今回のレクチャーでは、あなたのビジネスのターゲット層を見極める方法についてお話しします。この方法を学ぶことで、あなたが行うマーケティング戦略の立案や、製品・サービス制作の努力を確実に結果に繋げられるようになります。
あなたのビジネスにおける見込み客を的確に把握するためには、ターゲット・オーディエンスとマーケティング・ペルソナについてそれぞれ明確にしておく必要があります。その方法について、早速見てみましょう。
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ターゲット・オーディエンスとマーケティング・ペルソナ
まずは、ターゲット・オーディエンスとマーケティング・ペルソナとは何を指すのかについてお話しします。ターゲット・オーディエンスとは、マーケティング活動を通じて自社の製品やサービスに惹きつけたい理想の顧客像のことを指します。あなたが来てほしいと思う理想の見込客のことです。
そしてマーケティング・ペルソナとは、あなたの顧客となる人の性別、職種、職務、事業規模、チームサイズ、ニーズ、悩みなどの情報を詳しく記述したものです。ターゲット・オーディエンスについて「誰が、何を、いつ、どこで、なぜ」を詳細にしたものとも言えるでしょう。
このマーケティング・ペルソナについて、具体的に決定していく必要があります。どのように理想の見込客の人物像を決めていったらいいのか?と迷うかもしれません。
方法#1:自分で質問に答えてペルソナを設定する
マーケティング・ペルソナを明確にするためには、ペルソナを決めていくための質問に対して自問自答してみましょう。 「マーケティング・ペルソナ設定シート」を参考に、各質問に答えてみてください。質問に答える際には、実際のあなたの顧客や見込客のことを想像して答えてください。
顧客や見込客がいない場合は、Yahoo知恵袋やSNSなどでそれに近い人物を探し出しても良いでしょう。できる限り「誰々さん」という実在の人物を思い描くと、質問に答えやすくなります。
- 既存の顧客の中で理想的な顧客は誰か?
- その顧客に共通する特徴は何か?
- このような顧客は、なぜ自分たちの製品やサービスを探したのか?
- 彼らはなぜ、自分たちの製品やサービスを購入したのか?
- その顧客が競合ではなく自分たちの商品を選ぶことで、何を得たのか?
この方法は、あなた自身がある程度想像力を使いながらペルソナを設定していく方法です。もし既にあなたに顧客がいて、彼らにコンタクトを取れる状況であるならば、次に挙げる方法もすごく有益なはずです。
方法#2:既存顧客へのリサーチからペルソナを再設定する
別の方法を紹介します。ターゲット・オーディエンスを把握するためには、既存顧客からの情報をもとに理解を深めていくことができます。SurveyMonkeyやTypeformのようなツールを使って、顧客に対して直接質問をしてみましょう。
Typeformは僕たちもよく使っているアンケート作成ツールです。手軽に綺麗な回答フォームを作ることができ、さらにAPIが公開されているのでたくさんのツールと連携して使うことができる点も魅力です。商品リサーチから、顧客の満足度調査、商品レビューの収集にも役立つ優れたツールです。
実際にTypeformのようなツールを使って、調査をしていく場合には既存のお客さんが必要になります。既に製品やサービスを利用してくれている顧客に対して質問フォームを送りましょう。こういう話をすると「YouTubeやメルマガの登録者ではダメですか?」という質問をよく受けます。
見込客と顧客は異なります。見込客はあなたの製品・サービスに興味は持ってくれるけど、まだお金を払っていない人たちです。顧客とは実際にあなたの製品・サービスに対して、お金を払ってくれています。「このお金を払っているか」という部分に大きな溝があるんです。
製品やサービスをいいなと思っていても実際に買わない人がたくさん存在します。お金を払う、購入するという決断をしたということは金銭以上の価値を感じてもらえたということになります。僕らは実際にお金を払ってくれた顧客に対して、アンケートを取ることを推奨しています。さて、質問を順番に見ていきましょう。
- 私たちの製品・サービスを利用する主な理由は何ですか?
- 他のサービスではなく、私たちの製品・サービスを選択した理由は何ですか?
- 私たちの製品・サービスを利用することで、今日、あなたにどのような違いをもたらしましたか?
- 私たちの製品・サービスを利用しなかった場合、代わりにどの製品・サービスを使用する可能性が最も高いですか?/もし私たちの製品・サービスが利用できなくなった場合、代替品として何を利用しますか?
- 私たちの製品・サービスを他の人に簡単に話すとしたら、どのように説明しますか?
- 私たちの製品・サービスを利用して得られたメリットは何ですか?
- 私たちの製品・サービスのようなソリューションを探したきっかけは何ですか?
- あなたが興味を持って読み続けているブログや本は何ですか?
また相手が法人や、僕らのように少数精鋭のチームの場合は、追加で次の2つの質問をしてください。
- あなたの会社では何人が働いていますか?
- あなたのチームでは何人が働いていますか?
質問内容を文章にまとめる
さてここまで、2つの方法を紹介してきました。それぞれの質問への答えが得られたはずです。それらの答えをまとめるプロセスに入りましょう。次のテンプレートを穴埋めすることで、ターゲットオーディエンスをより明確にし、共有することができます。
「あなたの会社」は、「ターゲット層」を惹きつけるコンテンツを作成し、彼らが今よりもっと「望む結果」に近づけるようにする。
このようにしっかりとまとめ上げ、文章として残しておく作業は重要です。文章にまとめることで、途中でペルソナがブレるのを防ぐことができます。また文章になっていることで、チームメンバーと共有するのも簡単になります。
僕らのターゲットの例を公開します。僕らであればこんな風にペルソナを書いていきます。
「石崎力也」は、「年収3000万円以上のフリーランサーや年商5億円以上の法人」を惹きつけるコンテンツを作成し、彼らが今よりもっと「収益を上げながら時間的、場所的に自由な状態」に近づけるようにする。
ターゲットオーディエンスについてよくある間違いは、2人または3人以上の人物をターゲットしたいと考えてしまうことです。ターゲットを設定するときは、たった1人に絞ってください。確かに1人に絞るのは怖いかもしれません。
「1人に絞ったせいで、お客さんを取りこぼしたら嫌だな」と考える気持ちもよく理解できます。かつて僕もターゲットを1人に絞りきれなかったことがありました。平たく言うと欲張りだったんです。この人もあの人もお客さんにしたいと思いました。結果的に、ターゲットがブレました。
1980円のサブスクを初月100円で提供して、客層が明らかに悪くなったんです。平気でクレームばかりを言ってくるような変なお客さんばかりを集めてしまいました。当時はカスタマーサポートを僕1人でやっていたので、そういうお客さんの相手をする度にどんどん精神がすり減っていくのを感じました。
逆にそのあと、ターゲットを1人に絞ったんです。それも既存顧客の中で最も理想とするお客さんを1人選び、その人のことをイメージしながらコンテンツやセールスレター、そしてウェビナーなどを作りました。
その結果、どうなったと思いますか?10万円、20万円クラスのデジタル商品が売れるようになり、年間200万円のコンサルは最大枠の14社いっぱいまで増えてしまいました。実際には1人に絞ったはずのターゲットだけでなく、その近辺にいるお客さんにまでもリーチできたんです。
ターゲットを1人に絞っても、必ずその周辺のお客さんが入ってきてくれます。年収3000万円のフリーランサーや経営者と設定しても、ビジネスに憧れを持った年収800万円の会社員だって来てくれます。だからターゲットを1人に絞ることを怖がらないでください。
1人という絞り込まれたに集中してマーケティングを行うことで、あなたが伝えたいメッセージを薄めることなく、適切な見込み客をあなたのブランドに引き寄せることができるからです。繰り返しますが、あなたの1つの特定のオーディエンスを見極めることが大切です。
まとめ:ターゲット・オーディエンスを見極める
今回は、マーケティング・ペルソナの設定について解説しました。マーケティング・ペルソナは、チームが作成するすべてのコンテンツにおいて、ターゲットとする人物像を明確にして共有するためのものです。既に顧客がいる場合には、顧客に直接質問してペルソナを狭めていきましょう。もし十分な顧客数がない場合でも、今回紹介した5つの質問が役に立つはずです。
たった1つのターゲット層に狙いを定めることで、あなたのビジネスが伝えたいメッセージが希薄化してしまうことを防げます。またリソースが分散しすぎてしまうこともないため、ターゲット・オーディエンスを適切に惹きつけられるでしょう。今回は以上です。また次回、お会いしましょう。
マーケティング・ペルソナ設定シート
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