あなたはコピーライターやウェブマーケターとして、商品やサービスの魅力を伝えるコピーを書いているのに、なかなか成果が上がらずに悩んでいませんか?「ベネフィットを伝えろ」とよく言われるけれど、具体的に何をどう書けばいいのか分からない。そんな方も多いのではないでしょうか。ここでは、フィーチャーとベネフィットの違いを明確にし、顧客の心に響くコピーの書き方について解説します。
コピーライティングの世界では、「フィーチャー(特徴)」と「ベネフィット(利益)」という2つの重要な概念があります。しかし、多くの人がこの2つを混同してしまい、結果として顧客の心に響かないコピーを書いてしまっています。この記事を読めば、あなたは2つの違いを明確に理解し、より効果的なコピーが書けるようになります。売上アップに直結する、顧客の心を掴むコピーライティングのテクニックをお伝えしていきましょう。
今回お届けするノウハウはこちら
フィーチャーとベネフィットの違いとは?:具体例で徹底比較
フィーチャー(Feature)とは、製品やサービスが持つ機能や特徴、仕様のことを指します。「4000万画素カメラ搭載」「10時間連続再生可能」「防水仕様」といった、客観的な事実がフィーチャーにあたります。これは誰が見ても変わらない、その商品やサービスが持つ特徴です。
一方、ベネフィット(Benefit)は、そのフィーチャーによって顧客が得られる価値や利益のことです。つまり「まるでプロのような写真が撮れる」「充電切れを気にせず、一日中音楽を楽しめる」「水濡れを気にせず、どこでも使える」といった、顧客視点での表現になります。
この違いを具体例で見ていくと、さらに分かりやすくなります。例えば、オンライン英会話スクールの場合を考えてみましょう。「24時間365日、いつでもレッスン受講可能」というのはフィーチャーです。これに対して「早朝でも深夜でも、あなたの好きな時間に、自宅で気軽に英会話レッスンを受けられる」というのがベネフィットです。高機能炊飯器の例では、「〇〇方式の加熱技術を採用」がフィーチャーで、「まるでかまどで炊いたような、ふっくらツヤツヤのご飯が炊き上がる」がベネフィットになります。
フィーチャーは「What(何)」、ベネフィットは「Why(なぜ)」と考えるとより理解しやすくなります。顧客が本当に知りたいのは、「なぜ、それが自分にとって必要なのか?」という理由なのです。転職エージェントサービスの場合、「専任のキャリアアドバイザーがサポート」というフィーチャーよりも、「あなたの強みや希望を理解した上で、最適な求人を紹介してもらえるから、効率的に転職活動を進められる」というベネフィットの方が、顧客の心により強く響きます。
なぜベネフィットを伝えることが重要なのか?
僕自身、GoProのファンとして面白い経験をしました。ニューヨークとシカゴで追加購入した時のことです。当初は「4K対応」「手ブレ補正機能」などのフィーチャーばかりを重視していました。でも、実際に使ってみて気づいたのは、その機能が自分にもたらす「思い出を鮮明に残せる喜び」「SNSで共有できる楽しさ」というベネフィットの方が、はるかに価値があったということです。
これは購買心理の本質を表しています。顧客は、商品やサービスそのものではなく、それによって得られる「価値」や「変化」にお金を払うのです。高級美容クリームを例に取ると、「〇〇成分配合」というフィーチャーよりも、「年齢とともに気になるシワやたるみに働きかけ、ハリと潤いのある若々しい肌へ導く」というベネフィットの方が、顧客の購買意欲を高めます。
ベネフィットを伝えることは、顧客との信頼関係を築く上でも重要です。顧客の悩みや欲求に共感し、その解決策を具体的に示すことで、より深い信頼関係を構築することができます。また、競合製品との差別化を図る上でも、ベネフィットを明確に伝えることは効果的です。同じような機能を持つ製品でも、顧客にもたらす価値が異なれば、それが強力な差別化要因となります。
ベネフィットを見つけるための質問
では、どうすればフィーチャーからベネフィットを見つけ出すことができるのでしょうか。そのためのポイントとなる質問をいくつか紹介します。まず最も基本的な質問は、「この機能は、顧客に何をもたらすのか?」です。例えば、マーケティングコンサルティングの「データ分析に基づいた戦略提案」というフィーチャーであれば、「勘や経験に頼るのではなく、客観的なデータに基づいた戦略を立てることで、より確実な成果に繋げられる」というベネフィットを見出すことができます。
次に重要な質問は、「顧客は、この商品/サービスで何を実現したいのか?」です。表面的なニーズの背後にある、本質的な欲求を探ることが大切です。例えば、ノートパソコンの「最新の〇〇プロセッサ搭載、メモリ16GB」というフィーチャーは、「複数のソフトを同時に立ち上げてもサクサク動き、動画編集も快適。ストレスなく作業に集中できる」というベネフィットに変換できます。
また、著名なマーケッターであるゲイリー・ハルバートの「So What?テスト」も効果的です。これは、フィーチャーを説明する文章に「だから何?」と自問自答することで、より深いベネフィットを見つけ出す手法です。例えば、掃除ロボットの「自動ゴミ収集機能付き」というフィーチャーに「だから何?」と問いかけると、「ゴミ捨ての手間が省け、いつでも清潔な部屋をキープできる。共働きで忙しいあなたに、ゆとりの時間をもたらす」というベネフィットにたどり着きます。
隠れたベネフィットを見つける
ベネフィットには、顧客自身も気づいていない潜在的なものが存在します。これを「隠れたベネフィット」と呼びます。例えば、あるオンライン英会話スクールでは、顧客へのインタビューを通じて興味深い発見がありました。顧客は英語力向上だけでなく、「外国人との交流」や「新しい趣味」といった、予想外のベネフィットを求めていたのです。この発見を活かし、「英語学習を通して、新しい世界への扉を開こう!」というメッセージで、新規顧客の獲得に成功しました。
僕自身の経験でも、DRM(ダイレクト・レスポンス・マーケティング)を教える際に、この隠れたベネフィットの重要性を実感しています。単に「稼げる」というベネフィットだけでなく、「自由な時間」「好きな場所で働ける」「家族との時間が増える」といった、より深いベネフィットを伝えるようにしています。これらの隠れたベネフィットは、顧客へのインタビューやアンケート調査、SNSでの反応分析、競合製品のレビュー分析などを通じて見つけることができます。
フィーチャーとベネフィットを組み合わせた効果的なコピーの書き方
最後に、フィーチャーとベネフィットを効果的に組み合わせたコピーの書き方について解説します。基本的な構成は、まず顧客の悩みや課題を明確にする「問題提起」から始まります。例えば「毎日、残業続きで、自分の時間が全然取れない…」といった形です。次に、その気持ちに寄り添う「共感」のパートを入れ、その後でフィーチャーとベネフィットを組み合わせて解決策を提示します。
例えば学習アプリの場合、「AIによる個別最適化された学習プラン」というフィーチャーを示した後、「自分に合ったレベル、ペースで学習できるから、無理なく続けられ、着実に目標を達成できる」というベネフィットを伝えます。この時、フィーチャーとベネフィットをバランスよく組み合わせ、具体的な数字やデータを用いて信憑性を高めることが重要です。最後に「今すぐ、無料トライアルをお試しください!」といった形で、明確な行動喚起を入れることで、効果的なコピーが完成します。
まとめ:顧客の心を掴むコピーライティングの秘訣
ここまでフィーチャーとベネフィットについて詳しく解説してきました。最後に要点を4つにまとめました。
- フィーチャーは商品やサービスの客観的な特徴、ベネフィットは顧客が得られる価値や利益である。
- 顧客は商品やサービスそのものではなく、それによって得られる価値や変化にお金を払う。
- ベネフィットを見つけるには、「この機能は顧客に何をもたらすのか?」という質問を繰り返すことが効果的である。
- 効果的なコピーを書くには、フィーチャーとベネフィットをバランスよく組み合わせ、顧客の感情に訴えかけることが重要である。