今回は、ファウンダーズ・ストーリー広告を紹介します。ファウンダーズ・ストーリー広告とは、名前の通り、創業者の過去や商品の開発に至った理由などのストーリーを伝える広告です。この広告フォーマットをマスターすれば、視聴者にあなたの商品や会社への親しみを感じてもらうことが可能になります。
ここでは、広告を作るあなた自身が創業者であると仮定して話を進めます。ファウンダーズ・ストーリー広告では、ブランドや商品についての物語を表現することで、広告をより親しみやすいものにし、創業者と見込み客との間に信頼関係を築きます。このタイプの広告は、起承転結がはっきりしていればいるほど、説得力のあるものになります。そしてそのためには、自分自身に「なぜメソッド」を使うことが有効です。「なぜメソッド」とは、得られた回答に対してさらに質問することで、内容を深堀りする方法です。
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広告の基礎となる創業者に対する5つの質問
広告のスクリプトを書き始める前に、「ファウンダーへの5つの質問」という質問のテンプレートを紹介します。これらの質問から得られる回答は、広告を書く際に使う情報の基礎となります。単純に自分の頭の中を整理するためではなく、広告の土台を作るための質問と考えてください。
具体的な質問の例は、以下の通りです。これらの質問に答えることで、あなたがビジネスを始めようと思った動機を明確にできます。
・あなたのビジネスはどんな問題を解決するのか?
・見込客が抱えているペインポイントは何か?
・問題が存在することをどうやって知ったのか?
・問題はどのくらい深刻か?
・なぜその会社を立ち上げたのか?
それぞれについて、僕の回答例を紹介しながら詳しく解説していきます。ここでは、僕のオンラインコースであるCashLabの広告スクリプトを書くことを前提にしていきます。CashLabとは、オンラインコースビジネスの作り方を1から体系的にまとめた商品です。
#1:あなたのビジネスはどんな問題を解決するのか?
最初の質問から始めましょう。あなたのビジネスはどんな問題を解決するのでしょうか? CashLabでは、見込客の2つの問題を解決します。
1つ目に解決する問題は、オンラインシフトが叫ばれる中でも、なかなかオンラインのビジネスに移行出来ないことです。
もう1つは、1つ目と関係しています。いざオンラインシフトしようとして、オンラインコースを作ろうとしても作り方が分からないことです。
ここには商品が解決できる2つの大きな問題があります。
#2:見込客が抱えているペインポイントは何か?
次の質問を考えてみましょう。見込客が抱えるペインポイントとは何でしょうか?
僕らの見込客のペインポイントは、労働集約的な働き方に疲れ切っているということでした。セミナーや個人セッション、クライアントからの依頼など、時間を切り売りすれば売上は伸びます。ですが、それもいずれ限界が来ます。自分の持ち時間の上限が決まっているからです。
その結果、見込客のビジネスは、働く時間を減らすとすぐに売上が落ちるようなモデルになってしまいました。このことをスクリプトに盛り込むことにしたのです。そのためには、自分の体験談を語るのが一番です。
僕の場合は、2013年に西麻布で起業した時に猛烈に働きました。理由は毎月の社会保険を払うため。最初の社会保険の請求が来た時、その金額にビックリしました。まだ売上も立ってないし、資本金だってロクに用意していませんでした。
その結果どうなったか?創業メンバーのコピーライターF君が、倒れて救急車で運ばれました。そこで初めて「誰かが倒れるほどに、全員が仕事ばかりしていた」ということに気づいたんです。 毎月の支払いを間に合わせるために、気付けばとんでもない時間働いていました。
僕はこの自分自身のストーリーを広告に入れようと思います。それはなぜでしょう?なぜなら、もしファウンダーである僕自身が見込客の痛みに純粋に共感していなければならないからです。そうでないと、広告に真実味がなくなってしまうからです。
#3:問題が存在することをどうやって知ったのか?
次の質問に移りましょう。その問題自体が存在することを、どのように知りましたか?
これは、あなたが顧客の問題を理解しているだけではなく、あなた自身がこれらの問題を経験したことを示すための絶好の機会です。そうすることで、より個人的なレベルで見込客との信頼関係を築くことができます。
この問題に対する僕の答えは、「僕はこれらの問題を全部経験したし、僕のお客さんも同じ問題を抱えていたから」ということになります。
この画像は、実際にいしこん2.0の申込書に書かれていた内容です。お客さんが口を揃えていうのは、「zoomセミナーだけでは売上が頭打ちだから、デジタルコンテンツにして売りたい」とか「石崎さんみたいなオンラインで動画を売るビジネスをしたいけど、どこから始めたら良いのか分からないということ」でした。彼らは、何から始めればいいのかわからず、試行錯誤しながら必要な方法や戦略を学ばなければならない問題に当たっています。
このような経験を通じて、僕は労働集約的な仕事のやり方から抜け出せない問題や、オンラインコースを作る道筋が分からないという問題の存在を知ったのです。
#4:問題はどのくらい深刻か?
この質問は、先ほどの質問と関連しています。それはどのくらいの大きさの問題なのでしょうか?
さきほどと同じいしこん2.0の申込書に書かれていた、別の例をお見せします。
「2歳の息子が深夜に帰ってくる私と遊びたいが為に、2時に寝る習慣がついてしまいました。今の時間に縛られた環境を変え、太陽の下で息子と遊びたいです。」
「時間を切り売りする業務体系から脱却したいです。長時間働く私に気を遣い、あっちのスーパーの方がお肉が安いと、帰り道に寝てしまう子供を抱っこして遠い方のスーパーから帰ってくる妻に、気を遣わせずに買い物をさせてあげたいです。」
わかりますか?これは非常に大きな問題です。オンラインコースビジネスを作りたくても、そのステップが明確になっている商品が市場にはなかなかありません。僕は、もっともっと彼らの役に立ちたい。この問題を解決するためにCashLabを作ろうと思ったのです。
#5:なぜその会社を立ち上げたのか?
最後の質問です。なぜあなたは、この会社を立ち上げたのですか?
これには、すこし大げさな言い方を答えましょうか。僕は、世界から遅れを取ってしまった日本のオンラインコース市場を救うべく、始めました。非効率で労働集約的なビジネスをやる必要はない、ということを伝えたかったんです。
ビジネススクールは学生を失望させています。学費は高く、実際のビジネスで活かせる知識やノウハウは教えてくれません。そこで僕は、実社会で成功するために必要なツールと知識を提供するオンラインのビジネススクールを作ることにしました。実際にお金を生み出す仕組みだけを、直接お客さんに紹介したかったからです。しかも、費用はビジネススクールで学ぶよりも遥かに安い金額です。僕は、ビジネス教育を根本的に見直すために、会社を設立したのです。
まとめ:ファウンダーへの質問から広告の土台を作る
さて、今回はファウンダーズ・ストーリー広告を作る際の準備について解説します。まず、自分自身に5つの質問をしましょう。あなたも答えられましたか?回答が用意できたら、いよいよそれを使ってファウンダーズ・ストーリー広告のスクリプトを作っていきます。
ここで紹介したファウンダーへの質問には、できるだけ詳細に答えてください。 自分の答えをじっくり考えて、重要だと感じることはすべて書き出してください。それが広告スクリプトの土台となります。今回のレクチャーは以上です。またすぐに、お会いしましょう。