この記事では、Bロールのアイディアをご紹介していきます。Bロールの他にもAロールがありますが、Aロールの方はメインで、Bロールはサブとして使われます。でもBロールがサブだからあまり重要ではないというわけではありません。Aロールを引き立たせるため、魅力的に見せるために使われます。
具体的な使われ方としては、BロールはAロールに上書き、挿入されます。Premiere Proのタイムラインでイメージするなら、トラック1にAロールを挿入し、その上のトラック2でBロールを使います。もしくは、トラック1にカットインする形で挿入されたりします。
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1. Bロールの実例
最初に、Bロールについて文字(言葉)で説明しましたが、まだどんなものなのかイメージがついていないと思います。なので、ここで実例をお見せして説明していきます。
上の動画は、世界一切れるという包丁のレビュー動画から持ってきたものです。ビデオのはじめにその包丁の説明をしているんですけど、やっぱり、包丁の説明だけだと飽きてしまいますよね。なので、次のような場面でBロールを使っています。
- 実際に包丁を使用している場面
- 注文した包丁を段ボールから取り出している場面
- 包丁の販売ページのスクリーンキャスト
- 包丁の長さや重さを測定している場面
こんな風に、視覚的な情報を加えたほうがいい場合はどんどんBロールを使って動画そのものを魅力的にしていきましょう。
2. フレームレートを変える
さてここからは具体的なBロールのアイディアです。これは、世界的に有名なPeter McinnonやChris Hauがよく使う手法です。よくAロールを24fpsで撮影し、Bロールを120fpsで撮影します。すると、120fpsで撮影した映像は30フレームとかで見るとスローモーションに見えます。この手法は、包丁で切るシーンだったり、髪をなびかせるシーン、子供が走り出すシーンなどで使います。
3. ピント送り
ピント送りは、テレビとか映画とかでよく見かけることがあると思います。手前の被写体に合っていたピントを奥へ変えたり、逆に奥の被写体に合っているピントを手前に合わせる手法です。例えば、車と柱の2つの被写体があって、それらの距離感を出したい場合は、最初は車にピントを合わせてから、ピントを柱に変えたり、その逆でもOKですね。
ピント送りは、2つの被写体の距離感を印象付けることができます。iPhoneや一眼レフのオートフォーカスでもピント送りできますし、マニュアルフォーカスを使って自分でピントを合わせることもできます。
4. 手ブレ&手持ちカメラ
僕が持っているGH5SとかGH5などには手ブレ補正機能が備わっています。ユーザーが手ブレを嫌っているので、企業は手ブレ補正機能をつけているんですけど、Bロールとして、あえて手ブレを使用すると面白くなります。上の動画は、Premiere Proの使い方を説明した動画の中に、BロールとしてiPhone6sで撮影した手ブレありの動画を挿入しています。
ずっと手ブレだと見ていて辛いですけど、たまにBロールとして使うことで視聴者のアテンションを維持することができます。
5. タイムラプス&ハイパーラプス
これは、世界一のクリエイターであるCaseyもよくオープニングで使用している手法で、時間の経過を短時間で表現します。やり方は簡単で、三脚を置いて時間をかけて撮影するだけです。もしくは、スタビライザーを使って動きながらハイパーラプスを撮影するのもOKです。あとはGoProもオススメです。特にGoPro7以降。GoProの中にスタビライザー機能がついていますので。
6. 異なるフレーム
いろんなフレームで撮影しても面白い絵になります。例えば、距離のあるディスタンスショットと至近距離から撮影するマクロショットを組み合わせてみたり、最初は超広角レンズ撮影して、途中で標準レンズに切り替えたりですね。あとは、動きながら撮影したものと止まって撮影した映像を組み合わせたり。いろんなフレームを使って編集してみてください。面白いビデオになります。
7. カメラマウントを変える
マウント。カメラを置く位置のことです。え、これどうやって撮っているの?と思うようなアングルで撮影するのもオススメです。以前、サーフィンの動画を見ているときに、サーファーの足が写っていたのでどうやって撮影しているのかと思ったら、サーフボードにGoProをマウントして撮影していました。このように、普段見れないようなアングル、一眼レフカメラが置けないような場所にGoProカメラを置いて撮影してみてください。
8. ドローン&空撮
ドローンは、もうみんなが知っているドローンです。このドローンを使って空撮映像を撮ります。でも、日本ではドローンを飛ばせるような場所が少なかったり、そもそもドローンを持っていない方もいると思います。
そんな場合は、橋の上からカメラを下に向けて動く車を撮影すると空撮っぽくなりますので、オススメです。アイデア次第で空撮映像(空撮っぽい映像も)が撮れます。
9. スタビライザー
スタビライザーは、DJIのRonin Sがオススメです。今までのは、大きくて、両手で押さえないと使えないものだったんですけそ、これは、片手で使えるので便利です。しかも、手ブレ補正もとても良いです。あとは、GoPro7の手ブレ補正も素晴らしいので、それを使っても良いですね。
10. POV Point of View
POVというのは、「視点」「観点」を指す略語で、カメラマンの目線で撮影する手法です。男性向けのアダルトビデオなんかがまさにPOVで撮影されたものです。
撮影方法は、単純にiPhoneやGoProを顔の前に置いて歩いて撮るだけです。CaseyとかPeter Mckinnonは、このPOVからセルフィーへの切り替えを1カットの中で行ったりしています。
11. スライダー&トラッキング
スライダーを使った撮影は、よく料理動画で使われています。他には、歩いている女性を横からトラッキングしたりといった時にも使います。今は自動で人をトラッキングしてくれる機材が主流になってきていますが、やっぱり値段は高くなります。なので、安価に抑えたい場合は、手動のものにしましょう。中国ブランドの安いものはAmazonで1万円くらいで購入できます。
12. 三脚
Bロールというと、動きながら撮影しないといけないとかって思うかもしれませんが、シンプルに三脚にカメラを置いて撮影するというスタイルでもOKです。この時、レンズは、広角レンズを使って大きく撮ると良いかもしれません。
まとめ
以上がBロールのアイディアでした。Bロールにも流行があり、その年ごとに流行り廃りがあります。あくまでもアイディアなので、誰が考えてもいいんです。映像制作はハリウッドだけの特権ではありません。あなたが自由にBロールのアイディアを考案してみてください。僕はこういうBロールを使っているよ!というのがあれば、コメント欄で教えてください。じゃ!