プライシングは3つの役割を担っています。
(1)利益を最大化させる
(2)顧客を減らす
(3)顧客を増やす
(1)に関してはkamiyaさんが仰られたように、グラフに落とし込むなり、あるいは一番低いお試し価格から始めて徐々に値段を上げてゆき一番利益が取れるところにプライシングするなり・・・方法は色々です。(低い価格から始めるのは、最初に購入してくれた方に損失を被らせないようにするためです)
当分は事業の利益を最大化することがマーケターの仕事になりますから、プライシングに関して基本的には(1)利益を最大化させる、ことだけを考えていればよいことになります。
しかし、僕たちがDRMという手法を選んだのは、心のどこかで、いや頭の中ではっきりと「お金よりも自由が欲しい」と思っているからに違いありません。そうすると、多少の犠牲を払ってでも(この場合は利益を減らしてでも)自由を追い求めるのではないでしょうか。
そこでようやく(2)顧客を減らすについて考え始めるわけです。価格を上げれば大抵の場合、顧客数は減りますし、呼応して利益も減るかもしれません。しかし、顧客数が減るとマーケターの仕事量も減るので、時間的余裕(自由)が増えます。また、価格を上げるとふるい分けが働き、よりホットなお客さんが購入者リストの中に残ります。
このホットなお客さんってなんでしょうね。コンテンツに対してペイする習慣のある人、販売者を少しでもリスペクトする人、「来月には**万円必要なんです!助けてください!!」とか言わない人・・・などでしょうか。kamiyaさんの質問にあった「良質な客が集まるは本当か?」に対する答えは、経験則として「イエス」です。
意図的に顧客の数を減らして、ホットなお客さんとだけ付き合いながらビジネスをしてゆきたいと考える場合は(2)顧客を減らす、を考えてもいいと思います。
逆も然りです。(3)顧客を増やしたかったら、価格を下げればいいわけですね。特にフロントエンドとして購入者リストを集める目的で商品を販売する場合は、10,000円くらいまで値段を下げてもいいと思います。
10,000円より安くすると、なんていうか・・・ゴミにしか見えないので。
私事にはなりますが、ただいま石垣島にいまして、ウェットスーツを着ながらばんばん潜っております。重宝していたオーダーメイドの一つが破れたので、繋ぎとしてAmazonのプライムですぐ届く安物を購入しました。1万円以下だったので、安いという感覚を覚えるどころか「これはゴミではないのか?」と心配になりました。結論から言うと本当にゴミでした。台風9号11号が直撃するのと疲労困憊のため、あと数回潜って関西空港に戻ることにします。(飛行機が運行されれば、の話ですが)
そうなんです、安いとゴミっぽく思われてしまう。値段が低いと、量感はかろうじて存在するかもしれませんが、質感は皆無です。以前マニラの香水ショップで、CAROLINA HERRERA 212 MEN(100ml)の偽物が200円くらいで販売されていて、その100mlは絶対にただの水だろ!と心底思いました。安いと質感が全く感じられません。
個人的にはデジタルコンテンツにおいて質感がギリギリ感じられるフロンティアが10,000円ぐらいじゃないかな、と思うわけです。繰り返しますが10,000円以下だったら「はいはい、ただの試用品でペラペラな中身なんでしょ」と思っちゃうわけです。
そのギリギリのフロンティアまで値段を下げると、当然お客さんの数は、適正価格(利益が一番出る価格)で販売するよりも、増えます。
infotopに在籍しているアフィリエイターさんの心理を考えても10,000円っていうのが妥当だと思うのです。仮にアフィリエイター報酬を80%に設定していたとしても、それが50万円の商品であれば「俺には売れない」と思っちゃうはずです。
10,000円であれば、「俺でも売れる」と思いたくさんのアフィリエイターさんが頭の中で「1つの商品を売れば、10,000円×80%=8,000円が手に入り、それを100個売れば、8,000円×100個=80万円だな」という風に皮算用を始め、80万円というリアリティーのある数字を動機にアクションを起こしてくれるはずです。(実際に価格設定10,000円でアフィリエイター報酬80%以上が一番動いてくれます、これも経験則ですが)
最後に。
プライシングの概要は頭に入ったと思います。あとは実際の値付けですが、厳密にやりたい場合は価格を変えたセールスレターとステップメールを3〜5シナリオ用意して、どれが一番利益が出るかを試してみればいいと思います。
もう少しラフでいいや、と思うのであれば、1万円〜10万円の間で値付けをすればいいと思います。商品内容と分野にもよりますが、1万円〜3万円までであれば、皆さんポンポンと買ってくれます。4万円以降になると、数がグッと減る感覚です。
特にinfotop系に慣れているお客さんの財布の紐はドンドンとかたくなっている印象です。
infotop系を全く知らないお客さんをビジネス系のメルマガに取り込むようサイト全体の印象や情報発信の内容を変えるか、あるいはビジネス系以外の教材を扱うかが、僕の中の隠れたテーマです。
(最後の1パラグラフは、文字通り500万円くらいの価値ある情報です笑)
たとえば英語系の教材をinfotopで売っている人がいますが、あれは最悪ですね。たぶん読書とかお勉強が嫌いなんだと思います。
他に質問があれば、どんどん回してください。
石崎
ps:石垣島に滞在中、Macが煙を出して壊れて、今は奥さんの英語キーボードを叩きながら日本語メールを打っております。