今回は、カスタマーズ・ストーリー広告は使います。カスタマーズ・ストーリー広告の撮影を終えた後、最後にフックとなる部分を抜き出します。 カスタマーズ・ストーリー広告では、主に顧客インタビューの映像を使用します。インタビューの編集が終わり、カスタマーズ・ストーリー広告がほぼ完成したら、最後にフックを選んでいきましょう。
インタビューをもとに、広告原稿の最初の部分である「フック」をどうやって見つけるかを話します。フックには、動画広告の冒頭でを視聴者の注意を引きつけ、広告を見続けてもらう役割があります。インタビューの中から効果的なフックを取り出す方法を見ていきましょう。
効果的なフックを引き出すための基礎知識
既に別のレクチャーでもお伝えしましたが、成功するフックは、次の2つを満たさなければなりません。1つ目は、スタンドアローン・ルールに従うこと。スタンドアローンルールとは、最初の5秒だけで視聴者が続きを見る必要がないくらいに、理解しやすく面白いものにするというルールです。
2つ目は、効果的なフックのタイプを使うことです。動画広告における、効果的なフックは以下の6種類に分類されています。
- 議論を呼ぶ内容
- ポジティブな内容
- ネガティブな内容
- 笑える話
- 奇抜なもの
- ショッキングな事実
さらに制作プロセスの中で、このカスタマーズ・ストーリー広告でフックを作るには3つの方法があります。
1つ目は、インタビューの映像をすべてチェックして、フックとしてまとめられるものを選ぶことです。これは、顧客インタビューの中で自然に出てきた答えの中から、インパクトのあるフレーズをそのままフックに採用する方法です。難易度は高いですが、最も効果が期待できます。
2つ目は、顧客自身に読み上げてもらったフレーズを使うものです。これは、あらかじめフックとなりそうなセリフを用意しておき、インタビュー時に顧客自身に読み上げてもらうものです。事前にセリフの準備が必要になりますが、他の方法がうまくいかなかった場合のバックアップとして機能します。
3つ目は、顧客の映像に別の人のナレーションを挿入するものです。これは、顧客の映像があれば良いので、後からでも修正が効く点非常に有利です。
事例:カスタマーズ・ストーリー広告のフック
僕がよく見ているJumpcutの例をお見せします。JumpcutはAutomated Income Machineというオンラインコースの広告に、マジシャンのPaul Vu(ポール・ブー)を出しました。彼は、Jumpcutのオンラインコースの受講生でした。
趣味としてマジックをやる傍ら、工場での長時間労働働いていたそうです。Jumpcutは、インタビューの中でポールが答えた印象的なフレーズをフックとして採用しました。それがこちらです。
「私は以前、工場で11時間ぶっ通しで働いていました。今は、情熱を持って取り組んでいるオンラインビジネスを運営しています。」
ポールが手品する手元が写り、彼の声が聞こえてきます。これは、2つの対照的な文章が組み合わさって出来ています。一方では、過去に工場で長時間労働していたという大変な状況がありました。そして、一方ではワクワクしながらオンラインビジネスをしている現在があります。これらをうまく対比させています。
ただ、これは実際には、恐らくポールが語ったそのままの言葉ではありません。きれいにまとまりすぎています。実はこれは、インタビューで分かった彼の状況を、最適な形に組み合わせて話してもらったものです。ここで大事になるのは、過去と現在の状況についての感情的なインパクトです。
もしこのような対比を引き出したい場合は、どんな質問をしたら良いでしょうか?まず最初に、商品に出会う以前の姿を話してもらいましょう。こんな質問の仕方が良いでしょう。
「商品を使う前は、どんな生活をしていましたか?」
この質問から掘り下げてください。出来るだけ今の姿から遠いものが探せると良いです。顧客がチラッと話したものの中に、何かヒントが出てくることもあります。躊躇なく追加の質問をしながら、インパクトのある話題がないか探っていきましょう。
そして、次の質問をして現在の姿で印象的な部分を探します。
「商品がどのように役立ちましたか?その時あなたはどう感じましたか?」
商品を使った後の変化を聞き出してください。
それと先ほどのフックの部分で重要な役割を果たしているのがBロールです。彼がカメラに向かって直接話すだけでなく、合間にカードの手品をしているBロールを差し込むことで、視覚的な面白さを演出しています。これもフックには有効な方法です。
マジックのような特殊なものでなくても構いません。家族と幸せそうな笑っている顧客の姿だったり、何かが出来るようになった姿だったり、感情の起伏を伴うようなBロールも効果的です。
あなたの顧客が以前は工場で働いていなかったとしても、彼らのBefore/Afterの中に必ず素晴らしい話題が眠っているはずです。それは、キャリアパスの劇的な変化のように明確な場合もあれば、目に見えないものの場合もあります。また、より幸せな生活を送れるようになるなど、感情面での激的な変化もあります。インタビュー中も追加で質問できるように、よく顧客の言葉に耳を傾けてください。
まとめ:フックが動画広告の成約率を左右する
広告ではまず、フックつまり最初の5秒が勝負です。スタンドアローン・ルールを守って、一瞬で何の広告なのか理解でき、かつエンタメ性のあるフックにしてください。また効果的な6種類のフックの中から、選んでいくことも重要になります。
まずはインタビュー前に優れたフックを引き出せるような質問を用意しておきます。そして、フックが引き出せなかった時のための予備のフレーズも用意しておきましょう。これは顧客に直接読み上げてもらうためのものです。
そして実際のインタビューを行った後で、フックになりそうなものがないか、撮影データの中をよく確認してください。それでもダメな場合は、映像にナレーションを重ねる方法を採用しましょう。
さて、フックが見つかればいよいよカスタマーズ・ストーリー広告は完成です。早速、Google広告のプラットフォームに載せて、広告を回し始めてください。あなたの広告が成功することを願っています。今回はここまで。また次回のレクチャーでお会いしましょう。