あなたは海外移住を考える上で、オランダは本当に暮らしやすいのだろうか?と疑問に思っていませんか?オランダ在住者である僕が生活の中で感じていることを正直にお伝えしていきます。
オランダは北欧に位置しています。北欧といえば世界の幸福度ランキングがかならず上位に載っています。社会保障が充実していて、教育制度も良い。みたいに思われているはずです。でも実際に住むことを考えるときに、本当にそんな良いことばかりなのかな?と考えると思います。オランダでの移住生活のメリット、デメリットを在住者ならではの視点でご紹介していきます。
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オランダ生活のメリット
僕は海外旅行が好きです。20代の頃からバックパッカーなどをよくやってアジア、北米などをずっと旅してきました。子供が生まれてからもしばらくの間は定住せず、3ヶ月ごとに国から国へ移動するような生活をしていました。フィリピン、マレーシア、ベトナム、韓国、台湾などをぐるぐると回ってきました。そんな僕がオランダ生活で素晴らしいと感じたことをお伝えしていきましょう。
メリット1:人がフレンドリー
オランダの人は、他人に対してとても気さくに振る舞います。僕もこれまで海外の国を旅してきました。どこの国でもそれなりに他人に笑顔で挨拶するようにはしていました。でもオランダの人々は僕が思うより気さくでした。
例えば僕が自転車が通ってはいけない道路を自転車で走っていると親切にも忠告してくれます。「向こうに取締りの警察がいたから、自転車降りた方が良いよ」とわざわざ教えてくれるんです。途中で何人かのオランダ人が忠告してくれたので、嬉しいなと思ったのを覚えています。
質問投稿サイトのQuoraにも「彼らは全体的にとても温かく、フレンドリーで、ユーモアのある人々です。」と書かれていました。これを書いたのはアメリカ人でしたが、同じような書き込みがいくつかありました。外国人から見てもオランダ人はフレンドリーだと感じるようです。
またオランダ人はフレンドリーなだけでなく、言葉の表現もストレートです。外部の人から見たら少しギョッとするほど嘘なく率直に自分の意見を言います。あまりにストレートにズバズバ言うので、外国人でも結構なショックを受けるようです。
Quoraにはこうあります。「物事を率直に言うことで、多くの時間を節約でき、感情的な不安も軽減できます。雨が降っているので友達の家に行きたくないなら、そう言ってください。」この国では、変に嘘をつくよりも誠実に自分の思いを話す方が美徳とされているようです。
メリット2:学校制度が充実している
オランダは教育が素晴らしいです。これは僕もすごく気に入っている点です。まず小学校などが選択性で、どの学校に行きたいかを選ぶことができます。僕も子供の小学校を選ぶために3つくらいの小学校を見学しました。
見学に行くと校長先生と話すことができ、どの学校も独自のカラーがあることを知ります。僕はそれまで学校なんてどこでもいいと安直に考えていました。でもこうやっていざ選択肢を与えられ、どれもが素晴らしいビジョンを持っていたので最終的に決めるまでにすごく迷いました。
義務教育は4歳から18歳までで、その間は公立でも私立でも学費は無料です。うちの子供たちは小学校に行っていますが、毎日本当に楽しそうです。実は一度も「学校に行きたくない」と言われたことがありません。そのくらいオランダの学校には子供を楽しませる工夫が施されているようです。
メリット3:電車やバスなどが正確に動いている
オランダでは公共交通機関がキチッと時刻表通りに運行されています。よく外国だとバスの運行がダイヤと全然違って困ることがあります。でもオランダではそういったことはありません。オランダ人はルールをとても大事にしているせいか、交通機関は日本のように正確です。
メリット4:生活が予想通りに展開できる
これは公共交通機関が正確に動いていることも関係しています。オランダではしっかりした基盤のもとで社会システムが運用されています。そのため、生活していて突然イレギュラーが起こるということがまずありません。
イレギュラーとは例えば子供の習い事が急に休みになったり、電車がストライキで動かなくなったりみたいなことです。イレギュラーが起こらないと、日々の予定を管理しやすくなります。特に僕の場合は1週間のカレンダーを作って、やりたいアクティビティを詰め込んでいます。
例えばトラムが遅刻するとサーフィンに遅れる。そうするとその後の子供の迎えも遅れるみたいな感じです。そうするとカレンダーのどこかにしわ寄せがきます。そうすると子育てもやりにくいです。だから、日々の生活が予想通りに運ぶというのはとても大事なことだと思います。
メリット5:諸外国へのアクセスが良い
オランダはヨーロッパの中でもとても良い位置にあります。ヨーロッパのどこの国でも、だいたい飛行機で3時間以内です。EU市民であれば、EU圏内の移動はパスポート不要です。空港ではEU Citizen専用のレーンがあり、長い列に並ばずにすぐに各国へ入国できます。
またオランダにはスキポール空港という素晴らしい空港もあります。保安検査に最新の機器が導入されていて、パソコンや飲み物を出す必要もありません。すべてがビックリするくらいスムーズに流れていくので快適です。
もう1つの空港、アイントホーフェン空港があります。これはLCCが発着する空港で、この空港発着の航空券を探すと、LCCを使って安く旅行に行けます。ただしLCC専用の場末空港なので搭乗前に変なところで待たされます。日差しは強くて暑いのに、風が強くて肌寒いみたいなところです。
電車や車で他の国に行くのも簡単です。電車に乗れば4時間でパリに着きます。ドライブが好きだったら2泊くらいすれば、ポルトガルまで車で行くことだってできます。色々な交通手段を使って多くの国を回ることができます。
オランダ生活のデメリット
ここまでオランダ生活の良い点を見てきました。ここからはオランダにいて「これはちょっと…」と思ったデメリットのような部分について、率直にお伝えします。
デメリット1:天気悪い、風強い
オランダの悪い点として真っ先に上がるのがこの天気です。オランダで晴れの日は1年を通して数日しかありません。
ほとんどがどんよりと曇った日か、雨です。しかも雨の振り方も結構悪くて、急に降る雨も結構あります。
あとは風も強いです。風が強いと体感温度が下がるので、曇天と合わせて余計に寒々しくなります。そのためオランダ人はあまり外に出たがらず、家の中にいるのが大好きです。子どもたちを外で遊ばせようと思っても、風が強くてダメという日も結構あります。
夏は朝5時くらいから明るくなってきて夜22時頃に日が沈みます。これは緯度が高いためです。緯度が高い場所では夏と冬の違いが極端になります。逆に冬は朝9時位まで暗くて、夕方は4時半くらいに日が沈みます。冬は暗い時間が圧倒的に多いです。
デメリット2:物価が高い
オランダは物価が高いです。スーパーの食べ物も日本の1.5倍以上はします。果物、肉、お菓子なども全般的に高いです。牛肉が結構高くて300グラムで1500円くらいします。薄切りの肉というのは売っていないので、ほぼステーキのような肉です。
特に人的サービスは高いです。僕が怪我して救急車で運ばれたときには、医師の診察代なども合わせて後日800ユーロの請求が来ました。
保育園は1時間11ユーロと高いです。1ヶ月に3700ユーロくらいチャージされるところもあります。もちろん親御さんの収入や資産状況に応じて後で国から手当が支払われます。ただし、保育園が高いので小学校に入る4歳までは家で親が見ているパターンも多いです。
デメリット3:住宅が見つからない
住宅難は結構大変です。元々住宅価格が上がり続けていて、家賃もどんどん高くなっています。それなのに供給が追いついていないので、空き部屋がなかなか見つかりません。引っ越ししようと思ってもお目当ての部屋はすぐ埋まってしまうような状況です。
今はオランダに来て最初の家にそのまま住んでいます。何度も子供の学校に近い家なども検討しましたが、せっかく内見してもすぐに埋まってしまいました。オランダで良い物件を探すのはなかなか困難です。僕の最初の家は、不動産エージェントに手伝ってもらって探すことができました。
デメリット4:食べ物がまずい
オランダでのグルメは諦めてください。オランダは正直ご飯が美味しくありません。そもそもオランダ人からは美味しいものを食べようという気概が全く感じられないのです。スーパーに売っている食材からしてもうダメ。フルーツや野菜は大きく見えるけど、実際は水っぽいだけです。チーズなども有名ですが、僕は特別美味しいとは感じられません。普通です。
外食も期待しないでください。ものすごく高いのに、全然美味しくない料理が出てきます。オススメはマクドナルドです。マクドナルドの味は万国共通でした。あとは日本料理屋も美味しくないのでやめた方が良いです。一度、外国人の知り合いに熱心に勧められたので行ったことがあります。ラーメンにパクチーが入ってた時点でああもうだめだなと思いました。ただストロープワッフルという名物のお菓子だけは、日本人の友人も気に入っていました。
デメリット5:病院や役所はすべて予約制
オランダでは、人的なサービスを利用する場合には基本アポイントメントを取るのが慣習として定着しています。例えば市役所に書類を取りに行くのは日本なら即日ですよね。でもオランダの場合は、書類を受け取るだけでもアポイントメントが必要です。しかもそれが2ヶ月先とか、すごく先なんです。このあたりは日本と勝手がかなり違うので気をつけてください。
病院の使い方も日本とは全くことなります。オランダではホームドクターという制度を使っています。もし調子が悪ければまずはホームドクターに連絡します。逆に直接病院に行くことはできません。ホームドクターが窓口になっていて彼らに診察してもらいます。そこでもしホームドクターの手に負えないとなった場合だけ、病院を紹介してもらうという形になっています。
このようにしてオランダでは病院が患者でいっぱいにならないように、ホームドクターを使ってうまくコントロールしているのです。そのため、ホームドクターに診察を頼む際にも予約を取る必要があります。ちなみにこのホームドクターは、健康保険加入後に自分で探して自分のホームドクターを登録することになっています。
まとめ:天気は悪いけど人がよくて学校も最高
ここまで日本人がオランダへ移住して感じたメリット、デメリットについて見てきました。最後に要点を2つにまとめました。
- メリット:オランダ人はフレンドリーである。義務教育は4歳から18歳まで無料であり、学校には子供が喜んで行ける工夫がある。交通機関の運行が正確で、社会システムも規則正しいので予定通りの生活が送れる。諸外国へのアクセスが容易である。
- デメリット:年間通して天気が悪く、冬は日照時間が極端に短い。物価が日本の1.5倍ほどと高い。住宅不足でなかなか空き物件が見つからない。食に対する興味が低く食事が美味しくない。病院や役所などのサービスは事前予約制の場所が多い。