今日はあなたがスムーズに会員制サイトのローンチを行う際におすすめのベータ・ローンチについてお伝えします。ベータ・ローンチはローンチの中で最も簡単な方法です。多くの起業家は「完成してからローンチしよう」と考えてしまうためにいつまでもローンチできないという事態に陥りがちです。ベータ・ローンチはそれを防ぐのに最適な方法です。初めから本番の会員制サイトをローンチするのではなく、ベータ版からスタートしましょう。
今回のレクチャーではベータ・ローンチに成功した4人の事例を通して、押さえておくべき3つの事柄を説明します。ベータ・ローンチは会員制サイトが未完成でも行えること、期待を管理すること、透明性を保つことについてです。どのパートもあなたがベータ・ローンチを行う際に重要なのでしっかりとついて来てください。
今回お届けするノウハウはこちら
- 会員制サイトを作ってすらいなかった木村さんのベータ・ローンチ
- ベータ・ローンチのウェビナーでは会員制サイトのビジョンと参加したメンバーの将来像を示す
- ベータ・ローンチの参加者だけが会員制サイトを構築するプロセスの目撃者になれる
- 初期メンバーだけの優遇価格「グランドファザー・プライシング」
- 木村さんのベータ・ローンチにはウェビナーの参加者200人中180人が参加した
- 6人目の子どもを妊娠中に119人ものベータ・ローンチ参加者を獲得したジェイミー・スワンソン
- ベータ・ローンチを行う上で重要なのは期待を管理すること
- 【実はたくさん失敗していた】横山さんのベータ・ローンチ成功事例から学べる教訓
- 正しい理解も壮大な計画も不要、勢いをつけてローンチしよう
- ベータ・ローンチを行う際は初期メンバーの参加者数を制限する
- 透明性が重要~ベータ・ローンチは荒削りで未完成であることを明確に伝えておく
会員制サイトを作ってすらいなかった木村さんのベータ・ローンチ
僕がここで言うベータ・ローンチというのは、少人数のグループでローンチをすることです。実際に会員制サイトを動かしてみなければ、準備ができているかどうかなんて分かりませんからね。最初から本番通りのローンチをするのはリスクが高いです。だからメンバーの数を限定して、限られた条件の中で運営してみることがおすすめです。
ベータ・ローンチの完璧な例を紹介しましょう。以前、僕がコンサルティングをしていた木村さんです。彼からある日電話があった時のことを今でもよく覚えています。あれは6月でした。彼は電話でこう言いました。
聞いてください。僕のオンラインコースはもう200人も受講者がいるんですが、彼らのほとんどがもうコースを修了してしまっているんです。それで彼らから頻繁に『早く次のコースを出してくれ』とか『他にも教わりたいことがあるんですが』とか、催促の連絡が来ます。でも、僕にはもう何もネタはないし、どうすればいいんでしょうか。
僕はこう言いました。「絶対、会員制サイトを立ち上げるべきだよ」と。オンラインコースや少人数のコミュニティやグループなどでのコーチング経験があるなら、それらのサービスの受講者はすでに会員制サイトに入会する準備ができているのです。受講者はあなたからもっと何かを教わりたい、そう考えているのです。
僕は続けて木村さんにこう言いました。「木村さん、今こそ会員制サイトをローンチしよう。今が絶好のチャンスだよ」と。
彼は僕の言葉を聞いて不安げにこう言いました。「会員制サイトか…もちろんいずれローンチしてもいいんだけど、今すぐっていうのは難しいですよ。何も準備もしていないんですから。」
その言葉を聞いて、僕は待ってましたとばかりに「じゃあ、ベータ・ローンチをしよう!」と言いました。彼はベータ・ローンチの意味をよく分かっていないようでした。ここからは僕が木村さんにアドバイスした内容と木村さんが実行したこと紹介します。
ベータ・ローンチの場合、会員制サイトがパーフェクトである必要はありません。実際、木村さんの場合は会員制サイトを作ってすらいなかったのですから。しかし、ベータ・ローンチで絶対に抑えるべきポイントもあります。それは、会員制サイトをどのように進めていくのかというビジョンを明確に示すことです。
ベータ・ローンチのウェビナーでは会員制サイトのビジョンと参加したメンバーの将来像を示す
木村さんは僕の言葉を聞き、ウェビナーを開催しました。ウェビナーには200人が参加し、彼がこれからメンバーを募集する会員制サイトがどのようなものになるのか、どうやってメンバー同士が交流するのか、それに応じてどのように互いにサポートしていくのかというビジョンを説明しました。彼はそれ以外に会員制サイトに参加したメンバーの将来像についても、詳しく話しました。
一方で、木村さんは正直に会員制サイトの完成度について、ウェビナーの参加者に打ち明けました。「見ての通り、まだ会員制サイトすら出来上がってないんです。デザイナーが作ってくれた設計図はあるけれど、サイトにはなっていません。」
彼がウェビナーで示したのは、会員制サイトに参加することでメンバーはどんなことが可能となるのかというビジョンでした。そして、そのビジョンに向かうためのプロセスに参加するよう、ウェビナーの参加者に訴えかけたんです。
ベータ・ローンチの参加者だけが会員制サイトを構築するプロセスの目撃者になれる
木村さんはこうも言いました。この表現はあなたがベータ・ローンチをする時にも使えるので、ぜひこのページをブックマークしておいてくださいね。
僕が探しているのは、このビジョンを実現するのを手伝ってくれる少人数のグループです。希望者に参加してもらい、僕らが望んでいるコミュニティを一緒に作っていきたいんです。そして、参加する中で感じたことをフィードバックやアイディアとして提供していただき、本番のローンチでより素晴らしいものになるようにしていきましょう。
・・・これがベータ・ローンチと本番のローンチの違いです。ベータ・ローンチの参加者と共有のコミュニティを作り、本番のローンチに向けて会員制サイトを仕上げていくのです。ベータ・ローンチの際には、この点をよく押さえた上で行うようにしてください。
ベータ・ローンチに参加したいと思う人の多くは、会員制サイトの成長と構築という重要なプロセスの一部になりたいと考えています。木村さんはそういった思いを持つ人たちをうまく集め、会員制サイトを仕上げることに成功しました。まさに、彼がウェビナーで伝えた理想のビジョンを実現する少人数のグループが誕生したのですから。
初期メンバーだけの優遇価格「グランドファザー・プライシング」
木村さんはウェビナーに集まった人たちにスペシャル・オファーを行いました。「本番のローンチ後は月額5,400円で提供しようと考えています。しかし、今日ここで初期メンバーになってくれるという人には、それよりも安価な値段で参加してもらえるようにします。ベータ・ローンチに協力してもらった人は、本番のローンチ後も特別価格で優遇いたします。」と。
ウェビナーの参加者としても、これはかなり嬉しい申し出だったはずです。オンラインコースに参加して次のコンテンツを待ちわびていた人たちですから、会員制サイトに優遇価格でいつまでも参加できるのなら絶対に参加したいと思うでしょう。
ところで、木村さんがここでやったのはグランドファザー・プライシングと呼ばれるリテンション戦略のうちの1つで、プライシングを上げる際にも既存の顧客に対しては据え置き価格でサービスを提供し続けるものです。ベータ・ローンチでもグランドファザー・プライシングは非常に有効なので、いずれ詳しくお話しをしようと思います。
木村さんのベータ・ローンチにはウェビナーの参加者200人中180人が参加した
いずれにせよ、木村さんがベータ・ローンチを行う際にやったのは、ここまでお話ししてきたようなことです。彼はウェビナー後に一定の期間を設け、見込み客からのベータ・ローンチに参加するかどうかの意思表明を待ちました。
先ほど、木村さんはベータ・ローンチを説明する際のパーフェクトな事例だと言いましたね。その理由は、彼のウェビナーに参加した200人のうち、180人が参加したというところにあります。
彼はベータ・ローンチのサブスクリプション費用を月額3,000円で設定しました。何度も言いますが、まだ会員制サイトすら完成していないサービスです。それでも、多くの見込み客が参加を決めたのです。そして、そこからの展開は早く、最終的に月額5,400円の会員制サイトが完成しました。
彼はウェビナーでハッキリとこう言いました。「さっきも言った通り、僕はまだ会員制サイトすら作っていません。でも、あなたがこのベータ・ローンチに参加してくれるなら、会員制サイトを作って一緒にビジョンに向かっていくことができる環境を提供することを約束します。」と。
彼は会員制サイトの完成に1ヶ月半は掛かると見込み、それまでの間、コミュニティを1つにするため、互いに交流する特別な機会を持つことに決めました。しかし、重要なのはそういったことではありません。それよりも、彼がベータ・ローンチに参加することで受け取れるベネフィットを強調したことに注目してください。
ベータ・ローンチで提供するサービスは、本番のものと比べると明らかに荒削りです。しかし、先ほども言った通り、メリットもあります。1つは初期メンバーだけの優遇価格です。グランドファザー・プライシングの観点で言えば、その後、どれだけサブスクリプション費用が上がろうと、安価で参加し続けることができます。この戦略を活用して成功を掴み取った人たちは他にも大勢います。
6人目の子どもを妊娠中に119人ものベータ・ローンチ参加者を獲得したジェイミー・スワンソン
ジェイミー・スワンソンは、フォトグラファーのための会員制サイトをローンチしました。ちょうどその頃、彼女は6人目の子どもを妊娠していました。そのため、出産後はしばらく会員制サイトに顔を出すことすらできないという状況でした。彼女はそのことも含めてこう言いました。
会員制サイトはまだ完成していないですが、完成させることを約束します。また、出産直後はなかなか顔も出せませんが、落ち着いてからは会員制サイトの運営に尽力します。それに、ベータ・ローンチに参加してもらえればそのまま据え置きの価格で利用ができますよ。
これにより、彼女は出産後に会員制サイトの運営ができないにもかかわらず、119人ものベータ・ローンチ参加者を獲得したんです。彼らはもちろん、ジェイミー・スワンソンが一定期間、顔を出すことができないということを了承していました。
重要なのはベータ・ローンチをうまく管理することです。そうすれば本番のローンチで起こりうるストレスやプレッシャーを極限まで下げることができます。ベータ・ローンチを行えば「この会員制サイトは完璧じゃないからこそ、完成までのプロセスに参加したい」「ベータ・ローンチ参加者限定のメリットを受け取りたい」と考えるメンバーが集まってくるものです。そうすれば、100%完璧なサービスを初めから提供するというプレッシャーはなくなりますよね?
ベータ・ローンチを行う上で重要なのは期待を管理すること
それでは、ベータ・ローンチを行う上で重要なことを確認しましょう。1つ目はここまでお話ししてきた通りビジョンを明確に示すこと、2つ目はメンバーからの期待を管理すること、3つ目は自分自身の期待を管理することです。
「期待を管理する」とは? メンバーだって、自分だって、ローンチの際には「完璧なサービスを作りたい、受け取りたい」と考えてしまうものです。しかし、そういった思いに囚われてしまえばしまうほど、本当の意味での成功を掴み取ることはできなくなります。完璧なものを一発で作ろうとするのではなく、失敗しながらでも前に進むことによって少しずつ完成度を上げていくことが重要です。実践だけが真実と成功するための知恵を与えてくれるのです。
会員制サイトというのは生き物です。不完全な会員制サイトでも、運営してみればそこから多くのことを学ぶことができるはずです。「完成してからローンチしよう」というのでは、いつまで経ってもローンチなどできません。だから、僕があなたに望むのは、あなたの期待をうまく管理するということです。物事は常に完璧ではないのです。それを理解して、ベータ・ローンチを通して、完成度を少しずつ上げていきましょう。
ベータ・ローンチをする会員制サイトは、あなたや見込み客の期待するものとは異なるかもしれません。求めるものすべてをカバーできていないかもしれません。しかし、ベータ・ローンチをすることで勢いよくスタートを切り、収益を生み出すための素晴らしい一歩を踏み出すことができるでしょう。ベータ・ローンチに参加してくれた初期メンバーとともに、あなたと彼らが望む理想型に近づいていってください。
そういえば、僕が10年近く運営しているサブスクリプションの週売り上げが200万円を突破しました。毎週毎週、200万円前後の会費が入ってくるのは言葉では形容できないほどの安心感と幸福感を僕たち家族にもたらしてくれています。今はここまで育ってくれた会員制サイトもスタートはベータローンチからでした。ベータローンチの時に入ってきてくれたお客さんには特別価格を提示するとともに、会員制サイトの構築を手伝っていただきました。色々とアイディアを出してもらい、どういうふうに改善すればいいかを教えていただきました。
【実はたくさん失敗していた】横山さんのベータ・ローンチ成功事例から学べる教訓
さて、ベータ・ローンチには素晴らしい成功事例がたくさんあるのですが、その中でも紹介しておきたいのが横山さんの実践です。実際のところ、彼は会員制サイトのベータ・ローンチ以前にもいろいろなプロダクトを出していましたが、なかなか会員制サイトに踏み出すことができませんでした。
もちろん彼には何千人もの見込み客などいませんでした。彼が持っていたのは、400人のメーリングリストと300人のFacebook Groupだけです。しかし、いざベータ・ローンチを発表すると、最初の月に75人もの見込み客が参加してくれたのです。初めてのベータ・ローンチにしては、かなりの勢いがあったと言えるでしょう。
彼の実践の面白い点は、ベータ・ローンチで行ったすべてのことをドキュメント化し、詳細に記録していたところです。リソースタブで彼がベータ・ローンチのプロセスで行ったすべてのことが書かれたドキュメントファイルがありますので、ぜひ参考にしてみてください。
横山さんのベータ・ローンチは大成功でしたが、ドキュメントを見てみるとたくさんの失敗をしていることも分かります。この実践例から学べることは「正しいことをする必要はなく、ただただ行動を起こすことだけが重要である」という一つの真実です。この言葉は、2004年に友人のから教えてもらった言葉です。そして、友人はこの教訓を恩師から教わったそうです。つまり、時代を超越する重要な教えだということです。
正しいことをする必要はなく、ただただ行動を起こすことだけが重要である
正しい理解も壮大な計画も不要、勢いをつけてローンチしよう
正しく理解する必要は一切ありません。アクションを起こすしかないのです。そして、ベータ・ローンチこそ、この言葉を具現化したアクションなのです。
あなたはすでに壮大なローンチ・プランを作っているかもしれません。でも、初めてで経験のないうちからそんなに大きなことをする必要なんてないのです。僕を信じてください。
僕があなたにしてほしいことの1つは、会員制サイトをローンチするまでのプロセスに勢いをつけることです。そして、実際に収益が発生するベータ・ローンチほど、勢いと感動を与えてくれる実践はありません。
ベータ・ローンチは、ローンチの敷居を下げるために僕が考え出したアイディアです。コンサルティングをしていても、ローンチするタイミングで皆さん躊躇されます。元々お金を生み出すつもりコンサルティングに参加されたはずなのに、いざローンチしてお金を生み出すタイミングになると皆さんびびります。
クライアントさんがローンチを回避するために創造する言い訳が本当にクリエイティブです。
- まだ見込み客が少ないからまずはポッドキャストをやってリストを温めるところからスタートしたいです
- ベータ・ローンチで優待価格を用意すると質のお客さんが集まるから踏み切れません
- コンテンツがまだ完成していないから全て揃ってからローンチしたいです
それらクリエイティビティを、ローンチ後にいかしてください、と僕は皮肉を込めていいます。ベータ・ローンチをしてからでないとわからないことはたくさんあります。それらをを事前に予測することなどできないのです。クリエイティブに起こっていない問題を想像するよりも、まずローンチして実際に起こった問題を対処する方がよっぽど早くビジネスを前進させてください。
ベータ・ローンチを行う際は初期メンバーの参加者数を制限する
他にもいくつか考慮してほしいことがあります。ベータ・ローンチを行う際には、初期メンバーの参加者数を制限することをおすすめします。ジョナサンミリガンの事例を紹介しましょう。
彼はベータ・ローンチの参加者数を50人に限定しました。実際のところ、それ以上の応募者が集まったのですが、それでも宣言通り50人の定員数に絞ったそうです。このように定員数を限定することによって、見込み客の間に「何としても50人の枠に入らなければならない」という切迫感を生み出すことができます。
ジョナサン・ミリガンがベータ・ローンチの通知を出したのは600人程度と比較的少なめでしたが、それでもベータ・ローンチの発表後、48時間以内に定員に達しました。ベータ段階でのサブスクリプション費用は2,000円でしたので、彼は2日間という短い期間で10万円の経常収益を得たことになります。そして、ベータ・ローンチでのフィードバックを通し、より収益性の高い会員制サイトをすぐにローンチしました。
この事例からも分かる通り、ベータ・ローンチにはたくさんのメリットがあります。完璧なものをローンチしたいという気持ちはよく分かりますが、その気持ちだけではいつまで経ってもローンチはできませんし、いざローンチをするときのプレッシャーは計り知れません。
ベータ・ローンチでビジョンを描き、期待を管理すること。これさえできれば、スモールステップかつ最速で成功を掴み取ることができるわけです。
透明性が重要~ベータ・ローンチは荒削りで未完成であることを明確に伝えておく
最後に注意点を押さえておきましょう。常に透明性を保つことを意識してください。ベータ・ローンチはあくまでベータ版なので荒削りで未完成のものであることは伝えなければなりません。これさえ伝えておけば、大丈夫です。
大規模かつ本格的なローンチに向けて勢いをつけるために、ベータ・ローンチはかなり有効です。今回のレクチャーを聞いた人の多くが、ベータ・ローンチを実践してくれることを願っています。
もし質問があれば、いつでもコメント欄に書き込んでください。また、リソースタブにあるドキュメントなども活用してくださいね。見ていただければ、ベータ・ローンチについてより多くのアイディアを得ることができるかと思います。