今回は、動画広告の中でもオポチュニティ広告を取り上げます。オポチュニティ広告の反論処理部分の作り方を解説します。オポチュニティ広告では、まず視聴者にチャンスを見せます。そして、そのチャンスと視聴者の問題を徐々につなげていきます。
オポチュニティ広告では、チャンスと問題の間の距離は一見遠そうに見えます。それらを近づけるために、反論処理とベネフィットの提示を何セットか繰り返す必要があります。
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優れた反論処理を作るための4つのステップ
視聴者の反論や疑問を処理するためのいくつかのラウンドを行っていきます。あらゆる反論や疑問を防ぐために、最適なアウトプットを得るためのサイクルを何度も繰り返していきます。
視聴者は動画広告を見ながら、必然的に疑問を持つでしょう。そこでこのレクチャーでは、それらの疑問に効果的に答える方法を探っていきます。しかし、結論に直接向かう前に、次のような重要なステップを知っておかなければ、目の前の本当の問題を指摘することはできません。
- 想定される反論をリストアップする
- 想定される反論に優先順位を付ける
- 反論処理の内容を決定する
- 反論処理を通して、コンテンツを間違いのないものにする
ステップ#1:想定される反論をリストアップする
視聴者が持つ、最も一般的な反論は何でしょうか?まず反論処理する前に、あなたがどんな視聴者をターゲットに広告を配信しようとしているのか?どのような視聴者が商品を買ってくれるのかを知る必要があります。ターゲットによって反応が異なるので、コンテンツを作成する際には、その対象となるターゲットに主眼を置いてください。さまざまな分野の視聴者がいます。視聴者の反論や疑問を理解するためには、その視聴者のペルソナ、興味などを知る必要があります。
既にあなたは動画広告を作る前にカスタマーリサーチを済ませているはずです。カスタマーリサーチの資料などをここでもう一度見返してください。そして、そのターゲットが広告を見たときに思うであろう疑問や反論をリストアップしましょう。まだ順序を気にする必要はありません。思いつくままでに書き出してください。
ステップ#2:想定される反論に優先順位を付ける
次に反論に1から3の優先順位をつけてください。反論に優先順位をつける最善の方法は、説得の障壁になるものを先頭に置くことです。3が優先順位が一番高いものになります。ですから、まずは3から解決していくのが良いでしょう。3が複数あっても構いません。この際にも、カスタマーリサーチのデータを参考にしてください。実際に彼らが発している疑問や質問も参考にしましょう。ターゲット層が思いつくだろう反論を考えてください。
ステップ#3: 反論処理の内容を決定する
すべての反論を評価した後、最終的にどの反論に対処するかを決定しましょう。すべての反論に対処したいところですが、ある程度絞り込む必要があります。オポチュニティ広告の反論処理は、2つから4つくらいが適切です。反論のリストがそれ以上ある場合は、一番優先順位の高い順に4つに絞り込みましょう。
ステップ#4: 反論処理を通して、コンテンツを間違いのないものにする
次にリストの順番通りに、反論処理をしていきましょう。反論処理する際には、データや実例などを出すと根拠がしっかりします。
実演:OSB2.0のオポチュニティ広告で反論処理をする
さて、それでは僕らの商品であるOnline School Building 2.0、略してOSB2.0を題材に オポチュニティ広告の反論処理部分を作っていきましょう。まず、OSB2.0の広告では一人起業家や、フリーランス、セミナー講師などをターゲットにしたいと思います。彼らは毎月の売上のために必死で時間を切り売りしています。
仮に、OSB2.0のオポチュニティ広告で、反論処理の前にこのようなチャンスを描いていたとしましょう。
「あなたもご存知のように、サブスクリプションはとても優れた課金方法です。サブスクを導入した企業が売上を伸ばしています。サブスクがビジネスモデルとして優れている点は、それがストック型の収益モデルだからです。1回買ったら終わりのフロー型ではなく、定期課金が積み上がっていくストック型のモデルだからです。
あなたもご存知のように、サブスクリプションはとても優れた課金方法です。今や周りを見渡せば、映画、音楽、書籍、洋服、お花、野菜、家電、車などサブスクリプションモデルが浸透しています。あなたのクレジットカードの明細にも、サブスクサービスが2つ、3つ載っているはずです。
サブスクでビジネスを運営しているのは、何も企業だけではありません。フィットネス、料理、ファッション、語学学習、楽器の弾き方、ダイエット、美味しいコーヒーの入れ方などを題材に、小規模な運営者がサブスクモデルを導入しています。事実、海外製のツールを使い、顧客の離脱を防ぐ方法を実践すれば、この収益性の高いサブスクモデルを導入することが可能です。」
さて、この場合に想定される反論をリストアップしていきましょう。
- どんな商品をサブスクにすればいいのか?
- 経験のない自分にも出来るのか?
- サブスクは本当に個人で導入できるのか?
- 本当にストック型のビジネスになり得るのか?
さて、これらに優先順位をつけていきましょう。まず一番の多い反論はこれでしょうか。「サブスクは本当に個人で導入できるのか?」次に「どんな商品をサブスクにすればいいのか?」、そして「経験のない自分にも出来るのか?」「本当にストック型のビジネスになり得るのか?」と続きます。なので、優先順位をつけるとこうなります。
- サブスクは本当に個人で導入できるのか?(3)
- どんな商品をサブスクにすればいいのか?(3)
- 経験のない自分にも出来るのか?(2)
- 本当にストック型のビジネスになり得るのか?(1)
これらに反論をしていきましょう。
まず、「サブスクは本当に個人で導入できるのか?」という問いには次のように答えます。
「英語圏では、ClickFunnels、Teachable、そしてStripeなどのツールを使って個人でサブスクの仕組みを導入しているフリーランサーが沢山います。これらのツールはいずれも個人で簡単に契約し、設定できるものばかりです。彼らは、サブスク収入を積み重ねることで、収入のアップダウンを少しずつ安定させることに成功しています。」
次に「どんな商品をサブスクにすればいいのか?」という問いへの答えはこうです。
「あなたの知識・スキル・経験をサブスクで配信してください。動画でもオンラインセミナーの形でも結構です。大事なのは、サブスクという決済方式にシフトすることです。」
3番めの反論は「経験のない自分にも出来るのか?」です。それにはこう答えましょうか。
「個人でサブスクを運営している人たちは、実はテクノロジーにそれほど詳しくありません。彼らの専門は、仕組みの構築ではありません。セミナー講師やインフルエンサー、習い事の先生です。仕組みの構築にはそれほど時間をかけずに、自分の知識やスキルをお客さんのために提供することをメインの仕事にしています。」
最後の反論はこうです。「本当にストック型のビジネスになり得るのか?」です。僕なら、これにはこのように答えるでしょう。
「サブスクである以上、会員の離脱は必ず起きます。これはNetlixやAdobeでも毎日起こっていることです。ただし、会員の継続を促すような方法があることもまた事実です。こういった方法を使えば、一度入ってきたお客さんは可能な限り長くあなたのサブスクに留まってくれます。会員の離脱が起こりにくくなれば、やがて人数が増え、毎月のサブスク収入が積み上がっていくことになります。」
4つすべての反論に対処しました。この先では、オポチュニティ広告で反論とセットで提示するベネフィットを加えていくことになります。ここでは、一旦この反論処理だけで大丈夫です。
まとめ:複数のオーディエンスに対応できるコンテンツを作ろう
今回学んだことは、ターゲットとする視聴者に合わせて適切な反論処理をするということです。視聴者が共感でき、視聴者自身が質問したかったと思えるような反論を想定してください。視聴者の共感を得られる反論処理を作ることで、オポチュニティ広告のこの先の部分につながりやすくなります。
広告制作者は、視聴者が何を求めているのかを把握ことが大切です。視聴者が何を求めているのか、何を作れば注目されるのか。それを意識しながら反論処理を進めてください。今回は以上です。また次のレクチャーでお会いしましょう。