今回のレクチャーでは、オンラインコースの売上を伸ばすための公式を紹介します。このレクチャーでは、広告運用の例をお見せしながら、実際に売上を大きくするために必要な具体的な3つのスキルについても解説していきます。
オンラインコースをただリリースするだけでは、ビジネスとしては成立しません。そこにしっかりとお金が流れないと、あなたはただサーバーの肥やしを作るだけで終わってしまいます。収益性の高いオンラインコースビジネスを作るための3つのスキルを紹介し、それらのバランスがいかに重要かを解説します。では早速、見ていきましょう。
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売上の公式=「客数×客単価×購入頻度」
結論から言うと、売上の公式とは「客数×客単価×購入頻度(リピート回数)」です。これはアメリカの経営者・ジェイエイブラハムが言っていることです。客数とは、インターネットビジネスにおいてはトラフィックのことを指します。そして、僕たちの場合は「客単価」と「購入頻度」、さらに「買ってくれた商品の数」を丸ごとLTV、つまり生涯顧客価値という数字でまとめています。
なぜかというと、僕たちのビジネスでは、商品が複数個売れるまでのスパンが短いからです。数ヶ月、数年おきにリピートしてくれるというよりは、1時間、2時間の中で、あるいは商品によっては1週間、2週間の中でいくつかの商品を買っていく人が多いのです。例えばマックなら、500円の商品を1年間に何回買ったかという視点で「客数×客単価×購入頻度(リピート回数)」を算出すると思うのですが、僕らはそこまでセールスのスパンが長くない。だからLTVという一つの単位を用いて「客数×LTV」を算出します。
3つの要素をバランスよく満たす
注意したいのは、これらの3つの要素のどれか1つが高くても、売上はそこまで伸びないということです。たとえ商品が良くてもトラフィックを集められなかったり、反対に人気インフルエンサーで沢山トラフィックを集められても商品が少なかったり、安いものしか売れなかったりしても売上は伸びません。3つの要素がきちんと満たされて、初めて売上が伸びてきます。
多くのフリーランスが廃業するのは、客数に頼りすぎるビジネスをしているからです。例えば、毎日ブログを書いているけど大して読まれていない。1日1リストも落ちてこないようなブログは、更新しない方がマシです。毎日YouTubeに動画を投稿しても再生回数は伸びず、リストも落ちてこない。かといってGoogle 広告を打つ予算もなく、代理で運用してくれる人も知らない。このような人たちは客数、つまりトラフィックに頼りすぎており、ネットビジネスの集客に失敗しているのです。
なぜこうなるかというと、客数はマーケットに依存するからです。客数=市場であり、市場とはそう簡単にコントロールできるものではありません。
僕がインターネットビジネスの世界でそれなりに飯を食えているのは、トラフィックに頼りすぎないモデルを組んでいるからです。僕らはコントロールできる場所をコントロールしています。つまり「客数×客単価×購入頻度」のうち「客単価」と「購入頻度」を上げるのです。シンプルに言えば、商品の値段を上げて、商品数を増やすことでこの2つをある程度コントロールできるようになります。こうすると、大きなトラフィックがなくてもセールスファネルを作れるので、客単価と購入頻度を自分で調節できるんです。
最近ではそれに加えて、予算を充ててGoogle 広告を打ち、広告運用のアドバイスをしてくれる人も見つけました。そうすることで、僕はジェイエイブラハムの「客数×客単価×購入頻度」という公式を全て満たすことができたのです。スピード感を持って商品を作って、セールス戦略を用いて、集客のために日予算27万円を使っています。そうすることで、自由に客数を集め、コントロールもできるようになりました。
売上を伸ばすための3つのスキル
繰り返しますが、売上の公式は「客数×客単価×購入頻度」です。それでは、各要素を満たすためにはそれぞれどんな異なるスキルが必要になるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
#1:客数を増やすためのスキル:トラフィック
1つ目の要素「客数」を集めるのに必要なスキルは「トラフィック」です。トラフィックを集める能力というのは、要は自由に好きなだけアクセスを集める力です。
アクセスを増やすための2つの方法
トラフィックを集めるには、2つのやり方があります。オーガニックのアクセスを集める方法と、広告運用によってアクセスを集める方法です。
1つ目は、有名なYouTuberのようにコンテンツを作ってオーガニックのアクセスを集める方法です。YouTuberの人たちはトラフィックが凄いです。例えば彼らがTシャツを売ったらいくらでも売れますよね。そしてそれは、広告からの流入ではなくオーガニックによるものです。オーガニックでもインフルエンサーのようなマーケティングのやり方ができれば、トラフィックはいくらでも集まります。
2つ目は、僕らのように広告を打つという方法です。後ほど詳しく解説しますが、インフルエンサーのようなマーケティングができなくても、広告運用によってトラフィックを集めることは可能です。
この2つは、どちらの方法を用いても構いません。例えば僕のクライアントに、2人の投資関連のビジネスをしている人がいます。1人は、僕らと同じように動画広告を配信しています。そしてもう1人は、完全にインフルエンサーマーケティングをしています。投資系YouTuberに依頼をして集客してもらい、最終的な売上は契約に基づいて折半などにしているそうです。これは、オーガニックでアクセスをカバーしている例ですよね。
僕のクライアントの中にも、ビジネスが上手くいっていない人や売上の規模が小さい人がいます。その人たちに共通するのは、やはり圧倒的にトラフィックが足りていないことです。トラフィックが足りていないと本当に厳しいです。ビジネスの売上は中々上がらず、徐々にその規模が小さくなってしまう。なので、自分でオーガニックでお客さんを集めるか、YouTube 広告やGoogle広告等でお客さんを集める力が必要があります。言ってしまえば、このどちらかの方法で集められなければ、廃業です。
広告運用でトラフィックを集めるための手段
広告運用でトラフィックを集めるために必要なものは、大きく言って「予算・計画・設計・測定・戦略」です。ひとつずつ解説します。
まず、YouTubeで広告運用をするためには、軍資金となる「予算」が絶対に必要になります。あとで紹介しますが、僕たちは今、毎日30万円近くの広告費を使っています。
予算を前提として、広告運用の「計画」を立てていきます。計画とは例えば、いつ広告を始めるのか、いつ撤退するのかといった数字の組み立てです。
予算と計画を準備した上で「設計」を行います。設計とは、キャンペーンの入稿や広告の入稿といった作業です。YouTube Adsのタグ設置やタグが稼働しているかの確認も含まれます。
そしてクリエイティブ、つまりLPやYouTubeの広告動画を作ったら、入稿してその成果を「計測」していきます。設定した目標コンバージョンや目標CV、CV単価に対しての成果を見ていきます。
成果を計測しつつ、広告や売上が減少した時には「戦略」を変更していきます。コンバージョンを最大化するために、適切なタイミングで適切な箇所を変更していく必要があるのです。変更する箇所は、例えばプレースメントの指定、ターゲティングの絞り込み、ジョイントの指定といった広告の入札戦略を変えるほか、LPや動画広告などのクリエイティブを変えることもあります。
このように「予算・計画・設計・測定・戦略」という段階を正しく踏んで、トラフィックを増やしていきます。
#2:客単価を上げるためのスキル:コンテンツ
2つ目の要素「客単価」を上げるのに必要なのは「コンテンツ力」、つまり商品を作るスキルです。客単価を上げていくためには、数多くの高品質なサービスを提供するスキルが必要です。
商品を作る能力は非常に大事です。具体的には、どういうレクチャーを作るかという企画を立てる能力、それを正しくオペレーションをしていくかという力が必要です。
また、僕らのようにオンラインコースを作ったり、動画広告を打ったりするのであれば、上手く撮影する能力も必要になってきます。
一眼レフを回すならば、誰が編集するのか、何を喋るのか、どうやって喋ればいいのか、噛んだらどうするのか、というように色々な知識やスキルが必要になります。VSL(Video Sales Letter)にはスクリプトも重要です。僕は、あまりセールスのテクニックを考えて使ってはおらず、伝えなければならないことを真面目に伝えるようにしています。喋りの上手さやナチュラルな感じを出すためには、慣れも必要になってきます。
カメラや照明、マイクなどの機材を持っているかというのもポイントです。例えば僕は、動画撮影をする際には、余計な音を拾わないように非常に性能の良いマイクを使っています。
僕たちのサービスは、化粧品や脱毛商品と違って、テスト段階無しでパッと作ることが多いです。コンテンツを早く作るために、例えばZoomにおいてオンラインコースの販売方法についての対談を録画して、それをそのままコンテンツにすることもあります。これも1つの答えですね。
ちなみに、僕たちは売上が出るとChatworkに通知が来るように設定しています。Zapierというタスク自動化ツールを使って、売上が出ると通知が鳴り、さらに管理シートにも全部データが反映されるように設定しています。このような効率化も含めて「コンテンツを作る能力」です。
#3:購入頻度を上げるためのスキル:セールス
3つ目の要素「購入頻度」を上げるのに必要なのは「セールススキル」です。かけた広告費以上に利益を出すためには、予算はもちろんのこと、セールス戦略が重要になってきます。
僕たちが特に重視しているのは、何をどの順番で、どのように売るかということです。僕たちは、ただ1つのコンテンツを売り続けるのではなく、複数のコースを戦略的に販売することで大きな利益を得ています。具体的な例を出すと「オーダーバンプ」「アップセル」「OTO」といった手法を使っています。
オーダーバンプ・アップセル・OTO
オーダーバンプとは、商品の購入画面で「こちらも一緒にいかがですか?」と提案する広告方法です。例えば僕たちは、オーダーバンプを用いて最初に販売する4,700円の商品に関連した2,700円の商品を提案しています。
アップセルとは、商品を購入した人に、より上位の商品の購入を提案すること。さらに僕たちはOTO(=One Time Offer)という手法も使っています。OTOとは「この商品は今回しか購入できません。ページを閉じたら、二度と購入できなくなります」と限定して商品を提案することです。僕たちはアップセルとOTOを組み合わせて、4,700円の商品を買ってくれた人に対して、29,700円の商品の宣伝をしています。
先程、僕らは商品が売れたらChatworkに通知が来るように設定していると言いました。1度通知があると、その後に10分位でまた通知が来ることがよくあります。つまり、アップセルが上手く働いているということですね。このような戦略は、水平展開することで、いくらでもプラスにできる凄いビジネスだと思っています。
これらの戦略を用いる上では、値付けもやはり大事です。僕たちはオーダーバンプを2,700円にしているのですが、これがもし39,000円だったら買う人は少ないでしょう。最初に4,700円の商品を売って、オーダーバンプが2,700円で、アップセルとして29,700円の商品を売るというのには、それぞれに理由があるんです。このように適切に値付けをすることも大切です。
オートメーションツールの活用
マーケティングオートメーションツールについて知っていることも重要です。特にZapierは非常に便利です。僕らはZapierを使って売上通知の設定をするほか、様々な情報管理を行っています。例えば僕たちはClickFunnelsで決済を受け、Teachableでオンラインコースを管理しています。つまり、ClickFunnelsで受けた決済情報をTeachableに繋げる必要があるのです。これにもZapierを使って、ClickFunnelsの購入者の情報は自動的にTeachableに反映されるようにしています。
実は、このような作業はかつてはWeb制作会社が担っていました。しかし、WordPressやLeadpagesといったサービスが台頭してきたことにより、Web制作会社は淘汰されていってます。実際「Web 制作会社で困っています」というクライアントは凄く多いんです。しかし、僕らはただ単にLPを作れるだけではダメなんです。何をどの順番で売るかを考えられて、決済周りにも強い人が求められています。ただ単にHPを作ってあげても、決済の取り方が分からなかったら意味がありませんよね。さらに、チェックを入れるだけで2,700円のLTVが上がるオーダーバンプや、VSLといった広告を挿入することは、Web制作会社ではできないことです。そういった部分も含めてセールスの力と言えます。
広告費の運用と利益の例
ここまで、売上の公式を満たすための3つのスキルを紹介してきました。次は、これら3つのスキルを掛け合わせて運用している、僕たちの広告の成果の例をお見せします。
僕たちが現在販売しているいくつかのオンラインコースは、広告運用の費用対効果が200%になっています。つまり、広告に1円を使ったら2円になって返ってくるということです。
もう少し具体的に見てみましょう。例えば、以下は2月に販売しているオンラインコースの広告運用の管理画面です。これは2月15日、つまり月の半ば時点での実績となります。
右下の「¥1,967,546」という数字は、2月1日から2月15日までに使った広告費です。後で詳しく紹介しますが、広告費として27万円を投入すると、基本的に2倍の54万円が出てくるモデルになっています。もちろんタイムラグがあり、毎日100%売れ続けるものでもありません。また、まだ消化されていないものもあります。しかし、均していくと倍の利益が出るようになっています。
ちなみに、全期間の広告費もお見せしましょう。同じく右下の「¥11,232,312」が今までに使った広告費です。僕たちはこれらのオンラインコースを売るために、1,100万円もの広告費を使っているということですね。
それでは、結果を見てみましょう。以下は、キャンペーンを開始した8月1日から毎日結果を記録したものです。「Cost(Tax Incl.)」という列の数字が、その日に使った広告費です。例えば8月1日には、107,449円の広告費を使っていることを示します。
その上の行には、今までの合計の数字が記載されています。つまり8月1日から現時点までで「9,254,983円」の広告費を使っているということです。
売上は、右側に計上されるように組んでいます。シートの右列の「決済金額」が、売上額を示しています。広告の打ち始めには0円の日が続いていますが、徐々に売上が発生していることがわかります。
右上端の今までの合計売上金額には「19,267,000」とありますね。つまり、925万円の広告費に対して、1926万円の売上が出ているということです。もちろん、今も広告の運用は続いているのでこれは過去形ではないです。今日も売上が出ています。
直近の広告費をもう一度見てみましょう。過去7日で、70万円の広告費を使っています。1日10万円ペースで使っています。しかし、 CPA(=Cost Per Acquisition)は1,400円となっています。つまり、1件のコンバージョンを獲得するのにかかるのが1,400円のみということです。この数字が下がれば下がるほど利益額は増えていきます。
ちなみに、これからOTOという戦略も用いる予定です。僕らは経験から、これを実装するともっと単価が上がることを知っています。なので、日予算はまだまだ伸ばしていけます。
毎日こんなに高額な広告費を出すのは凄いと思われるかもしれません。しかし、実は驚くべきことに、Googleからは1日あたりの予算をもっと増やすように、具体的には1日あたり30万円使うようにと推奨されています。
毎日30万円という広告費を支払い続けるのは怖さもあります。「1万円でも大きな金額なのに、30万円払って成果が出なかったらどうするんだろう」と思うかもしれません。でも、僕たちは優れたファネルと良いクリエイティブを持っているので大丈夫だと思えます。僕らのこのような自信の根拠は、やはり売上を上げるための3つの要素に必要なスキルを満たしているからです。
次は僕らが新しくローンチしたコースの1週間の広告費に関する管理シートを見てみましょう。
先程の例と同じく「Cost(Tax incl.)」の列が支払った広告費です。初日は「43,734円」、2日目は「29,976円」の支払いです。最右列の「決済金額」見ると、初日は「19,500円」、2日目「12,100円」となっています。つまり、2日間は赤字だったということです。
しかし、2月8日以降は「93,534円」に対して「111,200円」といったように、広告費を上回る利益が出る日が増えてきます。これは、先程紹介したOTOという戦略を用いたからです。
初日から数日でも単発の商品が売れていたので、僕らはこの時点「OTOを足したら凄いことになる」という予想を持っていました。上の表は、2月15日時点の実績なのでOTOを実装してからはまだそんなに時間が経っていません。しかし、デイリーの売上は非常に伸び、例えば2月10日の売上は57万円にも上っています。
総額で見ると、現時点で「803,510円」の広告費を投入して「1,481,400円」、おおよそ2倍の利益が出ています。売上の公式を理解して、全ての要素を高めるために必要なスキルを身につけられれば、これほどの利益を出すことが可能なのです。
まとめ:3つのスキルを全て身につける
売上の公式は「客数×客単価×購入頻度」です。各要素を伸ばすためには「トラフィック」「コンテンツ」「セールス」のそれぞれのスキルを伸ばすことが重要です。
僕は、商品とコンテンツを作る能力を持っていました。そして、広告運用のアドバイスをしてくれる人と組み、トラフィックを集めるスキルもつけました。それによって、お見せした通りの成果が出ているんです。
僕は昔「広告代理店の人がそんなに自由自在にトラフィックを集められるなら、自分でコンテンツを作って売れば良い」と思っていました。しかし、彼らには商品を作る力と戦略がなかったんです。だから、いくらトラフィックを集められても売上は伸ばせない。
売上の公式「客数×客単価×購入頻度」のそれぞれの要素を伸ばすことが重要です。トラフィックを伸ばす力・コンテンツを作る力・セールスを伸ばす力の3つのスキルを、バランスよく身につけてください。