今後復興需要、特に原発問題が大きい訳ですが、もしこれをきちんと処理するとして、今後の日本経済の動向を見ると世界中の投機資金が日本に向かってくる可能性はあり、です。ただ、これはいつも申し上げている通り「良い円高」であって、世界中からいろいろな物を買わないと生きていけない日本にとっては必要なことなのです。これだけ金利の低い通貨を買ってくれる—ということをむしろ有り難いと思うかもしれません。
まず「アメリカドルを手元に置いておけ」って話から。円高が本当に悪いのか?そして円安は嬉しいことなのか?そういった議論は既にし尽していると思うので、今回は円高円安の是非については触れない。それより、円安どころの騒ぎじゃなくて、円に価値がなくなったらどうするの?って話。「いや、そんなことあるわけない」って言うかもしれないけど、僕の友人に100億ジンバブエドルを持っているヤツがいる。しかもデノミ前の各国の札を持っているんだから、完全にマニアとしか言いようがない。そんな彼の主食は日高家。旅行費とビザとカメラがあれば生きていける、の自称カメラマンである、彼。たいして金持ってない。100億ジンバブエドルもあるのに!だよ・・・っていうのは少しジンバブエに失礼かもしれないけど、ジンバブエではハイパーインフレが起こっちゃって、これまでなら1ジンバブエドルあればパン一斤変えたのに、2009年にたった一瞬にして通貨が価値を失い、3000億ジンバブエドルでしか変えなくなった。怖っ!!
ジンバブエドルで預金していたお金持ちの人は一日でホームレスになっちゃう。ってくらい、一つの通貨に依存して生きるってのは怖い。もし原発がバンバン爆発なんかしていたら、世界中で「円お断り!」になるでしょ。JCBもアウトで、アメックスしか決済されない可能性もある(アメックスはすぐ作れるから、絶対に持っておいた方がいい、絶対に!)。今手元にあるお札が、タダの紙切れになる可能性だってある。そんな意味で世界通貨であるアメリカドルを手元に100万円くらいは持っておいた方がいい。手元にキャッシュなかった人は、3.11直後にATMが止まって本当に驚いたと思う。ああいうことってマジであるんだよね。自分の子どもを海外に逃がすために、まずは仁川(いんちょん)くらいには行かないとダメだろうけど、「円は受け付けられません」って大韓航空の受付に看板があることを想像するだけで戦慄とする。本当にリスクヘッジのためにアメリカドルを持っておいた方が良い。それは利回りが良い悪いとかそういう次元じゃなくて。(なぜ僕の親父が世界各国のお金をたくさん茶の間の引出しに溜め込んでいたのか、大人になって理由が分かった)。
次に「円高になったのか?」について。原発問題があって誰も円なんて買わないかと言えば、そうじゃなかった。むしろ引用にあるように投機資金が向かってくるなど様々なファクターを総計した結果、円高は震災後も続いた。1ドル70円台の最高値を記録したのを覚えていますか?あれは震災後の出来事。最高値をつけた、ファクターは結局なんだったのか?
- 混乱しても機能する中央銀行が存在する国(+)
- 脳死状態の東京証券取引所を資本調達先にするリスク国家(—)
- 政治のマネジメントが機能していない国(—)
- 企業のマネジメントが機能していない国(—)
- 何かあればアメリカの軍事力がサポートしてくれる(+)
- 震災後も協力し合う国民性(+)
・・・こういった無数のファクターが総合評価された上での「円高(=国力そのものが+に評価されている)」だったんじゃないのかな。はてさて、日本経済新聞はこの国力が評価された上での円高について何を言ったのだろう?たった15%程度の輸出メイン企業の競争力が落ちることをまた言っていたんだっけ?国会図書館に行かなくても過去の新聞はすぐに見れる。震災後の2011年、2012年の新聞を引っ張って来て、さて、何を信じようか?
文責:石崎力也
参考文献:
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