あなたはオンラインコースを作って販売したいと考えているけれど、カリキュラム作りに苦戦していませんか?オンラインコースを成功させるためには、質の高いカリキュラム作りが不可欠です。ここでは、AIを活用してオンラインコースのカリキュラムを効率的に作成する方法を紹介します。質の高いカリキュラムを作ることで、顧客満足度を高め、オンラインコースの価値を最大限に引き出すことができるのです。
オンラインコースの市場はここ数年で大きく拡大します。個人が自分の知識やスキルを活かして収益化するための有効な手段として注目を集めています。しかし、オンラインコースを成功させるには質の高いカリキュラム作りが不可欠です。これまでカリキュラム作りは講師の経験や知識に基づいて手作業で行われてきましたが、主観に偏りがちで客観的な視点が不足するという課題がありました。そこで登場したのがAIを活用したカリキュラム作成方法です。ここではAIの力を借りて、短時間で最適なカリキュラムを作る方法について紹介していきます。
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オンラインコース成功の鍵はカリキュラム作りにある
僕は2013年から10年以上に渡ってオンラインコースを作り続けてきました。オンラインコースが買えるUdemyも、今では日本人にとってすっかりおなじみになりました。Udemyはアメリカのサービスですが、まだUdemyが英語から日本語になったばかりの頃からオンラインコースを売っています。
そして僕は長いキャリアの中でオンラインコースの成否を分ける重要な要素の1つに、カリキュラム作りがあると考えるようになりました。カリキュラムとは、オンラインコースの中身の構成のことです。つまり、何をどの順序で学習していくのかという目次のようなものです。
カリキュラムは、顧客がオンラインコースを通してどのような知識やスキルを習得できるのかを示す羅針盤のような役割を果たします。カリキュラムをしっかりと作り込むことで、顧客の学習意欲が高まり、彼らが目標達成に近づく助けになることができます。それだけではなく、そのオンラインコース自体の価値を高めることにも繋がります。
カリキュラムを作るには、オンラインコースの学習内容を体系的に整理し、顧客が無理なく理解できるように段階的に構成することが必要です。顧客のレベルや目標に合わせた学習内容を適切な順番で提供することで、学習効果を高め、顧客満足度を向上させることができます。
これまでカリキュラム作りは、講師の経験や知識に基づいて手作業で行われていました。そのため、講師の主観に偏った内容になりがちで、客観的な視点が不足してしまうという課題がありました。僕のコンサルを受けてくださっている方でも「このカリキュラム作りが苦手」という人は本当に多いです。アイデアが出なかったり、どのような順番にしたら良いのか、すごく悩まれます。
また規模の大きなオンラインコースの場合、カリキュラムが複雑になり、パート分けや内容の構成が難しくなります。そしてカリキュラム作りにすごい労力と時間がかかる。これがオンラインコースクリエイターにとっての大きな課題となっていました。
サクセスパスとは?カスタマーサクセスのための道筋である
ここでオンラインコースのカリキュラムを作るための概念「サクセスパス」について少し紹介しておきます。オンラインコースのカリキュラム作りにおいて、この「サクセスパス」が重要になります。サクセスパスは、顧客がオンラインコースを通して成功へ至るまでの道筋を明確化したものです。顧客はサクセスパスを辿ることで、段階的に学習を進め、最終的な目標達成に近づきます。
サクセスパスは、顧客がオンラインコースを通してどのようなステップで目標を達成するのかを具体的に示した道筋です。顧客の現状であるスタート地点から、理想とする状態のゴールまでの道のりを、1本の直線と考えます。そして、その間のギャップを埋めるためにはどんなことをしたらいいのか?を考えていきます。ゴールに向けて足りないものを、具体的な行動や学習内容に落とし込むことで、顧客が迷うことなく学習を進められるようにします。
サクセスパスは通常、複数の「ステージ」に分割されます。ステージとは、サクセスパス全体をいくつかの大きなセクションに分けたものです。各ステージには、特定の目標やテーマが設定されます。各ステージにいる人たちの特徴も書いておくと、よりステージの役割が明確になります。顧客は、ステージごとに設定された目標を達成しながら、最終的なゴールへと近づいていきます。
サクセスパスを明確に設計することで、顧客は自分の現在地と目標までの道のりを常に把握することができます。これはモチベーションの維持に繋がり、学習の継続率向上に貢献します。また、各ステージで達成感を味わえるような設計にすることで、顧客は着実に成長を実感し、オンラインコースへの満足度を高めることができます。
実はサクセスパスを作ることは、お客さんのためだけではありません。サクセスパスを作ることで僕たちコースを作る側にもメリットがあります。それは、コースの中身の制作がやりやすくなることです。サクセスパスの中には、1つ1つの細かなレクチャーで何を達成するのかといったことも決めてしまいます。
一度サクセスパスを決定してしまえば、あとはその通りに順番にレクチャーとなるコンテンツを作っていくだけで済みます。僕のオンラインコースは動画がメインなので、僕もサクセスパスを見ながら順番に動画を撮影していきます。最初にサクセスパスを作る段階ですべてを決めてしまうので、動画を撮影するたびに何を話そうかと悩まなくて済むんです。サクセスパスを作るというプロセスは、もはや僕のオンラインコース作りで本当に欠かせない大事なステップになっています。
僕のコース「CashLab」は優秀なサクセスパスで満足度が上がった
僕が運営するサブスクに「CashLab」というのオンラインコースがあります。CashLabは、オンラインコースビジネスをゼロから立ち上げて、収益化する方法を体系的に学べるコースです。僕自身、Udemyや自社での販売などを通じて、累計17万人以上にオンラインコースを届けてきました。そういったオンラインコース作りの経験を基に、CashLabのカリキュラムを設計しました。
CashLabのサクセスパスでは、顧客がオンラインコースビジネスで成功するために必要なステップを、段階的に整理し、分かりやすく示しています。例えばまず、オンラインコースを作る前にリサーチと商品企画をしっかりやります。次に実際のコースを作成しながら、撮影機材を揃えて動画編集のやり方を覚えます。
コースが完成したら、実際にローンチして最初の収益を上げてみます。そこから少しずつ、見込み客や商品数を増やして収益を大きくしていきます。収益が大きくなってきたら、仕事を外注したりチームメンバーを増やして、自分の時間を増やすようにします。このようにして、全体を7つの大きなステージに分けて作りました。
CashLabをローンチしてから、たくさんの方に参加していただきました。結果的にたくさんの好意的なフィードバックをもらっています。CashLabは僕のシグニチャーコース、つまり僕を代表するようなオンラインコースになってくれています。このようにサクセスパスを上手に使うことで、受講者が取り組みやすいオンラインコースにすることができるのです。
AIを活用したサクセスパス自動ステージ分けのメリット
サクセスパスを作る上で、最初の大きな壁となるのがステージ分けです。ステージをいくつに分けるべきか、各ステージにどのような内容を盛り込むべきか、ステージ間の関連性や順序はどうすべきか、など考えるべきことは多岐にわたります。ここで、多くの人が挫折してしまうのです。ステージ分けに迷ったり、ステージの内容が重複してしまったりと、なかなか理想的なサクセスパスが作れないのが現状です。
また各ステージには、名前の他にそれぞれのステージにいる人の特徴などを書く必要があります。それはそのステージはどんなフェーズの人に向けたものなのかという説明文のようなものです。例えば次のようなものです。
「ステージ1:カリキュラムを作る
特徴:他人の役に立てる知識やスキルは持っている。自分のノウハウに自信もある。過去にセミナーやZoomで自分の知識を販売した実績もある。だけど自分の時間を切り売りする仕事のやり方に限界を感じている。これまで自分のお客さん向けにいろんなメディアを使って細切れのコンテンツを作ってきた。でも、コンテンツは散らばっているし、一元管理されていない。どうにかして体系立てたオンラインコースを作り効率よく受講生に学習を進めてもらいたい。もちろんオンラインコースが自動で売れていくような仕組みができれば労働時間あたりの収入が劇的に改善されるのはなんとなくわかっている。さて、どんな切り口でコースを作ったら良いのだろうか。どうしたら、人の役に立てるコースを作り上げることが出来るのだろうか?」
このように特徴を書いておくと、そのステージの役割がとても明確になります。そのステージにいる人の現状を描写しつつ、彼らの感じていることにも触れて、解決すべき課題も明らかにするといった文章を書くのがベストです。ですが、仮にステージが上手に分けられたとしても、このステージの特徴を書く作業が正直かなり億劫でした。ペルソナからそれらのことを想像して書くためにはかなりの部分、想像力を膨らませる必要があるからです。
そこでこの、ステージを分ける作業と、ステージの特徴を書く作業をAIにやらせてみましょう。AIによるステージ分けには、従来の手作業による方法と比べて、多くのメリットがあります。
まず、AIは客観的な視点からステージ分けを行うため、講師の主観に偏った設計になりにくいという点です。AIはすでに色々データを学習しているので講師の経験や知識に頼らずとも、様々な可能性を想像してステージを作ってくれるのです。その結果、ステージ分けにかかる時間を大幅に短縮することができます。
手作業でステージ分けを行う場合、考えるべきことが多すぎて時間がかかってしまいます。ですがAIを使えば短時間で最適解を見つけ出すことができます。これにより、講師はより多くの時間をコンテンツ作成や顧客サポートに充てることができます。
AIを活用したサクセスパス自動ステージ分けの具体的な手順
ではここでAIを使って実際に、サクセスパスのステージ分け作業をやってみましょう。
まずは、あなたが提供するオンラインコースの商品概要と、ターゲット顧客を明確に定義します。どのような内容を教え、どのような顧客層を対象とするのかを具体的に決めることで、AIが最適なサクセスパスを生成することができます。
その上でAIに次のようなプロンプトを入力します。
プロンプト例:
あなたは最高のマーケターです。次のオンラインコース商品のカリキュラムを考えます。全体を3つから5つ程度のステージに分けて、それぞれに名前と特徴を付けてください。特徴は以下に示す項目をすべて含み、当事者の視点で書いた文章とする。
## オンラインコースの概要:{ここに文章を挿入する}
## ステージの特徴に含める項目(以下を含む1つの文章):
– ステージにいる人の悩み
– ステージにいる人の悩みをさらに具体化
– ステージにいる人が解決したい事を明確化
このプロンプトの重要なところをいくつか解説します。まず、対象となるオンラインコースの概要をユーザーに入力させます。AIはこれを元にステージの分け方を考えるので、この情報はとても大事になります。もしAIの返してきた答えがイマイチの場合は、このオンラインコースの概要に入れる情報を変えてみてください。
次にステージを3つから5つ程度としている点も重要です。ステージは多すぎても少なすぎても、まとまりとして機能しません。そのため3つから5つくらいの間で作ることが大事です。またこのプロンプトでは、一番面倒なステージの特徴も書かせていますね。ステージの特徴に必要な項目をフォーマット化しています。
まず悩みを書き、そして悩みを掘り下げて考え、最終的に何が解決すれば良いのかということを文章にさせています。このような指示をすることで、あとはAIが実際の悩みなどを考えて文章にしてくれます。このプロンプトを実行することで、ステージにいる人の特徴が綺麗に文章になって出てくるはずです。
事例:実際にAIを使ってステージ分けをやってみよう
では実際に先ほどのプロンプトを使って、どんな結果が出てくるのかを見てみましょう。ここではデモとして、「筋トレでボディメイクをしてモテる」みたいなオンラインコースを想定してみます。先ほどのプロンプトの中の、オンラインコースの概要のところにこのテーマを入れて実行してみます。
すると、各ステージとその特徴が出てきます。例えばステージは次のような分け方になりました。
例:AIが生成したステージ一覧
- ステージ1: 「スタートアップ – 意識改革と第一歩」
- ステージ2: 「ファンダメンタルズ – 基礎固めと習慣化」
- ステージ3: 「ビルドアップ – 効果実感と目標設定」
- ステージ4: 「パフォーマンス – 高度なトレーニングとメンタル強化」
- ステージ5: 「マスタリー – 最終的な仕上げと自信の体現」
いや結構、現実的で良いステージになっていると思いませんか?正直、1行のシンプルなコース概要を入れただけとは思えないレベルの良いステージ分けです。ステージの特徴には次のような文章が生成されていました。1つだけピックアップして見てみましょう。
例:AIが生成したステージ1の特徴
「筋トレを始めようとは思っているけど、何から手をつければいいのかわからないし、時間もない。自分に続けられるか不安…」そんな悩みを抱えている。周囲の目が気になり、ジムに通うことさえも躊躇している状態。自分を変えたい気持ちはあるが、どうやってボディメイクを始めれば良いのか具体的な方法がわからず、ダイエットや自己流のトレーニングで成果が出ないことに焦りを感じている。目標は、自分に合った筋トレの基礎を学び、初めての一歩を踏み出すことである。
特徴に関してもなかなか良い文章になっています。じゃあこういう人たちに対して、ステージ1ではどんなレクチャーを作っていこうかといったことが明確になる感じです。
このようにAIに適切なプロンプトを入れることで、ステージを分ける作業が圧倒的にラクになります。このようにうまくAIを使いながら時間の掛かる作業を短縮して、オンラインコース作りを効率化してみてください。
まとめ:AIを活用してオンラインコースのサクセスパスを効率的に作成する
ここまでオンラインコースのカリキュラム作りにおけるAIの使い方について解説してきました。最後に要点を5つにまとめました。
- オンラインコースの成功には質の高いカリキュラム作りが不可欠であり、サクセスパスの設計が重要である。
- サクセスパスは顧客の学習プロセスを明確化し、段階的な目標達成を促す道筋である。
- AIを活用することで、サクセスパスのステージ分けを客観的かつ効率的に行うことができる。
- AIによるステージ分けでは、各ステージの名前と特徴を自動生成することができ、作業時間を大幅に短縮できる。
- 適切なプロンプトを使用することで、AIは短時間で現実的かつ効果的なサクセスパスを提案することができる。