昨日ちらっとセックス&キャッシュ理論というキーワードを出した。これはHow to be creativeの著者であるヒューマクラウドが、その本の中で紹介している「働き方」についての理論だ。
これ、六本木ヒルズの裏ルートにある聖なる光。(って、今命名した)
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ドラッカー研究会
僕は大学1年生のときから札幌の「ドラッカー研究会」なるものに所属しており、会計士の先生や経営者の方々の中に1人ポツンと茶髪を混じらせていたことがある(我ながら、とても失礼なことをしたと思っている。茶髪はないわ・・・マジで)
で、「実践するドラッカー」のベストセラー作家であり公認会計士の佐藤先生はその勉強会でこんなことを教えてくれた。「ドラッカーは好きなことは仕事にすべきではないと言っています」と。
正直、当時は「えー、さすがにそりゃないでしょー。現実的すぎない?」と思ってしまった。だけど、ある程度「社会」なるものを経験し、事業を回してきた経験から言って「佐藤先生その通りです」と前言をすぐさま撤回し、修正できる。
僕の経験則から言ってもそうだ
ドラッカーがそう言って、尊敬する佐藤先生がそれを紹介してくれて、最後に僕が最もクリエイティブだと思う人間であるヒューマクラウドがそう言うんだから、「まあ、そうだよね」以外の言葉は出てこない。何より、僕の経験則から言ってもそう思うからだ。
好きなことを仕事にしちゃいけない。「マジかよ」って特に若い人たち(って僕より若い世代って10代じゃん)は思うかもしれない。だけどこれは確固たる事実だから、疑うことはやめてまず鼻をつまんで丸呑みすることからはじめて欲しい。
セックス&キャッシュ理論はその名の通り、生きるってことは「セックス」と「キャッシュ」の二つに分けられるよってことを教えてくれる。
まずセックス
まず「セックス」。これは精神的満足を満たしてくれるSexyな活動だ。だからセックス。もちろん精神的満足を満たしてくれるSexyな活動の典型は性行為(セックス)なんだけど、他にも絵を描いたり、本を読んだり、映画を見たり、ジェットスキーに乗ったり・・・と言ったあらゆる行為がこれに含まれる。(以下で「セックス」という言葉を使った時、それは精神的満足を満たすためのセクシーな活動だと思って欲しい。彼女との夜の営みは「性行為」と書くことにする。便宜上)
次にセックス
次に「キャッシュ」。これは社会的評価を得て収入(キャッシュ)をもたらしてくれる活動だ。だからキャッシュ。つまり生計を立てるための、いわば生業(なりわい)たるものがこれにあたる。広告代理店の人なら、広告枠を売ることがそれにあたるし、コピーライターならキャッチコピーを書くことがそれにあたる。
たぶん新卒から3年くらいたった人は分かってくると思うんだけど、精神的満足度と社会的満足度は一向に交わらないってことが分かってくる。自分が心の底から「サイコー」って思うことと、社会から評価されるってことは別のことなくらい、少し社会人をやれば分かる。
好きなことを仕事にしよう?
だけど書店にいくとどうか?「好きなことを仕事にしよう」みたいな論調の本を腐るほど出版されている。一見すると魅力的なアイディアに聞こえるけど、よーく考えてみて欲しい。まず、なんで好きなことを仕事にする必要がある?好きなことは”純粋に”好きなこととして自分の中に秘めさせておくことの何が駄目?そんなに仕事が大事?やっぱり好きなことすらも「金」に結びつけなきゃ気がすまない?
僕からすると「好きなことを仕事にしよう」っていう人は、そーとー金が好きな奴に見えてしまう。「マジかよ、好きなことまで金に繋げてしまうんかい!」って。
本業で十分な収入を得ていたら、わざわざ好きなことを仕事にしなくてもいい。
仕事にすると面倒なことを出てくる
実際に仕事にすると面倒なことがたくさん出てくる。たとえばお客さんからのクレーム。趣味で書いていたら誰も文句を言ってこないのに、仕事にするとクレームが入る。「この部分を直してよ」って感じに。
もともと生業として絵を描いているならそれでいい。お客さんからのクレームは利益に繋げるための改善の機会だ。だけどそれが好きなこととしての絵描きであるなばら、クレームが来たら腹が立つ。
仕事にした途端に「顧客」という視点が入ってきてしまう。趣味には「顧客」はいない。喜ばせる対象は自分自身だからだ。
そろそろ分かってきたと思う。なぜ精神的満足と社会的評価が異なるかってことが。そしてこれらが交わらないってことが。
セックスは自分の心が喜ぶものだ
セックスは自分の心が喜ぶものだ。セックスは社会からの評価がいらない。もちろんいちいち金にする必要もない。もし好きなことを仕事にしようと思っている人がいるならば、自分のパートナーとの性行為をfc2やxvideoにアップロードしたらいい。そこに広告を貼れば、余裕で「好きなことを金にできる」。
だけど、ほとんどの人はしないでしょう。すぐにわかるもん。パートナーとのセックスは金にためにやってるんじゃないってことに。もしそれに気付けない人はそうとう悲しい人だと思う。
精神的満足を満たすセックスと、社会的評価であるキャッシュはすっぱりと分けてしまおう。
セクシーな活動に割く時間は少なくなってしまう
ここで1つの問題が出てくる。それは精神的満足を満たすセックスは、キャッシュにある程度依存するということ。つまり収入が低いと、セクシーな活動(セックス)に割く時間は少なくなってしまう可能性があるということだ。
もちろんお金に掛からないセクシーな活動もあると思う。だけど、セクシーな活動をする際に払っている対価は金銭対価だけじゃないってことに気付かなきゃならない。そう、時間という対価だ。いくらタダの遊びをしようと思っても、キャッシュのフローが悪ければ、働くのに忙しく、セクシーな活動をする時間がなくなってしまう。
ゆえに、セックスの活動時間を増やしたければ、キャッシュを充実させなきゃいけない。時間アタリの収入を上げる必要がある。これがセックス&キャッシュ理論の根幹だ。
魔法の打ち手?
面白くもなく、手取りも少ない様な仕事をやっている人にとって「好きなことを仕事にしてお金を稼ぐ」なんて着想はいかにも魅力的で、「面白くない」「手取りが少ない」の両方を一挙に解決してくれる魔法の打ち手に感じられるかもしれない。
だけど、それはB層(頭の悪い人たち)を狙った出版社の戦略だ。本を編集しているエディターだって、その仕事を面白い!と思いながらやっているわけじゃない。もちろんそれを書いている本人も「ダリぃわ、マジ」とかいいながら本を書いている。
まあそんなもんですよ。
ゆっくりと理解できる
このセックス&キャッシュ理論について話すと、それだけを独立させてあと4〜5ポストくらいいけるんだけど、見ている側はたぶん飽きてくる。だからエッセンスだけをここでお伝えすることにする。
でも大丈夫。このセックス&キャッシュ理論はイグノアな生き方のコアな部分を占めるものだし、これから僕が連載するイグノアな生き方を購読し続けるだけで、セックス&キャッシュ理論のディテールも理解できるはず。これからポストされる内容の隅々にこの理論が生きているから、一見するとセックス&キャッシュ理論とは関係ない話を聞いているように感じられるかもしれなくても、ゆっくりと理解できるようになる。
うん。今日はそんな感じ。お腹も減ってきたところだしね。
ということで、次回がお金に関してのラスト。お金に関してのポストが終わったら、次に働き方について語ってみようと思う。
以上!!
文責:石崎力也
追伸1:今日3度寝した。なんか3秒で落ちてしまう。8時間くらい寝たのに。
追伸2:ミスチルのボーカル桜井さんは週4で音楽をやり、週3でサッカーをしている。これがセックス&キャッシュ理論だ。