どうも石崎です。またバイク漕ぎながら書いています。このジムに来るまでに「何が彼女をそうさせたのか」というオーディオブックを聴いていました。人妻ホテヘルのドキュメンタリーみたいな感じ。もちろん人妻にもスペクトルがあって、下は20代の若い女性から上はお婆ちゃんまで。作中に登場した最年長は73歳でしたが、正直辛かった。50代や60代の性行為描写で十分シンドイのになぜか老人なのか、僕にはちっとも理解できませんでした。
男性はお婆ちゃんと叫んで吐精するそうです。僕の知っている性癖の定義がかなりアップデートされました。2.0から4.0みたいに。超大型のメジャーアップデートです。興味ある人は読んでみてください(聞いてみてください)。本橋信宏が著者さんです。
ちなみに作中のお婆ちゃんと叫んでいっちゃう男性は10代だそうです。ここは未成年の遊ぶところじゃないよと注意しても「22歳だ」と言い張るそうです。お婆ちゃんじゃないとオーガズムに達しない背景があるんです。詳しくは作品をお読みください。
僕が10代の頃。例えば高校生の時は何をしていたでしょうか。バイトとボクシングとギャンブルですね。高校3年間は学校への反発から1分も勉強しませんでした。バイトは頑張りましたよ。高校時代に様々なバイトを経験したため、大学生になってからやりたいと思うバイトがなくなるほど。(だから仕方なく起業したんです)
ベットメイク、焼肉屋、キッチン、ライブの会場設営、引越、解体、印刷、電話の販売などなど。
人生で最初のバイトはテレアポでした。
「お忙しいところ申し訳ございません、金沢大学教育学部の石崎と申します。お母様はおられますか」
というマニュアル台詞を何度唱えたことでしょう。家庭教師の無料体験を勧めるいわゆるテレアポのバイトでしあ。基本給は1000円で、成約件数に応じて時給が伸びていきます。高校生の頃から虚言癖のあった僕は、妄想と紙一重のストーリーを繰り出しながら、バンバンと成約しました。研修期間でいきなり時給1700円を勝ち取ったのは僕が初めてだそうです。これは虚言ではありません。
コツは?って他のバイトさん(先輩のおばちゃんとか、大学生)から聴かれてもなんて答えればいいかわからない。いや、それは嘘です。商売道具なので教えたくなかっただけです。本当は必勝法があるんです。これ、コピーライティングを勉強してようやく自分のやっていたことが理解できたんです。その時は感覚的に処理をしていただけ。
何をやったか?
簡単です。成約の取れる地域に絞って電話をかける。ただそれだけ。
商圏は北陸三県でした。百均に売ってそうな紙閉じに「石川県 金沢市」とか「福井県 鯖江市」と書いてある名簿が机にバーって並んでいるんです。先に結論を言うと、人口の多い場所は成約が取りにくい。金沢市は北陸三県で、大都会なんです。大都会にはビジネスがたくさん集まる。もちろん同じようなテレアポの業者もたくさんあります。大都会のお母さんたちは「叩かれて」強いんです(これ業界用語なんですか?)。
「こんにちは。家庭教師の石ざきで」
「結構です!」ガチャ
って感じ。電話を切るのが早い。
一方、富山県の過疎地域は成約が楽なんです。「あぁこんなにお話を聞いてもらって申し訳ないねぇ。あれ、あなた何で電話してきたんでしたっけ?」「家庭教師の無料体験です」「そうでしたね。じゃあ今度の土曜日とかどうですか」みたいな流れで簡単に成約します。
力也くんまた富山県なのかい、と社員さんにも言われるくらい富山県を集中的に狙い撃ちしていました。あとは福井県の過疎地域と、石川県の能登地方も、僕の縄張りでした。
ここで一つテレアポの思い出を。
奇声あげるお母さんから、長話が好きなお母さんまで、人それぞれです。自分の知っているお母さんなんて、自分のオカンと友達の母親くらいですから、いい意味でテレアポのバイトは「世の中にはいろんなお母さんがいる」ことを思い知らされました。
一方で、人の考え方は一律であることにも気付きました。誰がそのセリフを吹き込んだの?と聞き返したくなるほど、お母さんのレスポンスは一律です。特に多い断り方が「勉強だけできる子になんてなって欲しくないので」というもの。
その通り。だけど勉強すらできない子もダメじゃないですか?と何度聞き返そうと思ったか。自論を展開しても成約に繋がるわけではないので、わざわざ言いませんでしたが。
人生はお金だけじゃない、も同じですよね。その通り。だけど、そのお金すら稼げないなんてすげぇダサいですよね。1日に8時間も働いておきながら、人生は仕事だけじゃないなんてのもおかしな話です。
こういった主張の裏に隠れる強烈なコンプレックスを見抜くのがダイレクトレスポンスマーケティングの基本です。発言の文脈を理解するんです。なぜ相手はそれを言わずにはいられないのかを瞬時に見抜く。この技術に長けてしまうと、正直儲かります。
そして日本人と会話するのが辛くなります。その理由はここでは言いません。わかる人はわかるはずです。
勉強だけできる子を育てちゃダメです。
人生はお金だけではありません。
仕事だけでもありません。
その通り。
その通りだからこそ、僕は辛くなるんです。そして海外に逃亡する。Yahoo!のコメント欄を見て、ビジネスチャンスと発言者の文脈を見つけてアンビバレントな思いをするのが、もう懲り懲りなんです。
嗚呼、暗い雰囲気になってしまった。悲しけれ。
こんな話をするくらいなら、10代と70代の情交を尺いっぱいに延ばして書けばよかったかも。いや、それはそれで萎える。ほんと、すいません。
石崎力也拝