今日は、Googleアナリティクスをサイトに設置する方法についてレクチャーします。あなたがGoogleアナリティクスを設置して、追いかけるべき見込み客の情報は3つしかありません。トラフィックと、エンゲージメントと、コンバージョンです。
僕らの仕事の1つは、見込み客に共感することです。共感のきっかけを得るためにアンケートを行い、見込み客との接点を探します。このアンケートで彼らから重要な視点が提供されていますが、彼らの意見を研究するよりも、むしろ、あなたの見込み客が実際に何をしているのかを研究することで、より多くのことを学べるでしょう。そうです、データです。彼らの言っていることよりも、やっていることに注目します。
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ウェブサイトから得られる3つのデータを分析する
見込み客の調査を徹底的に行い、データ分析するこのプロセスにおいて、何よりもまず重要なのは、あなた自身がデータという名の海に溺れてしまわないようにすることです。データは非常に有益です。うまく使えば、あなたの最大の仲間となることでしょう。しかし、うまく扱うことができなければ、その膨大なボリューム感に圧倒されてしまうことになるでしょう。
ここでの目標は、全ての行動を分析できるようにするということではありません。見込み客が、あなたのWebサイトで次に何をするのか予測できるようになることです。分析を行うためには、あなたが今何が分かっていないのか、もしくは何かしらテストしたい理論があるのかをハッキリとさせておく必要があります。
例えば、あなた独自のバリュー・プロポジションを振り返ったとします。この段階で、プラットフォームがトラフィックを得られているのか知っておく必要があります。トラフィックが得られていないのであれば「僕が解決したい問題を分かりやすく伝えられていないか、適切なサービスを見込み客に与えられていないか」と仮説を立てることができます。
この仮説に対しての答えを得るためには、見込み客の分析を行う必要があります。分析で得た結果を参考にしてみましょう。データには様々な側面があるため、圧倒されてしまいやすいです。一般的に、あなたのようなプラットフォーム・ビルダーには、Webサイト上から得られる3つのデータにフォーカスすることをおすすめします。3つのデータとは、
- トラフィック
- エンゲージメント
- コンバージョン
のことです。
#1. トラフィック
トラフィックとは、つまりWebサイトにアクセスしているユーザーの数を指します。これは、あなたのリーチを計測する尺度です。ソーシャルメディア、メール、検索トラフィックなど、あらゆるメディアを通じてどれだけの人にリーチできているのかがよく分かります。トラフィックを見れば、どれだけの人がアクセスしているのかだけではなく、最も人気のある記事は何かや、人気のあるコンテンツは何かについて知ることもできます。
#2. エンゲージメント
エンゲージメントは、誰かがあなたのWebサイトにアクセスした後に発生することにフォーカスしているものです。これを分析することで、あなたのコンテンツが、Webサイトを訪れるユーザーのために、どう役立っているのか測ることができます。例えば、ユーザーがサイトを滞在する時間の多くをブログ記事に費やしている場合、そのブログ記事に興味を示し、読んでくれていることを表します。
一方で、もしあなたのWebサイトに多くのトラフィックがあるにも関わらず、滞在時間が短かったとすれば…例えばユーザーの多くが、5〜10秒ほどしかサイトに滞在していないとすれば、あなたがWebサイト上で提供しているコンテンツに、ユーザーが興味を示していないことが分かります。もしくは、あなたがコンテンツの価値を上手く伝えられていないのかもしれません。
#3. コンバージョン
そして、コンバージョンは言うなれば最終目標のようなものです。通常、Webサイトのコンバージョンというのは、あなたが目標設定したアクションを正常に完了したユーザーの割合を表します。アクセスユーザーがあなたのWebサイトやブログ上でどのようなアクションを起こしてほしいのか、明確にしましょう。
あなたがプラットフォーム・ビルダーなのであれば、通常はメーリングリストへの参加がコンバージョンで設定するアクションなのではないでしょうか。もしくは、AmazonなどのようなEコマースのサイトならば、ログイン後に購入をするという行動が目標とするアクションです。もしかすると、ユーザーが何かしらの商品を購入することを目標に設定しているプラットフォーム・ビルダーもいるかもしれません。しかし、できるのであれば、メーリングリストに入ってもらうことを第一のステップにしたいところです。
とにかく、コンバージョン率を測ることは必須だと考えてください。Webサイトにアクセスしたユーザーのうち、何パーセントがメーリングリストに参加してくれるのか。この確率をチェックすることが大事です。
Google アナリティクスで見込み客の行動をトラッキングする
トラフィック、エンゲージメント、コンバージョンについて、注目すべきデータのバックグラウンドをもう少し説明させてください。もちろん、あなたがプラットフォーム上で扱っているトピックや、サイトの構造に関連した他のデータ領域もあることでしょう。しかし、どのような場合であったとしても、まずはトラフィック、エンゲージメント、コンバージョンの3つに焦点を当てることをおすすめします。
このトレーニングでは、これらのデータを収集する方法をお話ししていきます。これによって、見込み客がプラットフォーム上でどのような行動を取るのか、明確に把握することができるでしょう。
あなたのWebサイト全体をトラッキングするツールとして、おすすめなのはGoogle Analyticsです。もちろん、人々があなたのWebサイトにアクセスしたときに何が起こり、どのような行動を取るのかについて分析できるツールは他にもいくらでもあります。しかし、Google Analyticsはオーソドックスなトラッキング・インフラストラクチャーとして、スタンダードとも呼べるツールです。
何しろ、無料で使えるというのが良いですね。大量のデータを僕らに提供してくれますが、先ほど言った通り、どのデータを見るべきか分かっていれば、関連性のないデータを切り捨てることもできます。データを取捨選択するためにも、サインアップとログインをする前に、あなたが何を知りたいのかを明確にしておく必要があります。
僕のアドバイスに従い、MonsterInsightsというプラグインを使ってGoogle Analyticsをインストールすれば、Webサイト上で見込み客の動きをトラッキングできるようになります。まだ設定をしていない場合でもご心配は要りません。過去のレクチャーを参照してもらえれば、セットアップができるはずです。
Google Analyticsにログインする前に、まずは準備をしておかなければなりません。カスタムダッシュボードを作成すれば、必要なデータだけに集中して他の不要なデータについては無視することができるようになります。デフォルトのGoogle Analyticsは、ユーザーのトラフィックとエンゲージメント数をトラッキングしています。先ほども言った通り、この2つのデータは僕らが注目すべき3つのもののうちの2つです。
Google アナリティクスでコンバージョンを計測する方法
そして、Google Analytics内でコンバージョンをトラッキングする方法が2つあります。念のために申し上げておきたいのですが、コンバージョンを測るための指標は「どれだけのアクセスユーザーがメーリングリストに加わったか」ということになります。
コンバージョンは、通常パーセンテージで表されます。ブログ記事を読んでくれている人が100人いて、10人がメーリングリストに登録してくれたとすると、ブログ記事のコンバージョン率は10%ということになります。
先ほども言った通り、Google Analyticsでコンバージョンをトラッキングする方法は2つ。このトレーニングで紹介する設定方法は、送信先URLを使用したコンバージョン・トラッキングです。これが、おそらく最も簡単な方法でしょう。ただ、最も正確かどうかと言われると、微妙なところです。
この方法の場合、Webサイトの全体的なコンバージョンデータは得られますが、誰がいつあなたのメーリングリストに加わったのか、どこからアクセスしてきたのかを判断することが困難です。他にも、どのブログ記事を読んでいたのか、コンバージョンする前にどんなアクションを取っていたのかについても、分かりません。最もシンプルな方法ではあるのですが、細かいデータがわからないというところが難点です。そのため、集計するような場面で役立つ方法だと言えるでしょう。
先ほどの方法に比べると複雑ですが、最も正確にコンバージョン率を測ることができる方法は、イベントによるコンバージョン・トラッキングです。これは、かなりテクニカルです。イベントによるコンバージョン・トラッキングは、例えば誰かがリンクをクリックしたり、別のページに移動したり、フォームを選択したりすると、それらのアクション1つ1つ記録するものです。
OptinMonsterは、Webサイト上でオプトイン・フォームを作成したり、メーリングリスト自体をプロモーションできる素晴らしいプラグインとしておすすめできます。
OptinMonsterでは、先ほど挙げたGoogle Analyticsのイベントによるコンバージョン・トラッキングを行うことができます。このトラッキングの方法は、全てのオプトインで利用できるわけではないのです。というよりは、ほとんどのツールに、このトラッキングができる機能は付いていません。
そういった意味でも、僕らはOptinMonsterをおすすめしていますし、僕のブログにもリソースを詳しく記載しています。前者の方がシンプルなソリューションだと言えますが、より正確にトラッキングをしたいのであれば、断然イベントによるコンバージョン・トラッキングがおすすめです。
Google アナリティクスの設定方法
それでは、すでに基本的なインストールが完了されていると仮定し、Google Analyticsを使ってコンバージョン・トラッキングをセットアップする方法について、順を追って説明していきましょう。WordPressのダッシュボードから、Google Analyticsを操作していきましょう。
WordPressのダッシュボードで最初にすることは、コンファメーションページ(確認ページ)かサンキューページを作成することです。その前に、簡単に仕組みを説明しましょう。基本的に、Google Analyticsで目標をトラッキングする最も簡単な方法は、誰かが特定のページにアクセスしたらカウントするというものです。
例えば、あなたのWebサイトで誰かがオプトイン・フォームへ入力した後、コンファメーションページかサンキューページにリダイレクトすればいいだけです。そして、Google Analytics上で「誰かが『サンキューページ』へアクセスしたら、コンバージョンとしてカウントし、メーリングリストに登録したと仮定する」と設定すればいいのです。
このようにすれば、Google AnalyticsはConvertKitアカウントと統合する必要がありません。OptinMonsterなど、その他のツールと統合することも不要なので、セットアップが驚くほど簡単です。
先ほど説明した例の通り、第一歩として、まずはページを作成しましょう。
ここでは「サブスクリプション登録完了ページ」とします。もちろん設定次第で、このページには色々なオプションを追加することができます。ひとまず、次のようにメッセージを配置しましょう。
「メーリングリストにご登録いただき、ありがとうございます。メールをお楽しみに。」
メールのオプトインフォームに無料でダウンロードできるリードマグネットが含まれている場合は、このページに追加することもできますし、1通目のメールに添付することも可能です。どちらでも構いませんが、重要なのは、ユーザーがオプトインフォームからメーリングリストに登録した後、常に同じページへリダイレクトすることです。
サンキューページのパーマリンクをアルファベットに変更する
Webサイト上に、多重構造の複数のサンキューページを設けることもできます。例えば、サンキューページとコンファメーションページをGoogle Analyticsに登録し、トラッキングすることができるというわけです。ただ、今回はできるだけシンプルにトラッキングの設定方法を教えたいので、今回は1つのサンキューページだけ設定しておきます。ページを公開しましょう。
ただ「サブスクリプション」という日本語URLの末尾はあまり好ましくありません。これはWordPressのデフォルト設定ですが、なんだか機械的に見えてしまいます。パーマリンクに戻り「post name」に変更したのち、thankyou の文字列を振ります。
これによりURL自体を「ドメイン名/thankyou」のようにすることができます。保存しましょう。
Pagesに戻り、「サブスクリプション登録完了ページ」を編集。スラッグを「thanks」に変えることもできます。それでは、今変えた部分を具体的に見てみましょう。「表示」をクリックすると、非常にシンプルなページが表示されます。特に魅力的な要素はありませんが、URLの末尾が「/thanks」になっていますね。今、ここで確認すべきなのは、この部分だけです。
Google アナリティクスに到達ページを登録する
さて、ページを作成し終えました。Google Analyticsで早速、目標を設定しましょう。デモ用Webサイトのデモ用アカウントにログインしています。Google Analyticsのダッシュボードは度々変わるので、今あなたが見ているダッシュボードとは違うかもしれません。とにかく、そこから探してほしいのは「管理」というエリアです。
「ビュー」の下に「目標」というボタンがあります。「目標」をクリックすると、新しい目標を設定することができます。
様々なテンプレートから選択することができますし、「カスタム」をクリックすれば自分に合わせたものを作ることも可能です。このレッスンで提案している目標とは異なるゴールを設定しているのであれば、「カスタム」を活用することができるでしょう。「カスタム」を選択して、「続行」をクリックします。目標のディスクリプションを入力し、見ただけで判別できる分かりやすい名前をつけてください。今回は「メール登録確認」と名付けましょう。
次に「到達ページ」を選択します。先ほど説明したイベントのタイプが表示されます。どのようなイベントのタイプをカウントするのか設定することができますが、先ほどのものと比べて、少し複雑です。
もちろん、ここでは触れませんでしたが、期間やページ数、セッションごとのスクリーンビューなどを目標にすることもできます。ただ、僕らが測定したいデータではありませんので、割愛します。プラットフォームの成長度を測るために、あなたのWebサイトにいる人の滞在時間や閲覧されたページ数などをカウントする必要があるのであれば、こういった設定で測定することが可能です。ただ、これらは最終目標ではありません。通常、最終的な目標は、誰かがメーリングリストに登録するということです。
はい、ここで「到達ページ」を選択しました。「続行」をクリックし、カウントのトリガーとなるURLを設定しましょう。僕らの場合「/thanks」がトリガーとなるURLです。URLがロードされるたび、そのURLに「/thanks」が含まれていれば、サブスクリプションとしてカウントされることになります。
目標の詳細で到達ページを「先頭が一致」に設定する理由
少しトリッキーな設定をしましょう。「等しい」に設定すると、特定のページのみがカウントされます。これで、もしロードされたURLが「/thanks」と同じで、その後に何も起こらなければカウントされることになります。しかし、これは少し危険な設定でもあります。なぜなら、リンク自体にトラッキング・アドオンがあるかもしれませんし、誰かがリンクの後にタイプミスをしてしまうかもしれません。そうなると、せっかくメーリングリストに登録してもらっても、カウントされなくなってしまいます。
通常は「先頭が一致」で設定することをおすすめします。これは、誰かが特定のページにアクセスしたとき、指定したキーワードがページ名やURLに入っていたら、確実にカウントしてくれるという設定です。難しいですか?もう少し簡単に言うと「先頭が一致」に「thanks」を設定しておいて、URLに「thanks」を使えば、それでちゃんとカウントしてくれるということです。
1カウントごとの金銭的な価値を設定する必要はありませんが、具体的に「購読者1人あたりいくらの収益」などと分かっているのであれば、設定してみても面白いでしょう。例えば、購読者1人につき100ドルの金銭的な価値が発生するとします。そのように入力してみましょう。次に「Save」をクリックし、終了です。これで最初の目標を設定しました。
Google アナリティクスの挙動をリアルタイムレポートで確認する
次に、このカウントがきちんと機能しているのかどうか確認しましょう。実際にテストし、リアルタイムレポートを作成しましょう。これは、とても面白いです。Webサイト上のユーザーのライブレポートが見れますね。実際の動きから1分ほど遅延していますが、それでも十分です。
デモ用Webサイトなのでトラフィックはありません。アクセスしてみて、カウントされるか見たいだけです。リアルタイムのコンバージョン・データでは、まだ0ですね。誰も登録していないことがわかります。
新規タブでサンキューページにアクセスしてみましょう。このページでは、誰かがWebサイト上のフォームに入力し、内容を送信した後、サンキューページにジャンプするようになっています。これは、ConvertKitやあなたが使っているメール・オプトインのフォームサービスの中でカスタマイズ設定ができるはずです。
送信先のページもカスタマイズできますが、僕はまだ設定していないので「ドメイン名/thanks」にジャンプしてみます「サブスクリプション登録完了ページ」がロードされていることが確認できました。
Webサイトに、1人のユーザーがアクセスしている状態です。そして、コンバージョン率が100%になっていることがわかります。1人のユーザーがアクセスし、その1人が「サブスクリプション登録完了ページ」に移動したため、100%になったというわけです。
まとめ:いますぐ見込み客をトラッキングする仕組みを構築しよう
トラフィックが増えれば、コンバージョン率も変わってくるでしょう。ひとまず、ここではコンバージョンの設定がきちんと機能していることがわかったので、それで十分です。今後のトレーニングレクチャーでデータを見るときには、常にWebサイト全体で何人のユーザーがサブスクリプションへの登録を完了したかという結果を測定することになります。
これでトラッキング・インフラストラクチャの設定は完了です。以前は、プラットフォームにトラッキングシステムを組み込むのには複雑なソフトウェアが必要でした。その上、数十万円もの費用をかけてハードウェアを用意しなければなりませんでした。しかし、今では無料ですぐにトラッキング・インフラストラクチャを構築することができます。当時の僕は、そんなこと信じられないでしょう。
Google Analytics自体についてや、トラッキング・インフラストラクチャなどについて質問がある場合には、下のコメント欄で教えてください。
Google Analyticsでユーザー・データをトラッキングし始めたら、次のレクチャーでそのデータをどのように分析していくかについて見ていきましょう。