今回はカスタマーズ・ストーリー広告を取り上げます。カスタマーズ・ストーリー広告の中でも、 ベネフィット部分の作り方を解説します。 カスタマーズ通り広告では、顧客インタビューをもとに動画広告を制作します。そのためインタビュー時に使う質問が大事になってきます。
直前の解決策部分では商品の役割や機能などのロジカルな面を語ってもらいました。ベネフィット部分では、 その商品を使って実際に顧客の生活がどんなふうに変わったかを語ってもらいましょう。またその過程でどんな精神的な変化があったのか、それも掘り下げてください。このベネフィット部分で、あなたの顧客に商品のメリットをより具体的に説明してもらいましょう。
1つの質問で解決策とベネフィットをカバーする
この商品が顧客の問題を解決した結果、顧客の人生が変わった。商品のベネフィット部分では、この部分をカバーするように進めてください。
解決策セクションは、論理的な側面から商品の良さを訴求するチャンスです。そしてベネフィットセクションでは、商品が顧客の生活どう変えるのかという、感情に訴えかけるチャンスとも言えます。
では、 顧客にベネフィットを話してもらうためにはどんな質問を投げかけたら良いでしょうか?まずは、カスタマーズ・ストーリー広告で有効な質問のテンプレートを紹介します。この中で ベネフィットに 使える質問はどれになるでしょうか。
- 商品を使う前の生活はどのようなものだったか、どんな気持ちだったのか?
- 商品を一文で表すとどうなるか?
- 商品がどのように役立ったか?その時あなたはどう感じたか?
- 商品のお気に入りの機能は?
- 商品の購入に不安があったか?あったとしたら、それは何か?
- 購入への不安はどのように解消されたか?最終的に商品を購入してよかった点は何か?
- 購入を迷っている人には何と言いますか?
実は、 解決策とベネフィットは密接に関係しています。どちらも商品から得られる効果や結果だからです。なので、 1つの質問から解決策とベネフィットの両方に対する 答えが出てくる可能性があります。そのことをあらかじめ頭に入れておいてください。
ベネフィット部分では、3番目と4番目の質問を使います。「商品がどのように役立ったか?その時あなたはどう感じたか?」と「商品のお気に入りの機能は?」という質問です。この質問は、解決策とベネフィットの両方を引き出す質問になります。
ベネフィットでは商品の特徴ではなく結果を示せ
これはよく間違えやすい点なので、もう一度強調させてください。広告においてはあくまで、解決策とベネフィットは別々のものだという理解をしておいてください。
広告のベネフィット部分は、商品がどのように顧客にプラスの影響を与え、最終的には顧客の人生を変えるかを示す場所であることを忘れないでください。
ベネフィット部分では、商品の特徴を説明するべきではありません。それは解決策部分の役目です。特徴とは、ワークシートやチュートリアルなど、実際の商品に付属しているものや、その商品がどんな風に機能するかを示すものです。
一方、ベネフィットとは、その機能が顧客の生活にもたらす結果のことです。例えば「家族との時間が増えた」「経済的な自由が安心感をくれた」「自分の成長を感じられて嬉しくなった」などという答えがベネフィットにあたります。
そして、視聴者が顧客の語った体験に自分を重ねることができるようにしてください。視聴者の感情に訴えかける体験を、顧客から聞き出してください。
ただし、インタビューの中でたまたま解決策と ベネフィットが同時に語られることがあります。その場合は問題ありません。顧客にそのまま自由に話してもらってください。大事なのは解決策だけ、またはベネフィットだけと言う片方だけの要素に ならないようにすることです。必ず両方の要素が入るように質問を投げかけてください。
顧客から感情的な反応を引き出したいときは、単純に何かについてどう感じているかを尋ねてみましょう。例えば、あなたの商品を使って得られた結果についてどう思っているのかを聞いてください。
僕のコンサルティングサービスいしこん2.0でも、顧客に同じようなインタビューをしました。その時も、1つの質問に対して解決策とベネフィットの両方を答えてもらいました。どこが解決策部分で、どこがベネフィット部分かを考えてみてください。答えてくださったのは岡山県で建設と飲食で大成功されている、武野慎一郎さんです。
質問:「実際にいしこん2.0に参加されて変わったことはありますか?」
答え:「いしこんに参加したところから、自分がやりたいことはどんなことなのかというところからサポートしてもらいました。自分の思いを伝えて言語化していったり、見える化していったというのがスタートです。いしこん2.0は、1週間おきにちゃんとミーティングがあって、1週間で今やるべきことを教えてもらってそれに取り組むことができます。その成果を次のミーティングで確認をしていくようなステップになっています。なので、今の自分の立ち位置もわかりますし、進むべきところもわかります。非常に自分としてはわかりやすく、一つのものを作っていっているという実感がありました。」
はい。どうでしょう。前半部分の1週間ごとにミーティングがあって、毎週やるべきことを確認するというのが解決策部分ですね。ベネフィット部分は、自分の立ち位置や進みが分かること。そして1つのものを作ってる実感があったことですね。
もともと武野さんは、実業からオンラインビジネスへの進出を考えていました。その時に、 何から始めたらいいのかと言うことに悩まれていました。そこにいしこん2.0という解決策を取り入れた結果、やるべきことが明確になり、ビジネスが進んでいる実感を得られるようになったそうです。これこそがカスタマーズ・ストーリー広告で見せたいベネフィットです。
インタビュー中の話題に順序は関係ない
通常、カスタマーズ・ストーリー広告はフック、問題提起、解決策、ベネフィット、反論処理、CTA(Call To Action)の順に展開されていきます。
しかしインタビューは生モノです。こちらに意図した通りに進まないこともあります。ただしその場合でも、正確な順序で進める必要はないということです。インタビュー後に実際に動画広告にする段階で、動画編集を行います。例えば2時間のインタビューの良い部分だけをカットして、7分の動画にするという作業です。
この編集作業で映像の順序を入れ替えることが可能です。もしインタビューをしているときにあなたの頭に浮かんだことがあれば、遠慮なくその質問をしてください。インタビューの順序よりも、顧客との話の流れを優先してください。たとえ、顧客の答えが長くなったり、脇道に逸れても問題ありません。
カスタマーズ・ストーリー広告では、インタビューで撮影した映像を編集して使います。顧客が語った言葉がそのまま広告になります。そのため顧客がリラックスして、自分の言葉で語れるように配慮することの方が大事になってきます。あなたの仕事は、出来るだけ多くの顧客の言葉を引き出すことです。
まとめ:問題解決の先の感情部分を聞き出す
さて、今回の内容をまとめましょう。今回はベネフィット部分を引き出す質問について学びました。ベネフィットは、解決策と一緒に語られることが多いです。その商品がどんな風に役立ち、顧客がどうな気分になったのかを質問してください。
またインタビューの順序よりも、顧客との話の流れを大事にしてください。必要があれば話の順序は、後から編集で調整が可能です。インタビューでは、顧客の話を深堀りし、出来るだけ多くの話を引き出すように意識してください。
さて、今回の内容が理解できたら、早速インタビューで使う質問を書いてください。紹介した質問のテンプレートを参考に、あなたの商品や顧客向けにカスタマイズすることをお忘れなく。ベネフィット部分の質問が出来たら次は、顧客の反論に答えていきます。今回は、ここまで。また次のレクチャーでお会いしましょう。