今回のレクチャーでは、オンラインコースでのコンテンツ制作について解説します。コンテンツの選び方から、テーマの切り口、広告スクリプトの制作方法や使うべきプラットフォームまで紹介します。
オンラインコースを作るだけではダメです。そのオンラインコースを売るためにトラフィックを集めなければいけません。毎日ブログを書いたり、誰もみていないYouTubeのチャンネルに動画をアップロードしてオーガニックのトラフィックを集めていては1年たっても2年たってもオンラインコースは売れません。Google広告を使い、オンラインコースをローンチした初日から売りを立てていきましょう。それでは、見ていきましょう。
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ポイント#1. 売れるコンテンツの制作方法は2つある
オンラインコースでは、それぞれのテーマに合ったコンテンツの作り方があります。フォーマットと呼ばれるものです。例えば、サッカーを教えるならば文章よりもやっぱり目でビデオで見た方がわかりやすいですよね。何なら、サッカーフィールドに出てマンツーマンで教えてもらうのが一番です。
僕が住むオランダにもたくさんのサッカーフィールドがありますが、肌の色が異なる4歳から6歳の子供たちが、感心するほどのボールタッチでサッカーをしています。彼らは本を読んでサッカーが上手くなったわけではありません。実際にボールをタッチして、指導者から直接教えてもらい上手くなっています。何かを上達するために、それが一番早く上達するフォーマットでコンテンツを提供しましょう。少なくともサッカーはテキスト・フォーマットで学ぶ科目ではありません。
コンテンツの配信方法にはいろんな形態がありますが、お客さんが一番知りたいフォーマットで渡すことがベストです。とは言え、ベストな方法を常にできるとは限りません。例えば、世界中のすべての人にマンツーマンでサッカーを教えることなんて不可能です。だから、ビデオコンテンツを使うんです。
ビデオコンテンツと一言で言っても、様々な方法があります。対談形式にする、原稿を読み上げ一眼レフを回す、その中でもスクリーンキャストを使う、画面共有するなど、いろんなパターンがあります。今回は、僕が実際にやっている対談形式と原稿を読み上げる方法について詳しく紹介します。
#1. ZOOMで対談して録画する
ZOOMで誰かと対談して、それを録画する方法です。この方法のメリットの1つは、完成までが早いこと。
その理由は、編集がいらないからです。それから、スライドショーなどの資料も不要です。もう1つのメリットは、対談だと言葉が途切れないこと。1人で話していると「次は何喋ろう」とか言葉に詰まることがありますよね。でも2人だと、交互に会話のキャッチボールができるので話しやすいのです。話していてわからないことがあったら、すぐにお互い質問し合えます。だから、コンテンツの内容自体も深まります。
ZOOMを活用した対談形式では、スクリーンキャスト、つまりスクリーンを録画するツールを使ってもいいですね。何かを説明する時、操作方法を教える時に、ユーザーと画面を共有できるので便利です。スクリーンキャストツールは、ScreenFlowがおすすめです。スクリーン内で撮影する範囲決めて、使うマイクを決めて、録画開始と停止のボタンをそれぞれ押すだけ。それだけで、画面も含めて丸ごとZOOMでレコーディングできるんです。
#2. スクリプトを読み上げ一眼レフカメラで撮影する
もうひとつは、スクリプトを作って読み上げて、それを一眼レフカメラで読み上げる方法です。
僕の場合は、撮影した動画は、日本に送って編集してもらいます。完成尺10分あたりで、だいたい相場は2万円から3万円。60分のレクチャーで12万円~15万はかかります。それが30レクチャー、40レクチャー、50レクチャーと続くと、まあまあのお金がかかります。編集者はクラウドサービスから探してもいいと思いますし、知り合いの中から探してもいいです。お金をかけたくない人は、もちろん自分で編集してもいいですよ。
スクリプトを読み上げるときは、機材にもこだわると良いですね。やっぱりiPhoneだとクオリティが落ちるので、僕らはフルサイズの一眼レフカメラを回してます。例えばYouTube広告の撮影では、レンズ込みでだいたい100万ぐらいかかっています。だから、高クオリティのものが仕上がるんですね。
良い機材を使うのには理由があります。僕らは、YouTubeとか表面に見せるところは、良い機材を使うんです。そして、後ろの商品は動画クオリティではなく、情報クオリティに価値を見出そうとしています。情報の質が良ければ、「なんだこの動画クオリティ」とはならないんです。例えばGoogle広告の出稿手順を教える動画を撮るとして、それをわざわざ一眼レフで撮るのは逆に難しいかもしれません。
動画コンテンツ作る時は音も重要です。いいマイク使っていると、例え外でうるさい工事が行われていても、声だけをキャッチしてくれます。動画において聞きやすさは非常に重要です。良いマイクで撮るとコンテンツの価値、クオリティが上がります。
ポイント#2. 動画広告のスクリプトは3ステップで作る
オンラインコースを販売するときは、VSL(=Video Sales Letter)、簡単に言うと動画広告を使います。え?広告を使う?難しそう。やったことない。と反射的に思われた方は、たぶんこれからのフリーランス人生は辛いものになると思います。もしかしたらすでに辛い思いをしているかもしれません。オーガニックのトラフィックに頼りきりだと、あなたがビジネス・インフルエンサーでない限り、売上にリミットが生じます。あなたの売上を言い当てていいですか?月商100万円に届いていないのですよね?
理由は簡単です。アメブロ、インスタグラム、YouTubeだけを使っているからです。もし商品に自信があるのであれば、売上の一部を広告に割り当ててみてください。そこからあなたの第二のフリーランス人生は始まります。約束します。いいことあるはずです。
さて、ここでは、動画広告のスクリプトの作成方法を見ていきましょう。
#1. フック
広告の出だしはフック、つまりあなたのサービスに興味をもつ「きっかけ」を与えることです。僕がYouTubeで生計を立てるノウハウについてのコースを販売する場合だと「あなたの知ってることを収益性の高いYouTubeチャンネルに変えませんか」とかですね。これがフックにあたります。
コピーライティングを熱心に勉強している人のなかには、売れてる文章を自分なりに分析する人もいるかもしれません。間違ってはいませんが、そのやり方で作られる文章は、画一化してしまうことが多いです。いわゆる、情報商材ぽくなってしまうのです。もうちょっと自由に話しても問題ありません。実際に、僕は自由に自分の話をして結果を出しています。
Banner Blideness(=バナー盲目)という言葉があります。バナーは目に入らないって意味ですよね。最近、Yahoo!やGoogleのディスプレイ広告で「このバナーを見たことがありますか」「この広告見たことありますか」というものがありますよね。その実験の結果で、多くの人がバナーがあることすら気づいてないということがわかっているんです。脳がバナー=無視するものと覚えていて、バナーが表示されても、認識すらしない。一度見たものは、もうすでに知ってると脳が処理してしまい、目に入らないんです。
つまり、広告に既視感があってはダメです。一度見た広告は二度と見られないのです。あるいはどこかで見たことのある広告と似たようなものを作ってもいけません。
他とは違うなと思ってもらう必要があります。ユニークさが大切です。例えば、僕は僕が喋ってるだけの広告を出しています。あまり型に当てはめずに考えてください。
#2. 教育
フックの次は、教育です。見込み客に、なぜあなたの商品を使うべきか説得していきましょう。説得の仕方にはいろいろあります。実績を見せるとか、他の成果を出したクライアントに喋ってもらうとか。あるいは自分が話しても良いですね。例えば「Facebook広告 iOSの14に更新されたら止まりますよ」とか「Facebook広告頼りないですよね。では、Google広告をやりませんか」とか。あまり縛られずに、自由に教育コンテンツを作って構いません。
ここでも、均一化しないこと、つまりユニークさは大事です。自分にしか語れないオリジナルなストーリーや、メッセージを伝えましょう。「クリックするだけで」とか「動画を見るだけで」とか、いかにも広告というフレーズは、これはもう誇大だとか、これは多分間違ってること言っているなって、ユーザーもおそらく気づきます。だからこそ、独自のストーリーとか、独自のバックボーンを折り混んで話すと、多くの人に刺さりやすいんです。
オンラインコースのスクリプトから切り出してしまっても良いと思います。オンラインコースのイントロダクションで、受講生に何かメッセージを投げているのであれば、それをそのまま広告スクリプトとして利用するということです。
カリキュラムをそのまま切り取って、広告として載せるのも手段のひとつです。作り込まれたカリキュラムは人を教育するパワーがあります。
#3. Call To Action
最後はCall To Action、つまり、行動への呼びかけです。
例えばYouTube広告についてのオンラインコースの広告だったら、 「このコースでネット集客に関する悩みを今日やめませんか」というフックを用意します。その後に、「あなたは何時までブログを書き続けるんですか」とか「誰も見てないInstagramのLIVEは意味ないですよ」とか「トラフィックをFacebook広告だけに頼ってるのはダメです」という教育をします。そして「僕らは次の一手を作りました。このオンラインコースのカリキュラムを紹介します」と言い、カリキュラムを紹介します。
そして最後にくるのが、Call To Actionです。行動を呼びかけてください。例えば、僕は「このマスタークラスはまだ80%しか完成してませんので、早期割引価格でご提供します。コースの受講費は4700円です。残り20%完成した時点でコースの値段上げるので、だから購入できる今のうちに商品を購入なさってください」と言うことがあります。限定性を出して、早急な行動を呼びかけるんですね。
ポイント#3:プラットフォームはTeachableを使う
さて次は、オンラインコースを提供するプラットフォームについてです。結論を言うと、Teachableの利用がおすすめです。月1万円ほどで使えて、安いプランだと3900円程度のものもあります。コンテンツのマネジメント方法には、WordPressのプラグインやマイスピー、VimeoやYouTubeの限定リンクなど様々な方法がありますが、圧倒的にTeachableが使いやすい。
Teachableの大きなポイントは、使いやすいところとUI(ユーザーインターフェース)がすごく綺麗なことです。Stripeで決済を受ければ、即時アカウントに入金されます。必要であればその日のうちに銀行へ着金させることも可能です。日本のクレジットカード代行会社のように高い手数料も取ることはないし、1ヶ月間売上がプールされることもありません。
具体的に見ていきましょう。例えばTeachable内の「インフォメーション」という部分では、コースのタイトル・サブタイトル・講師の情報を加えられます。クライアントの管理もコースの管理も、アップロードも簡単に行えます。
さらに、今月の売り上げや、カリキュラムもひと目でわかります。動画ファイルだけじゃなくてテキストも追加できるし、クイズ、コード、アップセルも追加できますね。アップセルとは、コースを検討している人やコースを受けている人に、より高額なコースをおすすめすること。ユーザーに他のコースを簡単に見せることができて、ワンクリックで次のコース購入をしてもらえます。Teachableにクレジットカード情報が紐づいてる人はそのまま購入できるし、他の決済プラットフォームと連携させることもできます。例えば僕らはClickFunnelsというプラットフォームを使っていますが、ClickFunnelsで受けた決済で、ユーザーの情報をTeachableに連携しています。
UIに関してもTeachableを使えば問題ありませんが、オンラインスクールのデザインに関して言うと、海外のものをチェックすることもおすすめです。日本のものよりデザイン性が高いため、海外のデザインを基準点にして、オンラインスクールのデザインを作るとちょっと抜けた感じになりますよ。
Teachableは、ユーザー側から見た画面もすごく綺麗です。いわゆる会員制サイトという画面で、自分がどこまでレクチャーを見たかもパッとわかります。本当に、CMSとしては優秀です。オンラインコースのプラットフォームには、Teachableを迷わずにおすすめします。
ポイント#4:オンラインコースの効率的な見出し作りの方法
初めてオンラインコースのコンテンツの見出しを作る時には、迷うことも多いかもしれません。大学でいうシラバス、学校のカリキュラムを想像してください。何セクション、何レクチャーのオンラインコースを作れば良いでしょうか?1講義の長さは?合計で何時間のオンラインコースにするかなど決めることはたくさんあります。
簡単なやり方としては、テーマについて、自分がやってきたことを、ステップバイステップで書き起こす方法があります。とは言え、自分にとって当たり前になってるものを、言語化するのは難しいかもしれません。
見出し作りをスムーズに行いたい人のために、ハードルベースアウトラインというやり方を紹介します。見込み客の今の姿と、彼らが望んでいる将来の姿、2点プロットするやり方です。プロット、つまり点を打つんです。
例えばあなたがYouTube広告についてのオンラインコースを販売しているとしましょう。あなたの商品を買う人は「良い商品を持ってるけども、まだトラフィックが集まってない」という状況です。ウェブスキルもそれなりにあって、できればYouTube広告回してみたいと思っています。この状況を、Aとします。
一方で、Bはなりたい姿です。例えば自由自在にGoogle広告の管理画面を触れるようになって、自分が好きなようにトラフィックを集めれるようになって、1,000万円の広告費を出せば2,000万返ってくる状況。2,000万稼ぐためにやったことは、広告設定することだけ。このAとBを明確にして、Bを達成するために、その人たちが一番最初に乗り越えなきゃいけないハードルを考えてください。例えばそれが「予算を決めるところ」だったら、最初のセクションは予算についてにしましょう。予算を決めた人が次に超えなきゃいけないハードルは何か?それが終わると次は何をすればいいか?こんな風に、カリキュラムを考えていきます。
もうひとつ例を出します。YouTubeチャンネルを成功させるためのオンラインコースを作るとしましょう。A地点にいるのは、9時-5時の仕事に疲れ、サービス残業が嫌で、上司も尊敬できない人です。一方、B地点にいるのはYouTubeをフルタイムの仕事にしていて、土曜日の午前中使って、自分の好きなトピックで映像を撮影、午後に編集した後、YouTubeにアップロードして終了です。1人で生きていくには十分な広告収入が得られる状況で、登録者は10万人ほど。このA地点とB地点を考えると、Aにいる人が最初に克服しなきゃいけないハードルは何でしょう?YouTubeが初めての人は、「自分がYouTuberになるなんてありえない」とか「人前で話すなんて自分には無理」と考えている可能性がありますね。だから、この不安を克服させてあげることが最優先です。これがハードルの1になります。だから、セクション1とかモジュール1のタイトルはマインドセットになります。レクチャーの中で、例えば「人前で話すのは僕も無理でした」とか、そういう話をしても良いですね。レクチャー2では「顔って600種類の筋肉があるから、こうやって筋肉をつけるように顔を動かすと、筋肉付きますよ」という話も良いかもしれません。
人前で話すっていうハードル克服した、その次にぶつかるハードルは何かって考えると、YouTubeのチャンネルの方向性を決めることです。YouTubeでどんな情報発信していくか、見極めていく必要があります。だからハードル2に呼応するセクションはテーマの決定とか、ジャンルの選定、トピックを決めることです。彼らがどういう風にして、ゴール達成していくかってところ、何につまずくかってとこを順番に取り上げていってください。
これが、ハードルベースアウトラインという方法です。
ポイント#5:なぜオンラインコースが売れるのかを理解する
オンラインコースのテーマの切り口は、あなたが情熱を向けられること、かつマーケットにニーズがあることです。
例えば、いくらあなたが爪切りが好きでも、爪切りのオンラインコース作っても誰も買いませんよね。どれだけ爪切りに対する情熱があっても、マーケットはそれを欲していません。理想は、マーケットが求めているものと、自分の作りたいものを折衷すること。しかし、自分の情熱が暴走してしまって、マーケットを無視したコンテンツ作る人が本当に多いです。でも自分でビジネスをしてるときって、儲からなかったら本当に意味がありません。マーケットの需要に寄る必要があります。
Googleの検索数を見てテーマを決めようとする人は多いかもしれません。でも実は、Googleの検索ボリュームに、お客さんの悩みが全て現れているわけではありません。日本ではまだですが、海外のオンラインコース界隈においては、Overwhelmed(=圧倒される)という言葉がよく使われています。
どうしてオンラインコースが売れてるのか、考えてみてください。困ったことがあれば、Googleで検索すれば良いはずです。しかし、Googleで悩みを検索しても、表示されるのはアフィリエイターが書いた記事ばかりで、プロや実際に経験した人の記事を見つけるのことがすごく難しいんです。しかも、やっと見つけたプロの情報は、かなり昔に書かれたものだったということもよくあります。「探せば無料で存在する」というのはのは事実ですが、情報量が多すぎて圧倒されてしまうんです。だからこそ、体系的に、受講生の悩みに合った切り口で説明してくれるオンラインコースが売れるんです。
オンラインコースでは、情報をパッケージ化してあげるんです。悩んでいる人が圧倒されないように、必要なのはこの情報と、この情報と、この情報だけですよって言って提供する。
これが、いまオンラインコースが世界中で売れている理由です。
例えばヨガのレッスンを受けたい人がいるとします。YouTubeでは、無数のヨガのレッスンビデオが無料で閲覧できます。しかし、やっぱりどこから始めればいいかわからないという人が多いんです。だからこそ、オンラインコースで体系立ててやることに、意味がある。「ヨガ」の検索ボリュームは絶対大きいはずです。その中には圧倒されてる人のキーワードの悩みも含まれてるんですけど、出てきてないんです。わかりやすいのは、例えばAmazonでヨガの本についてのレビューを見ると、2つ星や3つ星とかで多くの人が不満を並べてるんです。解説が難し過ぎるとか、あるいは情報量が多すぎるとか。そういう声を見ると、もう少し簡単な説明を求めてるんだな、とか、検索キーワードに表れてこない本当悩みがわかります。Amazonの1つ星と5つ星を除いた中間のレビューを見て、そこから不満とか悩みを抽出してみることはおすすめです。
まとめ:ニーズにあったオンラインコースを作る
オンラインコースのコンテンツについてのエッセンスを紹介しました。コンテンツの制作方法、テーマ、プラットフォームなど、項目に応じて様々なポイントがあります。しかし、共通するのは「ユーザーにとって見やすいか/わかりやすいか」「ユーザーが必要としている情報か」という視点です。ここに着目しながら、効率的に、売れるオンラインコースを作って見てください。
それでは、また次のレクチャーでお会いしましょう。