あなたは効率化や生産性の研究が好きなフリーランスで、AIにうまく指示が出せずに悩んでいませんか?期待した結果が得られないのは、プロンプトの書き方に原因があるのかもしれません。ここではマークダウンという簡単な記法を使って、AIにきちんと指示を伝える方法をご紹介します。プロンプトの構造化や重要ポイントの強調に役立つマークダウンのテクニックを身につければ、AIとのコミュニケーションが格段にスムーズになるはずです。
AIは与えられた情報を元に思考するので、プロンプトの内容や書き方が結果に大きな影響を与えます。マークダウンを使えば、プロンプトに明確な構造を与え、AIに意図を的確に伝えることができるのです。例えば、大見出しで全体の指示を伝え、小見出しで詳細を書く。箇条書きで条件を整理したり、重要な語句を太字にしたり。こうした書き方をマスターすれば、あなたのアシスタントとしてAIを最大限に活用できるようになります。ではこれから一緒にマークダウンを使ってプロンプトを効率的に書く方法を学んでいきましょう。
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マークダウンは綺麗にテキストを構造化するための書き方
マークダウンは、簡単な記号などを使ってテキストを構造化できる文章の書き方のことです。プログラマーやテクニカルライターの間で人気のある記法ですが、その簡単さと柔軟性から、一般のユーザーにも広く使われるようになってきました。
マークダウンの魅力は、その簡単さにあります。普通のメモ帳でも書けるので、特別なソフトは必要ありません。簡単な記号を使うだけで、プレーンテキストだけで見出しや太字などの装飾ができるのです。例えば、シャープ(#)を使うと見出しになり、アスタリスク2つ(**)で特定の語句を囲むと太字になります。箇条書きリストもハイフンやアスタリスクを使うだけで簡単に作れます。
このような特徴からマークダウンは読みやすく、書きやすいので、誰でもすぐに使えます。メモ取り、日記、レシピ、To-Doリストなど、日常的な文書作成に便利です。またnote、はてなブログなど、多くのウェブサービスで使えるので、覚えておくと便利です。
マークダウンは初心者でも直感的に使えるため、文書作成の効率を大幅に向上させることができます。特に、プログラミングやウェブ開発の分野では、マークダウンはほぼ標準的なテキストの書き方として使われています。最初はちょっと戸惑うかもしれませんが、一度覚えてしまうとすぐに使えるようになります。
なぜプロンプトにマークダウンを使うのか?:プロンプトを構造化
AIに指示をする時、プロンプトという文章を渡しますよね。短いシンプルなプロンプトなら問題はありません。ですがプロンプトが長くなってくると、プロンプトの中身をきちんと整理していく必要があります。例えば、作業のルールはこれ、作業に必要な情報はこれ、というようにプロンプトの中身を整理してAIに渡していかないとうまくいかないようになってきます。
もし、プロンプトの中身がぐちゃぐちゃでどこに何が書かれているかわからない場合、AIはそのプロンプトを正しく理解できません。これは人間同士のコミュニケーションでも同じです。相手に伝えたいことが整理されていないと、うまく伝わらないのと同じですね。だらだらと文章を書くよりも見出しや箇条書きを使った方が分かりやすいですよね。
そこでプログラミングなどの分野で、情報を整理するために使われていたマークダウンというテキストの書き方が注目されています。これをAIに渡すプロンプトの中で使います。実際にSNSなどを見ると、プロンプトを上手に使いこなしている人の多くがマークダウンを使っています。これは偶然ではありません。マークダウンを使えばプロンプトの中身をきれいな構造として整理でき、AIの理解を助けることができるからです。
マークダウンを使うことで、プロンプト作成のスピードをアップしたり、AIでの作業の効率を上げて時間を節約したりできます。例えば、大きな見出しで全体の指示を示し、その下に小さな見出しで詳細な指示を書く。さらにその下に箇条書きで具体的な条件を並べる。このように構造化することで、AIはプロンプトの意図を正確に理解し、より適切な回答を提供できるようになるのです。
また、マークダウンを使うことで、プロンプトの見た目も整理され、人間にとっても読みやすくなります。これは特に長いプロンプトを書く際に重要です。プロンプトが整理されていれば、後から見直す際にも内容を把握しやすくなります。プロンプトの修正や改善を行う際にも、マークダウンで構造化されていると作業がしやすくなるでしょう。
プロンプトを綺麗に書くためのマークダウンの基礎を解説します
では早速、マークダウンの基礎を学んでいきましょう。マークダウンでは色々なことができますが、今回はプロンプトを作る上での基礎的な部分だけに絞って解説します。この基本を押さえれば、すぐにプロンプトにマークダウンを活用できるようになりますよ。
見出し:プロンプトを複数のセクションに分ける!
見出しは、プロンプトの構造を明確にする上で非常に重要です。マークダウンでは、シャープ(#)の記号を使って見出しを作成します。
シャープ(#)の後に半角スペースを入れ、続けてテキストを書くことで見出しになります。
- 「# 」:見出し1
- 「## 」:見出し2
- 「### 」:見出し3
シャープ(#)が1つの場合は見出し1となり、プロンプト全体のタイトルなど、最重要項目に使用します。シャープ(#)が2つの場合は見出し2となり、大きな指示や区分けに使います。シャープ(#)が3つの場合は見出し3となり、詳細な指示や小区分に使います。このように、シャープ(#)の数が増えるにつれて階層が深くなっていきます。
見出しは6階層まで存在しますが、プロンプトを作ることを想定すると階層を深くしてあまり複雑にするのは避けるべきです。見出し2と見出し3を使い、必要に応じてその下にリスト形式などで指示や情報をぶら下げると良いでしょう。例えば見出しを使ったプロンプトの例は次のようになります。
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## ブログ記事作成の指示
AIと機械学習の違いについて記事を書いてください。## 構成
はじめに、AIの定義、機械学習の定義、AIと機械学習の関係性、まとめの順で書いてください。## 注意点
初心者にもわかりやすい言葉で説明し、具体例を交えて解説してください。
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このように見出しを使うことで、プロンプトの構造が一目で分かるようになります。ChatGPTなどのAIはこの構造を理解し、より適切な回答を提供できるようになるのです。
太字・強調:プロンプトの一部を強調したい場合はコレ!
プロンプト内で特に重要な部分や強調したい部分がある場合、太字を使うと効果的です。太字や強調を使うことで、プロンプト内の重要な部分を目立たせることができます。マークダウンでは、アスタリスク(*)を使って太字や斜体を表現します。
テキストを2つの連続したアスタリスク(**)で囲むと太字になります。これは、重要な指示や特に注目してほしい部分を強調するのに適しています。例えば、「この部分は**非常に重要**です」のように使います。
さらに強調したい場合は、3つの連続したアスタリスク(***)でテキストを囲みます。これにより、テキストは太字かつ斜体になります。特に重要な指示や、絶対に見逃してほしくない情報を示す際に使用します。例えば、「この手順は***必ず***守ってください」のように使えます。
- 「**」:強調(太字)
- 「***」:さらに強調(太字かつ斜体)
これらの強調の書き方を使うことで、プロンプト内の重要度の違いを視覚的に表現し、AIがより正確に指示を理解できるようになります。例えば、次のようなプロンプトを考えてみましょう。
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ブログ記事を書いてください。テーマは「プログラミング初心者のためのPython入門」です。以下の点に**特に注意**してください:– コードの例は***必ず***含めること
– 専門用語は可能な限り避け、避けられない場合は丁寧に説明すること
– 記事の最後に**練習問題**を3つ含めること
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このように太字を使うことで、ChatGPTなどのAIはその部分が特に重要であることを理解し、より注意深く指示を守ろうとするでしょう。この他にもイタリックや下線のマークダウンも存在しますが、プロンプトを作る上での重要性は低いので、ここでは割愛します。もし気になる場合は、ご自身で調べてみてください。
リスト:指示を箇条書きで整理して分かりやすく!
複数の項目を箇条書きで並べたい場合はどうしたらいいでしょうか?その場合はリストを使います。リストには主に2種類が存在します。プロンプトでは、複数の指示や条件を整理する際に非常に便利です。
マークダウンでは、主に2種類のリストを使用することができます。1つ目は番号付きリストです。これは、数字の後にピリオドと半角スペースを入れ、その後にテキストを書くことで作成します。このタイプのリストは、手順や優先順位のある指示を表示する際に特に便利です。例えば、「1. 最初の手順」「2. 次の手順」「3. 最後の手順」というように使用します。
2つ目は箇条書きリストです。これは、ハイフン(-)またはアスタリスク(*)の後に半角スペースを入れ、その後にテキストを書いて作ります。ハイフン、アスタリスクはどちらを使っても構いませんが、プロンプトの中で統一しておくのが一般的です。このタイプのリストは、順不同な複数の指示や条件を整理して見やすくするのに適しています。例えば、「- 項目1」「- 項目2」「- 項目3」というように使用できます。
番号付きリスト
1. 手順1
2. 手順2
3. 手順3箇条書きリスト
– 項目1
– 項目2
– 項目3
どちらのリストを使用する場合も、記号の後には必ず半角スペースを入れることが重要です。この半角スペースを忘れると、マークダウンとして正しく認識されない可能性があるので注意が必要です。例えば、次のようなプロンプトを考えてみましょう。
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## 商品レビュー記事の作成指示以下の手順で記事を作成してください:
1. 記事の構成を決める
2. 下書きを作成する
3. ファクトチェックを含めた校正を行う各セクションで以下の点に注意してください:
– 具体的な数値を可能な限り含める
– 客観的な事実や統計データを積極的に活用する
– 読者にとって実用的な情報を提供する
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このようにリストを使うことで、指示が整理され、ChatGPTはより正確にタスクを理解し実行できるようになります。また、箇条書きを使えるので指示を書くのも楽になるし、項目が増えてもAIが混乱しにくくなります。
プロンプトにマークダウンを使う上での注意点とよくある間違い
マークダウンは非常に便利なツールですが、いくつか細かい注意点も存在します。ここでは、プロンプト作成にマークダウンを使う際に注意すべき点と、よくある間違いについて解説します。おおまかには次のような注意点が存在します。
プロンプトにマークダウンを使う際の注意点
- 見出しは「見出し2」(##)から始めるのが一般的
- 見出しの階層は3階層程度までに留める
- 必要以上に多くの見出しを作成しない
- 見出しのシャープ、リストのハイフンやアスタリスクの記号の後に必ず半角スペースを入れる
- マークダウンの記号には半角文字を使用する
まず、見出しの使い方について注意が必要です。マークダウンを使ってプロンプトを作る場合は、シャープ2つ(##)から始まる見出し2を使うのが一般的です。これは、プロンプト全体を1つの大きなセクションと考え、その中で主要な区分けを行うためです。
また、過剰な見出しの階層化は避けるべきです。見出しの階層を深くしすぎると、記事構造が複雑になり、AIが正しく解釈できなくなる可能性があります。見出しはシャープ3つ(###)の3階層程度までに留めておくのがおすすめです。
同様に、無駄に見出しを作りすぎるのも避けましょう。見出しは、プロンプトを構造化し、読みやすくするために使用します。必要以上に多くの見出しを作成すると、かえって記事が読みにくくなってしまう可能性があります。
次に、箇条書きリストを作成する際の注意点です。箇条書きリストを作る場合、ハイフン(-) やアスタリスク(*)の後に半角スペースを入れる必要があります。スペースがない場合、うまくリストとして認識されない可能性があります。例えば、半角スペースなしの「-リスト項目」 はNGで、 半角スペースありの「- リスト項目」がOKです。同様に、見出しの場合もシャープ(#)の後に半角スペースが必要です。スペースがある場合とない場合では、AIは別々のものとして認識してしまう可能性があります。
最後に、全角文字の使用に注意が必要です。マークダウン記法では、基本的に半角文字を使用します。シャープ(#) や ハイフン(-) など、マークダウン記法で使用する記号は、全角文字で入力すると正しく認識されませんので注意が必要です。例えば、全角の「#見出し」ではなく半角の「# 見出し」と入力する必要があります。
マークダウンの使用に慣れてくると、より複雑なプロンプトも簡単に作成できるようになります。例えば、コードブロックを使って、プログラミングの例を示したり、引用を使って参考文献を示したりすることも可能です。ただし、これらの高度な機能を使う際も、シンプルさを心がけることが大切です。過度に複雑なプロンプトは、かえってAIの理解を妨げる可能性があります。
まとめ:マークダウンを使ってAI用のプロンプトを効率化しよう
ここまでAI用のプロンプト作成に使えるマークダウンの使い方をお伝えしてきました。最後に要点を4つにまとめました。
- マークダウンはテキストを簡単に構造化できる記法で、AIに対するプロンプトの作成に非常に有効である。
- プロンプトにマークダウンを使うことで、AIへの指示を整理し、より正確に意図を伝えることができる。
- マークダウンの基本的な要素として、見出し、太字・強調、リストなどがあり、これらを適切に使い分けることが重要である。
- プロンプトにマークダウンを使う際は、見出しの階層や半角スペースの使用など、いくつかの注意点がある。