あなたはオンラインコースを提供していて、カリキュラム作りに悩んでいませんか?顧客の成功を最大化するにはオンラインコースに「サクセスパス」が重要です。ここでは、AIを活用してサクセスパスをブラッシュアップする方法をご紹介します。これにより、より効果的なカリキュラムを効率的に作成できるようになります。
サクセスパスとは、顧客がスタート地点からゴールまでたどる道筋を示すものです。単にゴールを示すだけでなく、具体的なステップやマイルストーンを設定することで、顧客が迷子にならずに前進できるよう導きます。しかし、これまでのサクセスパス作成は属人的で非効率的なプロセスでした。マーケター個人の知見や経験に頼るため、作成者の力量によって出来栄えにばらつきが出てしまうのです。そこで注目されているのが、AIを活用したサクセスパスのブラッシュアップです。人間が考えたサクセスパスをAIの力を借りて改善することで、より顧客ニーズに合致したサクセスパスが完成するのです。そのやり方を具体的に解説します。
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はじめに:顧客の成功を最大化する「サクセスパス」とは?
オンラインコースにとって大事なことは、受講者がコースを通して理想の状態にたどり着くことです。そのためには、受講者が目標に到達できるように段階的に教えていく必要があります。そこで重要となるのがサクセスパスという概念です。
例えば、英会話スクールのオンラインコースであれば、「英語で挨拶ができる」「日常会話ができる」「ビジネス会話ができる」といったステージを段階的に設定します。各ステージでの到達目標や身につくスキルを明確にすることで、受講生はモチベーションを維持しながら着実にスキルアップできます。
サクセスパスをしっかりと設計することは、顧客満足度を高めます。その結果、継続的な利用や追加商品の購入、他者への口コミなど、ポジティブな行動を促進します。つまり、顧客のロイヤルティを高め、長期的な収益の安定化に寄与するのです。
従来のサクセスパス作成における課題:属人化と非効率性
しかし、しっかりとしたサクセスパスを作るのは簡単ではありません。従来は、マーケター個人の知見や経験を頼りに設計することが一般的でした。僕はオンラインコースを販売する傍ら、「いしこん」という年間コンサルティングも実施していますが、多くの方がこのサクセスパス作りに苦心しています。
一から手作業でサクセスパスを設計するのは非常に手間がかかります。ステージ分けや、各ステージの特徴、課題、ゴールなどを言語化していく作業は、相当な労力と時間を要します。新商品開発時には、このような属人的で非効率的なプロセスが、ビジネススピードを鈍らせてしまいます。
また、顧客像やペルソナ設定が不十分な状態でサクセスパスを作成すると、実際の顧客ニーズとの乖離が生じてしまいます。「このステージではこんなことをするべき」という思い込みは、顧客にとって意味のないステップを強いることになりかねません。
AIによるサクセスパスのブラッシュアップ
サクセスパスを1からAIに自動生成させるのも良いですが、まずは自分で基本設計を行い、そこからAIの力を借りてブラッシュアップするのがおすすめです。特に、各ステージにおける顧客の特徴を表現する文章をAIに改善させることで大きな効果が期待できます。
まずは自分で、コースの最終ゴールとそこに至るまでの過程を大まかに設計します。顧客の現状とゴールを明確にし、その間のギャップを埋めるためのステップを考えていきます。サクセスパス全体を、いくつかの大きなステージに分割するのも効果的です。
各ステージには目標やテーマを設定し、そのステージにいる顧客の特徴を言語化します。顧客の悩みや解決したいことを明確にしたら、それをAIに渡してブラッシュアップさせます。AIは与えられた文章を分析し、顧客の心情により焦点を当てた表現に改善してくれます。
ブラッシュアップされたサクセスパスはコースの価値をアップさせる
AIにブラッシュアップされたステージの特徴を見ることで、そのステージの顧客に提供すべき価値が見えてきます。顧客の抱える問題点と、望んでいる解決策が明確になっているからです。その特徴をもとに、各ステージで教えるべき内容やサポート方法を具体的に設計していきましょう。
こうすることでさらに顧客のニーズに合致し、エンゲージメントを高められるサクセスパスが完成します。手動で作ったサクセスパスをベースに、AIの力を借りてブラッシュアップする。それによりもっとお客さんのためになるサクセスパスに変えることができます。ぜひこの方法を実践し、あなたのオンラインコースをより価値あるものにしていってください。
実践:AIでサクセスパスのステージの特徴をブラッシュアップする
それでは、実際にサクセスパスのブラッシュアップにAIを使ってみましょう。ここでは、人間が作ったサクセスパスをブラッシュアップさせることを想定してみます。自分でサクセスパスを作ってみたけど、ステージの分け方に不安があったり、ステージの特徴などがうまく書けないといった場合に有効です。
AIを使ってサクセスパスのブラッシュアップを進めるには、どのようなステップを踏めばよいのでしょうか。ここからは具体的なプロセスを追ってみましょう。
ステップ1:商品の概要とペルソナデータをまとめる
まず行うべきは、商品の概要とペルソナに関する情報を整理することです。AIに渡す参考データを整理しておくためです。英語に「ガーベッジイン・ガーベッジアウト(Garbage In, Garbage Out)」という言葉があります。これはゴミのような情報を入れたら、ゴミみたいな結果しか出てこないという意味です。AIについてもまさにこれが当てはまります。
つまりAIに一定の仕事をさせる場合には、AIに渡すデータの質が大事になります。そこでAIに作業させる前に、必要となるデータを用意しておきましょう。サクセスパスのブラッシュアップを行う場合、必要となるデータは2つです。それはコースの概要と、ペルソナ情報です。
まずは商品概要についての情報をまとめましょう。コースの内容を説明した文章を用意します。もしどんな文章にするか迷った場合には、次のような情報を盛り込んでみてください。
- コースが解決する課題
- コースの主な特徴や機能
次にペルソナデータも可能な限り具体的にまとめてください。もしすでに決まっているのであれば、次のような項目を入れると良いと思います。
- 年齢、性別、職業、家族構成などの基本属性
- 課題や悩み、解決したい問題
- 価値観、興味関心、ライフスタイル
- 商品に期待する効果やゴール
これらの情報をAIに学習させることで、商品とペルソナに最適化されたサクセスパス案の自動生成が可能になります。
ステップ2:AIに参考情報を含めて指示を出す
コースとペルソナに関する情報をまとめ終えたら、早速AIに指示を出していきましょう。既存のサクセスパスをAIに入力し、コース概要やペルソナデータと照らし合わせながら分析させます。AIは各ステージの妥当性や、ステージ間の難易度のバランス、ペルソナとのフィット感など、様々な観点から改善ポイントを抽出してくれるはずです。
例えば、「ステージ2と3の間に大きな難易度の開きがある」「ステージ4にはペルソナに不要な要素が含まれている」といった具体的な指摘を得られます。この改善提案を参考にしながら、マーケターがサクセスパスを手直ししていくことで、より良いサクセスパスに近づけるのです。
次のようなプロンプトで指示を出してみましょう。
プロンプトの例:
あなたは最高のマーケターです。
私が作ったオンラインコースのカリキュラムについて、以下の点を評価して、必要であれば改善してください。評価にあたっては、オンラインコースの概要とペルソナを参考にすること。
## 評価すべきポイント
– カリキュラムのステージの分け方は適切か?
– 各ステージの名前は適切か?
– 各ステージの特徴では、そのステージにいる人の悩みと解決したいことが深掘りされているか?## オンラインコースの概要
{ここにコースの概要を挿入する}
## このオンラインコースのペルソナ
{ここにペルソナを挿入する}
## 人間が作成したサクセスパス
– ステージ1の名前:
– ステージ1の特徴:
– ステージ2の名前:
– ステージ2の特徴:
– ステージ3の名前:
– ステージ3の特徴:
このプロンプトの例では、いくつかの工夫が凝らされています。
- AIに「最高のマーケター」としての役割を与え、専門的な知見を引き出す
- 評価の観点を具体的に指定し、的確なフィードバックを得やすくする
- コースの概要とペルソナ情報を提供し、より適切な分析を可能にする
あなたもこのプロンプトを参考に、自分のサクセスパスに合ったプロンプトを工夫してみてください。
まとめ:AIを使ってサクセスパスをブラッシュアップする
ここまでサクセスパスの重要性とAIを活用したブラッシュアップ方法を紹介してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- サクセスパスは顧客のゴール達成を支援し、ビジネス的にも重要な役割を果たす。
- 従来のサクセスパス作成は属人的で非効率的な面があった。
- AIを活用することで、サクセスパスの各ステージとその特徴をより顧客視点でブラッシュアップできる。
- AIにブラッシュアップさせる際は、商品概要とペルソナデータを整理し、適切なプロンプトを設計することが重要である。