財務問題および国際問題を考える場合、巷の経済学者が圧倒的かつ根本的に間違っていることが1つあります。財務省に騙されているといったほうがいいかもしれませんね。つまり借金をすることは悪いことであり、膨大な借金をして返済の見込みがないままそれを残せば子供たちの負担になる。だからいまのうちに増税して、返済しておく必要があるのだという議論が家計をたとえにして必ず出てきます。
まず今日考えたいのは「借金ってそんな悪いことか?」ってことと、「95%が国内で賄われている日本国債はちょっと特別なんだぜ」ってこと。
【借金ってそんな悪いことか?】
たとえば、A社は売上100億円の会社。経営者が堅実経営派はので、無借金を守り抜き、上場すらも興味がない。株価はあがっている利益の範囲内でしか上がらないため、今後もA社の株価は上がらない。借金をしないので設備投資もできないし、資産価値も増えることはない。ただ、会社を清算したときにその株券はそのまま額面通りに返ってくる可能性は高い。
B社は同じ売上100億円の会社。ロケット事業に打ち込み、事業性のあるモデルを回している。大胆な経営をしており売上に対して180%分(つまり180億円)の借金をして、設備投資・研究開発を繰り返している。見通してとしては毎年50億円の利益が出る計算。資産もかなり分厚くなっている。さあどっちが魅力的な投資対象だろう?って話。
大事なのはサスティナビリティで(借金を返す能力があるかどうか)、売上に対する借金の総額ではないということ。ちなみに日本はB社のような経営状況なので、GDP比の債務比率だけを見て「おい、売上よりも借金が多いじゃないか!」みたいなこと言われても、まあナンセンスもいいところ。企業にとってもそうなんだけど、借金を返すことが経営目標じゃないよね(余談だけど「社長を辞めました」の本を出したYさんは民事再生法の適用を受けるまでは、借金をひたすら返すことだけが目標になっていたけど、リーマンショックより前はまさに今の日本のような経営状態だった)。
【95%が国内で賄われている日本国債はちょっと特別なんだぜ】
もしこれがギリシャのように、国債が海外に流出していると「おい、借金を返せよ!オレらの国も大変なんやぞ!」ってなるんだろうけど、日本の場合は特別で95%が日本国内で賄われている。国の債務って、結局誰の債務なんだろう。債権者は我々国民であり、国はそのお金を我々に対して返還する。債務者は国なんだね。極端な言い方をすると、自分たちで借りていて、そのお金は自分たちに返ってくる。自分たちが自分たちから借りているものなので、僕たちが「いらないよ」って債権放棄をしてしまえば何も問題ではないってことになる。正確には借金とか債務って言えない代物なんだね。
うーん、借金をしたことも自分たちでお金をゼロから産み出したこともない先生方の「借金は駄目だぜー」という悪しきマネー教育のせいで、極度に日本人は借金に対してネガティブなイメージを持っているねー。別にその借金で何か新しいものを産み出せるのであれば、借金は機能として存在する価値がある。借金それ自体は善でも悪でもない、ニュートラルなものなんだね。
文責:石崎力也
追伸:赤坂のホテルにあるカフェで書いとるんやけど、斜め前の女性、鼻いじりすぎ。(笑)
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