今回のレクチャーでは広告を作る際に、定量的データと定性的なデータがいかに大切かをお伝えします。ビジネスとテクノロジーが互いに切っても切り離せない関係になりつつある現在において、データは「埋蔵金」のようなものです。データが多ければ多いほど、そしてその使い方が上手であるほど、競合他社よりも大きなアドバンテージを得ることができます。より多くのデータがあれば、強い洞察力を得られ、スマートな意思決定ができ、そして最終的にはさらに大きな利益を生み出してくれます。
動画広告を作る際にも、ベースとなるアイデアを練るためにデータを使うことがあります。集めたデータを最大限に活用するために、まずは今回のレクチャーで2つのデータの特性について知識を深めてください。
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広告を作る時に大切な定量的データと定性的データ
広告スクリプトを書くことも、ビジネス運営と同じです。あなたはオンラインリソース、調査、インタビューなどを通してデータを取得することができます。データをどこで集めるかについて話す前に、そもそもあなたはどんな情報を求めるべきかについてお話しましょう。あなたが収集するべきデータには、定量的データと定性的データの2種類があります。
種類#1: 客観性を表す定量的データ
定量的データとは、数字で表すことができるデータを指します。グラフ、世論調査、アナリティクスなどが定量データにあたります。定量的なデータは、あなたのユーザーについて、真実を明らかにすることができます。定量データを使えば、ユーザーに関する客観的な結論を導き出すことが可能なのです。なぜなら定量的データでは、数字が事実を物語ってくれるので、個人的な偏見は排除され、真実だけを知ることができます。
例えば定量的なデータを集めることで、ユーザーの75%が商品を使って孤独に感じたというデータが集まったとしましょう。その結果、このデータをもとに、新しいライブブートキャンプ機能を作成する計画を考案すること等が可能です。
これは僕のYouTubeチャンネルのアナリティクスデータです。動画冒頭30秒の視聴維持率が高い動画が並んでいます。上位1番から3番の動画を見てください。「会員制サイトの売上を最大化する価格の決め方」は71%です。次いで「会員制サイトを販売する方法」が70%、「会員制サイトのローンチの方法」は68%です。会員制サイトの作り方よりも、売上や販売、ローンチに関する動画が人気だということが分かります。
このデータを参考に「よし。じゃあ次の動画広告は、会員制サイトの売上を最大化する販売方法に焦点を当てたものを作ろう」という判断が出来るようになります。もちろん、定量的データだけを盲目的に信じることはしません。僕のようにオンラインコースビジネスを10年以上続けていると、自然とマーケットに対しての肌感覚が身についてきます。
データはこう言っているけど、実際のお客さんはそう思ってないよね。という感じに、データと自分のマーケット感覚をすり合わせながら、アレンジを加えることもあります。この肌感覚は、次で説明する定性的データを観察することで見えてくるので、あなたも定性的データに触れ続けることでその感覚を磨いていってください。
種類#2: 広告のアイデアを生み出す定性的データ
一方で、定性的データというものがあります。定性的データは、数字では測れない特徴を集めることを目的とした非数値データです。商品のどこを気に入ったのか、商品のデザインのどこが好きかなど、商品に関するフィードバックのようなものだと考えてください。定性的データの利点として、広告のスクリプト作る際に、どのように書き進めていくかに、直接的に影響を与えることが挙げられます。
これは、視聴者から僕らのYouTube動画に頂いたコメントです。この方はご自身の勉強のために、僕の動画の内容をマインドマップにまとめてくださったようです。例えばここから、お客さんはレクチャーの内容を書き起こしたトランスクリプトが欲しいんだなと気づくことが出来ます。僕らはそこから一段アイデアを深めて、会員制サイトを作る上で大切なことだけを一覧で見れるようにまとめた、チートシートのようなものを配ることにしました。
『完璧な会員制ビジネスを作るための7つのアウトライン』という名前で無料レポートを発行し、動画広告の中でこの無料レポートをダウンロードするように呼びかけました。もちろん、無料でレポートをダウンロードしてもらった先に商品の販売をつなげているのですが、まずは無料でダウンロードできるものがあるという魅力的な訴求をしています。
このような定性的データをあなたの頭の中に溜め込むために、積極的に顧客からのメールやメッセージに返信してくみてください。僕もかつてお客さんからのクレームメールに対応し、Udemyで受講者から来る質問に答え、そしてコンサルティングのお客さんと定期的に会話することで、定性的データを頭の中に蓄積してきました。今となっては、メール対応などは優秀なカスタマーサポートの方にお願いしていますが、10年間ずっとお客さんとコミュニケーション取ってきたこの経験のおかげで、市場のことが理解できるようになったと感じています。あなたもぜひ最前線に立って、積極的にお客さんと会話量を出してみてください。
定量的データと定性的データの使い分け
あなたの広告は、ユーザーに関連性のある話題を盛り込みユーザーに商品をアピールするためのものです。定量的データと定性的データの違いについて、説明していきます。顧客の75%があなたのプログラムを気に入ってくれたと仮定します。75%は定量的なデータで、真実である数字、信頼できる数字です。しかし75%という数字は、じゃあ広告においてどこを訴求点にしたらいいのか?というアイデアを与えてくれるわけではありません。
ユーザーにメールやChatworkで直接連絡を取ったり、YouTubeに書き込まれたコメントから、より個人的なレベルでの感想を聞いて定性的データを得てみましょう。商品のどのようなポイントが顧客に好まれているのかを知ることで、潜在的なセールスポイントとして、広告でその内容を強調することが可能です。視聴者の痛みや葛藤、フラストレーションを正確に表現できるようになれば、ユーザーと深く共鳴する広告を作ることができます。
あなたにも、ユーザーの共鳴を呼び起こす広告を作ることができるようになって欲しいです。そのためにまず、定量的データと定性的なデータに関する重要な情報や知っている情報を、まとめてみましょう。繰り返しになりますが、定量的なデータは、あなたが数字として表すことができるデータです。ユーザーについての偏りのない真実を明らかにします。定性的データは数字では表せませんが、広告のアイデアを生み出す情報を得ることができます。定性的データから得たアイデアを、数字などの定量的データで確かめつつ、最終的にどんな広告を作るかを決めます。
ちょっと脇道に逸れるんですが、これ何かに似ているなって思ったんです。「あるアイデアを思いついて、それを別のデータで補完する」これ、まさに僕が習っているFXトレードと同じなんです。今ちょうど日本一のFXトレーダーの方に、トレードを教えてもらってます。どうやってチャートを読むかと言えば、まず相場の方向感を何パターンか仮説を建てるんです。その仮説を別のデータ、いわゆる「追い風情報」といわれるもので検証するんです。「ドル円がアップトレンドで、この先もアップトレンドになるかもしれない。オプション取引のオーダーを見ると、やはり今より上の位置に大量のオーダーが入ってる。だから、やっぱりこの先もアップトレンドが続く」そういう感じです。
広告の場合も同じで、定性的データから仮説を立てて、数字による定量的データを追い風情報に使う。そんなイメージを持ってみてください。
まとめ:アイデアを生み出す定性的データを、定量的データで補完しろ
広告を作る際に、大切になる定量データと定性的データの重要性を理解できましたか。繰り返しになりますが、定量的データは数字で表すことができ、ユーザーについて真実を明らかにしてくれます。一方で定性的データは数字で表すことができませんが、広告のアイデアに直接的に関係してくるデータです。決して片方だけにとらわれることなく、定性的データから得たアイデアを定量的データで検証してあげるといった具合に、両方のデータをうまく使ってあげてください。両方の定量的データも定性的データも広告を作る上で大切です。あなたにはこの考え方をしっかりと理解してもらい、2つのデータが混同しないようにしてほしいです。それではまたお会いしましょう。