どうも石崎です。
今日はおとなしくオフィスにいます。
従ってこの文章も机の上から。
どうも体があったまってこないので、書きたい内容もスラスラとは浮かんできません。
今日は「確実なものを増やす」というお話をしようと思います。
よく自己啓発のセミナーや書籍にあるワークの中で「仮に制限がなかったら何をしたいですか?」という質問が投げかけられます。あなたもありません?こういったワークに参加して、質問に対する答えを考えたこと?
僕は何回もあります。その度に違った答えが出てきます。ある時は宮古島のオーシャンビューホテルで2年間ほどゆっくりしたいとか。ある時は優秀なプログラマーと一緒にWebサービスを立ち上げたいとか。その時の気分や、直近に読んだ本に左右されることが多いですね。あぁ、自分ってどこにあるんだろう?と思う瞬間です。きっと僕のような人間は、自分探しの旅に出て帰ってこれなくなるような種族です。この種族の特徴は、自己主張が弱い割には他人の意見に同調することを嫌い、少しでも他人との相違点を見つけると優越感に浸るタイプです。
この「仮に制限がなかったら?」という条件は面白いですね。お金もある、時間もある、人脈もある、情報もある、やる気もある、技術もある。そんなあるあるの状態。いいですね。僕にあるのは時間くらいです。人脈もない、情報もない(意図的に遮断している)、やる気ない(働きたくない)、技術もない。金は家族と旅行する程度くらいならある。まるでオセロの四隅を取り、一気に盤面の色を変えるように「ないないない・・・」が「あるあるある・・・」に変わるんでしょ。すごいじゃん。
たぶん僕らのような普通の人間は、あるいは普通よりも少し優れていると自覚のある人たちは、ないないないの状態でもないし、あるあるあるの状態でもない。きっとのその中間くらいで、ないものとあるものがバランスしている。しかし気持ちの中では「あるもの」の数を少しずつ増やしてゆきたい。ちょっとお金があると嬉しい、ちょっと時間があると嬉しい、ちょっとスキルがあると嬉しい・・・てな感じで。
こういった確実なものを増やす作業は、神様がプログラムした人生ゲームの一部なのかもしれません。なるほど、確実なものが増えるとチャレンジする気が起こります。先ほど自己啓発セミナーで頻繁に問いかけられる質問を紹介しましたが、きっとその質問はチャレンジを促すために存在しているんじゃないかな。制限がなかった、どんなことにチャレンジしたいのかい?ってね。
普通の家庭で育った僕には縁遠い話ですが、もしも自分がビルゲイツの子供だったら、とにかくいろんなことにチャレンジできるのではと思うのです。ちょっと想像してみてください。生まれた時から、お金がある、時間がある、人脈がある・・・。いったい何をしたいでしょうか。なんか何でもできそうな気がしてきますよね。
もちろんこんな仮定話には意味がありません。できることは、確実なものを地道に増やしてゆくだけです。コツコツとスキルを身につける。そのスキルをマネタイズする方法がわかった。自由にマネタイズできるようになると、時間が余るようになった。余った時間で、自分の幸福度を最大化する趣味も見つけた。確実なものが一個一個増えていくわけです。確実なものが増えれば失敗した時のリスクは小さくなります。失敗したとても大体の着地点は見えている。だから新しいことに挑戦できる。
挑戦はワーキングプアには難しいことです。今後、格差社会が広がりその日暮らしの人たちが増えると言われています。その日暮らし人には確実なものがありません。なんとか今日を生きていくためのお金と食料がかろうじてあるだけ。精神も安定しません。こんな状態の人たちに挑戦しろとかイノベーションを起こせとは口が裂けても言えませんね。
ここに確実なものを増やすための戦略があります。キーワードは「分散」です。
一つの収入口しか持たない人よりも収入口を分散させた方が、確実性は増します。スキルも然り、人脈も然り、情報も然り。確実性は安定性とも換言できましょう。
もちろん中途半端な収入口ではダメです。お金が入ってくるかどうかは、その月になってみたいとわからない・・・では心細いのです。向こう1年間くらいは、まあなんとか月々5万円くらいは安定して入ってくるだろう・・・というくらいで丁度いい。そんなポケット(収入口)を6個くらい用意しておけば、なんとか家族を養っていくことはできそうです。少なくとも収入口が月額30万円のサラリーだけという人よりも安定性がありそうです。
スキルも分散させた方がよさそうです。2000年前半のフィリピンでは、男はエンジニア、女は看護師になればリッチになれると教えられていたそうです。確かにフィリピンの看護師さんって最近までは重要な当国の輸出品目の一つでした。でも今は明らかに供給過多。エンジニアも看護師も仕事がない。だからレアジョブとかに応募して、日本人や韓国人に英語を教えている。その時代で稼げると思われていたスキルが、今では稼げない。こんなのはよくあることです。日本でいうと、英語とかプログラミングのスキルがちやほやされていますけど、今から習得したって遅い。どちらも習得までに時間のかかるスキルですから、運良く習得したとしても、今ほど重宝されることはまずないでしょう。英語やプログラミングのスキルをマスターするために今の仕事を辞めて、1年や2年投下するのは非常にリスキーな選択です。やはりスキルも分散させた方がよさそうですね。
収入口を分散させる、スキルを分散させる、人脈を分散させる・・・。
確実なものを一個ずつ増やし、余裕が出来てきたらチャレンジをする。人生の安定性を確保した上で新しいことに挑戦する。
たぶんこれが手っ取り早く自分の人生にイノベーションを起こす、地道だけど確実な方法なんだと思います。