今回は、動画広告であるストレート広告を扱います。特にストレート広告の最終部分であるCTA(Call To Action)の作り方を紹介します。CTAとは購入を促す呼びかけのことです。効果的なCTAを書くためには2つの要素が欠かせません。今回はその要素を解説します。
ストレート広告とは、商品の良さを順序立てて説明する種類の広告です。ストレート広告は次のような順番で、構成されています。フック、問題提起、解決策、ベネフィット、反論処理、そしてCTAです。いよいよスクリプトの最後の部分であるCTAを書いていきましょう。
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効果的なCTAを書くのシンプルな2つのルール
効果的なCTAを書くには2つのシンプルなルールがあります。これらのルールにフォローするだけで、顧客の反応率が大きく変わります。
ルール#1:WhenとWhatを具体的に伝える
1つ目は、視聴者に対してやるべきことを具体的に伝えます。画面をスワイプするのか、動画の下のボタンをクリックするのか?と言った具体的なやり方を含んだ指示です。つまりWhatにあたります。
月経ディスクという新しい生理用品を開発したFlexのCTAを見てみましょう。
「このビデオの下のリンクをクリックして、今すぐFlexのトライアルを注文してください。」
「ビデオの下のリンク」と言っているところが大事です。左下にリンクの位置を示す、矢印が写っています。どこをクリックすべきかが一目で分かりますよね?
このように、視聴者がすべきことを明確にしてください。クリックしてもらいたい場所を、言葉とビジュアルで強調すると効果的です。
また「今すぐFlexのトライアルを注文してください」と言って、すぐにリンクから注文するように言っています。でも、単に「Flexのトライアルを注文してください」でも良いはずです。これがWhenにあたる部分です。
動画広告を作る側は、今すぐというのを当たり前に思っています。ですがあえて、相手にいつ何をしてほしいのか?を明確にしてください。そうすることで、視聴者が行動する確率をさらに高めることができます。
尿路感染症の検査キットScanwellの広告でも、Flexと同じようなCTAになっています。画面に矢印が写っていて「今日すぐに、下のリンクからScanwellを試してください」と書いてあります。ここでも、WhatとWhenの両方が含まれています。
CTAボタンは、プラットフォームだけでなく、デバイスによっても異なります。CTAは、想定される視聴方法に合わせて書くようにしてください。
Chatbookは、プラットフォームごとのCTAボタンの出方をよく研究しています。Chatbookは自動で家族アルバムを作ってくれるサービスです。CTAの出し方がとても素晴らしいので、ちょっと紹介させてください。
例えば、もしスマホを縦に持っているならば、動画右下のインストールボタンを押すようにと伝えます。
そして、スマホを横に持っているならば、1度画面の中央をタップして、右上に出てきたボタンをもう一度クリックするように伝えます。視聴者のスマホの向きがどちらでも対応できるように、両方の方法を案内しています。ここまでやっている広告主は見たことありません。
指示がとても具体的です。視聴者がChatbooksを欲しいと思った時でも、迷わせることはありません。これによって、かなりコンバージョン率がアップしているはずです。ぜひ真似してください。
また、Chatbooksでは他の方法も想定しています。アプリストア内での検索です。このようにアプリストアでChatbooksと検索して、ダウンロードする方法もあると伝えています。この方法の賢い点は、動画広告が終わりCTAボタンが消えた後も商品にたどり着いてもらえる点です。
また動画中盤でCTAが出ているのも秀逸な点です。動画広告ではCTAを複数回出すことで、コンバージョンしやすくなります。Chatbooksの場合は、真ん中で1回、そして最後に1回のCTAを出しています。これは僕たちがVSL(Video Sales Letter)という短いセールス動画で、積極的に使っている方法でもあります。
ここで紹介した方法を全部使う必要はありません。全て使うと当然、制作の手間が増え、動画広告の流れが悪くなります。あなたの動画広告の長さやテンポ、制作に使えるリソースのバランスを考えながら作ってください。
ルール#2:感情を引き出して記憶に残す
2つ目のルールは、少し難しくなります。2つ目は、CTAの近くに特徴的な言葉を入れて、視聴者の印象に残す方法です。大事なのは視聴者の感情を引き出すことで、印象に残る引っかかりを作ることです。 感情を引き出した方が視聴者の印象に残りやすいからです。
これはちょうどフック部分に似ています。どんな感情を引き出せるでしょうか?笑えるもの、感動的なもの、衝撃的なものなど様々なものが考えられます。広告をどのように記憶に残すかは、あなた次第です。生意気なジョークを言ってもいいし、本当に面白いビジュアルで締めくくってもいい。
広告の中の伏線を回収しても良いでしょう。つまり、最初にあるアイデアに触れたら、最後にそのアイデアに戻ってすべてを締めくくるのです。それは、ジョークであったり、重要な問題であったり、キャラクターであったりと、何でもインスピレーションになります。
生理用品を販売しているFlexは、こんな印象的なフレーズを紹介しています。
「このビデオの下のリンクをクリックして、今すぐFlexのトライアルを注文してください。そうすればもう二度と生理痛なのか、それともウンチが出そうでお腹が痛いのか、迷わなくてすみます。」
これは半分冗談ぽい雰囲気があります。ただ、これはカスタマーリサーチの中で、割と多かった女性の意見を元にしているそうです。僕は男なのでちょっと分かりませんが、お腹が痛いのと生理痛は、なかなか区別がつかないのかもしれません。
ChatbooksもCTAの後にユーモアの要素を取り入れています。これによって、広告視聴後もChatbooksのことが強く頭に残ります。Chatbooksでは伏線回収のようなことをやっています。
「私にゆっくりお風呂に浸かる時間があると思いますか?母親業は忙しいです。今だって、息子がお風呂で潜水する時間を数える仕事です。」こういうフックで始まります。
そして、動画の最後でChatbooksアプリのインストール方法を紹介します。CTAです。CTAの後に、冒頭のフックの部分の続きを流します。
「ああどうも。アルバム作りをChatbooksに任せて、ゆっくりお風呂に入る時間が出来たんです。今だってほら、お風呂からアルバムを注文しています。」
そう言って注文を終えた安心感で、ついスマホをお風呂に投げ入れてしまいます。ここで「やってしまった」というようなことを言って、広告が終わります。ユーモアと衝撃が混じり合った良い終わり方です。すごく印象に残るし、広告が終わってからもChatbooksを、アプリストアで検索してしまいます。
こんな風に、人間の感情に紐づく形でCTAをデザインしてあげるのがコツです。これはインスピレーションが大事になるので、なかなか苦労するかもしれません。ですが、諦めずに挑戦してみる価値はあります。
CTAの書き方を実演します
さて、ここからは僕らのコースの動画広告を例に説明します。実際にCTA部分を書いていきます。今回扱うのは、「YouTubeマスタークラス」という広告に関する成功法則をまとめたコースです。
まず今回は、動画の中でCTAを2回出すことにします。1回は、商品を紹介した直後。動画の中盤になります。そしてもう一回は動画の最後です。
まず1回目に出す部分は、直前で商品を紹介しています。
「このマスタークラスの受講を開始したら、まず広告集客がうまくいくための条件を学んでください。広告予算の効果が証明されている動画広告づくりのフレームワークを盗んで、広告を出稿してください。ちゃんと撤退ラインを自分で判断するためのフローチャートもお渡しします。」
ここにCTAを書いていきましょう。この後も、ベネフィットや反論処理が続きます。ここでは短めのCTAに押さえておきます。
「今すぐ、左下のボタンを押して受講開始してください。」
WhatとWhenを指定しています。ここではこのくらいで良いでしょう。では、終盤のCTAを書いていきます。直前の部分では反論処理をしています。
「カメラを持っていなくても、動画撮影に慣れていなくても大丈夫。あなたの手元にあるスマホを使ってください。事実、Netflix映画High Flying Birdのスティーヴン・ソダーバーグ監督を始め、多くの監督がiPhoneで撮影した映画を公開し、成功を収めています。あなたは、スマホだけでハイクオリティな動画広告を作ることができる時代に生きています。」
この次にCTAを書いていきます。まずは、商品の概要をおさらいしておきます。
「YouTubeマスタークラスの価格は4,700円です。合計で2時間51分の動画レクチャーで、僕があなたに伴走します。あなたの広告運用に関する知識を一気に底上げしましょう。」
そしてCTAを入れます。
「動画が終わる前に今すぐ、左下のボタンを押して受講開始してください。講座の中で待っています。」
これだと普通のCTAですね。感情の揺れ動きがありません。だから、こんな感じのことを入れましょう。
「この動画はもうすぐ終わります。」
これで希少性を感じてもらい、タイムプレッシャーを与えて行動を促します。さらに追加します。
「この先もずっと報われない努力を続けますか?それとも広告でゲームの流れを変えますか?自分に対して誇れる方を選んでください。」
ここでは、視聴者の自尊心をくすぐる言葉を選びました。視聴者に2択を迫り、かつ「自分に対して誇れる方を選んでください。」と誘導する形を取っています。こんなこと言われたら、少し心がざわつきますよね。
よし、ではまとめるとこうなるます。
「YouTubeマスタークラスの価格は4,700円です。合計で2時間51分の動画レクチャーで、僕があなたに伴走します。あなたの広告運用に関する知識を一気に底上げしましょう。この動画はもうすぐ終わります。この先もずっと報われない努力を続けますか?それとも広告でゲームの流れを変えますか?自分に対して誇れる方を選んでください。動画が終わる前に今すぐ、左下のボタンを押して受講開始してください。講座の中で待っています。」
これでCTA部分は完成です。
まとめ:視聴者が行動しやすいCTAを書く
さて、今回学んだことをまとめましょう。CTAは動画広告の最後で、顧客に行動してもらうために書くものです。CTAを効果的にする方法は2つでした。それはWhenとWhatを具体的に伝えることと、視聴者の感情を刺激することです。プラスとマイナス、様々な感情を引き起こすように工夫してください。
スクリプトが完成したら、実際に何度か読みましょう。そして、以下の点をクリアしたCTAになっていることを確認してください。
- CTAは複数回出ているか?
- WhenとWhatを具体的に伝えているか?
- CTAはプラットフォームに合った表現になっているか?
- 印象に残るような感情表現が出来ているか?
- できるだけシンプルな表現になっているか?
全部チェックマークが付きましたか?CTAが書き終われば、広告は完成です。もう一度広告全体を見渡し、問題がなければ撮影に入ってください。今回は以上です。また次のレクチャーでお会いしましょう。