今回は、エバーグリーン・ローンチにおいてEメールプロバイダとページビルダーのツールの重要性について解説します。エバーグリーン・ローンチは システムが自動でセールスをやってくれる便利な仕組みです。その仕組みの根幹をなす2つのツールが、Eメールプロバイダとページビルダーです。今回はこの2つの役割について詳しく見ていきましょう。
あなたは、これまでやってきたライブローンチの働き方に疑問を持って、エバーグリーン・ローンチのやり方を学ぼうとしているかもしれません。そしてエバーグリーン・ローンチには、ツール実装のスキルが必要。うっすらと、そのように理解しているはずです。イメージが全く掴めていなくても大丈夫です。このレクチャーで、エバーグリーン・ローンチに必須となるツールの基礎を解説していきます。最後までお付き合いください。
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現代でもマーケティングの王様はEメール
ではまず、メールの話から始めましょう。近年LINEやFacebook Messenger、チャットボットなどのサービスが注目されていますが、未だに見込客とのコミュニケーション手段の主役はEメールです。メールマーケティングはまだまだ現役の手法です。これは、日本より10年は進んでいると言われる英語圏を見ていても明らかです。
Jeff Walker、Russell Brunson、Eben Pagan、Tim Ferriss、Stu McLarenなど多くのビジネスインフルエンサーが、未だにサイトやブログで、Eメールアドレスを取得し、メールを送り続けています。Teachable、Hubspot、ClickFunnels、MailChimp、Zendeskなど、大手のマーケティングオートメーションの企業から届くプロモーションもやはりEメールです。
リードマグネットを用意してメールアドレスを集める。集まったメールアドレスに対して、彼らの興味関心の内容に応じて、手動または自動でキャンペーンメールを送る。これをリストマーケティングと呼んでいます。
リストとは、メールリストのことで、お客さんのメールアドレスの集まりのことを指します。もしまだメールリストを持っていない場合は、すぐに作ることをオススメします。
海外製のメールプラットフォームを使う(絶対です!)
リストマーケティングをやるには、Eメールプロバイダと呼ばれるツールが必ず必要になります。このEメールプロバイダは基本的に、メールアドレスを収集し、集まった見込客に対してメールを送信する役割を持っています。もちろん自動でも手動でもメール送信が可能です。EメールプロバイダにはConvertKit、MailChimp、ActiveCampaignなど、いくつかの選択肢があります。僕たちはMailChimpを採用しています。
「あれ?VPS-NeoとかMyASPじゃないの?石崎さん日本のメルマガスタンドを使わないんですか?」
そうなんです。 僕だってVPS-Neoを使っていました。でも途中で海外製のプラットフォームに乗り換えたんです。理由は2つ、開発母体と外部連携です。ConvertKit、MailChimp、ActiveCampaignといった海外製のEメールプロバイダは、開発母体がすごくしっかりしています。日本みたいにどこかの雑居ビルの一角でプログラマーが一人で作ってたりしないんです。その人が倒れたらどうなりますか?
例えば、MailChimpは社員が800人以上、年間利益が700億円。2001年に創業され、2019年には全米の働きやすいテクノロジー企業で20位にランクインしています。どこからどうみても、安定した経営と商品開発がなされています。僕は自分のビジネスの心臓部をこういう、しっかりとした企業に委ねたかった。だから、海外製のツールを使うんです。
これだけの 開発力があれば、当然他のプラットフォームとの連携機能も強くなります。きちんとAPIが公開されているので、Zapierを使えば3,000種類以上のアプリと連携することが可能です。 あなたも僕らのような堅牢なエバーグリーン・ローンチを実装したいなら、MailChimpのような海外製の優れたツールを使うようにしてください。
MailChimpでメールマーケティングを自動化する
海外のツールの中でも、MailChimpを使用している大きな理由があります。それはデザインが綺麗なことと、カスタマージャーニーなどの自動化機能に優れているからです。MailChimpは使いやすく、メールの送信は数分で完了するし、件名や文面などでA/Bテストを行える他、メールの再送信機能もあり、分析レポートまで見ることができます。僕たちが使っているMailChimpの中の代表的な機能は以下の通りです。
- タグ付けなど条件別に送信される自動Eメールシーケンス
- 毎週、自動で送信されるブログの更新通知
- 手動で送信するニュースレター
- 最適な送信時間帯の提案機能
- Eメールの予約送信機能
- ニュースレターを開封していない人への手動の再送機能
エバーグリーン・ローンチにおいて、Eメールプロバイダにどんな役割があるかを見ていきましょう。僕らのEvergreen Factoryという商品のファネルを紹介します。これは、メールアドレスを登録すると自動でウェビナーが流れるファネルになっています。
まず、オプトインページでメールアドレスを入力して参加ボタンを押します。そうすると、MailChimpに見込客のメールアドレスが渡されます。MailChimpの中にこの見込客がリストとして、貯まっていくわけです。この時に、ファネルごとに異なるタグというものを見込客に付けます。
このタグには、この人はどういうお客さんかという印を付ける役割があります。このファネルの場合、僕らは「organic lead」つまり「オーガニックのEvergreen Factoryファネルからの見込客」というタグを付けます。
僕たちがすすめるタグの付け方は以下の通りです。
- Lead: 見込客
- LTO Purchased: LTO商品の購入者
- Purchased: 本商品の購入者
- Waitlist: ウェイトリストに入った客
これによって、MailChimp内での処理を条件分岐することが出来るようになります。
MailChimpにメールアドレスが登録されると、付けられたタグに応じて処理が分かれます。先ほど付いたorganic leadというタグが付いた人には、あらかじめ用意しておいたメールのセットが送られていきます。このファネルは6日間で締め切りになるキャンペーンです。毎日1通ずつセールスにつなげるためのメールを送ります。
購入したお客さんには、Purchasedタグを付けます。このタグが付いた人には締切前であってもセールスメールを止める設定を施しておきます。そうすれば、3日目や4日目など締切日前に買ったのに、締切までメールが流れ続けるということを防ぐことが出来ます。
MailChimpのメール編集画面は、スッキリと使いやすくデザインされています。ボタンや画像、テキストなどの要素をブロックとして自由に配置することが出来ます。自動でレスポンシブデザインにも対応してくれるので、すごく綺麗に表示されます。日本のメルマガでよく見るような、改行の多い変なメールを作る必要もありません。
メールのフッターには、必ず運営者の情報や解除ボタンを設置してください。 これはいちどテンプレートを使ってしまえば、毎回それらを使い回すことが可能です。
このようにMailChimpのようなEメールプロバイダには、様々な機能があります。Eメールプロバイダを使ってメール送信を管理することで、適切な人に適切なタイミングでメール送信することができます。もしまだ使っていない場合は、すぐにアカウントを作ることをオススメします。
MailChimpに登録する http://eepurl.com/cS1KDr
ClickFunnelsで複数のページからなるファネルを構築する
さて、次にご紹介するのはページビルダーです。ページビルダーにはLeadpages、Instapage、Unbounce、ClickFunnelsなどがありますが、僕らはClickFunnelsを使っています。その理由には、ClickFunnelsが決済に強い会社であることが挙げられます。
ClickFunnelsは決済の会社
たまにClickFunnelsをランディングページの会社だと思い込んでいる人がいます。確かにClickFunnelsでランディングページを作るのは簡単です。洗練されたUIときれいなテンプレートで、他のサービスよりも簡単にランディングページを作ることができます。
ClickFunnelsでランディングページを作り、その先は自社の決済システムに渡して終わり。これではあまりにもったいない。ましてや最初から銀行振り込みの案内なんて 表示していませんよね?
でも実はClickFunnelsがすごいのは決済機能に優れているからなんです。創業者のラッセルブランソン自身がマーケターなので、どうやったら見込み客からお金を落としてもらえるか。 そういったマーケティングのギミックでさえも、ツールの中に盛り込んでしまっています。
例えば、この1クリックアップセル機能。商品購入後のサンキューページで、次の商品をアップセルします。このときに、追加のアップセル商品を本当にワンクリックで購入してもらうことができます。1つ目の商品を購入した時のクレジットカードなどの決済情報を、ClickFunnelsが覚えているからです。もう一度クレジットカードを入力してもらう必要はありません。
ClickFunnelsは、決済に時間や手間が掛かるほど成約率が落ちることを知っています。それを防ぐための仕組みを、用意してくれているのです。
収益を最大化するファネルという概念
もう1つ、ClickFunnelsが多くの人(特に日本人)から受ける誤解があるんです。それは、ClickFunnelsが単体のページをデザインするためのツールだと思われていることです。ClickFunnelsがすごいのは、それがセールスファネルという概念を持ち合わせているからです。
左側に出ているマイクやショッピングカートのアイコン、これらそれぞれがこのファネル内のページを表しています。セールスファネルというのは、興味の度合いの異なる大多数の見込客の中から、より成約につながりやすい見込客だけをふるいにかけていく仕組みです。
例えば、ウェビナーに興味を持ってオプトインする。するとオプトイン直後のページで、時間限定のスペシャルオファーが掛かります。それを買うとすぐに、次の商品がアップセルとしてオファーされます。その先にもアップセルが出せて、もし断ったお客さんがいれば値段の安いダウンセル商品をオファーできます。
セールスファネルとは、このように多重構造になったページを連なりのことをいいます。ファネルの先にいけばいくほど、商品の値段は高くなります。もちろん、買ってくれる見込客の数も少しずつ減ってきます。だけど、アップセルを買ってくれるお客さんは必ず一定数います。
ファネルには様々な種類があります。これはオートウェビナーファネルという、一定時間ごとに自動でウェビナーを開催してくれるファネルです。お客さんがいつ入ってきても良いように、15分ごとにウェビナー枠が設けられています。 この時に実際にお客さんに登録してもらい、ウェビナーの開始時刻まで待ってもらう。 そういったギミックを取り入れることで、自動的なウェビナーでも臨場感を演出することができます。
僕もこのセールスファネルという概念を導入した途端、ビジネスの売上が跳ねました。
このファネルは、1つのファネルで1700万円の売上。
こっちのファネルは、1つで8400万円を売り上げました。これはもう2018年に作って、ほとんど触っていないファネルです。ファネルの切り口、訴求点、商品価格、ページ構成などがカチッとハマると、個人で作るエバーグリーン・ローンチでもここまでのものが作れます。
正直このレクチャーを見ているあなたには、ClickFunnelsをただのページビルダーとして使って欲しくないんです。ClickFunnelsを使うときには、ページ単体ではなく、このファネル全体を意識してページの配置や商品の価格を決めてください。
売上を一気に押し上げる!ClickFunnelsの厳選機能4つ
ここで僕が普段からよく使っている、ClickFunnelsの4つの機能を紹介します。
- オートウェビナーファネル
- プロダクトローンチファネル
- ワンクリックアップセル
- スティッキー・ワンクリックアップセル
あらためてリストアップしてみると、やっぱりClickFunnelsを使ってて良かったなって思うんです。どれもうちの売上を支えてくれている重要な機能です。ちょっと簡単に解説していきますね。
機能#1:オートウェビナーファネル
これはさきほども紹介した、一定時間ごとに自動でウェビナーを開催できるファネルです。例えば午後2時45分に始まるウェビナーに対して、参加登録をしてもらいます。参加直後、ウェビナー開始までの間にも商品をオファーします。
もし最初の商品が不要であれば、そのままウェビナーを待ってもらう。ウェビナーを見て商品を買ってもいい、ウェビナー前に商品を買っても良い。もしどこかで商品を買ったならば、次の商品がアップセルでオファーされる。こういった、売上につながる施策を沢山仕掛けることが可能なんです。
ウェビナーの長さは、だいたい1時間から1時間半ほど。このくらいのセールスサイクルで物が売れていく時代です。もちろん即日買わなかったお客さんにも、締切までの6日間で毎日メールで商品をオファーします。これも設定してしまえば、全部ツールが自動でやってくれます。アップセルも面白いくらい売れます。ぜひ、あなたにもこのオートウェビナーファネルを作って、この不思議な感覚を体験してみてほしいです。
機能#2:プロダクトローンチファネル
このファネルは、見込客に4本のビデオシリーズで教育をしながら、商品を売っていくファネルです。このファネルでは、4本のビデオのクオリティが成否を大きく左右します。もしあなたがきちんとしたビデオを作れるスキルがあるなら、ぜひ挑戦して頂きたいファネルです。
オプトイン直後に1本目のビデオを見せます。何かダウンロードできるマテリアルを用意しておいても良いでしょう。ワークシートなどに書き込みながら見てもらえば、 見込み客のエンゲージメントを高めることができます。 締め切りまで大体6日間ありますが、2日目以降メールで続きのビデオを見せていきます。
もちろんオプトイン直後にいきなり商品をセールスしてもいいし、ビデオを見て商品を購入してくれた人にアップするオファーを仕掛けることも可能です。 特にこのファネルは4本のビデオでじっくり教育していくので、価格の高い商品を売るのに優れています。
機能#3:ワンクリックアップセル
さっきからアップセル、アップセルと連呼していますが、 アップセルの持つインパクトを重要視しています。特にクリックファネルの場合はアップすると言えば、もうこのワンクリックアップセルのことを指しています。
ワンクリックアップセルは、前のページで商品を購入した後に配置することができます。直前の商品購入時に入力したクレジットカード情報を利用するので、アップセル商品を追加購入するのに再度クレジットカードを入れてもらう必要はありません。
本当にワンクリックでアップセルが完了してしまうので、注意書きに「本当にワンクリックで決済が完了してしまいます」と書かなければいけないほどです。ClickFunnelsでは、アップセルページをいくつでも設置できるので気の済むまでアップセル商品を配置してください。
アップセルページは、基本的に後からもう一度見ることは出来ません。じゃあページを離脱した人には、アップセルオファーはもう出せないんじゃないの?いえいえ、ちゃんとClickFunnelsだって考えています。それが次のスティッキー・ワンクリックアップセルです。
機能#4:スティッキー・ワンクリックアップセル
スティッキー・ワンクリックアップセルはすごく便利な機能です。アップセルページを離脱したお客さんに向けて、メール経由でもう一度ワンクリックアップセルをオファーできます。
本来、通常の流れでアップセルページに来る場合、それまでの間に決済したクレジットカード情報が引き継がれています。なので、一度アップセルページを離脱してもらうと、その決済情報が消えてしまうんです。
これをClickFunnelsは、顧客1人1人に個別のIDナンバーを振ることで解決しています。IDを振られたお客さんがページに戻ってきても、ClickFunnelsは再び決済情報を引き継ぎます。これによって、メールからの戻ってきたお客さんに対してもワンクリックでのアップセルが出来るんです。
アップセルの取りこぼしを拾うことが出来る素晴らしい機能ですが、実装は複雑になります。でも大丈夫。もちろん僕らのコンテンツでカバーしています。ブログやYouTubeにも出しているので、探してみてください。
まとめ:MailChimpとClickFunnelsでセールスを自動化する
ここで内容をまとめましょう。エバーグリーン・ローンチには、MailChimpのようなEメールプロバイダと、ClickFunnelsのようなページビルダーが必ず必要になります。どちらも英語圏で多くのマーケターが使っている、代表的なツールです。この2つのツールの重要性を解説しました。最後に要点を4つにまとめました。
- LINEやFacebook Messenger、チャットボットなどが登場して現在であっても顧客とのコミュニケーションにはEメールがメインで使用されている。
- メールプラットフォームは海外製のものを使う。MailChimpなどの有名プラットフォームは開発母体が安定しており外部連携が充実している。
- ページビルダーを選ぶ際にはファネルを作ることを意識してClickFunnelsを採用する。
- ClickFunnelsには売上を支える重要な機能が備わっている。例としてオートウェビナーファネル、プロダクトローンチファネル、ワンクリックアップセル、スティッキー・ワンクリックアップセルなどが挙げられる。
今回は以上です。また次のレクチャーでお会いしましょう。