オランダの市民化テスト対策としてどんな勉強をしたら良いか、迷っていませんか?僕はオランダに移住して実際に市民化テストに合格しました。その経験を元に市民化テストに向けた準備方法をいくつかに分けてお伝えします。
オランダに移住すると最初に滞在のためのビザがもらえます。最終的にオランダに居続けるためにはInburgeringと呼ばれる市民化テストに合格する必要があります。この市民化テストに合格するためにどのように勉強すれば良いのか?どこから手をつけたら良いか分からないかもしれません。僕が実際に自分で試した勉強方法だけをお伝えしていきます。
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言語学習はコミュニケーションをベースにやれ
オランダ語の勉強方法を紹介する前に、効率的な言語学習の方法についてお伝えしましょう。言語学習をする際に、日本人はどうしても単語や文法から入ってしまいます。ですがこれは最悪の勉強法なんです。ここで言語学者のクリス・ロンズデールの意見を紹介させてください。彼は言語学習に関するコツを5つ紹介していますが、その2つ目としてこんなことを語っています。
“So the second principle for learning a language is to use your language as a tool to communicate right from day one.”
引用:どんな外国語でも半年でマスターしてしまう方法 | クリス・ロンズデール https://www.youtube.com/watch?v=d0yGdNEWdn0
つまり、これは「その言語を学び始める1日目から既にその言語を実際にコミュニケーションの手段として使うべし」という意味です。とても面白い動画なのでぜひ見てみてください。これは僕の実体験とも重なります。自分たちの子供の言語学習を見ていても、または自分の言語学習にブレイクスルーが起こった時を考えても、やはりそこにはコミュニケーションがありました。
コミュニケーションというのは実際に人と話して会話するといったことです。参照書や学習アプリはあなたのことを待ってくれますが、生身の人間はあなたのことを待ってくれません。なので聞かれたことに対して早く答えなきゃとか、相手に分かるように伝えなきゃとプレッシャーが掛かります。その分そこから得るものも大きいのです。オランダ語に限らず言語を学ぶ際には、コミュニケーションをベースにすることを覚えておいてください。
方法1:手軽に学べるDuolingo
まず言語学習をするのに一番手軽な方法がスマホを使ったものです。Duolingoは90以上の言語に対応した外国語学習のためのサービスです。オランダ語以外にもほとんどの言語を学ぶことができます。スマホのアプリとウェブサイトの両方からアクセスすることができます。有料版もありますが、基本的に無料で使い続けることができます。僕もずっと無料版を使っています。
Duolingoがすごいのは1回の学習時間が5分くらいと短いので、隙間時間で勉強できることです。それとスマホアプリがすごく工夫されていて、まるでゲームのように楽しく学習できるようになっています。正解するとポイントがもらえたりするので結構楽しいです。手軽にできることとゲーム性が合わさって毎日継続しやすいように設計されています。僕もよくサウナの中やトイレでよくDuolingoを使っています。
ちなみにDuolingoは手軽で完璧に見えますが、これだけでは言語学習としては不足があります。言語はコミュニケーションの手段なので実際に書いたり話したりする必要も出てきます。Duolingoではその部分が不十分です。実際にDuolingoの開発者も会話による学習とDuolingoを併用することを推奨しています。オランダ語を学ぶための最初の一歩としてオススメです。
方法2:単語帳アプリQuizlet
Quizletは単語を覚えることに特化したアプリです。英単語を覚えるだけの単語帳という参考書がありますよね。そのアプリ版だと思ってもらえれば良いです。英語ではこういう単語帳のことをFlash Cardsと呼びます。英語だけでなく色々な言語の単語帳が用意されています。
Quizletでは他のユーザーが作った単語帳を利用することになります。もちろん自分でも単語帳を作ることができるのでかなり手間です。Quizlet上に沢山アップロードされている単語帳のセットを使うので十分単語を覚えることができます。Quizletも隙間時間で出来る勉強法です。
僕の場合は洗面所の鏡にiPhoneを固定して、歯磨きしながらQuizletで単語を覚えています。ちなみに鏡にNillkin SnapHoldというMagsafe対応のシールを貼っていて、これでiPhoneを固定しています。
方法3:Inburgering専用の対策サイト
オランダ語を学ぶために学校に通う人もいます。ですがオンラインの学校で学ぶことも可能です。僕が使っているinburgeringonline.nlは、ネット完結で市民化テストの対策ができるサイトです。1科目あたり月15ユーロくらいで利用できます。全科目であれば月50ユーロで勉強することができます。忙しくて言語学校に行けない人には良い選択肢になると思います。
https://www.inburgeringonline.nl/en
レッスン動画がありそれを見て勉強します。実際に試験問題を解きながら、その解答と解説をみながら学習を深めていきます。模擬試験もあるので、ある程度のレベルまで来たら実力を試すこともできます。その他、400以上のボキャブラリーと文法の演習問題がついています。またこのサイトは言語だけでなく、KNMと言われるオランダ文化に関する知識も勉強できます。
方法4:オランダ語の語学スクール
オンラインではない実際に通うタイプの語学学校もたくさん用意されています。オランダでは永住権の取得にInburgeringが義務化されているので、オランダ語のスクールに需要があるからです。政府の補助を受けてとても安くなっているスクールもあります。
スクールに行くと色々な人種の移民に出会うことができます。実は僕のギターの先生もこのクラスで知り合ったポルトガル人です。他にもイラン、トーゴ、ブルガリア、コートジボワール、ポーランド、ブラジル、トルコなどたくさんの国からの移民と知り合いました。このように移民の知り合いを作ることができるのも語学スクールの良いところです。
https://www.zoekinburgerschool.nl/
語学学校の探し方は簡単です。zoekinburgerschool.nlというサイトがあります。これはオランダ政府の市民化テストを管轄している機関であるDUOからもリンクされているサイトです。このサイト上で自分の住んでいる住所や郵便番号を入れます。そうすると最寄りのスクールが一覧で出てきます。地図も出てくるので場所を確認するのも簡単です。あとはそれぞれのスクールのホームページに飛んで好きなスクールを探すだけです。
僕は週2回こういった語学スクールに通っていました。スクールに通うと強制的に時間を作れること、そして他の仲間と一緒に勉強できるということがメリットがあります。費用はだいたい1時間16ユーロなので、週2時間通ったとして1ヶ月で128ユーロくらいになります。
方法5:言語交換(Language Exchange)
プロのサービスではなく、一般人にオランダ語を教えてもらうという方法もあります。その1つが言語交換(Language Exchange)です。オランダ語を習いたい日本人の僕と、日本語を習いたいオランダ語のネイティブがペアになってお互いの言語を教え合うということです。この方法を使えば、生きたオランダ語をネイティブから直接学ぶことができます。
これこそ冒頭で紹介したコミュニケーションを軸にした理想的な言語学習です。ではどうやってそのパートナーを探すのか?実は言語交換をやりたい人が増えていて、専用のアプリやサービスが用意されています。その中からいくつかを紹介します。
言語交換アプリ1:Hellotalk
まず1つ目はHellotalkです。ユーザーが全世界で3000万人以上いる有名なアプリです。有料版もありますが無料で使うこともできます。インストールして自分のネイティブの言語と、自分が学びたい言語を選ぶと自動でパートナーの候補が表示されます。そこから自分と合いそうなパートナーを探してください。
パートナーが見つかったらあとはお互いに勉強している言語で話し合います。チャットや、音声メッセージ、通話など色々なコミュニケーションの手段が用意されているのでパートナーと相談しながら自分たちに合う方法を試してみてください。
言語交換アプリ2:Tandem
もう1つの言語交換アプリはTandemです。ユーザー数はHellotalkよりも少ないようですが、それでもたくさんのユーザーがいます。Tandemは登録が審査制なのでHellotalkよりもちゃんとした人が多いと聞いたことがあります。HellotalkとTandemの違いについては、色々と検索してもらえば情報が出てくると思います。
僕はこれらのアプリで知り合った言語パートナーの人と毎週木曜日に電話でお互いの言語を教えあっています。やはり言語交換を取り入れてから学習効果が大きくなったように感じます。教科書で勉強してたら Is this a pen? のような一生の間で一回も使わない表現を学ぶに始終するはずです。言語交換をすることで、実際に日常の中で使われている表現をそのまま学ぶことができます。
まとめ:オランダ語はコミュニケーションをベースに他の教材で補助して勉強する
ここまでオランダの市民化テスト対策のための勉強法について解説しました。最後に要点を6つにまとめました。
- 言語学習は最初からコミュニケーションを軸とした学習方法を行うと効率が良い。
- Duolingoを使えばスマホで手軽に言語学習をスタートできる。ただしそれだけでは不十分なため会話など他の手段と併用する。
- Quizletはスマホの単語帳アプリであり、スキマ時間にボキャブラリーを増やすには最適である。
- inburgeringonline.nlのような専用の対策サイトを使えば、クラスに通うことなく自宅で市民化テスト対策が可能である。
- 対面で行う語学学校に通えば学習に強制力を働かせることができる。また同じ目的を持つ他の生徒と知り合いになれる。
- 言語交換であれば自分の知っている言語をお互いに教え合うことで言語を習得できる