今回のレクチャーでは、オープン・マーケティングについてお話ししていきます。オープン・マーケティングとは名前の通り「常にカートが開かれたマーケティング」を指します。いつでも商品が買える状態のAmazonやコンビニはオープン・マーケティングを採用していると言えます。
オープン・マーケティングによる会員制サイトは、常に見込み客に対して開かれているため、色あせず、長い間集客に貢献してくれますし、それによって、会員制サイトへの登録を促すことも可能です。ただし、常に開かれていることによる難しさもあります。以下で、オープン・マーケティングを成功させるコツを紹介します。
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見込み客に「今すぐに購入しないといけない」と思わせる
僕の経験上、オープン・マーケティングを成功させるには、見込み客に「今すぐに、この会員制サイトに登録しなければならない」という理由を持たせる必要があります。実は、この点を理解していない人はかなり多いです。そしてそれが、オープン・マーケティングに失敗する人を数多く産んでいる理由でもあります。
僕が「登録する」と言った時、それが意味するのは「会員制サイトにお金を払い始める」という意味です。無料で登録することを意味していません。
「今すぐにでも登録しないといけない」。オープン・マーケティングを行いながら、この感覚を見込み客に持たせるのは、とても難しいですね。なぜなら、いつだって登録できるのがオープン・マーケティングによるサイトであり、裏返すとそれは「今すぐ登録する必要がない会員制サイト」だからです。しかし、見込み客が登録を先延ばしにした瞬間に、彼はあなたの会員制サイトに永遠に登録することはなくなります。
「気になるからお気に入り登録に入れておこう」なんて思っていても、絶対に忘れられます。これが、お気に入り登録された会員制サイトの運命です。あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。あ、これは役に立つかもしれない!と思って登録したYouTubeチャンネルの99%は見ていないでしょう。僕も同じです。
それでは、なぜオープン・マーケティングをするべきなのでしょうか。それは、一部の市場においては、非常に理にかなった戦略でもあるからです。見込み客に登録する理由さえ与えれば、成功させることができる手法なのです。
毎月新しいプロモーションを行う
見込み客に与えるべき「登録する理由」とは、具体的に何なのでしょう。どうすれば、オープン・マーケティングに登録するきっかけを与えられるのでしょうか。
とてもシンプルな答えがあります。それは「毎月新しいプロモーションを行う」ことです。その月に配信するコンテンツを中心に据えたプロモーション展開です。
例えば「この期間に登録すれば、このコンテンツを利用できますよ」というような売り文句を打ち出します。そうすれば、プロモーションに切迫感が生まれますね。今月のテーマは「いつもカモられて損している人のための行動経済学入門~奴らの手口、全部教えます~」です、このコンテンツを見たければ今すぐ入会してください・・・とオファーします。ちなみにこれは勝間塾2020年1月の月例会のテーマです。
他にも、その月の登録者限定で特別な特典を提供する方法もあるでしょう。
これはオランダの保険比較サイトです。オランダでは健康保険は民間の会社が運営しています。数ある保険会社から自分に合ったものを選ばなければいけません。当然ながら保険はどのタイミングでも加入できますのでオープン・マーケティングを採用していますが、彼らは定期的に電動歯ブラシを特典につけます。「今月保険に加入されると、ブラウンのオーラルBを特典としておつけします」と。ボーナスを与えることでオープン・マーケティングに今登録する理由を与えられるのです。
一見すると常にオープン・マーケティングを採用しているコンビニやAmazonでも、頻繁に期間限定のキャンペーンをやっていることに気づきます。コンビニは企業や芸能人とコラボして期間限定のお弁当を作るし、Amazonはプライムセール、サイバーマンデーセール、クリスマスセールなどの大型プロモーションを実施します。彼らも理解しているのです。締切を設けることで売上が伸びることを。
もしかしたら「毎月新しいプロモーションや特典を用意するなんて、あまりにも大変じゃないか」と思う人もいるかもしれません。しかし、心配する必要はありません。事前に12個の特典を作るのは大変かもしれませんが、それ以降は例年同じようにマーケティング・キャンペーンを計画すればいいだけです。
「毎年同じプロモーションを、各月で繰り返すだけ」と考えると、理にかなっていると思いませんか。たったそれだけで、オープン・マーケティングに緊急度と切迫感を与えることができるのです。それだけの苦労をする価値は絶対にあります。そう、これこそがオープン・マーケティングです。
オープン・マーケティングに適した市場を選ぶ
オープン・マーケティングを運用すること自体は、表面的に見ると手間がかかるように思うかもしれません。登録ボーナスを毎月更新し、プロモーションを変更し、継続的に切迫感を生み出す必要があるのですから。そのため、オープン・マーケティングを実行するのは、このマーケティングに適した市場だけで構いません。
例えば、子育て系の会員制サイトを運営しているとしましょう。ターゲットとなる見込み客は、第一子を産もうとしている親です。もし、あなたがクローズド・マーケティングしか行っていなかった場合、限定した期間に登録できなかった親はどうなるでしょうか。次の登録期間には、すでに第一子を産み終えていて、あなたの会員制サイトに登録する理由はなくなってしまいます。つまり、このような見込み客がいるのであれば、オープン・マーケティングは非常に有効だということです。
オープン・マーケティングが適するかどうかは、市場によりけりなのです。コンビニのおにぎりが期間限定で年間3日ほどしか販売されていなかったら困る人も多いでしょう。
ただ、オープン・マーケティングを基に会員制サイトを運営している人は実際に大勢おり、あなたの会員制サイトにも適用できる可能性は大きいはずです。
子育てに関することや、医学的な問題に関することの情報を求めている人は、すでに切迫感を抱えています。すぐにでも情報がほしいと感じている人が見込み客なのであれば、オープン・マーケティングは役立ちます。もし、そのような人が見込み客にいないのであれば、今後お話ししていくクローズド・マーケティングを参考にしてください。
まとめ:適した市場で見込み客に「登録する理由」を与える
それでは、オープン・マーケティングについての話をまとめていきましょう。
第一に、オープン・マーケティングを成功させるためには、見込み客に登録する理由を与えることが重要です。理由がなければ登録してもらうことはできず、あなたのサイトに登録することは二度とないでしょう。
第二に、オープン・マーケティングには適したマーケットと、適さないマーケットがあります。あなたの会員制サイトがオープン・マーケティングに適しているかどうかは、見込み客がどれくらい切迫しているかによります。切迫していればオープン・マーケティングは有効ですし、そうでないならクローズド・マーケティングの方が適しているかもしれません。
別のレクチャーでクローズド・マーケティングについてお話しています。これは、僕のお気に入りの戦略です。なぜなら、大きな結果を得ることができるからです。ぜひチェックしてみてください。それでは次のレクチャーでお会いしましょう。