今回のレクチャーでは、電子書籍をビジネスとして成功させるための秘訣をお話しします。電子書籍を単なる創作活動や趣味ではなく、実際のビジネスとして捉えた場合、知っておくべき現実がいくつかあります。このレクチャーを見れば、電子書籍を宣伝するプロモーションがいかに大切かを理解することが出来ます。
売れる作家とそうでない作家の違い、巷に言われている「本を出版すれば印税生活を送ることができる」といった噂の真実について考えていきましょう。2種類の作家の違いを把握し、売れる作家になるための具体的な方法論をお伝えしていきます。あなたの電子書籍をどうプロモーションしたら良いのか?4つの方法に分けて解説していきます。
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2種類の作家:売れる作家と売れない作家
作家には大きく分けて2種類のタイプが存在します。売れる作家と、売れない作家です。シンプルな分類ですが、両者の違いは重要です。彼らの違いは何でしょうか?
1つ目のタイプは、売れる作家です。彼らは本を作り、本を売り、本を宣伝します。売れる作家は、自分の本を毎日、毎週、毎月、毎年、一貫して、積極的に宣伝します。その結果として、自分の本でお金を稼ぎ続け、ビジネスを構築することができるのです。
2つ目のタイプは、売れない作家です。彼らは、本を作り、売り出し、そこで立ち去ります。彼らは、出版さえすれば後はAmazonが自動的にお金を払ってくれると期待しているのです。本を書いておしまい。でも実はそれほど甘くありません。あなたの知名度がもともと高かったり、何かで偶然あなたの本が話題にならない限りは、大成功するというのは難しいんです。
積極的なプロモーションを行わなくてもお金を稼ぐことは可能なケースもありますが、これについてはKindleの話になったときに詳しく説明しましょう。ここで知って欲しいのは、後者はあなたが目指すべきモデルではないということです。宣伝なしに本を売ることは可能ではありますが、あなたは売れる作家になることを志向すべきです。
あなたのKindle書籍を宣伝する方法
では、具体的にあなたのKindle本を宣伝するにはどうしたら良いのでしょうか?安心してください。ちゃんと方法があります。あなた自身の顧客リストを使う方法だけでなく、Amazonの機能を上手に使った宣伝方法をカバーしています。それらを5つに分類したので、1つずつ一緒に見ていきましょう。
宣伝方法#1:Kindle Unlimitedに参加する
1つ目は、Kindle Unlimitedです。Kindle Unlimitedとは、月額で登録した会員向けの読み放題のサービスです。あなたの本がこのプログラムに参加すると、あなたの本も読み放題の対象になります。
読者から見れば1冊ずつ購入する必要がなく、試し読み感覚で本を読むことができるので、あなたの本を読んでくれるお客さんを自然と増やすことが可能です。
でもあなたに入る収益は、どうなるんでしょうか?読者から見れば月額で読み放題、つまり追加料金なしであなたの本を購入せずともどんどん本を読めてしまいます。ただ安心してください。Kindle Unlimitedに参加した本には、読まれたページ数に応じてきちんと収益が発生するようになっています。
このKindle Unlimitedに本を登録するには条件があります。それはKDPセレクトというプログラムに登録すること。KDPセレクトは、Kindle作者のためのプレミアムサービスといった感じのものです。一般消費者で言うAmazonプライムですね。あとでお伝えしますが、このKDPセレクトに登録すると色々なメリットがあります。Kindle書籍を出版したらまず、真っ先にこのKDPセレクトへの登録をやってください。
KDPセレクトへの登録に料金は掛かりません。それどころか、KDPセレクトに登録して一定の条件を満たすと、通常の35%ではなくその倍の70%のロイヤリティがもらえるようになります。宣伝のみでなく、収益の観点からもKDPセレクトへの参加はオススメです。
宣伝方法#2:Prime Reading
2つ目は、Prime Readingです。これはプライム会員向けの読み放題サービスです。Kindle Unlimitedと似ていますが、これはKindle Unlimitedの契約者は利用できません。あくまで、Amazonプライムの会員に対して特典として付いてくるサービスです。
そのため、Kindle Unlimitedよりは参加している冊数が少なくなります。Prime Readingに参加している本の一覧ページがあり、読者はその中から読みたい本を選びます。もしこのPrime Readingに参加できれば、膨大なKindle本の中から絞り込まれた状態で、読者に選んでもらうことが可能です。あなたの本を見つけてもらえる可能性がグッと高まります。
このPrime Readingに参加するには、KDPセレクトに登録した上で、Amazonからの招待を待つか、自分の本をPrime Readingに推薦して採用される必要があります。
宣伝方法#3:無料キャンペーンを適用する
これはあなたの本を期間限定で無料に出来るキャンペーンです。
元の値段を変更することなく、無料キャンペーンを打つことが出来ます。最大で5日間の無料キャンペーンを打つことができます。
この無料キャンペーンを打つと、あなたの本に読者が入りやすくなるので、本のランキングを上昇させることが出来ます。特に発売直後に無料キャンペーンを打てば、あなたの本の人気に初動を付けることが可能になります。
この無料キャンペーンを打つには、KDPセレクトへの登録が必須です。KDPセレクトは90日ごとの更新制なので、その90日を1サイクルとした時に、1サイクルの中で最大5日間の無料キャンペーンが可能です。連続で5日間キャンペーンをしてもいいし、分散させてキャンペーンすることも出来ます。
宣伝方法#4:Amazon広告を使う
ここまではKindle出版専用の機能を紹介してきました。4つに紹介するのは、Amazon広告です。これはKindle以外の商品にも使うことが出来ます。
よくAmazonで商品を探していると「スポンサー」と書いてある商品を見たことありませんか?実はこれ広告なんです。スポンサー広告とも呼ばれるこの広告は、あなたの書籍を検索結果のページや、商品詳細ページに出すことが出来ます。
Amazonの広告は、クリック課金型広告のいわゆるPPC広告です。クリックごとに費用が発生するので、表示だけであれば費用が掛かりません。また登録すると、5000円分などの一定の無料枠が付与されるので、気軽に試してみることが可能です。
あなたのKindle書籍、そしてそのバックエンドから得た収益をこの広告に再投資するのも面白いでしょう。確かに広告の結果、売り上げた収益は広告費を引いてしまうとわずかかもしれません。ですが、僕らはバックエンド商品を用意することを推奨しています。本が売れれば、バックエンド商品も売れていきます。本の売上よりも遥かに大きいバックエンドからの収益で、収支プラスに転じることも比較的容易になるはずです。
宣伝方法#5:自社リストを活用する
最後の方法は、自分の持っているメールリストへ書籍の宣伝をする方法です。これはメールアドレスに限らず、ブログでも、Instagramでも、YouTubeでも良いです。自分の持っているリストやメディアで、あなたの書籍を宣伝してください。
あなたのリストに書籍の紹介をすると言っても、必ずしも購入してもらう必要はありません。このレクチャーの前半で紹介した、Kindle UnlimitedやPrime Reading、そして無料キャンペーンなど読者に負担の少ない形であなたの本を読んでもらう方法は沢山あります。
僕のオススメは、リストに発売日の告知を前もって行うことです。理想を言えば、書籍の製作段階から見込客を巻き込んでしまいましょう。「今こんな本を作っています」「表紙画像が完成しました」「発売日が決まりました」など、製作の過程を公開することで見込客にその本に関する興味をだんだんと持ってもらうのです。
迷信と現実:宣伝なしに成功はできない
「オフラインの世界では、本を出版して印税で一攫千金を狙える」という話を信じて夢見ている人もいるかもしれません。しかし、これは迷信です。
正直なところ、これは僕も最初の本を出版するまでは、この神話を信じていました。「本ができた。よし、出版社を見つけよう、そうすれば彼らが僕の本を売ってくれる。僕の本はすぐに書店に並び、毎月印税がもらえるんだ!」と考えたのです。しかし当然ですが、そうはなりませんでした。
いくつかの出版社に本を送りましたが、「ニッチ過ぎてうちでは無理」と言われました。インターネット上の神話では、電子書籍を出版してウェブに掲載すれば、自動的に販売されて一攫千金が得られるとされています。仮に電子書籍で出版したとしても、現実にそんなことはありません。そんな簡単な話を信じるのは、やめにしましょう。
現実を見ると、オフラインの世界でお金を稼いでいる作家は全員、本を徹底的に宣伝しています。オンラインでも同様に、お金を稼いでいる作家は電子書籍を徹底的に宣伝しています。
そう、プロモーションしなければならないのです。宣伝しなければ、本は売れないのです。がっかりさせてしまったら申し訳ありませんが、フェアのためにお話しておくとこれが真実なのです。そして、あなたは僕みたいに本当のことを話す人を求めていたはずなんです。
まとめ:ビジネスとして電子書籍を成功させる
ここまで、ビジネスとして電子書籍を成功させる上で必要なことをお話ししてきました。それは宣伝です。本を出版できれば売れるというのは、迷信に過ぎません。ビジネスとして電子書籍を成功させるためには、継続的な宣伝が欠かせないのです。
もちろん、宣伝活動さえ行えば本が売れるというわけでもありません。長期的な成功モデルには、バックエンドを売ってくれるファネルの設置、そしてさらには読者との関係構築も大切です。さあ、あなたは書籍の宣伝方法をマスターしました。安心して電子書籍の製作に取り掛かってください。では、次のレクチャーでお会いしましょう。