あなたはオンラインコースを販売する起業家やフリーランスで、いつでも買える状態にもかかわらずなかなか売れなくて困っていませんか?ここでは、顧客の購買意欲を高め、売上が一気に集まる「クローズド・カート戦略」の効果と具体的な実践方法をお伝えします。
多くの人は、通年いつでも購入できるようにしておくのが親切だと考えがちです。しかし、それがかえってお客様の先延ばしを助長し、購入意欲を低下させてしまう落とし穴になっています。ここからは、いつでも開いている便利なコンビニ状態から抜け出し、年に数回しか門を開かない伝説の城のように、顧客が「今しかない!」と殺到するクローズド・カート戦略について詳しく解説します。
今回お届けするノウハウはこちら
「いつでも買える」が購買意欲を奪う、人間の2つの本能
クローズド・カート戦略を理解するには、まず人間の購買行動を支配している2つの本能について知る必要があります。これらの本能を理解することで、なぜ販売期間を限定することが効果的なのかが明確になります。
本能1:先延ばし (Procrastination)
1つ目の本能は先延ばしです。人間の脳は緊急性のないタスクを自動的に後回しにするようにできています。いつでも買えるという状態は、脳に対して今やらなくてもいいという言い訳を与え続けることになります。明日でもいい、来週でもいい、来月でもいい。そうやって永遠に購入のタイミングが先送りされていくのです。
実際、「いつでも買える」状態でコースを販売していたものの、見込み客からの問い合わせは多いのに実際の購入にはなかなか繋がらなかった、という事例は少なくありません。興味はあるけれど今すぐに買わなくてもいい、という心理が働いてしまうからです。これは非常にもったいない状況だと言えるでしょう。
本能2:損失回避 (Loss Aversion)
2つ目の本能は損失回避です。人は、何かを得ることの喜びよりも、何かを失うことへの恐れや痛みをより強く感じます。

たとえば、100万円を得た時の嬉しさよりも、100万円を失った時のショックや後悔の方がずっと大きいのです。
この「損失を避けたい」という心理は、マーケティングにおいて非常にパワフルな働きをします。販売期間を限定することで、「この機会を逃したら二度と手に入らないかもしれない」という不安や焦りを見込み客に感じさせることができます。その恐れが、最終的な購入の決断を後押しする大きな原動力になります。
クローズド・カート戦略は、先延ばしと損失回避という人間の2つの本能を巧みに活用します。販売期間を限定することで、今行動しなければならないという強い緊急感を作り出し、見込み客の先延ばしを阻止します。また、この機会を逃してしまうかもしれないという損失への恐怖心が、最後の決断を後押しします。
実際、僕自身もローンチ最終日に多くの方が駆け込みで申し込む様子を何度も目にしてきました。人の本能を理解し、その心理をビジネスへ応用することこそ、マーケターとして結果を出すための重要なポイントです。
あなたのローンチを社会現象に変える3つのメリット
クローズド・カート戦略を導入すると、あなたのビジネスには具体的にどんな変化が起こるのでしょうか。ここでは3つの大きなメリットを紹介していきます。
メリット1:売上が一点に集中し、予測可能になる
1つ目のメリットは、売上が特定の時期に集中し、将来的な売上を予測しやすくなることです。通年でだらだら売るのではなく、年に数回のローンチ期間に売上の大部分が集まります。そのため、売上の見通しが立てやすくなり、計画的かつ安定した事業運営が可能です。
この「売上の予測ができること」は、ビジネスの土台を強くするうえでとても重要な要素です。なぜなら、広告にどれだけ予算をかけるか、スタッフをどのタイミングで増やすか、あるいは新しい商品やサービスの開発にどれほど投資できるかなど、経営上の重要な意思決定に自信を持って臨めるようになるからです。逆に、いつでも買える状態のままだと、毎月の売上が不安定になり、こうした判断が難しくなってしまいます。
メリット2:あなた自身のエネルギーを最大化できる
2つ目のメリットは、自分自身のエネルギーを最大限に活用できることです。販売期間とそれ以外の期間をしっかり分けることで、オンとオフの切り替えが生まれます。販売期にはセールス活動に集中し、それ以外の期間は受講生のサポートやコンテンツの改善、さらには自分自身のリフレッシュや休養の時間にも充てられます。
常に「売らなきゃ」と気を張っている必要がないため、精神的な消耗や燃え尽きのリスクも大幅に減らせます。起業家やフリーランスにとって、自分のエネルギーを効率よく配分することは事業を長く続ける上で欠かせないポイントです。ローンチ期間が明確であれば、そのタイミングだけは全力で取り組み、終わった後はしっかり休息を取ることができるので、メリハリのある働き方を実現できます。
メリット3:社会的証明とバンドワゴン効果を最大化する
3つ目のメリットは、社会的証明とバンドワゴン効果を最大限に引き出せる点です。販売期間を限定することで、購入した方からの声や「買いました!」といった報告が短期間に集中し、熱狂的なムードを一気に作り出すことができます。この盛り上がりは、迷っている見込み客に「今動かないと乗り遅れてしまう」という強い刺激となり、さらに参加を促す大きな原動力になります。

Appleの新製品発表会は、こうした心理効果を巧みに活用した代表例です。年に数回しか開催されないため、世界中の注目が集まり、社会的な一大イベントとなっています。
バンドワゴン効果とは、多くの人が選ぶものに自分も便乗したくなる心理現象です。ローンチ期間中にSNSやメールで「参加しました!」「申し込みました!」といったリアルタイムの声が続々と投稿されると、「自分も今申し込まないと出遅れてしまう」と感じた未購入者が行動を起こしやすくなります。人は周囲と同じ行動をとりたい、集団から取り残されたくないという本能があるため、この効果を上手く活用することでローンチの熱量をさらに高めることが可能です。
実践!クローズド・カート戦略の基本設計図
ここからはクローズド・カート戦略を実際にどのように運用していくか、その基本設計図を解説します。最初は難しく感じるかもしれませんが、土台となるフレームを押さえておけば誰でも取り組むことができます。
まず大切なのは、年間スケジュールの設計です。おすすめは「年2回から4回」にローンチ(販売期間)を設定することです。あなたの扱う分野やお客様の行動パターンに合わせて、最も動く時期を選びます。
例えば、ビジネス系なら新年度が始まる4月や、仕事の区切りとなる10月。健康やダイエット関連なら「心機一転」の1月や、夏前の5月が適しています。この回数設定では、あなた自身の余力やサポート体制も考慮しましょう。ローンチは短期集中型のイベントなので、多すぎると消耗しますし、少なすぎてもチャンスを逃します。2〜4回がちょうど良いバランスと言えるでしょう。
次に、販売期間(ローンチ期間)の組み立て方です。おすすめは「5〜10日間」です。このくらいの期間が一番売上が高まりやすいことが多いです。売上はオープン直後と締切直前に一気に集中します。初日は「早割」で動きを作り、期間中盤は購入者の声紹介やQ&Aを発信して後押し。そして終盤はカウントダウン演出で、今動かないと買えない!という緊急感をつくります。
典型的なスケジュール例は以下の通りです。

- 1日目:早期割引や特典で初速をつける
- 2〜4日目:実際の受講者の声やFAQを紹介して迷っている人を後押し
- 5〜7日目:カウントダウンを始めて「残り日数」「残り時間」を強調
- 最終日:ラストチャンス感を演出し、購入を強く促す
特に重要なのが「最終日」の盛り上げです。僕の経験では全体の売上の3〜4割が最終日に集まることも珍しくありません。人は締切が見えると本気で動き出すものです。ラスト12時間、6時間、1時間と、リアルタイムで終了を告知していくごとに緊張感も加速します。
このシンプルな型をベースにするだけで、あなたのオンラインコースの販売結果は大きく変わります。はじめから完璧を目指す必要はありません。何回かローンチを重ねる中で、少しずつ自分なりの改善を加えていけばOKです。
まとめ:あなたのコースは日用品ではなく限定品である
ここまでクローズド・カート戦略について解説してきました。最後に要点を3つにまとめました。
- いつでも買えるという便利屋の発想を捨てて、あなたのコースを価値ある限定品として扱うことがマーケターとしての責任である。
- クローズド・カート戦略は単なる販売テクニックではなく、顧客心理を理解してビジネスの価値を最大化するイベントプロデュース術である。
- 販売期間を限定することで売上の集中、エネルギーの最適化、社会的証明の最大化という3つの大きなメリットが得られる。
