日本が中国に追いつかれ抜かれて脱落していく・・・とあちことで書いている人がいますが、本当に現場の経済を知らない。ますます金持ちになった中国は世界最大の消費国になりつつあり、これまでは中国製、韓国製で我慢していた人たちがどんどん高級な日本製をほしがるようになっているという構図をどうして想像できないのでしょうか?
前回の#006では円高は日本人の価値観を変えるって話をした。現地に(他国に)行ってみて、現地を感じる。日本の円の強さと、日本への信頼性を肌で感じる。そういったただの「情報」や「知識」を頭に突っ込むだけで、日本人は伸び伸びと挑戦することができる。世界一周してみたり、思い切って16時間読書に没頭してみたり、起業してみたり、ボランティアに参加してみたり。この情報格差を埋めるには一ドル70円くらいの円高になって、多くの人が海外でお金を使う様子をメディアが報道するしかないって話をした。
じゃあもう少し日本経済という観点からこの円高を見ていくと・・・。たしかに円高のおかげで輸出産業がダメージを受ける!って意見はある。でも考えてみて下さいよ。日本は工業国。原材料を輸入して、それを加工する、加工貿易の覇者。じゃあ円高のおかげで原材料を安く輸入できるからいいじゃん。でその加工後の商品を、海外の富裕層マーケットで売りさばく。フェラーリもポルシェも大きな産業として生き延びている。そこまでの高級志向じゃなくても、「日本の商品は高いけど、品質はいいよね」くらいの印象を持ってもらえれば、十分に買ってもらえる製品だし、それこそそれが日本の貿易収支をプラにする鍵だと思う。
人は払った分の代償しか価値を得られないのは知っている。貿易相手国がリッチになればなるほど、そのリッチなマーケットを狙った高級志向の商品を売り込んでいけば良い。お金がある人はお金を使うっていう至極当然のフォーミュラがこの世にはあるのだから。
じゃあ次回は「国内の下請け企業が海外に出ていったらどうするの?」についてよくある議論へ真っ正面から反論をしてみようと思う。
文責:石崎力也
追伸:その前にジムにプール。