今回のレクチャーでは、オンラインコースの販売におけるトラフィックの集め方について解説します。先に結論を言いましよう。YouTube広告を使ってオンラインコースを販売しましょう。一番ダメなのは、誰も読んでいないブログを毎日書いて「人が集まるといいなあ」と願うことです。そういった中途半端な人生を2年も3年も送ることです。2年も3年もブログを書き続けて何も起こらなかったら、それはすなわちその情報は誰にも必要とされていないということです。
トラフィックを集める方法にはSEOやSNS、他にも様々な無料の方法があります。今回は有料集客、それもYouTube 広告に限定してトラフィックを集める方法を取り上げます。具体的に、僕たちが30万円のオンラインコースを販売する際の例を用いて解説していきます。それでは見ていきましょう。
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目標数値(売上と広告費)の計画を立てる
まずは数値の計画を行います。数値とは、いくらの広告費を支払って、そこからいくらの売り上げを出すかというものです。例えば、売り上げの目標を2,000万円、そこからの利益目標を1,000万円と設定したとしましょう。残りの1,000万円を、広告費として使います。
1,000万円の広告費を月予算、日予算と落とし込んで計算していきましょう。大体1年間で広告費を1,000万円消化すると仮定すると、12で割ると1ヶ月あたり月83万円ですね。1日あたりで考えると、27,777円となります。このように計算して、どれくらいの広告費をかけてどのくらいの利益を得るかという計画を立てます。
もちろん、毎日27,777円の広告費を均等に使う必要はありません。
これは僕たちの事例です。例えば、今回30万円のオンラインコースを売る際には、なるべく早めに広告の結果を確認したいと思いました。なので、初期に10倍の広告費をかけることもあります。つまり、シンプルに27,777円×30日という運用ではなく、元から月83万円で使う予定なので、1日10万円×7日で70万円を使って費用対効果を見るんです。
ゆっくり広告予算の83万円を使ってその商品が売れるかどうか確かめるよりも、最初の1週間で83万円を使い切り、その商品が売れるかどうか素早く見極めるのも一つの手段です。
広告の日予算が違うだけで、同じ予算内にはどちらも収まっているので一緒という考えです。新しい商品を売る時や新しく作った広告の効果を見たい時には、このように1日10万円にして重点的に予算を使うこともあります。
ちなみに、僕たちは上記の予算で30万円のオンラインコースを売っていますが、現時点で425万円の売り上げが出ています。広告費が325万円なので、ROAS(=広告費の回収率)は大体130%程度に落ち着きそうです。
まだ広告のチューニングをしていない段階でプラスになっているので、この商品は売れ筋であることがわかります。よって来月以降はもっともっと広告費をかけることができそうです。
YouTube広告の設定について
続いてYouTubeの広告の各種設定につい見ていきましょう。
ターゲティング設定
まずは、ターゲティング設定についてです。YouTube広告配信の管理画面では、どんな視聴者を対象に広告を配信するかを決められます。
今回は「ノンターゲティング」「起業関連ターゲティング」「投資関連ターゲティング」の3つの設定にしました。それぞれのターゲットに対して、同じ3つの広告を配信していきます。配信地域は、日本全国にしました。
キャンペーンの目標
YouTube広告では、広告の目標を8種類から選択できます。
これを「キャンペーンの目標」と呼びます。もちろん、キャンペーンの目標を指定せずに広告を作成することも可能です。ただし、目標を設定することで、適切なフォーマットを選択できるようになります。今回、僕たちは目標を「販売促進」と設定しました。「見込み顧客の獲得」と設定することも可能です。それから、目標に合ったタイプの動画を作っていきます。
入札戦略
次は入札戦略についてです。YouTube広告では、配信される広告が基本的にオークション形式で決まります。例えば同じ広告枠に対して同じターゲティングで広告を出したいと考えているAとBがいるとします。この時、どちらの広告が配信されるかは、それぞれの上限配信単価によって決定されるのです。
広告の上限配信単価の決め方には様々あり、それを「入札戦略」と呼びます。僕たちは今回、「目標コンバージョン単価」という入札戦略を使いました。これは「1件のコンバージョンあたりの広告費」によって入札が行われるもので、例えば5,000円に設定していれば、5,000円で1件コンバージョンが発生するように、YouTubeが自動的に最適化して配信してくれるのです。
今回は最初は5,000円の設定でとても上手く行って、商品もよく売れたのですが、徐々に配信数が減ってしまいました。なので、途中で目標単価を10,000円に変えてみました。目標単価の変更には色々な考え方があって、例えば今回のようにコンバージョン単価をダイナミックに調整するほか、10%ずつ調整したり、あるいは目標コンバージョン単価は一切触らずに広告を複製して配信数を増やす対応をしたりすることもあります。ひとえにこれが絶対の正解というものがないので、色々試してみることが大切です。
入札戦略の変更
しばらく広告を流してみてから、その結果を見て戦略を変えることも大切です。具体例として、今回の30万円のオンラインコースへの広告の途中経過を見てみましょう。ターゲティングは「ノンターゲティング」「起業関連ターゲティング」「投資関連ターゲティング」の3つがありましたね。
ひとつずつ見ていきましょう。1つはほぼ何もターゲティングをかけず性別も全ての性別に配信している「ノンターゲティング」。その結果を見ると、年齢25歳から34歳の若い人が商品を買っていることがわかりました。商品によってどの世代に売れるかは大きく異なります。例えば別の商品を売っていた時には、 25歳から34歳には全く売れなかったので、配信対象から外したこともあります。これは、ノンターゲティングで配信した結果わかることです。商品の属性によって売れる年齢は変わるため、最初は闇雲にターゲットを絞り過ぎずに運用することもおすすめです。
続いては「起業関連ターゲティング」です。これは、起業関連の動画の視聴者に対する配信です。この結果を見ると、他の「ノンターゲティング」や「投資関連ターゲティング」に比べてコンバージョン率が高いことがわかりました。そのため、今後新たに配信する予定のいくつかの広告は、このオーディエンスだけに配信していくことにしました。その際には自動入札機能の「コンバージョン数の最大化」つまり、成約数を最も大きくするように入札を自動で行ってくれる機能を使うことにします。1日あたりの予算は30,000円に設定しました。30,000円にした理由は、最初に確認した時点での「起業関連ターゲティング」のコンバージョン単価が約10,000円だったからです。その獲得実績がある3倍の価格で設定してみて、コンバージョンが3件出るかチェックしたいのです。
このように、入札戦略を変更することはよくやっています。戦略の変更と言っても、設定ボタンを変えるだけです。しかし、初期設定でずっと通すのではなく、頻繁にチェックしながら入札戦略を変えていくことは大切です。ただし、やたらと設定を変えると Googleが学習できなくなってしまいます。かと言って、いつまでも配信数が減ったまま入札戦戦略を変えないのも良くないです。バランスを見ながら、程よくGoogleを刺激して、学習してもらいます。
YouTube広告の撮影方法
今回の広告は、YouTubeでの限定公開設定にしました。6分14秒の長さの動画です。部屋にカメラを設置して、原稿が書かれたプロンプターを見ながら話します。プロンプターの文字はカメラ側からは見えません。後は良い音で撮るために、良いマイクとオーディオインターフェイスを使っています。これは僕らの動画のポイントの1つで、ノイズが入っていたり音が悪かったりして、生理的に受け付けられないということを回避しています。それから、機材やスタジオを用意して、セットしたまま触らず置いておくことも大事です。そうすることで、準備に時間をかけずに、1日の午前中で動画を作れます。
ある広告では、売りたいコースのカリキュラムについて語っています。実はそれは、別の動画の3分とか4分を切り取っているだけです。それでも5万回ぐらい再生されて、200万円の売り上げを出してくれています。
リンク先の販売ページに動画を置く
広告の最終ページに、ランディングページへの URLを記載しました。リンク先には、また動画が埋め込まれていて、ビデオでセールスをしています。オプトインページではテキストでセールスする人が多いですが、僕らは全部動画を使っています。オプトインページも、アップセル、つまり商品を購入した人に「こちらもいかがですか」と、より上位の商品を広告するときも、どこでも動画を使っています。やはり一定数は、商品説明やカリキュラムを文字で読むよりも動画で見たいと思っているんです。また、作る側としても、テキストだとキーボードを打つ時間が掛かりますが、喋るだけだとパッと完成するというメリットがあります。
コンバージョンの計測の設定方法
次はコンバージョンの計測、つまり動画広告からどれだけの人が商品を購入してくれたかについてです。コンバージョンの計測の設定は、YouTube管理画面の「測定」タブの「コンバージョン」という所から行います。
それぞれの広告に対して、名前や、何をコンバージョンと見なすのか、それをどうやってカウントしていくかなどの設定項目を埋めていきます。そして、その画面を動画のリンク先のページにタグ設定します。
例えば「オプトインをコンバージョンと見なす」と設定すると、オプトインページの次の「ご登録ありがとうございました」というページが表示された回数がカウントされます。僕らの場合は「商品の購入をコンバージョンと見なす」と設定しています。なので、YouTube広告からリンク先へアクセスして、商品を購入した回数がカウントされます。
僕らが使っているClickFunnelsというプラットフォームでは、ページにコードのタグを埋め込むだけでその数をカウントしてくれます。
タグの設置をしてから、最後にタグの発火を確認します。タグ発火とは、コンバージョン完了ページにタグを置いて、完了ページに到達した人数をカウントすることを指します。タグの発火の確認は、YouTube管理画面の「コンバージョンアクション」を見ます。
それぞれの広告ごとに、タグが設置されているものは「コンバージョンを記録中」と表示され、設置されていないものは「未確認」と表示されます。きちんと設置できているかは、Googleの管理画面上でトラッキングのステータスを見て、実際にタグを埋めたページにアクセスすることでチェックできます。ただし、発火された場合にも即反映されるわけではないため、数時間は様子を見てみてください。
広告の運用改善
運用改善についてです。先述の通り、僕たちはコンバージョンを見ながら入札戦略を変えました。これが運用改善のひとつです。その他に、広告の追加も行うことがあります。例えば僕らは同じ商品に対して、僕が喋る広告の他にアニメーションバージョンの広告も作っています。具体的には、クラウドワークスを使ってワーカーさんにスクリプトを投げて、読み上げてもらう人と、アニメーションを作ってもらう人とを分けて作成してもらいます。
予算は、大体1分1万円ぐらいです。アニメーションと実写版でのコンバージョン率を見比べて、広告を追加してみたり、同じパターンではなく色々なパターンで撮ったりします。同じスクリプトでもいくつか見せ方を変えて、実写、アニメーション、後は漫画も取り入れるかもしれません。このように、結果を見ながら効果的な広告を作っていきます。
まとめ:戦略的な運用で大量のトラフィックを集める
YouTube 広告を活用することで、即日、大量のトラフィックを集められます。YouTube 広告を活用することで、ビジネスの検証が圧倒的に早くなって、最短最速で売り上げを上げられます。特に今回は、初日からダイナミックに予算設定したことが良く働きました。
何も戦略を持たなければ、こんなにすぐ結果は出ません。例えば何かコンテンツを作るのが苦手な人は、すごく時間をかけることがあります。半年ぐらい掛けてオンラインコースを作って、ブログを書こうとか、YouTube の動画を1個1個投稿してこうというのでは全然売上が上がりません。この悪いことのひとつは、アクセスがないことです。そして、トラフィックが無いと売上が上がってない理由が、その商品が悪いのか、アクセスが足りてないのかが永遠に分からないのです。
しかし僕たちは、YouTube広告の特性を活かしながら即日大量にトラフィックを集めました。Googleは最強の広告プラットフォームだと僕は思っています。Google広告マスターになれば、実質アクセスを自分たちで自由にコントロール出来るようになり、売り上げもコントロール出来るようになります。
もちろん予算もかかりますが、予算を使い続けられるのはお金が入ってきているからです。例えばこれを書いている今日だけで68,000円使っていますが、月の売り上げは多分400〜500万円になると思います。予算以上のリターンがあるから続けられるんです。さらに、お客さんのリストも集まってきますから、やはりYouTube広告は非常に重要です。