今回のレクチャーでは、SNSでの最適な投稿時間帯を探る方法についてご紹介します。SNSにいつ投稿すれば、最も多くのトラフィックやコンバージョンを得られるのか気になりませんか?今回はGoogle Analyticsを使ってSNSからのトラフィックが最大となる時間帯を調べていきます。
SNSにいつ投稿すればよいのか?これについては、ネット上で様々なリサーチ結果が公開されています。ですが、そこには必ず「結果は業種や顧客層によって変化します」とのただし書きがあります。つまりそれはデータがあくまで最大公約数的なものであり、様々な条件によって結果が異なることを意味しています。それではあなたのビジネスに最適な投稿時間帯を正確に知るにはどうしたら良いでしょうか?答えはあなたのサイトを実際に訪れたユーザーの統計データを分析することです。それでは早速その方法を見ていきましょう。
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GA4を使ってSNS経由のアクセスが多い時間帯を調べる
複数のSNSを運用している場合、それぞれのプラットフォームにおけるベストな投稿時間を把握するには「Gcoogle Analytics」を活用するのがベストです。Google Analyticsは、Googleアカウントさえあれば誰でも利用できる分析ツールです。今回はGoogle Analytics 4(GA4)における分析方法を解説します。
今回のデータを分析するには、あらかじめGoogle Analyticsをセットアップし既にデータを取得し始めている必要があります。もしまだセットアップが済んでいない場合は、このレクチャーが終わったあとに早速セットアップしてアクセスデータの蓄積を始めてください。
どうやってSNSからのトラフィックが最も多い時間帯を調べるのか?それはSNS経由であなたのサイトを訪問したデータを調べればよいのです。Google Analyticsを使えば、アクセス元のSNSとアクセスされた時間帯をデータで確認することが可能です。
具体的には、Google Analytics 4の「データ探索(Explore)」という機能を使って、あなたのフォロワーが最もSNS上で反応しやすい時間帯を調べます。このデータ探索とは、分析したいコンテンツや指標を自由に指定できる機能です。これはUA(旧Googleアナリティクス)に存在したカスタムレポートという機能に近いものです。
実践:探索ツールでSNS経由のトラフィックを時間帯別に表示する方法
Google Analytics 4におけるデータ探索の利用はとても簡単です。以下の手順で必要なデータを収集できるようになります。まずは、たくさんあるデータのうちSNS経由のデータだけに絞り込みをかけてみましょう。データの絞り込みにはセグメントという機能を使います。
- Google Analytics 4にアクセスし、左側のメニューで「探索」から「自由形式」を選びます
- 変数の中にあるセグメントのプラスボタンを押して、「ユーザーセグメント」を選びます
- 新しい条件をクリックして、トラフィックソースから「セッションのデフォルト チャネル グループ」を選びます
- 「フィルタを追加」をクリックして「含む」の条件として「Organic Social」を選びます
- 左上のセグメントタイトルに「SNS」などの分かりやすい名前をつけ、セグメントを保存します
- 今作ったセグメントが「セグメントの比較」の部分に自動で入ります。もし入っていない場合は、ドラッグアンドドロップで追加してください
次に縦軸に時間ごとの欄を作りましょう。ディメンションというものを設定します。
- ディメンションのプラスボタンを押します
- 検索バーに「時間」と入力します
- 「時間」を選びインポートします
- 時間のディメンションを行の欄にドラッグアンドドロップします
- 行の欄にある不要なディメンションを削除します
次にSNSごとのデータの欄を横軸に用意しましょう。「セッションの参照元 / メディア」というディメンションを探して追加します。
- 変数のディメンションのプラスボタンを押します
- ディメンションの検索バーで「メディア」と入力します
- 「セッションの参照元 / メディア」を選びインポートします
- インポートした「セッションの参照元 / メディア」を列の欄にドラッグアンドドロップします
- 列の欄にある不要なディメンションを削除します
時間のディメンションを選ぶ際には「N時間目」という紛らわしい項目もあるので注意してください。「N時間目」ではなく「時間」のディメンションを選んでください。
最後の「指標」の部分にはデフォルトで「アクティブユーザー数」が入っているはずです。もし入っていない場合は、指標のところにドラッグアンドドロップして追加してください。
これが完了すると、SNSごとにアクセスの多い時間帯が表示されるようになります。横軸にアクセス元として各SNSプラットフォーム名が並び、縦軸にアクセスされた時間帯が並びます。プラットフォームの表示にはドメイン名が使われます。これをRefferal(リファラル)と呼んでいます。例えば「t.co / referral」となっているのはTwitterです。Twitter以外は以下のようにわかりやすいサイト名になっているはずです。
- Twitter:t.co
- Facebook:
- facebook.com
- l.facebook.com
- m.facebook.com
- lm.facebook.com
- instagram.com
- l.instagram.com
- YouTube:youtube.com
またすべての時間帯を合計した、各プラットフォームごとの総アクセス数も出てきます。最もトラフィックの多いSNSが、あなたが特に力を入れて継続投稿すべきプラットフォームであることは明白ですね。なお、Google Analyticsにおけるトラフィックのレポートにおけるデータは0時〜23時の表記で示されます。「0」は真夜中、「23」は午後11時ということですね。
繰り返しになりますがこのカウントは、見込客がSNS投稿を見た時刻ではありません。SNS上のリンクをクリックして実際にあなたのサイトを訪れた時刻です。このようにして、SNSプラットフォームごとにどの時間帯でのアクセスが多いのか?を特定することが可能になります。
Google Analyticsを利用することで、あなたが運営しているいくつかのSNSのうち、どれが最もビジネスに利益をもたらしているかを理解できるかと思います。このデータに基づいてSNSに投稿することで、より効率的にトラフィックやコンバージョンの増加に繋げられるでしょう。
Google Analyticsのデータをスプレッドシートにまとめる
さて、ここまでGoogle Analyticsでのデータの収集と分析方法についてご紹介してきました。しかし、いくら良質なデータを集めても、それを適切に活用できなければ意味がありません。ここからは、得られたデータをどのように投稿スケジュールに活用していくべきかについて見ていきましょう。
Google Analyticsのカスタムレポートのデータを活用をもとに、あなたが運用する各SNSのフォロワーが最もあなたの投稿をチェックした時間帯をスプレッドシートにまとめましょう。スプレッドシートにまとめておけば、チームで共有するのも楽になります。
具体的には、各SNSからの時間帯ごとのアクセス数をスプレッドシートに集約してください。この作業には、Googleが無料で提供するGoogle Sheetsが便利です。Googleスプレッドシートとも呼ばれています。Google SheetsはGoogle Analyticsとの連携が簡単で、アクセス数に関するデータを簡単にエクスポートできます。
右上のダウンロードアイコンからデータのエクスポートを行いましょう。直接Googleスプレッドシートに出力することができます。エクスポート先としてGoogleスプレッドシートを指定すると、インポートの確認画面が出るのでインポートボタンで許可します。
あとはスプレッドシート内であなたの見やすいようにデータを整理してください。各SNSにおけるトラフィックが最も多い時間や曜日を一目でわかるように可視化するのです。以上で、あなたのフォロワーが最もSNSをチェックする時間帯を知ることができます。
まとめ:Google Analyticsを活用して最適なSNS投稿時間帯をリサーチする
ここまで、Google Anayticsを活用したSNSの投稿時間についての調査方法について解説してきました。最後に要点を4つにまとめます。
- Google Analyticsを使えば、SNS経由であなたのサイトを訪問したデータを分析することができる。
- Google Analytics 4のデータ探索でSNS経由のトラフィックだけを対象とするには、セグメントで「セッションのデフォルト チャネル グループ」からフィルタで「Organic Social」を選択する。
- SNSプラットフォームごと、時間帯ごとのデータを見るには「セッションの参照元 / メディア」と「時間」のディメンションをそれぞれ列と行に割り当てる。
- Google Analyticsで抽出したデータは必要に応じてスプレッドシートにまとめておくとチームで共有しやすい。
今回はここまでです。また次回、お会いしましょう。