージ、3つ目が証明ステージ、そして4つ目がクローズステージです。今回は、冒頭で見込客の好奇心を掻き立てたあとの、2つ目の好奇心ステージの作り方を解説します。
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共感ステージで悩みから商品へと繋げる
VSLの2つ目のステージは、共感ステージです。ここでは、見込客の悩みに共感を示すとともに、スムーズに商品を紹介できる下地を整えます。そして、商品の紹介に移っていきます。
VSLはコンパクトな動画でセールスをする仕組みですが、いきなり商品の紹介をするのでは、残念ながら高い成約率を出すことは出来ません。見込客の悩みに共感し、そこからスムーズに商品紹介に繋げていくには1つの流れが必要です。
別のレクチャーでも「22ステップフレームワーク」と第して、VSLでカバーすべき22の項目を順番に解説しています。その22ステップの中で、今回のステージでカバーすべき項目は以下の5つです。
ステージ2:共感ステージでカバーすべき5つの項目
- ステップ#5:背景となるストーリーを語る
- ステップ#6:理想の世界を説明する
- ステップ#7:理想へのトランジション
- ステップ#8:商品を登場させる
- ステップ#9:大きなベネフィットを説明する
この共感ステージの目的は、見込客の悩みに共感し、そこから上手にあなたの商品を紹介することにあります。その目的を達成するには、どんな項目を話したら良いのか?ここから1つ1つ見ていきましょう。あなたはこの流れの通りに、共感ステージの内容を作ってみてください。
ステップ#5:背景となるストーリーを語る
最初はステップ#5です。この直前にあたるステップ#4までのところで、既に見込客の抱える問題を明らかにし、それに対して解決策があることをほのめかして来ました。このステップ#5では、見込客の問題に共感を示すために、あなた自身のストーリーを共有してください。
あなたは見込客の問題を解決する商品を売ろうとしています。そこにはもちろん、商品を作ろうと思ったきっかけや経緯があるはずです。そのストーリーを見込客に共有してください。そうすることで、見込客の抱えるものと同じ問題を、あなたが扱ってきた。それについて考え、行動してきたということが明らかになります。
「ああ、この人も自分と似たような経験をしているんだな」とか「自分と同じような人をクライアントに持っているだ」という共感を、見込客から引き出すことが可能になります。僕の場合、こんなエピソードを紹介します。
「毎日16時間ほど働いていたと思います。別にきつくはありませんでした。23歳で若かったし彼女も子供もいませんでしたから。今思うと無駄なことばかりをしていました。誰も読んでいないブログを1日3時間かけて書き、再生回数が100回にも満たない動画をYouTubeに何本も公開していました。儲かっていないだけで人生損しているのに、インターネットで顔出しまでしてプライバシーを露呈している。」
どうです?これ僕自身の体験談を話しているんです。まだ商品を紹介していないのに、なんかいい感じの流れだと思いませんか?あなたのリアルなストーリーを共有するだけ。それだけでこの後商品紹介が来たら買ってしまうような、そんな雰囲気を漂わせることが出来るんです。
ステップ#6:理想の世界を説明する
見込客の共感を得るようなストーリーを共有したら、次は問題が解決した後の世界を描いてあげましょう。ここから徐々に見込客を、商品の方向へ誘導していきます。見込客の問題が解決すると、どんな未来が待っているのか?これを語っていきます。僕の例をお見せします。
「残り5%ほどのサイトオーナーは、本業としてオンラインスクールを運用しています。事業の最優先事項にオンラインスクールの運営を設定し、メインの収益源にサブスクリプションを選択しています。石崎の事業収益の80%はサブスクリプション収入です。一旦軌道に乗ったオンラインスクールは、より少ないストレスでより多くの収益を創造します。」
これは、会員制サイト作りを解説した商品を売る際に使ったVSLの中の言葉です。5%のうまくいってる人たち、つまり問題を解決した人たちの例を紹介することで、見込客の理想を描いています。そして見込客に「ああ、私もその5%に入りたい」と思ってもらうことに成功しています。
このように、見込客の抱える問題を解決できた未来を描いてください。それは、見込客自身を例にした直接的なものでも良いですし、僕の例のように他人にフォーカスを当てた間接的なものでも構いません。重要なのは、このあとの商品を紹介したときに「私も商品を通して、今の問題を解決したい」と思ってもらえることです。問題解決後の姿を魅力的に描いてください。
ステップ#7:理想へのトランジション
この段階で、見込客の頭の中に理想の姿がイメージを作れているはずです。次はそれをグッと見込客の身近なものに引き寄せていきましょう。見込客に問題の解決自体を、身近に感じてもらうにはどうしたら良いでしょうか?
そのためには、見込客に「あなたにも出来ます。安心してください。」と伝えることです。見込客は理想の状態をハッキリとイメージでき、どうしたら問題解決が出来るかを無意識に考え始めているはずです。さらに、これまでの部分であなたは見込客の問題に共感を示し、自分の実績を彼らに見せてきているはずです。
だから、あなたはいま見込客からある程度、信頼を得ている状態です。そんなあなたから「大丈夫ですよ。解決できますよ」と言われるとすごく安心するし、嬉しいはずです。見込客の期待感を高めることも可能です。また解決できることを伝えることで、このあと紹介する解決策、つまりあなたの商品の話題に移りやすくなります。
ここで一気に商品に近づけていきましょう。すごく便利な言葉を紹介します。
それは「あなたのために僕が解決策を用意しました」とか「あなたのために武器を用意しました」のような言い方です。こういう言い方をすれば親切ですし、すごくセールスじみた感じになりません。ぜひ使ってみてください。
そして、いよいよ商品の登場です。見込客の頭の中で、ドラムロールが鳴るくらいワクワクしてもらえると良いですね。僕はいつもそんな風景をイメージしながら、VSLのスクリプトを書いています。
ステップ#8:商品を登場させる
さて、ここで商品を紹介しましょう。商品名とモックアップ画像などをしっかりと出して、この商品です。ということをきちんとアピールしておきましょう。文字と画像は大きめにしてください。なぜなら、お客さんからすればその文字と画像が、商品のイメージそのものになるからです。
オンライン上で商品を売る際には、見込客は実物を見ることができません。なので、商品名や画像などが見込客の頭の中での商品のイメージになっていきます。臆すること無くハッキリ、商品を見せてあげてください。
ここ紹介するのは、商品名と画像以外にもあります。商品の概要、そして商品の中身です。オンラインコースのような形であれば、カリキュラムを見せてあげても良いでしょう。なるべく具体的に、画像を多様してリアルなイメージとして見せてあげると良いです。
一通り商品説明が終わったあとでは、商品のまとめスライドを挿入しましょう。「色々あるのは分かったけど、結局なにが手に入るの?」という見込客の声は、意外とよく聞きます。あなた商品の内容を理解しているので、商品説明に夢中になりやすいと思います。一通りの説明が終わったなら、一歩引いた全体像を見込客に見せてあげることも重要です。
ステップ#9:大きなベネフィットを説明する
この共感ステージの最後の項目です。商品のもたらすベネフィットを見込客に伝えましょう。ベネフィットとは、「それを使って、実際に生活がどう変わったのか?」ということです。
例えば、「会員制サイトを作りたい」「サブスクのコンテンツを作りたい」という悩みを解決する商品のベネフィットは何になるでしょうか?会員制サイトが完成することでしょうか?それとも、毎月毎月サブスクからの収益が安定して入ることでしょうか?実はそういうことではありません。
ここで言うベネフィットとは、「会員制サイトから安定収益を得られるようになり、長時間労働から開放されたので、昼の時間に息子と遊べるようになった」みたいなことです。どういうことかと言うと、問題解決の結果、見込客が何を得られて、どんな気持ちになったのか?ということです。見込客の潜在的に欲しているものを見抜き、そこにアプローチしてください。
サブスクを作りたい人は、直接的にはお金が欲しいのかもしれない。または時間が欲しいのかもしれません。でも間接的には、お金の心配から開放されたい、旅行に行きたい、家族との時間や趣味の時間が欲しいと思っているかもしれません。僕の例をお見せします。
「想像してみてください。あなたが面倒なプロモーションをかけなくても、多くの会員が次の月も次の月もあなたにお金を払い続けてくれる状況を。想像してみてください。ようやく、あなたのビジネスにおいて”一息”つけることを。あなたはこれまでずっと緊張しっぱなしでしたよね?次のプロモーションこけたら会社は傾くのではないか?来年もこのクソ高い固定費を払い続けることはできるのか?」
この例では収益が安定することで、見込客を苦しめていた経済面でのプレッシャーから開放されますよ、ということをベネフィットに掲げています。
まとめ:共感ステージで上手に商品紹介に繋げる
今回は、VSLの2番目のステージである共感ステージの作り方を見てきました。共感ステージの目的は、見込客からの共感を集めて、それを起点に商品紹介につなげることです。まずはあなた自身や、それに近いストーリーを通して見込客の問題は、あなたにとっても身近であることを伝えます。そして、問題を解決した後の理想の姿を見せて、問題解決への意欲を引き出します。次に見込客にも問題解決が可能であることを話して、見込客の期待感を高めてください。
そこで商品の紹介をします。「見込客であるあなたのために商品を作っておきましたよ」という雰囲気で、紹介することを忘れないでください。商品の紹介を一通り済ませたら、商品を使うことによるベネフィットを話してください。ベネフィットとは、商品を通して見込客の生活が具体的にどう変わるのかということです。単なる商品の良さではないことを忘れないでください。さて、ここまで出来たらステージ2の最大の目的である商品紹介は完了です。次のステージに行きましょう。今回はここまで。ではまた次回のレクチャーでお会いしましょう。