今年1月のS君の結婚式に出るのがギリギリだった。知っている人は小中学校の数人だったので、まだ自由な頃の自分を知っている人だけだった。でもあの4,5人の知り合いが一緒にいれるマックスの人数。僕は同窓会にも結婚式にも基本的に出たくない。応用的にも出たくない。(笑)
僕が絶対に同窓会に出たくない理由の一つはRemember who you areという座右の書にある「Reunion」に啓発されているから。この本は編集が少し変わっていて、ハーバードMBAの教授陣がセメスター最後に各自のもてるベストオブベストのハナシを迷えるHBS生達にプレゼントする慣行があり、それらを集めた。つまり名書を持つ各教授陣が「50分ほど、あなたの持っている一番大切なお話をして下さい」と言われて出したものの寄せ集め。つまりベストオブベストオブベス・・・みたいなやつ。
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日本語にも訳されていて、札幌にいた時にこの本を10回以上繰り返し読み、アメリカ留学した時にとうとう原書を1ドルでAmazonマーケットプレイスで手に入れた。激動の留学生活を支えてくれたのもこの一冊だった。キャリア形成で迷っている人は一回読んでおいた方がいい。僕の後輩によく「力也さんのオススメの本を教えて下さい」とか聞かれて、いつも(てきとーに)「いたこニーチェ」「14歳からの社会学」とか答えているんだけど、3冊目をあげるとしたらこれかな。
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Reunionに書いてあるのをざくっとまとめるとこんな感じ。
5年後の同窓会には行くな。そこに焦点を当てた瞬間に、より簡単な基準、つまり地位や名声や給料を基準にしてキャリア形成をしてしまう。本当は下積み時代が長く続き低所得だが、やりがいのある仕事を選びたいが、同級生のピアプレッシャー(「え?なんでそんな給料安いの?」とか)が働いて、本来自分がやりたい仕事につけなくなる。10年後の同窓会にもいくな。15年後も20年後も。25年後の招待状が来たら?それは行ってもいいかもしれない。
この20年間は同窓会に出るなという思し召し。(笑)
でもそのくらいキャリア形成に時間がかかり、プロフェッショナルとして、本当の意味での成功(つまり自分の心の従ったキャリア形成)をつかみ取るには周りの目など気にしてしまう環境に身をさらしてはいけないということ。ここに僕はひどく感銘を受けてしまった。
僕が同窓会に出たくないのはそれだけじゃない。他にも理由がある。その筆頭が、「過去の石崎力也を維持しなきゃいけない」ということ。100人の同級生に会えば100人の同級生に「石崎は変わった」と言われる。それは僕の収入をさしてのことか、住んでいる場所をさしてのことか、思考そのものが変わったといいたいのか定かじゃないけど、とにかく変わったって言われる。
そんなの言われると、過去の自分を維持しなきゃいけないみたいで面倒くさいじゃん。現に僕はこのFacebookをやっているだけでも『無言の圧力による相互監視』みたいなものを感じる。まあビジネス的にやっているから、別に感じてもいいのだけど。『無言の圧力による相互監視』については以下の本をオススメする。
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「ああ、こんなこと書いたらA君は嫉妬するだろうな」とか、「こんなこと書いたら東大のY君はまたプライベートメールとメッセージをスパム的に送ってくるんだろうな」とか。別にどーでもいいけど。
そーゆー人とはもう一生会う機会はないんだろうけど(僕が避けているから)、でもいつまでたってもこのピアプレッシャーは感じ続けると思う。もちろんそれが僕の行動にまで影響を与えると判断したらすぐにSNSなんかやめるんだけど、今はビジネス的にもうまく使えているから使い続けるんだけど・・・。
でもこれがFacebookじゃなくて同窓会だったら?絶対に僕は一時的な村八分にあう。たぶん六本木にオフィスを構えているって言うだけで、飯を奢らされたりしそう。(僕はFmiznからいつも奢ってもらっているからいいけどさ)
そんなのめんどくさい。過去の石崎力也を維持しなきゃならない環境に自ら飛び込むなんて、なんて阿呆くさい行為か。それなら僕は海に行く。あるいは自慰行為をして、会えない彼女の裸を想像する。この文量のブログなら20分で書き上げられる。なら、ブログを書くかもしれない。そして余った時間でスキルを磨く。それがいい。たぶん間違ってないはず。
石崎力也(おしっこしたい!)