今回のレクチャーでは、あなたの広告を見ているお客さんを理解するために必要な方法を解説します。適切なマーケティングを行うことができれば、売れにくい商品も販売につなげることができます。あなたの商品が売れるか売れないかは、あなたのマーケティング、つまり広告にかかっています。そして広告の成功は、あなたがお客さんのことをどれだけ理解しているかに依存します。
あなたがお客さんをよりよく理解してはじめて、説得力のある広告を書くことができるのです。広告制作におけるリサーチの重要性を説明した上で、具体的にどんなことをリサーチすれば良いのか?4つのポイントに絞って解説します。このレクチャーをしっかり理解できれば、あなたはお客さんが実際に見て楽しめる広告を書く方法をマスターできます。それでは早速、はじめていきましょう。
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お客さんを理解しない限り、売り上げに繋がる広告は作れない
当たり前ですが、何も考えずに闇雲に広告を作ってはいけません。あなたはお客さんが誰であるかを把握するまで、売り上げに繋がる広告は作れないと思ってください。お客さんを把握するまで、広告に関するアイデアを出したり、広告のスクリプトを書いたりするべきではありません。
あなたがリサーチすべき理由を3つご紹介します。お客さんに対して深い理解を得るために、あなたの立場を知っておく必要があります。あなたが広告を作る商品について馴染みがない場合と、あなたがすでにその商品に関して精通している場合、どちらの立場であってもリサーチは重要になるので注意してください。
理由#1: 広告アイデアの基盤を作るため
あなたが関わるビジネスが新しい分野だったり、または自分のものではない商品の広告を作っている場合、あなたはその商品や市場にあまり馴染みがないのではないはずです。商品の売り上げに貢献するようないわゆるキラー広告を作るために、あなた自身で商品に関する情報を集める必要があります。
詳しくない商品に関して広告を作る場合、その商品に関連するデータをリサーチすることによって、知識を深められます。例えば、Google検索やFacebookグループ、また掲示板やYahoo!知恵袋などで一般の方のリアルな声をリサーチに活用できます。リサーチした内容が、広告アイデアのベースを作ってくれます。その後のブレインストーミングの核となるアイデアを沢山得られるはずです。
繰り返しになりますが、もしあなたが商品に関して理解できてないのであれば、お客さんを理解するまでリサーチしましょう。広告についてアイデアを出す前に、商品や市場についてできるだけ多くのことを学んでください。確かに広告を作る上で、「動画の長さは何分が良い?」「動画の視聴離脱をどう防ぐか?」などの具体的なテクニックを知ることも大切です。しかし商品に関してリサーチをしなければ、そもそも成功する広告のスタートラインにも立てないことを頭に入れておいてください。
僕らがYouTube広告についての商品を作った時に、ベースとなったのは自分たちのクライアントとのコンサルティングや対談の中での会話でした。皆さん広告の出し方について、すごく悩んでいたんです。「まず広告の管理画面ってどうやって触るんだろう?」という初歩的なことから、「どの種類の広告を選んだら良いのか?」「広告文や動画スクリプトの作り方は?」などといった広告に関するあらゆる疑問をお持ちでした。
だから僕らはその声を、広告代理店の吉野さんと一緒に「広告の悩みを今日やめる」というタグラインにまとめて「YouTube広告マスタークラス」の商品の動画広告やランディングページを作ることが出来ました。
理由#2: 偏ったアイデアを避けるため
もしあなたが、広告を作る商品やその市場にすでに精通していると仮定しましょう。あなたがその商品や市場をすでに知っているというのは、大きなアドバンテージになります。あなたはおそらく、広告を作るのに役立つ潜在的な情報を、すでに知っています。でも商品・市場に関する精通度は、諸刃の剣だと覚えておいてください。
あなたの経験だけで、商品やその市場全体に関する結論を出そうとする時は、特に注意しましょう。経験に基づいて結論を出そうとしているから、それは良いことのように感じますが実際にはベストとは言えません。あなたの個人的な経験やお客さんと交流した経験から、商品や市場に関する結論を引き出すのはとても危険です。先入観によって誤解し、実際には正確ではないかもしれない市場について仮説を立ててしまう危険性があります。
広告を作るために、全体のお客さんについての結論を出すために、ある1人の経験を使用することはできません。なぜなら誰もが同じではないからです。あなたはそれを理解しなければいけません。私たちは皆、自分の経験を持ち、その経験を独自に解釈しています。あなた自身の経験から、商品や市場に関する60%の正確な情報を集めることができるかもしれません。しかしあなたは、全体の40%の情報を見逃していることになります。その40%のギャップを埋めるためには、きちんとしたリサーチが必要です。本当にお客さんに刺さる広告のアイデアを出すためには、可能な限り情報を集める必要があります。
もし仮に僕らがたった1人、2人のお客さんの声だけに耳を傾けていたら、YouTubeマスタークラスの広告コンセプトはもっともっと狭いものになっていたはずです。僕らの専門分野であるセールスファネルをベースにした訴求に寄せてしまっていたかもしれません。僕らのようなコンテンツホルダーは、上手く行ってしまうと初心者の気持ちを忘れてしまうところがあるので、僕はいつもお客さんの実際に使う言葉などを注意深く聞くように気をつけています。
正直に言うと、あなたが商品や市場に精通しているかどうかは、そこまで重要ではありません。あなたが商品や市場に精通していたとしても、あなたはやはりリサーチを行う必要があります。あなたの過去の成功体験や、断片的な情報から間違った推測を立てないように今一度リサーチをしてください。
理由#3: お客さんの欲求の背景を理解するため
素晴らしい広告を作成するためのもう一つの重要な要素が関連性です。人間は心理学的に、自分に関係しているものに注意を払うようになっています。広告の面ではより多く見聞きした、より長い間見ている商品を望むような傾向があります。
あなたの広告にお客さんとの関連性を追加すると、非常に効果的と言えます。あなたがやるべきことは、可能な限りお客さんと関連性のある広告を作ることです。お客さんを引き込むような広告を作るには、お客さんがその商品を欲しいと思うに至った背景をしっかりと理解する必要があります。お客さんの持つ背景を理解するために、以下の4つの質問に答えられるようにリサーチをしてください。
- お客さんの痛みは何ですか?
- お客さんの抱える問題は何ですか?
- お客さんの目標は何ですか?
- お客さんはどのような物語に共感を得るのでしょうか?
ここで述べた4つの質問に対して答えられるようになると、影響力の強い広告を作ることができます。お客さんの背景となるストーリーは、あなたの広告のコアメッセージを作る際に活きてきます。
最後に僕が注意してほしいことをお伝えしておきます。あなたがさっきの4つの質問の答えを求めるべきではない、2種類の人々がいます。1つ目はあなたの家族、そして2つ目はあなたの友人です。あなたに最も近いこれらの人たちに、あなたの商品に関する質問をしてはいけません。あなたの家族や知人は、あなたに気を使って正直な答えを返してくれないからです。客観的なデータを得るために、親しい人を参考にするべきではありません。だから友人や家族は良いリサーチ対象ではないのです。
まとめ:売れる広告を作るにはリサーチが大切
今回のレクチャーでは、商品を売るためにはより良い広告が欠かせない3つの理由を紹介しました。1つ目は、広告アイデアの基盤を作るため。2つ目は、自分の知識を過信せずに偏ったアイデアを避けるためでした。そして3つ目は、お客さんが「これは自分のための広告だ」と思ってもらえるほどの強い感情を喚起するために、そこに至るお客さんの背景を理解するためでした。
広告を作る段階で商品に関して詳しくない場合は、まずその商品に関する情報を集めることが大切です。商品に詳しい場合も、よりお客さんに刺さる広告を作るには、リサーチが欠かせません。なぜその商品をおすすめなのかをお客さんの持つ背景と絡めて広告にできれば、より売り上げに貢献できる広告を作ることができます。またその背景を調査するために、友人や家族は良い調査対象ではないことも忘れないでください。それではまたお会いしましょう。