今回は、ファウンダーズ・ストーリー広告でどのように問題提起をすべきかについて紹介します。ファウンダーズ・ストーリー広告は、動画広告のフォーマットの1つです。創業者の持つストーリーやビジョンを語ることで、商品の魅力を伝えるための広告フォーマットです。
ファウンダーズ・ストーリー広告の問題提起部分では、商品を開発するきっかけとなったストーリーを共有します。創業者が直面した問題を視聴者に紹介していくのです。この広告フォーマットでは、過去の自分が抱えていた問題を鮮明に語ることで、視聴者の共感を得ることを目指します。では具体的な内容について見ていきましょう。
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ファウンダーズ・ストーリー広告の構成
初めに、明確な区別をしておきたいと思います。ファウンダーズ・ストーリー広告は、8つのパートで構成されています。そして、これらは前半と後半の2つのパートに分けることが出来ます。前半は、創業者であるあなたのストーリーで、あなた自身に焦点を当てる部分です。後半は、商品の紹介であり、実際の見込み客に焦点を当てる部分です。
- フック
- 創業者自身が抱えていた問題(問題提起)
- 創業者自身の解決策
- 創業者自身へのベネフィット
- 商品の紹介
- 顧客へのベネフィット
- 反論処理
- Call To Action
前半の部分では、創業者であるあなたが抱えていた問題について語る部分です。あなたが抱えてた問題は何か、どのようにして解決に至ったのか、そしてどのようなベネフィットが得られたのかについて語ります。つまり、あなたのストーリーに焦点を当てるのです。
後半では、商品を紹介します。ここでは、見込み客に焦点を当てます。つまり、見込み客が抱えている問題の解決方法を提示するのです。このことについては後ほど詳しく説明しますので、ここでは、ファウンダーズ・ストーリー広告は2つの部分に分けて考えるべきだということだけを知っておいてください。
問題提起スクリプトの具体例
さて、実際に僕が作った広告スクリプトのうち、問題提起部分を紹介しましょう。今回は、CashLabという商品の広告スクリプトです。CashLabはオンラインコースビジネスの作り方を、1から体系的に解説したコースです。何から始めたらいいのか?どんなものが必要か?などのオンラインコースビジネスを構築する上で、進むべき道筋を示した商品です。これをファウンダーズ・ストーリー広告で売っていきます。
すでに冒頭のフック部分が書き終わったとして進めていきます。ここからは問題提起部分です。過去にさかのぼります。CashLabを作る前、僕のお客さんがいかに道を迷っていたのかを語っていきます。
ポイント#1:自分が抱えていた問題について具体的に語る
最初は具体的な事実を書いていきましょう。ちょうどCashLabの前身となる商品があるので、その失敗談から話していきます。
「3年くらい前の話です。僕は自分の作った商品を、最高傑作だと信じ込んでいました。」
さて、ここで先が気になるような言葉を入れたいですね。これを追加しましょう。
「ある時点までは。」
さらに続けます。
「2018年に作ったコンプリートバンドルと言う商品のことです。この商品は僕がUdemyで大成功したのをきっかけに、オンラインコース作りに必要な様々なコースを視聴できるように作った商品でした。視聴できるコースは実に100以上です。まさにオンラインコースビジネスを目指す人のための月額見放題サービスでした
MailChimp、ClickFunnels、Teachableなどというマーケティングオートメーションツールの使い方はもちろん、コピーライティングやメルマガといったスキルについても網羅していました。
これだけ沢山のコースを見ることが出来れば、分からないところは全て学べる。オンラインコース作りで迷うことはないだろう。僕はそう思っていました。」
ここまでは問題提起の前提の話です。問題が起こるまでの背景を説明しています。さらにその先へ進んでみましょう。
「コンプリートバンドルは順調に売れて、それこそ毎日成約がありました。でも、会員がある程度増えてくると、カスタマーサポートにこんなメールが届くようになりました。『コースが沢山ありすぎて、どこから手をつけたら良いか分からない』とか『コースが多すぎて迷子になる』
お客さんから届く他の質問を読んでいても、皆さん全然うまくいってません。なぜか変なところで足踏みしているのです。僕は考えました。完璧なはずの僕のコースに足りないものは何だったのだろうか?と。
コンプリートバンドルに足りなかったもの。そう、それはオンラインコースビジネスを効率的に構築していくための道筋でした。こういうものが市場に出回っていませんでした。」
はい、ここで問題の登場です。成功からの失敗をコントラストで描いています。
ポイント#2:視聴者の共感を得られるフレーズを使う
さて、ここまでが問題の導入部分です。多くの人はこれで終わりにしてしまうかもしれません。しかし、繰り返しになりますが、問題をただ述べるだけでは足りません。視聴者に痛みを感じて欲しいのです。刺したナイフをひねる必要があります。
どうすればもっと痛みを感じてもらえるでしょうか?僕は、実際に視聴者が薄々感じているであろうことを関連づけてみることにしました。そこで、こう加えました。
「『WordPressをやりましょう』『MailChimpを使いましょう』『TeachableとThinkificではどちらが良いですよ』ちょうどこういった話がネット上で盛り上がり、市場全体が踊らされていた頃です。
でもこれらは、ビジネスを作るための道筋の上にある一点にすぎません。もっとオンラインコースビジネスはもっと体系的なスキルです。残念なことに、なにか1つの必殺技で決まるようなものないんです。
お客さんは、オンラインコースビジネスを作るための道筋を持っていません。だからどういう順序でビジネスを組み立てたら良いのかが分からなかったんです。ただ闇雲にツールを契約して実装するだけ。これではうまくいくはずがありません。」
この文章には、僕の個人的な経験も入っているし、視聴者が経験したことがあるだろうことも入っています。ここでスクリプトの長さについて、あまり深く考える必要はありません。
もし長い部分があれば、スクリプト完成後にコンパクトにしたり、カットすればいいだけです。どちらにせよ、この時点では、視聴者に共感してもらえるような問題提起を行ってください。
ポイント#3:自分自身の感情を言葉で伝えて親近感を得る
ファウンダーズ・ストーリー広告の問題提起では、ここにさらに自分の感情を表すようなを加えてください。
どうすればもっと感情を加えられるのか? どのような言葉を使えば、より感情的になるのか?これを考えながら、ここでいくつかの言葉を加えてみましょう。
「僕はすごく申し訳ない気持ちになりました。自信満々に出したコースが、結果的にお客さんを迷わせていたからです。一体、どのくらいのお客さんの時間を無駄にしてしまったんだろうと思いました。」
感情的な言葉を表現しましたが、抽象的な話が続いています。何か僕自身に関する具体的な固有名詞なんかを出したいですね。
「僕のコンテンツを信じて買ってくれたお客さんに申し訳ない。僕は、コンプリートバンドルを一新しようと決意します。そう、あれは僕がちょうどオランダに移住して1年が経過し、3人目の子供が生まれて半年経った頃でした。」
ここで僕は、自分の移住と家族の話を出しました。僕個人の身の上話を混ぜることで、視聴者に親近感をもってもらえるからです。
ファウンダーズ・ストーリー広告では、このように自分の経験を親しみやすく表現することが大切です。僕が彼らの立場にいたからこそ、彼らの状況がいかに難しいかを理解していると伝えてください。
まとめ:感情に訴え効果的な問題提起をする
今回は、ファウンダーズ・ストーリー広告の問題提起部分を書く方法について解説しました。あなたが直面した問題を効果的に紹介する方法について、理解できましたか?ファウンダーズ・ストーリー広告では、自分が遭遇した問題だけでなく、その問題を視聴者に共感してもらうことが必要になります。
さて、次はあなたの番です。今回のレクチャーで紹介したポイントを使って、問題提起部分のスクリプトを書いてください。今回は以上です。また次のレクチャーでお会いしましょう。