今回のレクチャーでは、メルマガ送信するのに最適な曜日と時間帯について紹介します。メールを送信する時間帯によって開封率は異なってくるため、ベストなタイミングを知っておくことは重要です。これを読めば、キャンペーンのメールをいつ送ったら良いのか?と迷うこともなくなります。
SNSやLINEなどによるマーケティングが増えていますが、リストを使ったマーケティングにはまだまだEメールが強いのが現状です。キャンペーンの案内や、新商品の予告をする際にメールを送るはずです。ただ、メールの送信タイミングについては多くの方が悩まれているようです。今回は、あなたにとっての最適なメール送信タイミングについて、一緒に探っていきましょう。
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MailChimpのEメールゲノムプロジェクトによる研究成果
メール配信プラットフォームのMailChimpがある研究を行いました。「Eメールゲノムプロジェクト」と呼ばれる、自社のプラットフォームから送信される10億通以上のメールを分析する大掛かりなプロジェクトです。
今回はその成果と合わせて、Customers.io、GetResponse、HubSpotなどが行ったリサーチの結果を元に解説します。Customer.ioやGetResponseはMailChimpと同じようなEメール配信のプラットフォームです。またHubSpotは、Eメール配信以外にも、顧客管理やサイト構築、カスタマーサポートなどの機能が統合されたマーケティングオートメーションのツールです。
MailChimpにはSend Time Optimizationという機能があり、あなたのオーディエンスの属性にマッチした送信時刻を自動で算出してくれます。これは先程の「Eメールゲノムプロジェクト」によって得られた知見をアルゴリズムとして実装したものです。
もしあなたが24時間限定のセールキャンペーンを行ったり、新しい商品をローンチしようという場合は今回紹介する内容が役に立つはずです。
研究成果#1:メールは週の真ん中に送れ
MailChimpのリサーチ結果によると、開封率に月曜から金曜まではあまり差が見られません。ですが、Customer.ioやGetResponseのリサーチを見ると、次のような順序で優位性があることがわかります。
- 火曜日
- 木曜日
- 水曜日
「ブルーマンデー」という言葉がありますが、研究によると人が仕事上、精神的に最もストレスを感じるのは火曜日であることが明らかになっています。月曜日は週末の楽しみの余韻で過ごすことができますが、火曜日には仕事の現実が襲ってくるのかもしれません。そんな時に仕事の気を紛らわしてくれるようなメルマガが届くと、開きたくなりますよね。
ちなみに、土曜日と日曜日の開封率とクリック率が最も高いと結論付けている研究データもありますが、そもそも土日に送信されるメールの量が平日に比べて圧倒的に多いことに注意が必要です。送信されるメールの母数を考慮すると、火曜、木曜、そして水曜が最適と言えるのです。
複数のEメールプラットフォームがメールの受信量と開封率について調査を実施しました。調査によって多少の差はあるものの、火〜木曜の開封率が高いことは明らかです。それぞれの研究を少し詳しく見てみましょう。
GetResponseの調査によると、1週間に受信するメールのうち、17%以上は火曜日に送信されています。そして火曜日のメールの開封率は全体で約16.93%で、平日の他の曜日と比較して最も高い開封率となっています。
またGetResponseは、開封率が次に高いのが水曜日であることも発見しています。その次のピークは木曜日となっています。このことから、水曜日や木曜日にメールを送るのも効果的と言えますね。
MailChimpのメール開封率に関する調査では、木曜日の開封率が最も高く、その次が火曜日であることがわかりました。HubSpotの調査でも、火曜日の開封率が最も高いことがわかっています。次点は月曜日と水曜日です。
これらのリサーチを総合的に見ると、週に1度メルマガを送る場合は火曜日が最適で、2回送るなら木曜日を選ぶべきと言えます。水曜日がベストという調査結果はありませんが、2位には何度か入っているため、選択肢になり得るでしょう。
研究成果#2:メールは午前10時に送れ
次はメールを送るべき時間帯についてです。結論から言うと、ベストなタイミングは以下の通りです。
- 午前10時
- 午後8時
- 午後2時
- 午前6時
複数の調査結果をもとに統計を出すと、開封率が最も高いのは午前10時に送信されたメールでした。これは明確に午前10時である必要はなく、例えば午前11時など多少前後しても構いません。
午後8時〜深夜というのも良い時間帯です。一般的に、メルマガは夜遅くになると開封率とクリック率が高まります。これは、多くの人が寝る前にメールをチェックする習慣があることが原因でしょう。
午後2時は、仕事モードから抜け出して、休憩を取っているような時間帯です。仕事から一旦離れたタイミングで面白そうなメルマガが届くと、読みたくなりますよね。
午前6時にメールを送信すべき理由は、1日の始まりにベッドでメールチェックをする人が50%もいるというデータがあるからです。人々が起きる時間帯にメールを送るというのは理に適っていますね。
以下は、時間帯別のメールの受信数と開封率に関するデータをまとめたものです。午前10時〜12時がベストであることがひと目でわかります。
Campaign Monitorの調査によると、午前9時〜11時は間違いなくメール送信に最適な時間帯です。開封率のピークは午前10時で、勤務時間中の午前9時から午後5時の間に53%のメールが開封されるとのことがわかります。HubSpotのメルマガ開封時間の調査でも、午前11時のメール開封率が高いことがわかっています。
ただし、MailChimpやWordstreamの分析では、午後に開封のピークがある可能性も示唆されています。例えばWordstreamの調査では、午後2時の開封率が最も高いという結果が出ています。
Customer.ioでは、一日の遅い時間にメールを送信する方法が提案されています。同社の調査では、メールの開封率は午後8時〜深夜に最も高くなり、2度目のピークは午後4〜8時にあることがわかりました。
このように調査によって結果に多少のバラつきはあるものの、総合的に見ると、メールを開封してもらいたければ、一般的には午前10〜11時に送るべきだということが分かりました。
研究結果#3:火曜日にブログ記事を送り、木曜にセールスをしろ
先ほどお話しした通り、メールの平均開封率が最も高いのは火曜日です。しかし、Customer.ioの調査によると、メールの内容によっても適した曜日は異なります。
具体的には、メールマガジンやブログ記事の配信は火曜日が最適ですが、リンクのクリックを促進したい場合、またはウェビナーへの登録やアンケートへの回答など、読者にアクションを起こさせたい場合は、週の後半に送信する方が効果的です。
メールの開封率が高いのは火曜日ですが、実はCTR(クリック・スルー・レート)が最も高くなるのは週末なのです。仕事を終えた週末に、人々はやっとじっくりメールを読む時間ができるのです。なので、セールスなどメール内のリンクをクリックさせたい場合には週末も有効です。
メールの送信結果は内容よりもリストに左右される
MailChimpの研究結果によると、メールの開封率は、内容のほか、居住地や活動時間帯、職業によっても異なります。地域について言えば、例えばスペインでは、午前10〜11時のメール送信がベストです。一方でエジプトでは、夜明け前の時間帯が最適という調査結果もあります。
年齢や職業についてはどうでしょうか。大学生のメール開封率は、午後1時がピークです。大学生の睡眠パターンを考えると、これは驚くことではありませんね。弁護士だったら午前9時にピークが来ます。新生児病棟の看護師は、あまりハッキリしたピークがありません。
つまり、どのような属性の人があなたのメーリングリストに登録されているかによっても、最適な送信時間は違ってくるのです。
あなたのリストに最適な曜日と時間帯をテストしよう
先ほど紹介した通り、メールを送るベストなタイミングは、「誰に送るか」によっても異なります。あなたのメーリングリストにとって最適な送信日時を知るためには、時間帯を変えてメールを送り、開封率をテストすることが大切です。
ここまで見てきた曜日と時間帯を組み合わせて送るんです。一般的なメール開封率の高い日時を組み合わせます。例えば、一番開封率の高い火曜日と、一番開封率が高い午前10時を組み合わせて、火曜日の午前10時みたいにします。同じ要領で、木曜日の午後8時、金曜日の午後2時、火曜日の午前6時みたいに組み合わせのリストを作るんです。
ここまで出来たら次に送る予定メールから組み合わせに沿って送ってみます。例えば、次のメールは1つ目の組み合わせ。その次のメールは2番目の組み合わせという具合です。それぞれの時間帯で送って、開封率やCTRをチェックしてみてください。
なお、GetResponseの調査によると、23%の購読者がメール送信後60分以内にメールを開封することが分かっています。ですから、ピークタイムの30分前に送信できるようにスケジュールを組みましょう。火曜日の午前10時であれば、実際には火曜日の午前9時30分に送ることになります。
MailChimpで開封率やクリック率を確認する
MailChimpでは、メールの開封率とクリック率を確認できます。送信日時のテストの際には、これを活用しましょう。
レポートは、タブの「Campaigns」から該当のキャンペーンの「View Report」をクリックすることで表示されます。
それぞれのメールの開封率やリンクのクリック率のほか、クリック数の多いURLも出てきます。
またメールを送ってから、どのくらいの人が時間差でメールを開いたのか?表で見ることができます。さらにメルマガを頻繁に開封してくれる人などのデータも表示されます。このようなデータは開封数の多い人を対象にしたキャンペーンメールを送信したい時などにも役に立つでしょう。
迷ったらMailChimpのSend Time Optimization機能を使え
開封率のテストをした結果、有意な差が見られないことがあるかもしれません。そのような場合は、MailChimpのSend Time Optimization機能を使ってください。これは、読者ごとに開封率の高い時間帯を割り出し、その時間に合わせてメールを送信してくれる機能です。
Mailchimpに蓄積された読者1人ひとりの過去の開封履歴データを分析して、MailChimpが理想的な送信時間にメールを自動送信してくれるのです。これにより、読者がいつもメールを確認するタイミングに合わせてメールを届けられるため、開封してくれる確率が大幅に増えます。
メールの送信画面で「Schedule」から「Send Time Optimization」を選択してください。分析が終わると最適な時間が決定されます。あとは「Schedule Campaign」をクリックするだけで、この機能を利用できます。すごく簡単に最適な時間帯が割り出せるのでオススメです。
まとめ:最適な送信日時を分析して開封率を最大化する
複数の調査結果から言えることは、メルマガを送るベストなタイミングは週の真ん中の火曜日から木曜日です。時間帯としては、午前10時頃と午後8時くらいを狙うと良いでしょう。これらは複数のEメールマーケティングのプラットフォームのリサーチ結果に基づいているので、非常に説得力があります。
ただし、読者層によっても最適な時間帯は異なるため、時間帯を変えてメールを送って開封率をチェックすることが必要です。最適な送信時間に迷った場合は、MailchimpのSend Time Optimization機能を使ってください。今回は以上です。また次回、お会いしましょう。