ジョイントベンチャーの働き方の基本はリモートです。
お互いに離れた場所で仕事をすることになります。もちろん都内に住む人同士で組むのであれば比較的会うのは簡単でしょう。でも僕の場合は、石川県どころか日本にすら滞在していないし、海外でも一ヶ月おきに住む場所を変えていますから、もう会って作業するなんてのは不可能です。
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確かに会って作業をすると効率が上がります。特に何かの決断をするときはお互いに同じ空間を共有していた方がいいでしょう。あと、写真撮影であったり、対談動画の作成もやはり会った方がいいですね。それ以外の時間は、むしろ会わない方が効率がいいとすら僕は思っています。
アポイントメントというのは非常にエネルギーを消費する作業です。まず予定を覚えておかなきゃいけない。次に移動をしなきゃいけない。今度、パートナーの山田さんと根本さんがわざわざ金沢市に来てくれるんだけど、それはもうはるばるやってくるわけです。遠い遠いところから。きっと早起きしなきゃいけないし、チケットの予約もしなきゃいけない。駅のプラットフォームで電車を待っていなきゃいけない。人と会うというのは大きなコストを投下する活動だから、しっかりとリターンを明確化しなきゃいけない。そうじゃないと、ただのコミュニケーション中毒のおじさんたちになってしまう。
しっかりといい絵を撮るためにも下見が必要な場合だってあります。行ってみてダメだったというのはあっちゃいけないことですから。単純な話、今回ミーティングする3人の延べ時給が3万円だとしたら、3日間で3万円 X 72時間 = 216万円の時給が発生することになります。果たしてミーティングがそれだけのリターンを生み出せるかを見極めなきゃいけない。こういった時間あたりの成果を高める意識がダイレクトに生産性に繋がっていきます。
僕は今までこういうインターネットビジネスを長くやってきて、生産性について思うのは、まだまだ新しい概念なので改善の余地がたくさんあるということでした。ドラッカーは「組織というのものが最近の発明であるために人はまだそれらのことに優れるに至っていない。」と言います。会社っていう存在がまだまだ新しいものでしょ。だからみんな何もわかっていない、ということです。
生産性についても同じことが言えます。伊賀泰代さんが「生産性」というその名の通りの本を出しましたが、丸々一冊本にされてようやく僕たちはその重要性に気づくわけです。
伊賀さんは本の中で日本の工場での仕事は極めて生産性が高いと言います。1分以内にどれだけのものを作り上げられるかをストップウォッチで計測するわけだから、それは生産性が上がっていきます。日本の車生産におけるリードタイムが短いことは世界でも有名なことです。一方、日本のホワイトカラーの人たちは生産性の意識がなさすぎると言います。それが原因で世界とは戦えられないとまで言います。
ホワイトカラーの人は成果が定性的で、どのインプットとどのアウトプットがどのようにして連動しているか見えにくい点もあります。だからこそ、可能であれば成果物を定量的に計測できるものに変えて、短い時間でどれだけの成果をあげられるかを計測しながら仕事をする必要があります。
このインフォ業界の人たちは「どの方法なら儲かるか?」ということばかり考えて、新しくLINEをやってみたり、インスタグラムをやってみたり、SNSで無意味に人と繋がったりしています。ブラックなSEOを試してみたり、メルカリで不用品を販売してみたり、ブログにApple製品の記事を書いてみたり。コンサルタントやマーケターを名乗る人たちが、今日行ったレストランの写真をアップしてブログを書いているのを見て「果たしてこの人の本業はうまくいっているのだろうか?」と訝しげに思ってしまうのも仕方のないことです。彼らには圧倒的に「生産性」という概念が抜けているのです。
インターネットビジネス、特にフリーランスをやる人たちに「生産性」というコンセプトはまだまだ浸透していません。
ジョイントベンチャーにだって生産性の概念は必要です。リモートに仕事をするわけだから、結局はこれまでの自営業と同じく、1人で自宅かスタバで作業をするだけです。ある時は、動画を撮影してみたり、ある時は、ブログを書いてみたり、ある時は、適当にスカイプをしてみたり。果たしてどれだけの人が「生産性」を意識してジョイントベンチャーの仕事を進めているでしょうか。
ここにいくつか、生産性を高める秘密を紹介します。これはダイレクトに生産性に繋がる内容なのでよくよく聞いてください。
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利益を出す
利益は成果です。それ以外の成果はありません、ジョイントベンチャーにおいて。お互いのスキルアップとか、お互いの親睦とかそんなのはどうでもいいです。利益が出ればスキルアップもできるし、親睦も深まります。利益(あるいは売上)以外の成果はありません。ジョイントベンチャーやビジネスの生産性は、次の2つで決まります。
生産性 = アウトプット(利益) / インプット(投下した時間)
どれだけ短い時間でどれだけ大きな利益を上げられるか、全てはこれに集約されるわけです。となると、生産性を上げたければ、無条件に利益を出さなきゃいけない。利益の出ないビジネスで生産性を計測することは不可能ですから。利益が出るビジネスモデルにおいてようやく、じゃあどのくらいの時間を投下してそれを達成すればいいか?という視点が出てくるわけです。この点を忘れちゃいけません。
ジャンル選びで失敗しない
ビジネスに絶対はないとか、あるいはビジネスで確実に成功する方法はないとか、とりあえずはそういった雛形表現は忘れてください。規模感にもよりますが、僕らみたいに2人や3人が寄り添って、デジタルコンテンツで月々100万円前後の売上を出す仕組みを作ることはそれほど難しいことではありません。月々1000万円レベルのビジネスを作れるのであれば、もしかしたら何らかのリスクを背負って、不確定な要素がある中で決断した結果、失敗してしまったということはあるかもしれませんが、僕らくらいの規模感でビジネスをやる分にはかなりの精度で成功確率を高められます。
もうセンスのない人はどこまでもセンスがないんだけど、ジャンル選定においてとにかく失敗している。
確かにそのジャンルが儲かるかどうかを検証する(バリデーション)方法はあります。だけど、そんなのは感覚値で分からなきゃいけない、ぶっちゃけ。センスというか、普通にその業界にいて周りを見渡しながら「ああ、なるほどこういうのが儲かるんだな」というのが感覚的に分からなきゃいけません。そういう自分の感覚を信じきれないから「1日で2000万円儲かるブラックハットSEOを知りたいですか?」的なオファーに騙されるわけです。
ジャンル選びの基本は2つです。
- 大きなマーケットの一部を取りにくく
- 海外でうまくいっているモデルを模倣する
この方法で大体の場合はうまくいきます。さて、このvideocreation.cloudですが、これはどちらでしょうか。これは大きなマーケットの一部を取りにいっています。Udemyでお金を儲ける方法をまだ誰も教えていないから、僕たちがそれを作ることにしました。海外で実際にUdemy Course Creation Masterclassというコースがそれなりの成功を収めているのを知っているので、検証済みのジャンルです。
早めにローンチする
マーケティングの世界にはプロダクトアウトとマーケットインの発想がありますけど、僕はプロダクトアウトが好きです。先に商品を作ってしまい、後からお客さんを説得し購入してもらう。でも最初からうまくいっているモデルを模倣していることが多いし、すでにお金が大量に流通している分野に参入するので、お客さんがいないなんてことはありません。初めてマクドナルドが世の中にバーガーを売った時は、それはそれは大変だったと思います。バーガーの存在を認知させる努力が必要でした。でも今は、みんなバーガーの存在を知っています。だから二番手、三番手に参入したバーガーキングとかモスバーガーとかはそれほど苦労なく成功できたと思うんです。それと同じ。僕たちもすでにフラグシップが開拓してくれたジャンルに後発組として参加するからこそ、簡単に成功できるんだと思うんです。
しかも今は商品のローンチまでのスピードが異常なくらい早くなりました。だからいちいちマーケットを調べるよりも、すぐにローンチして商品して直接マーケットに聞けばいいと僕は考えています。で、もし想像通りの反応が返ってきたらスケールをすればいい。
みんな市場調査という古い言葉に固執しすぎです。そんなことに時間をかけるくらいならすぐにコンテンツをローンチすればいい。その方が成果につながります。
僕の好きな言葉を紹介します。
フリーマン・ダイソン(宇宙物理学者、プリンストン高等研究所教授)の言葉です。
実際にやってみることです。(模擬でなく)実際の問題を解決するために努力することです。その過程で、一体何を学んだらいいかがわかります。非常にたくさんの人たちが、何年も大学や大学院で時間を使っています。サイエンスのビギナーになるために、まずすべてを学ばなければならないと思うからですが、それは間違いです。実際の問題に挑戦すべきです。そうすれば、学ばなければならないことはそれほど多くないと気づくはずです。
そうそう、みんなマーケットインしすぎ。とりあえずプロダクトアウトしてしまえば、やらなきゃいけないことってそれほど多くないってことがわかると思います。
小さく始める
早めにローンチするとほぼ同義です。早めにローンチして反応が悪ければサンクコストが小さいので、ダメージは小さいです。撤退したとしても投下したコストはそれほど大きくなりません。同様に小さく始めることで、もし失敗した時のダメージを抑えられます。覚えていますか?生産性は、アウトプット/インプットで計算されます。投下したコストあたりの成果(利益)が生産性です。当然ですが、小さく始めれば、インプット量は減ります。生産性を上げたければ、ただ単に利益を出すだけではなく、もう一つの視点、少ないインプットで成果を出すようにすればいいのです。
そのためにも、やはり早くにローンチすることで、小さく始めることができます。1万時間投下してようやくローンチできる・・・みたいな商品やセールスファネルはリスクが高すぎます。それで成果が出なかった場合、生産性は著しく低いと言えましょう。
無駄に何度も会わない
インターネットビジネスのいいところは、リモートに働けるがゆえに生産性がとんでもなく上がることです。成果につながらない移動時間や生産性の低い飲み会をしなくてもいいので、具体的な利益が出た時の生産性は非常に高い。
確かにジョイントベンチャーパートナーの先生と親睦を深めるのは重要です。できることであれば1回や2回ほど会って、同じ釜の飯を食うのもいいでしょう。でもそれが継続的に行われるのは良くないと思うんです。少なくとも生産性の観点からは。
morefree.me のビジネスモデルを完成させるために僕と根本さんがリアルで会ったのは一回だけです。LPの写真に挿入する撮影を行うために石川県に来てもらいました。
あとはGoogleのHangoutを使ってやり取りをしながら有料コンテンツを作成し、リリース。このジョイントベンチャーの案件を持ちかけたのは2018年の1月だったと思います。僕は沖縄県の本部町に住んでいました。そこにあるロッジから根本さんに連絡をして、よしじゃあやってみようと。結局ローンチしたのは7月でしたから半年くらいかけてゆっくりと作った印象です。これは6ヶ月間集中的にやったというよりも、あくまでもサイドビジネスを育てるようなイメージでお互いの空き時間を使いながら、作ったモデルです。
それでもローンチ後はすぐに売上が計上され、なんだこんなに簡単に儲かるならもっと早くローンチすればよかったと僕は思ったほどです。
ちなみに山田さんとのvideocreation.cloudは、もっとスパンが短いです。これは山田さんが率先してコンテンツを作ってくれたおかげで驚くほど早くにローンチすることができました。ジョイントベンチャーすると決まったのは9月の頭から半ばくらいでした。僕は確かタイにいたはずです。「じゃあ一緒にやった方がいいんじゃないですか?」という軽い感じで、2人がパートナーシップに合意をしました。ローンチが12月の頭なので、こちらは3ヶ月ほどでローンチまで漕ぎ着けました。4つの商品をこんなに早くローンチしたのははじめてです。
とはいえ僕たちにはこれまで何年もかけて蓄積してきたノウハウがあったし、これまで出してきたコンテンツという下敷きがあったからこそ、それなりにボリュームのある商品を、クオリティを保ちつつ作れました。僕たちは何かを追加で調べたわけでもなければ、追加で学習したわけでもありません。僕たちの経験と知識と実績をベースにしてコンテンツを作ったからこそスムーズにコンテンツを作ることができたんです。
この山田さんとのジョイントベンチャーも、morefree.me 同様に1度しか会っていません。ローンチ前のすり合わせと、撮影、LPの作成のために会いました。
第三者の目を入れる
早めに商品をローンチするのは第三者の目を入れるためでもあります。第三者の目。つまり当事者である僕たちの利益とは関係ない人たちです。具体的にはマーケットやお客さんが第三者にあたります。ジョイントベンチャーパートナー同士であれば、仮に厳しくお互いのコンテンツを監視していたとしてもどこかに甘えが入ったりあるいは遠慮して言えなかったりと、ビジネスモデルの欠陥を見つけるのに時間がかかってしまいます。
一方のマーケットは正直です。ビジネスモデルがしょぼかったら「売れない」という現象を目の前に突きつけてくれます。これがマーケットの反応です。たまに「お客さんからの反応がありません」という人がいますけど、マーケットが興味を示していないという十分すぎる反応があるではありませんか!大学の講義室で、最近の学生は眠ってばかりで反応がないと教授がごねたとします。でもそれは学生からの反応を見過ごしているにすぎません。学生たちは「あなたの授業はクッソつまらない」という反応を寝るという行為で示しているだけなのですから。
とにかく自分たちのやっていることが正しいかどうかを見極めるために早めにローンチして、できるのであればローンチ前から既存客にデザインや商品のラフ案などを見せて、評価をしてもらいましょう。
僕は初めてUdemyに参入する人にいつも同じことを言いつづけています。まずはミニコースを無料でリリースしてみてくださいと。あるいはUdemyのテスト審査に出してみてくださいと。そうやって本番あるいは疑似本番の状況を体験することで、第三者の目線を入れることができ、たくさんのリアルな課題を浮き彫りにすることができるからです。