あなたは、ブログ運営でSEO対策を意識した質の高い記事を継続的に作成することに苦労していませんか? 特にフリーランスや副業の会社員の場合は大変だと思います。1人や少人数でやっていて時間に限りがある中で、質と量のバランスを保つのは大変な作業ですよね。ここではChatGPTを活用してブログ執筆を効率化し、読者の心を掴む記事を量産する方法をお伝えしていきます。
オンラインで見込み客を集めようと思ったとき、ブログ記事はまだまだ有効な手段です。このブログ業界でも近年注目されているのが、ChatGPTなどのAIを使った自動化です。ChatGPTは、まるで人間が書いたかのような自然で質の高い文章を自動で生成してくれる強力なツールです。しかし、ただ闇雲にChatGPTを使うだけでは、効果的なブログ運営はできません。そこで今回は、スプレッドシートとZapierを活用し、ChatGPTでブログ記事を自動生成する具体的な方法をご紹介します。
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一歩踏み込んだChatGPTによるブログ執筆方法を教えます
ブログ記事の作成は多くの場合、時間と労力を必要とする作業です。 特に、SEO対策を意識した質の高いコンテンツを継続的に作成することは、多くのブロガーにとって大きな課題となっています。検索エンジンのランキングで上位表示を目指すためには、定期的に新しい記事を投稿し、サイトへのアクセス数を増やす必要があります。ですが記事の執筆には、テーマ選定、情報収集、構成作成、文章執筆、校正など、多くの工程が必要です。
そのため、それらを全て手作業で行っているとすぐにリソース不足に陥ってしまいます。特にフリーランスや個人事業主、副業の会社員などではこれが顕著です。その結果、ひと記事ごとのクオリティが落ちる。または記事の数が出せないという、質と量のバランスを取るのが難しくなります。
そこで注目されているのが、AIを活用したブログ記事の自動生成です。2022年のChatGPTの登場以降、文章生成AIの分野では目覚ましい発展がありました。それ以降も毎月新しいブレイクスルーが起こり、世界中のコンテンツクリエイターたちを驚かせています。人間が書いたかのような自然で質の高い文章を自動で生成することができるようになってきました。
ChatGPTのような高性能な文章生成AIツールを使うことで、これまで人間が行っていた記事の下書き作成を自動化することが可能になりました。そしてここでは「ただ単にChatGPTでブログを書く」という芸のないことはやりません。その代わりに、スプレッドシートに何かお題を入れると、それに沿ってブログ記事を書いてくれるという自動化を組んでみましょう。
Zapierというノーコードの自動化ツールを使えば、プログラミングなしで各ツールを連携させることができます。ここでは、Zapierを使ってChatGPTとGoogleスプレッドシートを連携させる方法を紹介していきましょう。これにより、ブログ運営にかかる時間を大幅に短縮し、より多くの記事を効率的に公開することができるようになるはずです。
ステップ1:Zapierアカウントの用意
まずは この仕組みの中心的な部分を担うZapierと言うツールに登録しましょう。 有名なツールなので既に登録されている方もいるかもしれません。もしまだ登録していない場合は、この機会に登録することをオススメします。Zapierに対応しているツールは、およそ7000以上と言われています。あなたが今使っているツール同士を連携してラクをすることもできるかもしれません。
Zapierには無料プランと有料プランがあります。無料プランでは、いくつかの制限があります。1ヶ月あたりに実行できる処理の数が制限されていたり、有料プランだけで使えるツールなどがあります。アカウント登録は簡単です。メールアドレス、名前、パスワードを決めてアカウントを作ってください。今回紹介するすべてのステップを実行するには、最低でも一番下のBasicプランが必要になります。ただし、ステップ数を3つ以内に減らすことで無料プランでも実行することは可能です。
ステップ2: Googleスプレッドシートの準備
次にブログ記事のテーマやキーワードを管理するためのスプレッドシートを作成します。ここでは誰もが無料で使えるGoogleスプレッドシートを使っていきます。このスプレッドシートは、ChatGPTに記事生成の指示を与えるための重要な役割を果たします。最終的には自分が書きたい記事のテーマやキーワードに加えて、ChatGPTに伝えたい具体的な指示などの補足情報もこのスプレッドシートに入力していくことになります。
スプレッドシートには、少なくとも「テーマ」と「追加指示」の2つの列を作成してください。「テーマ」列には生成したい記事のテーマやキーワードを、「追加指示」列にはChatGPTへの具体的な指示や補足情報を入力します。例えば、テーマ欄には「WordPressのおすすめテーマ5選」と入れて、追加指示には「WordPressのおすすめテーマを5つ紹介し、それぞれのメリットとデメリットを詳しく説明してください。」といった指示を入力します。
この時点ではまだ自動化を組んでいないので、何も起こりません。これからZapierを使ってこの設定を行っていきます。このように、テーマと追加指示をスプレッドシートに入力することで、ChatGPTはそれぞれのテーマに沿った記事を生成することができます。追加指示は、ChatGPTに記事の内容をより詳細に指示するためのものです。
ステップ3: Zapierで自動化ワークフローを作成する
次にZapierを自動化ツールを使って、スプレッドシートに入力された情報をもとにChatGPTで記事を自動生成するための仕組みを作ります。ZapierでGoogleスプレッドシートに入力した情報をChatGPTに渡していきます。
まずはZapierでトリガーを設定します。Zapierには自動化の開始点となるトリガーと、その結果実際に実行されるアクションというものがあります。トリガーは1つですが、アクションには複数のものを設定することができます。
Zapierのアカウントを作成したら、新しいZapを作成します。Zapとは、特定のイベントをトリガーとして、一連のアクションを実行する1つの自動化のワークフローの単位です。
今回はスプレッドシートに新しい行が追加されたことをトリガーとして、ChatGPTに記事生成の指示を送ります。そしてChatGPTで生成された記事をGoogleドキュメントに自動で出力するワークフローを作成します。
まずは新しいZapの中に入り、トリガーとして「Google Sheets」を選択します。これは、スプレッドシートへのデータ入力をきっかけとしてワークフローを起動させることを意味します。
次にイベントを選択する画面になります。イベントとして「New Spreadsheet Row」を選択します。これは、スプレッドシートに新しい行が追加された時、あるいは既存の行が更新された時にトリガーが発動することを意味します。
Zapierと連携させるGoogleアカウントを選択し、対象となるスプレッドシートとワークシートを指定します。これは、どのスプレッドシートのどのシートを監視するかをZapierに教えるための設定です。
トリガーとなる列を指定します。例えば、「テーマ」列に新しいデータが入力された場合にワークフローが起動するように設定します。
もしこの時点でスプレッドシートに何も記入していない場合は、テスト用のテーマと追加指示を入れておいてください。このテスト用のデータはこの先の設定で使用します。例えば先ほどのようにテーマに「WordPressのおすすめテーマ5選」と入れ、追加指示には「各テーマのそれぞれのメリットとデメリットを詳しく説明してください」と記入しておきます。
トリガーの最後でテストを行ってください。テストするとスプレッドシートのデータがZapierに読み込まれます。これによってトリガーが正しく機能していることが確認できます。
ステップ4:Zapierでアクションを設定する
トリガーが設定できたら、次はアクションを設定していきましょう。普通はすぐにChatGPTに情報渡すためのアクションを入れるところですが、ここで一工夫しましょう。ChatGPTがブログ記事を生成する前に、少しタイムラグを入れましょう。スプレッドシートに入力を始めた瞬間にChatGPTが動いてしまい、入力の途中でChatGPTが勝手に記事を書き始めてしまうのを防止するためです。
それではこの時間差を確保するために、アクションとして「Delay by Zapier」を選択します。次に遅延時間を設定します。これは、スプレッドシートの情報がChatGPTに伝わるまでのタイムラグを考慮して、処理がスムーズに進むようにするための設定です。
イベントから「Delay For」を選び、「Time Delayed For」のvalueに「5」と入力し、unitには分を表すminutesを入れます。これで5分間待ってからChatGPTに情報を渡す流れが出来ました。
次にアクションとして「ChatGPT」を追加します。これは、ChatGPTを使って文章生成を行うアクションを設定することを意味します。
イベントには「Conversation」を選択します。これは、ChatGPTとの会話形式で文章を生成するモードを選択することを意味します。特に理解する必要はありません。
ここでChatGPTとAPI連携が必要になります。ChatGPTの開発元であるOpenAIのページからAPIキーをもらってきます。OpenAIのAPIキーを取得し、Zapierに設定することでChatGPTとの連携が可能になります。APIキーの取得はウェブで英語で「 ChatGPT API Key」と検索してください。本家OpenAIのAPIキー取得ページに行くことができるはずです。
https://platform.openai.com/api-keys
APIキーというページでCreate new secret keyというボタンをクリックし、新しいAPIキーを取得してZapierの連携画面に入力してください。
ここで注意です。ChatGPTをこのAPI経由で使うと、使った量に応じてお金が掛かります。ChatGPTを月額で契約している場合でも、それとは別に費用が掛かります。もちろん1回ごとの費用は数円程度と少額なことが多いです。ですが費用は入出力する文字数が増えるにつれて上昇します。そのため、自分のやりたいタスクがどのくらいの費用になるのか?一度試しておくことを推奨します。
またChatGPTをAPI経由で使用する前に、いくらかの金額をデポジットとして事前に課金しておく必要があります。まずは5ドル程度の少額で良いので、APIのBillingから課金しておくと良いです。
https://platform.openai.com/settings/organization/billing/overview
そうしたらChatGPTのアクションの中の設定をしていきます。Modelを選びます。ModelというのはChatGPTの中のいわばバージョンです。Basic版、Pro版のように価格によって精度が変わるような仕組みです。Modelによって、言葉の理解力や文章を作る力が違います。すごく高性能なModelほど難しくて複雑な仕事ができますが、その分、使うのにお金がかかります。
初めてChatGPT APIを使う場合は、まずはGPT-3.5-turboというModelから始めるのがいいでしょう。使いながら金額と性能のバランスを見て、必要に応じてもっと高性能なModelに変えればいいんです。
ステップ5:ChatGPTへのプロンプトを作成する
次にZapierからChatGPTに送信するプロンプト、つまり指示文章を作成します。ここでは、スプレッドシートに入力されたテーマに沿って記事を書くためのプロンプトを用意します。プロンプトには、スプレッドシートから取得したテーマと追加指示を動的に埋め込むことができます。プロンプトは次のようになります。
プロンプト1:ブログの構成を作るためのプロンプト
“`
あなたは最高のライターです。{{テーマ}} に沿ってSEO対策をしたブログ記事の構成を考えてください。各見出しには説明を付けてください。ブログの構成以外の余計な言葉は出力しないでください。
{{追加指示}}
“`
まずはこのように構成だけを作らせます。 構成を作る前に、いきなり文章を書かしてしまうとうまくいかない場合があります。そのため、まずは構成を作ってもらう。その上で構成をもとにブログ記事を執筆してもらう。と言う流れを組んでいきます。
先ほどのプロンプトをZapierのChatGPTのステップのところの、User Messageに入れてください。
そしてテーマの部分には、ドロップダウンメニューからスプレッドシートのテーマ列の内容を指定してください。
またスプレッドシートの追加指示は、このプロンプトの追加指示というところに入るようにしてください。ChatGPTのModelも指定します。まずはデフォルトのgpt-3.5-turboで良いと思います。
このステップはこれで完成です。試しにテストしてみると、ちゃんと構成が出来上がっていることが分かると思います。
では次に構成を元に 記事の中身を本格的に書くステップを追加しましょう。プラスボタンから もう一つアクションを追加し、アプリには同じくChatGPTを指定します。そして、先程の要領で次のプロンプトを入れていきます。
プロンプト2:構成から記事文章を書くためのプロンプト
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あなたは最高のライターです。以下の指示に従ってブログ記事を書いてください。記事の中には見出し、小見出しなどを作成する。数回に分かれても良いので、全体で3000文字になるように書いてください。
## タイトル:{{テーマ}}
## 構成:{{先ほどのChatGPTの回答}}
“`
タイトル部分には、スプレッドシートに入力したテーマを取ってきましょう。そして、構成には先ほどの1回目のChatGPTの結果を取ってきましょう。ドロップダウンメニューから、「3. Conversation in ChatGPT」を選び「Reply」を選択します。そうすると先程の1回目のChatGPTのアクションの実行結果を挿入することができます。
ステップ6:生成されたブログ記事をGoogle Docsに自動で出力する
ChatGPTが生成したブログ記事の文章をスプレッドシートに直接入力してしまうと、フォーマットが崩れて読みにくくなってしまいます。そこで、生成された記事をGoogleドキュメントに自動的に出力するようにしましょう。
Zapierのアクションで「Google Docs」を選択し、「Create Document from Text」を指定します。これにより、テキストデータから新しいGoogleドキュメントファイルを作成できます。
Googleアカウントと接続し、作成するドキュメントの名前、出力先のフォルダ、ドキュメントの内容を指定します。Document Nameには、スプレッドシートのテーマ欄の内容を持ってくれば良いでしょう。ドキュメントの内容には、ChatGPTから出力された記事の内容を動的に埋め込みます。
こうすることで、ChatGPTが生成した記事がきれいにフォーマットされた状態で、自動的に新しいGoogleドキュメントファイルとして保存されるようになります。スプレッドシートではなくGoogleドキュメントに出力することで、記事の内容を確認・編集しやすくなり、ブログへの投稿準備もスムーズに進められるでしょう。
生成された記事をWordPressなどのブログプラットフォームに自動投稿する場合も、Googleドキュメントに出力しておけば、そこから簡単にコピー&ペーストできます。スプレッドシートから直接投稿するよりも、記事の体裁を整えやすいというメリットがあります。
ステップ7:出来上がったZapが動くようにPublishする
設定が完了したら、ZapをPublishつまり公開してください。Publishすることで初めて、この自動化が正式に動き始めます。これでスプレッドシートに新しいテーマと追加指示を入力するたびに、Zapierが自動的にChatGPTに記事生成の指示を送り、生成された記事がGoogleドキュメントに出力されるようになります。
このようにスプレッドシートとChatGPT、Zapierを組み合わせることで、効率的なブログ記事の自動生成システムを構築することができます。手間のかかるブログ記事の執筆作業を自動化することで、ブログ運営の生産性を大幅に向上させることが可能になるはずです。さらに記事のクオリティを上げたい場合には、ChatGPTへのプロンプトを工夫してみることをオススメします。
まとめ:AIを活用したブログ運営で効率化を実現
ここまでChatGPTによるブログ執筆方法を紹介してきました。最後に要点を3つにまとめました。
- ChatGPTとGoogleスプレッドシート、Zapierを連携させることでブログ記事の自動生成システムを構築できる。
- スプレッドシートに入力したテーマやキーワードをもとに、ChatGPTが自動で記事を作成してくれる。
- 生成された記事はGoogleドキュメントに自動出力されるため、確認や編集が容易に行える。